◆−ANJYE−斉藤ぐみ (2002/1/20 21:46:26) No.7976


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7976ANJYE斉藤ぐみ E-mail 2002/1/20 21:46:26


久しぶりの投稿です。
去年以来ですね(汗)
この話は、続き物ですので、知らない方は、過去記事を読んでから読んでくれると嬉しいです。
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アメリアが連れ去られ、二日が経った時、知らせを聞いたりナとガウリイはゼルガディスの元に急いだ。
久しぶりに会ったゼルガディスは、目が虚ろでまるで死んでいる様に見えた。
「ゼルッ!アメリアは?!アメリアはどうしたの?!」
リナが、ゼルガディスの肩を揺さぶって質問した。
ゼルガディスは一言、【イルーシェと言う合成獣に連れていかれた…】と、力なく言った。
「なんで?!あんたはなんでそれを阻止しなかったの?!」
「阻止しようとした…だが…ダメだった…」
力なく、またゼルガディスは言った。
「アメリアが…危ない…」
ゼルガディスは、リナ達にアメリアのお腹の子供の事を話した。
これまで何があったのか…自分が言った事、思っている事…アメリアがゼルガディスの声になんの反応も示さなかった事…

しばらくして、すべてを話し終えたゼルガディスは、また力なく項垂れた。
リナの手がわなわなと震えていた。
「ゼルッ!!!!!!」
次の瞬間リナはゼルガディスの事を殴っていた。
「リナ!落ち着け。」
ガウリイは、リナの手を掴み止めさせた。
リナが震えていたのは怒りの為だった。
「アメリアがどんな想いか分かるのっ!あんたとの子供なのに…愛している人にそんな事言われたアメリアの気持ちわかる!??あんたの恐怖も分からないわけじゃないっ!!でもいきなりそんな事…酷すぎ…る…っうぅ…」
リナは、両手で顔を多い、泣きはじめた。
ガウリイは、リナの頭をなでて落ち着かせてやった。
「お前に…何がわかる・・?」
ゼルガディスはゆっくりとリナに向かい、言った。
「俺は、あいつ以外は何ももうないんだっ!唯一の俺の光であるあいつが…死んだら…」
ゼルガディスは、また力なく項垂れたかと思うと今度は薄く笑った。
「お前らは良いな…何も障害がないんだからな…」
クックックッ…と低い無気味な笑いを漏らすゼルガディス。
「いいかげんに目を覚ませっ!ゼル!!!」
ガウリイの活がゼルの笑いを止めた。
これには、ゼルもリナも驚いた。
あまり物を言わないガウリイが、ゼルに向かって叱咤した。
「ガウリイ?」
リナが恐る恐るガウリイを見た。
ガウリイのいつも綺麗なスカイブルーの瞳は怒りと悲哀に満ちていた。
ガウリイはリナの頭に手を置き言った。
「これから、アメリアを探してくる。リナはゼルと一緒にアメリアと子供が助かる方法考えてくれ。必ず連れて帰るから。」
ガウリイはそう言うと、部屋から出ていった。
呆然とガウリイを見送ったりナとゼル。

ゼルガディスは、誰にも聞こえない声でアメリアの名を呼んだ。
「アメリア…」
ゼルガディスの瞳から一滴の涙がこぼれた。


続く