◆−あなたの望みは何ですか? 第十六話−amy (2002/2/11 18:28:37) No.8084 ┣新ツリー発見!−+綺咲+ (2002/2/11 21:28:32) No.8085 ┃┗ヴァレンタインにちなんで、チョコレートムースを、、、、−amy (2002/2/14 19:06:24) No.8102 ┣はじめまして。−春祭あられ (2002/2/12 02:20:43) No.8086 ┃┗春祭さんにはチョコレートサンデーを。−amy (2002/2/14 19:14:26) No.8103 ┗あなたの望みは何ですか? 第十七話−amy (2002/2/15 18:53:25) No.8107 ┣硝子の都、読破達成!!−羅琴みつき (2002/2/16 13:10:51) No.8114 ┃┗硝子の都、読破達成おめでとうございます!!−amy (2002/2/19 18:52:09) No.8130 ┣追われてます(何)−+綺咲+ (2002/2/18 20:32:45) No.8127 ┃┗逃げて!!(笑)−amy (2002/2/19 18:58:47) No.8131 ┣感想ですv−水無月 澪 (2002/2/21 17:38:06) No.8140 ┃┗ありがとうございます♪−amy (2002/2/21 18:34:18) No.8144 ┗あなたの望みは何ですか? 第十八話−amy (2002/2/21 21:50:34) No.8145 ┗あなたの望みは何ですか? 第十九話−amy (2002/3/1 19:53:58) No.8176 ┗あなたの望みは何ですか? 第二十話−amy (2002/3/12 15:22:10) No.8195
8084 | あなたの望みは何ですか? 第十六話 | amy E-mail | 2002/2/11 18:28:37 |
ツリーが落ちてしまいました〜(T_T) あうあうあう、、、、 綺咲さん、ティアさん、レスありがとうございました。 ツリー落ちる前にレス返しできなくてすみません!! こちらにレスのお返しをさせていただきます。 綺咲さん、レス、ありがとうございました。 今度は紅茶とチョコレートケーキでもてなさせていただきます。 ぜひどうぞ(笑)お待ちしております。 2人を少しだけ仲良くする予定もありますので、 どうぞ待っていて下さいませ♪ ティアさん、どうもです。 地獄の進学試験、お疲れ様でした。ゆっくりお休み下さい。 続きをそんなに気にして下さるなんて!感激です! これからも頑張りますうううううううう!!!!! ではでは、生殺しのamy(爆笑)より♪ 注意:これはゼロゼルのシリアス話です。 そういう系統がお嫌いな方は御遠慮下さい。 この注意を無視して御覧になられても、 私は一切責任を取りません。 非難・中傷のメールも御遠慮願います。 ではでは、大丈夫な方はどうぞ♪ ================================== 「貴方が好きです」 人間が口にするその言葉を、ゼロスはゼルガディスに向けて放ったことが ある。 彼は驚いたように目を見開き、立ち尽くした。 あれは、ダークスターとの闘いに勝利し、ゼルガディスがアメリアと違う 道を歩き始めた直後だったように思う。 「獣王様の命令は1、リナさん達を使ってゼルガディスさんを動揺させるこ と。2、負けてしまった場合はそのままとどめをさすこと。3、勝利した場 合は魔族側へ勧誘すること。4、『嫌だ』と答えた場合は僕がゼルガディス さんを殺すこと」 最後の言葉を聞いて、アリシアが弾けるようにその場から俺の所へ走り 寄ってくる。 壁になるかのように俺の前に立ち、ゼロスを思いきり睨み付けた。 「、、、、言ったでしょう。彼に危害を加えるつもりはありません」 「では、4つ目の命令はどうなるんです?」 「獣王様は『嫌だと答えた場合』とおっしゃりました。 ゼルガディスさんは『嫌だ』とは言っていません。 『No』と答えただけですよ。ただ、それだけのことです」 全くの屁理屈を並べ立てるゼロスに、アリシアは疑わしそうな視線を飛ば す。 「、、、、、それで大丈夫なのか、お前は」 「心配して下さるんですか?」 ぽつりとつぶやいた言葉に、ゼロスが嬉しそうな顔で聞いてきた。 思わず失笑し、首を横に振る。 「いいや、不思議に思ったから聞いてみただけだ」 「そんな簡単に否定しないで下さいよ」 「、、、、、、?」 俺達の会話に困惑したかのように、アリシアは眉を寄せる。 その様子に、ゼロスは笑った。 「では、また。できれば会いたくないんですけどね。 今度は敵同士ですから。いや、まあ、会いたいんですけど」 「、、、、そうか」 頷く俺に、ゼロスは寂しそうに笑う。 こいつは、前は笑う以外に表情などなかったくせに。 いつの間にかこうやって人間臭くなっている。 そのお前が俺を魔族に引き込もうとするのだ。 「ゼルガディスさん、、、、」 笑い話にもならん。 「さようなら」 言いつつ、ゼロスは俺を抱き締めた。 空間移動したらしく、前にいたはずのアリシアがゼロスの後ろにいる。 驚いた表情で、アリシアが俺達を見ていた。 「貴方が好きです」 ずっと昔に俺に言った言葉を耳元で繰り返して、ゼロスは俺に口付けた。 軽く、かすめるように。 恐らく、ゼロスの声はアリシアに聞こえなかっただろうし、ゼロスの背が 邪魔をして口付けを見られることはなかったろう。 それでも、俺は気恥ずかしさと怒りで真っ赤になった。 「ッゼロス!!」 叫ぶと同時にゼロスは微笑みながら姿を消した。 アリシアはそれに驚いて(魔族の空間移動を目にしたことがなかったに違 いない)、ゼロスが消えたあたりを凝視している。 、、、、、これが、昨日のことだった。 朝になると、リナ達の姿は過去の姿ではなかった。 あるのは白い、骨の残骸。 「、、、、、やっぱり、死んでいたんですね」 「当たり前だ」 ぽつりとつぶやくアリシアに、俺は強く言い放った。 きっと、アリシアは俺を見て、もしかしたら、と思ったのかもしれない。 もしかしたら、他にも俺のように生きているやつがいるかもしれないと。 無論、そんなはずがない。 おそらくは、ゼロスはリナ達本人の骨を使ったのだろう。 だからああして死ぬ寸前の姿で出現したのだ。 アメリアが成長した姿でいたのも、骨格が16才の時より大きくなってい たから。 どうやったのか、理屈は分からないがそういうことだろう。 「、、、、どうしましょうか」 「そうだな、、、、、、」 4人の骨を見つめながら、俺達はつぶやく。 飛び抜けて大きい骨がガウリイのものであることは想像できるが、他の3 人は背格好が似ていてよく分からなかった。 あんなにも様々な経験を共にし、時間は短くもあれど一生分の体験を感じ たであろうにも関わらず、どれがどれだか見分けがつかない。 そのことに、ほんの少しだけ、悲しみを覚えた。 続く |
8085 | 新ツリー発見! | +綺咲+ E-mail | 2002/2/11 21:28:32 |
記事番号8084へのコメント はうぅ〜ツリーが落ちていたので、ちょっとショックを受けました・・・。 でも新しいのがあって嬉しかったです。 3日も来ないうちに、世界が変化した気が・・・(何) あ、紅茶とチョコレートケーキ有難うございます。 紅茶はダージリンで・・・アールグレイは葉っぱの味がします(笑) それでは、アフタヌーンティーをしながら、小説を読ませて戴きます・・・ >「獣王様の命令は1、リナさん達を使ってゼルガディスさんを動揺させるこ >と。2、負けてしまった場合はそのままとどめをさすこと。3、勝利した場 >合は魔族側へ勧誘すること。4、『嫌だ』と答えた場合は僕がゼルガディス >さんを殺すこと」 ああ、ありがとうゼロス!やっと命令内容を教えてくれたね!! これで私も枕を高くして眠れるってもんです。 そーか、そんな命令を受けていたのか。 ・・・って、「No」じゃなくて「嫌だ」と答えていたら、彼はゼルを殺すつもりだったんでしょうか・・・? >「ゼルガディスさん、、、、」 > 笑い話にもならん。 >「さようなら」 > 言いつつ、ゼロスは俺を抱き締めた。 > 空間移動したらしく、前にいたはずのアリシアがゼロスの後ろにいる。 > 驚いた表情で、アリシアが俺達を見ていた。 >「貴方が好きです」 > ずっと昔に俺に言った言葉を耳元で繰り返して、ゼロスは俺に口付けた。 > 軽く、かすめるように。 > 恐らく、ゼロスの声はアリシアに聞こえなかっただろうし、ゼロスの背が >邪魔をして口付けを見られることはなかったろう。 > それでも、俺は気恥ずかしさと怒りで真っ赤になった。 >「ッゼロス!!」 > 叫ぶと同時にゼロスは微笑みながら姿を消した。 はわぁぁぁぁぁぁっっ 煤i///△////)←赤面 ゼロスったら・・・ゼロスったら大胆!!! (>▽<) あぁ、ちょっと興奮してしまいましたよ・・・。 はい、仲良しじゃなくても、ちょっと嬉しかったです(笑) >「、、、、どうしましょうか」 >「そうだな、、、、、、」 > 4人の骨を見つめながら、俺達はつぶやく。 > 飛び抜けて大きい骨がガウリイのものであることは想像できるが、他の3 >人は背格好が似ていてよく分からなかった。 > あんなにも様々な経験を共にし、時間は短くもあれど一生分の体験を感じ >たであろうにも関わらず、どれがどれだか見分けがつかない。 > そのことに、ほんの少しだけ、悲しみを覚えた。 ・・・どうするんでしょうね。 そんな、骨の見分けがつくのなんて、医者ぐらいしか・・・ いや、医者だって、四六時中ひとの骨格観察してるワケじゃないですし・・・分かる訳ないですね。 というわけでゼル!そんなに悲しまないでっ!! 集団埋葬・・・あ、可哀想かも・・・(何) >続く そして続くのですか・・・楽しみっス! また今回、私はピッケル片手のamyさんに生殺しにされました・・・あぁ、頭に刺さったピッケルいたぁ〜い・・・。 それでは。 綺咲でした〜♪ |
8102 | ヴァレンタインにちなんで、チョコレートムースを、、、、 | amy E-mail | 2002/2/14 19:06:24 |
記事番号8085へのコメント 綺咲さんへ >はうぅ〜ツリーが落ちていたので、ちょっとショックを受けました・・・。 >でも新しいのがあって嬉しかったです。 どうもです。 私もびっくりしましたよ〜、来たらないんですもん。 急いで新しいツリーを作らせていただきました♪ >3日も来ないうちに、世界が変化した気が・・・(何) >あ、紅茶とチョコレートケーキ有難うございます。 >紅茶はダージリンで・・・アールグレイは葉っぱの味がします(笑) >それでは、アフタヌーンティーをしながら、小説を読ませて戴きます・・・ どうぞ召し上がれ♪ 今日はヴァレンタインにちなんでチョコレートムースとハーブティーです。 ぜひお召し上がり下さい。 >>「獣王様の命令は1、リナさん達を使ってゼルガディスさんを動揺させるこ >>と。2、負けてしまった場合はそのままとどめをさすこと。3、勝利した場 >>合は魔族側へ勧誘すること。4、『嫌だ』と答えた場合は僕がゼルガディス >>さんを殺すこと」 >ああ、ありがとうゼロス!やっと命令内容を教えてくれたね!! >これで私も枕を高くして眠れるってもんです。 >そーか、そんな命令を受けていたのか。 >・・・って、「No」じゃなくて「嫌だ」と答えていたら、彼はゼルを殺すつもりだったんでしょうか・・・? いやいや、きっとゼロスのことだからなんやかんやと屁理屈こねるはず! まあ、一応今までずっと『No』と答えていましたから、 また『No』と答えるだろうと予想はしていたはず、、、、、、 、、、、分かりにくいとは思いますがそういう設定のつもりです。 分かりにくくてすみません(ーー;) >>「ゼルガディスさん、、、、」 >> 笑い話にもならん。 >>「さようなら」 >> 言いつつ、ゼロスは俺を抱き締めた。 >> 空間移動したらしく、前にいたはずのアリシアがゼロスの後ろにいる。 >> 驚いた表情で、アリシアが俺達を見ていた。 >>「貴方が好きです」 >> ずっと昔に俺に言った言葉を耳元で繰り返して、ゼロスは俺に口付けた。 >> 軽く、かすめるように。 >> 恐らく、ゼロスの声はアリシアに聞こえなかっただろうし、ゼロスの背が >>邪魔をして口付けを見られることはなかったろう。 >> それでも、俺は気恥ずかしさと怒りで真っ赤になった。 >>「ッゼロス!!」 >> 叫ぶと同時にゼロスは微笑みながら姿を消した。 >はわぁぁぁぁぁぁっっ 煤i///△////)←赤面 >ゼロスったら・・・ゼロスったら大胆!!! (>▽<) >あぁ、ちょっと興奮してしまいましたよ・・・。 >はい、仲良しじゃなくても、ちょっと嬉しかったです(笑) あははは〜(///^^///) 書いてる本人が一番赤面していたり、、、、、 恥ずかしいー!書いててあまりの恥ずかしさにのたうち回っちゃったよ! うにょわあああああああああああ!!!! >>「、、、、どうしましょうか」 >>「そうだな、、、、、、」 >> 4人の骨を見つめながら、俺達はつぶやく。 >> 飛び抜けて大きい骨がガウリイのものであることは想像できるが、他の3 >>人は背格好が似ていてよく分からなかった。 >> あんなにも様々な経験を共にし、時間は短くもあれど一生分の体験を感じ >>たであろうにも関わらず、どれがどれだか見分けがつかない。 >> そのことに、ほんの少しだけ、悲しみを覚えた。 >・・・どうするんでしょうね。 >そんな、骨の見分けがつくのなんて、医者ぐらいしか・・・ >いや、医者だって、四六時中ひとの骨格観察してるワケじゃないですし・・・分かる訳ないですね。 >というわけでゼル!そんなに悲しまないでっ!! >集団埋葬・・・あ、可哀想かも・・・(何) ええ、やっぱり骨の見分けってつかないと私も思うんです。 給食時の残飯のチキンの骨を見て、 どれが自分の食べたやつか分からないのと同じように、、、(違!) 、、、まあ、今のは冗談ですけれども。 実際、DNA検査が出来ない時代では、 医者や学者の方も骨が誰のかなんて分からないそうです。 分かるのは大体の年令と性別だけ。 だから例えどれが誰の骨か分からなくても、 ゼルは全然悪くないんです。 ゼルもそれを頭で分かっているんですけど、感情面で納得しきれない。 そんな感じに受け取って欲しいです。 >>続く >そして続くのですか・・・楽しみっス! >また今回、私はピッケル片手のamyさんに生殺しにされました・・・あぁ、頭に刺さったピッケルいたぁ〜い・・・。 うきゃわああああ!! 流血!大量出血ううううう!!!!! ピッケルが抜けない!!(爆) つぎはもうちょっとだけ安全な凶器にしなくては、、、(笑) ではでは amyより |
8086 | はじめまして。 | 春祭あられ E-mail | 2002/2/12 02:20:43 |
記事番号8084へのコメント はじめまして。amyさん。 私はいつも投稿1のほうに小説を乗っけてる春祭あられというものです。 以後お見知りおきをv amyさんの小説は、実はこれ以外にも・・・・・・このサイトを知る以前に、友達から紹介されて読んだことがあるのですが、とっても好きです。 のくせに、今までレスをしなくてごめんなさい(汗) 読み逃げ犯です(爆) だんだん人間くささを出してくるゼロス君が何故か私のお気に入り。(変?!) シリアス調なのにいつも読みやすいですよね。 私には表現力がないので、とても尊敬です。尊敬してます。弟子にしてください!! 本当は感想をいっぱい書こうかと思ったのですが・・・・・・ 毎度の事ながら感想って難しい。 書けませんごめんなさい(泣) なんか、私がいやにこのお話を気に入っているということをわかっていただければ幸いなのですが・・・・・・ 分かりやすく、一言で言ってしまえばいいんですよね。 気に入ってます。面白いです。頑張ってください、これからも。 あ、なんか一言じゃないけれど・・・・・・ とにかく、そーいうことです。 それでは、よく分からないレスでしたけれど、これにて。 春祭あられ |
8103 | 春祭さんにはチョコレートサンデーを。 | amy E-mail | 2002/2/14 19:14:26 |
記事番号8086へのコメント 春祭あられさんへ >はじめまして。amyさん。 こちらこそ、初めまして!!! >私はいつも投稿1のほうに小説を乗っけてる春祭あられというものです。 >以後お見知りおきをv 滅相もない、こちらこそよろしくお願いします♪ まずはお近づきの印に、当店で食事を、、、、 ヴァレンタインにちなんで、春祭さんには 当店のスペシャルメニューのチョコレートサンデー!! アーンドレモンティー!!! どうぞお召し上がり下さいませ。 >amyさんの小説は、実はこれ以外にも・・・・・・このサイトを知る以前に、友達から紹介されて読んだことがあるのですが、とっても好きです。 >のくせに、今までレスをしなくてごめんなさい(汗) >読み逃げ犯です(爆) いえいえ、私もよく読み逃げします(爆) 、、、ご友人からの紹介って、、、、、(恥) ありがとうございます。 最近『初めまして』の方がとても多く、 またその方達が皆私の過去の小説を読んで下さっていることが分かり、 本当に嬉しいです。 これからも何とぞよろしくお願いします。 >だんだん人間くささを出してくるゼロス君が何故か私のお気に入り。(変?!) >シリアス調なのにいつも読みやすいですよね。 >私には表現力がないので、とても尊敬です。尊敬してます。弟子にしてください!! あ、ありがとうございますうううう!!!!(感涙) そう言っていただけると、書き手として本当に救われます。 弟子なんてそんな、、、私はまだまだ未熟者ですよ。 私の方が弟子にしていただきたいくらいです。 >本当は感想をいっぱい書こうかと思ったのですが・・・・・・ >毎度の事ながら感想って難しい。 >書けませんごめんなさい(泣) >なんか、私がいやにこのお話を気に入っているということをわかっていただければ幸いなのですが・・・・・・ >分かりやすく、一言で言ってしまえばいいんですよね。 >気に入ってます。面白いです。頑張ってください、これからも。 >あ、なんか一言じゃないけれど・・・・・・ >とにかく、そーいうことです。 >それでは、よく分からないレスでしたけれど、これにて。 ううう、そんなに気に行っていただけるなんて、、、 嬉しいです!本当にありがとうございます!! これからもぜひぜひよろしくお願いします!!! ではでは amyより |
8107 | あなたの望みは何ですか? 第十七話 | amy E-mail | 2002/2/15 18:53:25 |
記事番号8084へのコメント とりあえず、ということで、俺とアリシアは4人分の人骨をそれぞれ個別 にして布にくるんだ。 その布があまり上等なものでないことに小さな罪悪感を感じながら、俺は それらをテーブルの上に丁寧に置く。 ガウリイの骨はやっぱり一番大きいものだろう。 その次に大きいのがシルフィールかアメリア。 一番小さいのが、たぶん、リナ。 年齢的にいって、恐らくは正しいと思う。 、、、、確証はないけれど。 「お墓、、、、作りましょうか?」 控えめにそう言ってくるアリシアは、少し悲しそうだった。 彼女が悲しんでいる理由は、2つ。 1つは、シルフィールとアメリアが死んだことを再認識させられたから。 もう1つはどれが誰の骨か見分けがつかないから。 「、、、、共同墓地、しか、出来ないだろう?」 「そう、、、、ですね」 声を暗くさせるアリシア。 アメリアはいつも明るかった。 何かショックなことがあっても、声を暗くするのではなく荒くしていた。 そのせいだろうか。 アメリアの声を持つ彼女を、アメリアと離して見ることができた。 そしてふと思う。 自分は今、確かに悲しんでいる。 けれど、彼女のように悲しんでいるのだろうか。 誰がどの骨なのか見分けがつかないことは、正直に悲しい。 彼女達が死んだと聞いた時も、もちろん悲しかった。 辛かった。 けれど、、、、、 「、、、、、『化け物』、、、、か」 「え?」 小さくつぶやいた俺の言葉がよく聞き取れなかったのだろう。 アリシアが訝し気に眉を寄せて聞き返す。 いや、なんでもない。そう言って、俺は視線を窓の外へ移した。 空は美しい碧一色に染め抜かれている。 遠く高く澄んだその碧は、何とも心和む風景だった。 、、、、この世界に魔族が跋扈し、血で血を洗う戦場が身近にあるとは到 底思えそうにない。 自分達が対峙している仲間達の人骨が現実で、窓の外ののどかな風景は夢であるかのように。 そして、、、、、もう1つ。 アリシア、彼女は心底悲しんでいる。 面識などない4人のために。 対して、俺はどうだ? 確かに悲しい。 でも、心底か? あんなにも激しい死線を、共に乗り越えてきた仲間達なのに? (そういえば、ロディマスとゾルフの時もこうだった、、、) 圧倒的な力を持つレゾを相手に反旗を翻した俺。 そんな俺を見限り、レゾについた奴はディルギアを始め、あんなにも沢山 いたのに、、、、、、彼等は俺についてきた。 忠誠を誓ったのは『レゾ』ではなく『俺』だと言って。 そして、、、あっさりと覚醒した魔王に殺された。 あの時、俺はちゃんと悲しんでやれただろうか? 悔しいとは思った。 絶対に仇を打つと心に誓った。 だけど。 本当に、『あいつらのため』だけに悲しんで、誓ったのか? 結局は、自己満足だったのでは? 、、、、、分からない。 だけど、彼等のことがとても大切だったのは、本当だ。 レゾさえ裏切って、俺の元へきてくれたあの2人を、本当に大切だと思っ た。 何もしてやれなかったけれど。 どうして俺はこうなのだろう。 感情が希薄で、変に冷静で、人情が薄くて。 だからだろうか? 『この化け物っっ!!』 古い記憶が頭の隅から掘り起こされる。 キメラになりたてだった頃。 レゾの手足として働くしかなかった頃。 多少の躊躇いはあったものの、それでも人を殺し続けた頃。 あの言葉は、血にまみれたキメラの俺に、とてもふさわしい言葉だったの だろう。 いくら白い服を着ようとも、いくら顔を隠そうとも、心の中で、いくら言 い訳をしようとも。 「、、、、、全員、灰にして海に流そう」 「、、、、え?」 「もう二度と、魔族に利用されることがないように」 いくら、情を人に見せようとも。 「、、、、、はい」 俺はまともな人間たりえないのかもしれない。 今の、このキメラの姿の通りに。 『貴方は、我々魔族にとても近いのですよ』 かつてのゼロスの言葉が鮮やかに耳元で蘇る。 、、、、、そうかもしれない。 人間ではないのかもしれない。 レゾも、そうだったように? 俺が、奴の血族だから? 「、、、、ブラスト・アッシュ」 ぽつりと呪文を唱え、布ごと骨達を灰と化す。 テーブルの上に、ざあっと音を立てて広がった灰を掻き集め、大きな布に くるんだ。 腕に持つと、ずしり、と重さを感じる。 これが純粋の重みなのか、はたまた仲間の死を悼んでのせいなのか。 分からないまま、俺はその灰達を海へ流した。 「ゼルがでィスさんは、優しいんですよ」 屈託のない笑顔と共に、そう言ったのはアメリアだった。 綺麗な青い瞳を輝かせて、彼女は微笑みながら謳うように言う。 「冷静で落ち着いてるから冷たい人だって思われがちですけど、 本当は優しくて仲間思いでいい人だって、私、ちゃんと知ってます」 そう言う彼女の方が、よっぽど『優しくて仲間思いでいい人』だった。 当然、彼女は自分でもそれを心掛けていたのだろうけれど。 何たって、『正義の人』なのだから。 そんな俺の心もつゆ知らず、彼女は続けた。 「ゼルガディスさんは、ここがちゃんとあったかい人だって、知ってます」 俺の左胸に手を置いて、まるで聖母のような顔で微笑む。 一瞬、懐かしい子守唄を思い出してしまいそうになるほど、優しい笑顔 だった。 「だから、例えゼルガディスさんが一生キメラのままでも」 ゆっくりと、俺と目を合わせて言う。 真摯な瞳で。 「私は、ゼルガディスさんのことが大好きですよ」 照れくさそうに、ほんの少し、頬を紅潮させて。 それは決して愛の告白などではなかった。 ただ、仲間に対しての、優しい言葉だった。 だからこそ、彼女は気付かなかったのだろう。 その言葉に、俺が傷付いていたことに。 俺が優しい人間であるはずがないのに、、、、、。 そうやって誤解させて、自分はいつかこの少女を裏切るのだろうかと思う と、とてもいたたまれなくなった。 彼女に非など、ない。 自分が勝手に傷付いて、勝手に悲しんでいただけなのだ。 それでも、俺が傷付いていたことを知れば、彼女は泣くのだろう。 全くもって、どうして彼女が自分を好いていたのか未だに分からない。 正義を望むその心が、どうしてこんな汚れきった、、、、魔族にまで『魔 族に近い』と言われるような男を大切に思うのか。 さっぱり分からないまま、理解できないまま、彼女は死んだ。 子供を助けようと、身を挺して。 最後まで、優しさを見失うことなどなく。 「俺は優しくなどない」 「そんなことありません」 「、、、、優しくなどないんだ」 「、、、、それでもいいんですよ」 本当に、優しいまま。 「それでも、私は勝手にそう信じていますから」 そして信じて、お前は死んだ。 俺の最も醜い部分を知ることなく。 だからもう、これで、満足か? 続く |
8114 | 硝子の都、読破達成!! | 羅琴みつき | 2002/2/16 13:10:51 |
記事番号8107へのコメント こんにちは、amyさんっvv 2度目のレスを送り付けます。 タイトル参照で、やっと『硝子の都』を読み切ってきました!!! 最初はゼルの暗さ加減に、圧倒されまくり(爆)でしたが、最後は一応の幸せぶり(一応って何ー!?)を見せてくれて、安心しました☆ もお、amyさんの書くゼルやんはステキ過ぎですーー(>□<)!リナさん第一・ヴァルフィリ大好きなあたしにここまで叫ばせるんですから、相当な文才ですね! 犯罪級ですvv お姉さんとの昔話もすごく良かったです。お姉さんの相手と仲良くしたほうがいい?とか!ゼルーーーーーッッ!!!!!←叫 今これから一番読みたいのは、『植民地』です。時間の都合でなかなか読めないんですが、絶対に読みたいです!! その時はまた、迷惑かえりみずレスりたいと思いますので。 あと最後に。 いつも肝心のこの作品の感想がなくてすいませんーーー。 実はまだ最初からは読んでないのです……。だから、ちゃんと1から読んでからの方がいいかなーとか思いまして。 では。脈絡のないレスですいませんが、これにて。 |
8130 | 硝子の都、読破達成おめでとうございます!! | amy E-mail | 2002/2/19 18:52:09 |
記事番号8114へのコメント 羅琴みつきさんへ >こんにちは、amyさんっvv >2度目のレスを送り付けます。 こんにちは! 2度目ですね♪ またレスを下さって嬉しい限りです! >タイトル参照で、やっと『硝子の都』を読み切ってきました!!! おめでとうございます!!!!(拍手) あの無駄に長い駄文をよくぞ!! >最初はゼルの暗さ加減に、圧倒されまくり(爆)でしたが、最後は一応の幸せぶり(一応って何ー!?)を見せてくれて、安心しました☆ 暗いのにハマり始めた時期なんですー!!! 当初、書いてて本人も『く、、、、暗過ぎ?』とか思ってました! ゼル、、、、ごめんよ(泣) >もお、amyさんの書くゼルやんはステキ過ぎですーー(>□<)!リナさん第一・ヴァルフィリ大好きなあたしにここまで叫ばせるんですから、相当な文才ですね! >犯罪級ですvv ありがとうございますうううううううう!!!!!(号泣) ううう、すっっっっごく嬉しいです! そんな風に誉められると!!!(興奮中) >お姉さんとの昔話もすごく良かったです。お姉さんの相手と仲良くしたほうがいい?とか!ゼルーーーーーッッ!!!!!←叫 ゼルーーーーーーー!!←同じく ゼルとお姉さんネタ、随分前からやってみたかったんですよ。 ゼルって女慣れしてるじゃないですか(悪い意味でなく)。 だから、何だかお姉さんとかいそうだなー、、、と。 この2人のエピソードは、私もお気に入りです♪ >今これから一番読みたいのは、『植民地』です。時間の都合でなかなか読めないんですが、絶対に読みたいです!! >その時はまた、迷惑かえりみずレスりたいと思いますので。 わざわざ昔の掘り起こして読んで下さって、 本当の本当にありがとうございます!!! そういう人の存在だけですっごく救われる気分です! >あと最後に。 >いつも肝心のこの作品の感想がなくてすいませんーーー。 >実はまだ最初からは読んでないのです……。だから、ちゃんと1から読んでからの方がいいかなーとか思いまして。 いえいえ!お気になさらず!! こうして昔の作品の感想をわざわざ下さるだけで本当に嬉しいです! みつきさんが初めてなんですよ。 こんな風にわざわざ昔の作品の感想を下さる人!! 本当にありがたいです! ではでは amyより |
8127 | 追われてます(何) | +綺咲+ E-mail | 2002/2/18 20:32:45 |
記事番号8107へのコメント 卒業間近で、とっても追われてます・・・。 あ、チョコムースとハーブティーをどうも。 ホワイトデーに、何をお返し致しましょうかね・・・? ちょっと謝っておきます。 私はいつも、読みが足りないようで・・・。 色々、キャラたちの心境つかめてないようで・・・頑張って分かるようになるようにします!! なんか、悲しかったです〜可哀想でした〜。 色々、人には心の奥底で思ってることとか、ありますからね。 どろどろしてる部分、分かられてないですもんね。 それは皆そうで、でも皆自分だけだと思ってて・・・だから辛いんでしょうね。 でも、やっぱり分かってても、辛いのは一緒ですかね?? ああ・・・追われてるので、短いですが、今回はこの辺で・・・(泣) 綺咲でした〜♪ |
8131 | 逃げて!!(笑) | amy E-mail | 2002/2/19 18:58:47 |
記事番号8127へのコメント 綺咲さんへ >卒業間近で、とっても追われてます・・・。 >あ、チョコムースとハーブティーをどうも。 >ホワイトデーに、何をお返し致しましょうかね・・・? いえいえ、お気になさらず。 卒業かあ、、、、私はまだまだ先、、、ってか、、、 進級、、、、危なげ??? >ちょっと謝っておきます。 >私はいつも、読みが足りないようで・・・。 >色々、キャラたちの心境つかめてないようで・・・頑張って分かるようになるようにします!! あ、謝んないで下さいよおおおお!!!!(きゃー) 私に文才が足りないだけです!! ああ、、、小説家の師匠が欲しひ、、、、 >なんか、悲しかったです〜可哀想でした〜。 >色々、人には心の奥底で思ってることとか、ありますからね。 >どろどろしてる部分、分かられてないですもんね。 >それは皆そうで、でも皆自分だけだと思ってて・・・だから辛いんでしょうね。 >でも、やっぱり分かってても、辛いのは一緒ですかね?? 人それぞれ感じ方が違うと思うので分かりませんが、 少なくとも、私はそういうことがあります。 結構打算働かせてやってあげたことを、 『親切だね』とか言われるとひどく心苦しかったし、 『やっぱり私のこと分かってないんだなあ』なんてブルーになりました。 我が儘な言い分だとは分かっているんですけどね。 >ああ・・・追われてるので、短いですが、今回はこの辺で・・・(泣) 頑張って逃げて下さい!(おい!) では、またお会いしましょう。 次は和食。 大福餅と抹茶をご用意させていただきます。 ではでは amyより |
8140 | 感想ですv | 水無月 澪 E-mail | 2002/2/21 17:38:06 |
記事番号8107へのコメント 初めまして。この所出没しては小説を書いて逃げる水無月 澪と申します。 amyさんの小説はどれも面白いですねv それでは、感想を…。 > その布があまり上等なものでないことに小さな罪悪感を感じながら、俺は >それらをテーブルの上に丁寧に置く。 仕方がない…とは思うのですが…。 > ガウリイの骨はやっぱり一番大きいものだろう。 > その次に大きいのがシルフィールかアメリア。 > 一番小さいのが、たぶん、リナ。 > 年齢的にいって、恐らくは正しいと思う。 > 、、、、確証はないけれど。 なんだか、悲しいですね。 >「、、、、共同墓地、しか、出来ないだろう?」 >「そう、、、、ですね」 > 声を暗くさせるアリシア。 ここら辺が、アメリアと違うかな。 > アメリアはいつも明るかった。 同感です。彼女はいつも明るいですね。 > そしてふと思う。 > 自分は今、確かに悲しんでいる。 > けれど、彼女のように悲しんでいるのだろうか。 それは…、どう言う意味ですか? > 彼女達が死んだと聞いた時も、もちろん悲しかった。 > 辛かった。 友が死んだら誰だって悲しんだり、辛いですよ? >「、、、、、『化け物』、、、、か」 この言葉の真意って…。 > 空は美しい碧一色に染め抜かれている。 > 遠く高く澄んだその碧は、何とも心和む風景だった。 綺麗な表現ですねv > 、、、、この世界に魔族が跋扈し、血で血を洗う戦場が身近にあるとは到 >底思えそうにない。 > 自分達が対峙している仲間達の人骨が現実で、窓の外ののどかな風景は夢であるかのように。 痛いです。ここ。 > アリシア、彼女は心底悲しんでいる。 > 面識などない4人のために。 > 対して、俺はどうだ? > 確かに悲しい。 > でも、心底か? 心底…じゃ、ないのですか? > あんなにも激しい死線を、共に乗り越えてきた仲間達なのに? そうですよ!! >(そういえば、ロディマスとゾルフの時もこうだった、、、) え…?こうだったって…? > 圧倒的な力を持つレゾを相手に反旗を翻した俺。 > そんな俺を見限り、レゾについた奴はディルギアを始め、あんなにも沢山 >いたのに、、、、、、彼等は俺についてきた。 > 忠誠を誓ったのは『レゾ』ではなく『俺』だと言って。 嬉しいじゃないですか!自分についてきてくれて。 > そして、、、あっさりと覚醒した魔王に殺された。 あ…。 > 何もしてやれなかったけれど。 そんなはずないです!! > どうして俺はこうなのだろう。 > 感情が希薄で、変に冷静で、人情が薄くて。 私はそうは思いませんけれど…。 >「、、、、、全員、灰にして海に流そう」 一瞬言葉の意味がわからなくなりました。 >「もう二度と、魔族に利用されることがないように」 辛い言葉です。 >「冷静で落ち着いてるから冷たい人だって思われがちですけど、 > 本当は優しくて仲間思いでいい人だって、私、ちゃんと知ってます」 私もそう思います。 > そして信じて、お前は死んだ。 > 俺の最も醜い部分を知ることなく。 > だからもう、これで、満足か? この問いかけ、難しいですね。答えは出ないのいですから…。 > > >続く 取り合えずちょこちょこと。 ゼロス、ゼルガディス、アリシア。 三人の思いや悲しみ、行く末がとても気になります。 下手な感想でしたが、amyさんの小説応援しています。 頑張ってくださいね!! |
8144 | ありがとうございます♪ | amy E-mail | 2002/2/21 18:34:18 |
記事番号8140へのコメント 水無月 澪さんへ >初めまして。この所出没しては小説を書いて逃げる水無月 澪と申します。 >amyさんの小説はどれも面白いですねv >それでは、感想を…。 こちらこそ初めまして! レス、どうもありがとうございます!! そんな、、、どれも面白いだなんて、、、(照) 嬉しいです、本当にありがとうございます! >> その布があまり上等なものでないことに小さな罪悪感を感じながら、俺は >>それらをテーブルの上に丁寧に置く。 >仕方がない…とは思うのですが…。 >> ガウリイの骨はやっぱり一番大きいものだろう。 >> その次に大きいのがシルフィールかアメリア。 >> 一番小さいのが、たぶん、リナ。 >> 年齢的にいって、恐らくは正しいと思う。 >> 、、、、確証はないけれど。 >なんだか、悲しいですね。 はい、書いてて自分で『暗いよー』とつぶやいてました(ーー;) どれが誰だか分からないって、、、辛いです。 >>「、、、、共同墓地、しか、出来ないだろう?」 >>「そう、、、、ですね」 >> 声を暗くさせるアリシア。 >ここら辺が、アメリアと違うかな。 >> アメリアはいつも明るかった。 >同感です。彼女はいつも明るいですね。 はい、私もそう思います。 彼女は、たとえどんなに辛くとも、回りに心配をかけまいと 無理に笑ったり、明るく振る舞うタイプです。 それができないほど追い詰められたら、 笑いはせずとも泣き言を言うこともないでしょう。 人には頼れと言うくせに、人に頼らないタイプだと思います。 >> そしてふと思う。 >> 自分は今、確かに悲しんでいる。 >> けれど、彼女のように悲しんでいるのだろうか。 >それは…、どう言う意味ですか? ええっと、、、、書くの下手ですみません(ーー;) 分からないですよね。 これは、アリシアが面識すらない4人のために悲しんでいるのに、 自分は妙に冷静になってしまっていることへの自己嫌悪です。 どんなに悲しくて辛くとも冷静に自分の状況を判断できてしまい、 その中から最もいい結果の得られそうな方法を探してしまう。 悲しむことだけに集中することができず、 泣いてあけくれるようなこともできない、 そんな自分に対する、自己嫌悪。 >> 空は美しい碧一色に染め抜かれている。 >> 遠く高く澄んだその碧は、何とも心和む風景だった。 >綺麗な表現ですねv ありがとうございます(照) >> 、、、、この世界に魔族が跋扈し、血で血を洗う戦場が身近にあるとは到 >>底思えそうにない。 >> 自分達が対峙している仲間達の人骨が現実で、窓の外ののどかな風景は夢であるかのように。 >痛いです。ここ。 小説によくある、心情風景と外の景色の一致、ていうのが、 私はどうしても納得いかないんですよね。 外が晴れてようが曇ってようが、悲しいものは悲しいし、 楽しいものは楽しいというのが私の持論です。 >> アリシア、彼女は心底悲しんでいる。 >> 面識などない4人のために。 >> 対して、俺はどうだ? >> 確かに悲しい。 >> でも、心底か? >心底…じゃ、ないのですか? 心底悲しんではいるのですが、 この後どうするかを考える余裕がある、と思っているんです。 自分が冷静でいられることを罪深く感じている場面。 >> 圧倒的な力を持つレゾを相手に反旗を翻した俺。 >> そんな俺を見限り、レゾについた奴はディルギアを始め、あんなにも沢山 >>いたのに、、、、、、彼等は俺についてきた。 >> 忠誠を誓ったのは『レゾ』ではなく『俺』だと言って。 >嬉しいじゃないですか!自分についてきてくれて。 >> そして、、、あっさりと覚醒した魔王に殺された。 >あ…。 書いてて『ひどい言い方』とか思ってました(ーー;) ごめんよ、ロディマス、ゾルフ。 >> どうして俺はこうなのだろう。 >> 感情が希薄で、変に冷静で、人情が薄くて。 >私はそうは思いませんけれど…。 はい、私もそう思いません(おい) これはゼルの自身に対する誤解、ということで。 >>「、、、、、全員、灰にして海に流そう」 >一瞬言葉の意味がわからなくなりました。 自分でも、一瞬読んでてわけわかめでした(ーー;) >>「冷静で落ち着いてるから冷たい人だって思われがちですけど、 >> 本当は優しくて仲間思いでいい人だって、私、ちゃんと知ってます」 >私もそう思います。 me too.(うおい) >> そして信じて、お前は死んだ。 >> 俺の最も醜い部分を知ることなく。 >> だからもう、これで、満足か? >この問いかけ、難しいですね。答えは出ないのいですから…。 そうですね。難しいと思います。 実際、アメリアはもう死んでいるわけですし、、、、 >取り合えずちょこちょこと。 >ゼロス、ゼルガディス、アリシア。 >三人の思いや悲しみ、行く末がとても気になります。 >下手な感想でしたが、amyさんの小説応援しています。 >頑張ってくださいね!! はい!頑張らせていただきます!! どうもありがとうございました!!! 小説、、、分かりにくくって本当に申し訳ありません。 解説必要ですね、、、これは(ーー;) これからも、どうぞよろしくお願いします!!! ではでは amyより |
8145 | あなたの望みは何ですか? 第十八話 | amy E-mail | 2002/2/21 21:50:34 |
記事番号8107へのコメント 大切だと、無くしたくないと思ったものほど、この手を簡単にくぐり抜け て儚く消えて行く。 守りたいと強く願えば願うほど、それらは俺の前から去って行く。 大切だと、無くしたくないと、守りたいと、思えば思うほど。 、、、、、簡単なことなのだ、ならばそう思わなければいい。 誰も信じなければいい。 そうすれば、裏切られることもない。 辛い思いをすることもない。 、、、、、レゾにキメラにされたばかりの頃、俺はそう思っていた。 誰も信じるまい、誰にも頼るまいと。 人を信じることは、とても難しい。 けれど、誰も信じないでいることもまた、難しいのだ。 人は、どうしても心の拠り所を探してしまう。 誰かを信じたいと思ってしまう。 例え信じていないつもりでも、気が付いたら信じていて、裏切られるとま た心が痛むのだ。 だから、また誰かを、何かを大切に思ってしまう。 くだらないこととは理解していたとしても、自分の思い通りにいくことは ない。 本当はあの時。 ロディマスとゾルフが殺された時。 大声で泣き喚きたかった。 側に駆け寄って、名前を呼んで、泣き喚いて、、、、、 でも、できなかった。 冷静に、逃げなければならないと判断し、逃げた。 、、、、、最低だと、自分でそう思った。 「ゼルガディスさん、腕を」 アリシアに言われ、俺は素直に右腕を差し出した。 その腕は岩の肌にも関わらず、一直線に裂けて血が溢れ出ている。 ぱっくりと割れた傷口に一瞬ひるみ、それでもアリシアがその傷口に手を かざして呪文を唱え始めた。 「リザレクション」 どうやらかなり深い傷だったらしい。 痛みが麻痺していたため、そこまでひどいものとは思わなかった。 淡い暖色系の光が俺の右腕を包み込み、傷を癒して行く。 傷など、とうに見飽きた。 ゼロスが去ってからというもの、レッサー・デーモンの攻撃が絶えない。 ゼロス本人は出て来ないくせに。 「、、、、今日の負傷者は?」 つぶやく俺の言葉に、アリシアは呪文を唱えたまま、指を3本立てる。 (3人、、、、か、、、、) 日に日にレッサー・デーモンの数は増え、負傷者もそれに比例して増えて いく。 回復呪文と防御呪文しか知らないアリシアと幾人かの村びと。 これらを守るのは攻撃呪文を唯一知っている俺だけだ。 敵のレベルが大したことなくとも、数が数なだけに、一人では苦しかっ た。 魔族にしてやられるのも時間の問題だろう。 これに加えて竜族とエルフ達に攻め込まれたら、、、、 一瞬、絶望的な想像が脳裏を掠め、身震いをする。 結論はあっという間に出た。 負ける、そして死ぬ。 俺一人で孤軍奮闘していても、勝てるはずがない。 最初から覚悟していただけに、俺にはショックがない。 しかし、村びと達はどうだろう? 彼等を生き延びさせるためにはどうすればいい? 自問自答する。 その間に、傷の治療は完了したらしく、アリシアは俺から離れた。 「気を付けて下さいね。ゼルガディスさんは皆の希望なんですから」 『希望』という言葉に眉を寄せる。 この異形の体を持つ男が、かつて『化け物』と蔑まれたこの男が、『希 望』。 あまりに自分に似合わぬその言葉が、頭の仲でリフレインする。 「、、、、そうだな」 とりあえずつぶやいて、俺は頷いた。 くだらない、とても。 こんなくだらないことで感傷に浸る暇などない。 「、、、、おやすみなさい」 「ああ」 部屋を出て行くアリシアをちらりと見て、俺は相槌をうった。 ぱたりと扉の閉まる音がする。 アリシアの気配が完全に絶えるのを待って、俺はベッドに転がった。 しんと静かな部屋の仲で、これからどうするべきかを考える。 一番いい方法、、、ベスト、、、はリナのような魔力を俺が持ち、異世界 の魔王の術を使えるようになること。 ベターは魔族派か竜族・エルフ派のどちらかに組みし、片方のみと闘うこ と。 ベストに関しては、俺は何度も失敗している。 リナの故郷のゼフィーリアにも行ってみたりしたが、異世界の魔王とやら のことは分からなかった。 黒魔術は、呪文を完璧に理解し、イメージコントロールを完璧にしなけれ ば発動しない。 万が一発動しても、暴走する。 シルフィールによれば、あの呪文は暴走すると世界が滅ぶらしい。 そんな危ない橋は渡れない。 ならば、、、ベター。 どちらかに組みし、闘う。 無論、ゼロスに対して敵対宣言はしてしまったし、元より魔族と組む気は さらさらない。 じゃあ、竜族とエルフに? 、、、それも難しいだろう。 彼等は基本的に、人間と関わることを好まない。 リナなど、あの呪文が使えることで危険視され、竜族とエルフにまで狙わ れた。 リナ達を殺したのが魔族なのか竜族なのか、俺は知らない。 それでも、あいつらを狙った竜族に頭を下げて徒党を組んでもらうのは何 だか口惜しかった。 だが、村びと達の身の安全を考慮に入れるとなると、、、、、 「、、、はあ」 重苦しいため息を一つはいて、俺は目を閉じた。 緩やかに意識が眠りへと傾く。 俺は一つのことを決心しなければいけなくなっていた。 続く |
8176 | あなたの望みは何ですか? 第十九話 | amy E-mail | 2002/3/1 19:53:58 |
記事番号8145へのコメント 「ドラゴンズ・ピークへ行く」 朝日が顔を出したと同時に言い放つ俺を、アリシアは驚愕を含んだ瞳で見 上げた。 俺の考え、それは人間が竜族の側へつくということ。 無論、竜族達はいい顔をしないだろう。 理由もなく、わざわざ魔族との闘いに弱い人間を使う意味がない。 いや、保護してもらうつもりなのだから、益々竜族にとっては無意味、、 、どころか迷惑な話でしかないだろう。 だが、俺には一つ、切り札があった。 「ゴールドドラゴンの長、ミルガズィアに会って、話をする」 そう、俺はゴールドドラゴンの長、ミルガズィアの知り合い。 恐らく、人間の中では唯一の。 俺の言葉に益々驚愕の色を深め、アリシアは震える声で言った。 「そんな、、、、、大丈夫なんですか?」 「分からん」 きっぱりと答えた。 隠しても始まらない。 「ただ、望みはあることにはある」 可能性としてでしかないけれど。 そう言うと、アリシアが不安そうに眉を寄せた。 「ドラゴンズ・ピークへ全員を移動させなくちゃならない」 そう、これが一番の悩みどころだ。 俺一人でドラゴンズ・ピークへ行けば、俺の留守中にこの村は全滅するだ ろう。 かといって、誰かを遣いに出すわけにもいかない。 「皆にそのことを伝えて欲しい、、、、お前も準備をしろ」 いくら数は少ないとはいえ、この大人数で途中、何事もなくドラゴンズ・ ピークへ辿り着けるとは到底思えない。 それでも、いかなければ全滅は免れないだろう。 「、、、、竜族達と交渉するしかない。生き残りたいのならな」 それでも、足りないかもしれないのだ。 魔族相手ならば。 「、、、、、分かりました、、、、、」 顔を青くして頷くアリシアの肩をぽんと軽く叩き、俺は目を伏せた。 どんどん後戻りできなくなっていく。 その内俺は、彼等をとんでもないところへ連れていってしまうのではなか ろうか。 一体、俺は彼等をどこへ連れて行くつもりなのだろう。 俺を待つ、得体の知れない未来の向こう側? 一瞬、リナ達の顔が脳裏をよぎった。 やめよう、今は考えるべき時ではない。 前進するしかないのだ、生き残るためには。 「ゼルガディスさんは強い人ですね」 コピー・レゾとの闘いが終わった後、シルフィールは俺にそう言った。 俺には、それが剣の腕のことでも、魔術の腕のことでもないように聞こえ たので、首を傾げた。 「とても、強い人だと思います。貴方が羨ましい」 泣き出す一歩手前の顔。 そんな顔をされて、俺は多少慌てた。 「どうしてそう思うんだ?」 自然な口調で聞けたと思う。 彼女は微かに微笑んで、ガウリイの方に視線を走らせた。 「貴方はきっと、どんな絶望の中でも諦めずに生きる人だから」 「、、、、リナは?」 不自然に感じて、俺はそう問う。 確かに、俺も諦めの悪い方だろう。 しかし、彼女と比べれば常人並だ。 「、、、、ちょっと、違うんです」 それでもシルフィールはつぶやく。 苦笑のようなものをちらっと表情にし、すぐにまた微笑む。 「貴方は、何ともない風を自然に装える人です。 静かに、、、、黙って見ていることのできる人です」 「、、、、、」 「諦めないのに、いつか諦めようと覚悟を決めてしまえる人です」 シルフィールの顔が、少しだけ辛そうに歪んだ。 その視線は誰にも向けられておらず、空を彷徨っている。 美しいその容貌も相まって、ひどく儚く瞳に映った。 「、、、、貴方が、とても羨ましいんです」 もう一度繰り替えして、シルフィールは笑った。 その笑顔はとても綺麗で、自分が彼女に恋愛感情を持たないことに驚きを 感じてしまう。 多少、その笑顔が無理をしていたものであったとしても。 続く |
8195 | あなたの望みは何ですか? 第二十話 | amy E-mail | 2002/3/12 15:22:10 |
記事番号8176へのコメント 広い空に分厚い雲が立ち篭める。 昼だというのにあたりは暗く、シーンとしていた。 動物達の鳴き声すら聞こえない。 湿った空気を通る風が、森の木々を揺らした。 ザワザワザワ、、、、と、葉が擦れあって音を出す。 やがて、森に激しく雨が降り注いだ。 「、、、、、あの洞窟でひとまず休もう」 「はい」 俺の言葉にアリシアが頷き、後ろに列をなして続いていた村人達に伝え た。 村人達を順々に洞窟の中へ誘導し、それを全て済ませてしまうと、アリシ アはまた俺の元へ戻って来た。 「ゼルガディスさんも、中へ」 「、、、、ああ」 一つ頷き、2人で洞窟へと足を向ける。 ゴロゴロゴロ、、、、、、、 雲の中で鳴る音に、俺は振り向いて空を仰ぎ見た。 雷は落ちない。 「ゼルガディスさん」 いつまで経っても洞窟に入ろうとしない俺に、アリシアが催促するかのよ うに俺の名を呼んだ。 一瞬、アメリアに名を呼ばれたかのように錯覚する。 「今行く」 簡潔にそれだけを答えて、俺はゆっくりと歩き出した。 体を強く打つ雨が痛い。 ゴロゴロゴロ、、、、、、、 再び鳴ったその音に、俺は振り向かなかった。 旅は、思ったよりも順調に進んだ。 40余名の村人達と共に山や森を進むのは無論困難ではあったが、途中、 レッサー・デーモン以上の魔族と出会うこともなく、目標通りの道程を進ん でいる。 ただ、非戦闘員の数の多さに動きが奪われ、闘いにくいことは変わらない が、、、、、 それでも、ドラゴンズ・ピークはもう目前。 山脈は南から東を通って北に向かい、ぐるっと囲むように連なっている。 後はひたすら、北に向かえばいいだけだ。 洞窟の入り口付近で雨の音を聞きながら、俺はぼんやりとそう思った。 ここ2、3日、一睡もしていない。 キメラの体があるため、幾日かは眠らずとも支障はないが、それでも辛い ものがあった。 「、、、、疲れた、、、、、」 ぼそりとつぶやいた言葉に、近くにいた村人の一人がぴくりと反応する。 「、、、、大丈夫、、、ですか、、、?」 その村人は、俺にそう声をかけた。 ひどく恐々としたものだったけれど。 「、、、、ああ、、平気さ」 もちろん、平気ではない。 だが、心配をかけると統率は乱れる。 いざという時に統制がとれないのは困るので、俺は無理をしてそう言っ た。 声をかけてきた村人、、、、少女は、ほっとしたかのように息をはいた。 茶色に近い黒髪と同じ色の瞳を持つ少女だ。 肌はこの洞窟の中でもそれと分かるほど、異様に白い。 首には竜神の絡み付いた十字架をさげていた。 全体的にほそりとした、12、3才ほどの少女。 俺はまだ、この少女の名を覚えていない。 この少女だけではない。 村人の大半の名を、俺は覚えていなかった。 「それなら、、、いいんですけど、、、、、」 口をもごもごさせて、少女は俯いた。 両手で十字架を強く握りしめながら、こちらをそっと覗き込んでくる。 思わず苦笑すると、少女はまたほっとしたかのように息をはいた。 雨はまだやみそうにない。 「ゼルガディスさん」 洞窟の奥から、俺をそう呼ぶ声と足音が響いてきた。 声は、アメリアにそっくりな、アリシアのもの。 また一瞬アメリアを思い出しそうになり、眉を寄せた。 意外にも、俺は繊細なタチだったらしい。 「ここの広さならなんとか全員横になれそうです。 今日は私が見張りをしますから、 ゼルガディスさんはどうぞお休みください」 やがて俺の前に姿を見せたアリシアは言う。 俺は苦笑して、首を横に振った。 そういうわけにはいかないのだ。 見張りをしながら起きていることと、人に任せて眠り、何かあった後に起 きることは大きく違う。 後者の方が反応が遅れて、何かしらの手後れになってしまうこともありう る。 しかし、アリシアはそれを許さない。 「ここ2、3日一睡もしていないじゃないですか。 体を壊します。どうかお休みください。分かっているでしょう?」 一睡もしていないという言葉に、驚いたように少女がこちらを見た。 俺はまた苦笑し、後ろ頭をぽりぽりと掻く。 「いや、見ての通り俺はキメラだからな、 多少睡眠をとらずとも体の方に支障はない」 言うと、アリシアが困ったように眉を寄せた。 「でも、、、、」 「大丈夫だ、お前こそ休め。ロクに寝てないだろ」 何か言おうとするアリシアの言葉を途中で遮り、俺は言う。 彼女が俺に倣って、あまり睡眠をとっていないことは知っていた。 俺の言葉にアリシアが複雑そうな表情を作り、顔を顰めながらも頷く。 そして俺と少女の真向かいに腰を下ろした。 「、、、ここで休ませていただきます」 「雨が体にかかる。冷えるぞ」 「いいんです」 俺の注意を適当に流し、アリシアはその場に座り込んでマントで体をくる んだ。 俺は小さく嘆息し、フードを目深にかぶって腕を組む。 少女はそばらくそれをじっと見ていたが、すぐに顔を伏せて眠り始めた。 続く |