◆−ガラスのように・・・・−鎖夢 (2002/2/16 00:08:22) No.8109 ┣Re:ガラスのように・・・・−隣のLおねいさま (2002/2/16 00:59:39) No.8110 ┃┗はじめまして!−鎖夢 (2002/2/16 21:26:01) No.8117 ┣はじめまして−一坪 (2002/2/17 20:08:48) No.8120 ┃┗はじめまして−鎖夢 (2002/2/17 22:54:39) No.8122 ┗月と太陽−鎖夢 (2002/2/17 22:47:55) No.8121 ┣鎖夢さんだvv−ねんねこ (2002/2/21 13:43:08) No.8139 ┃┗ねんねこさんだvvv(対抗してみたり)−鎖夢 (2002/2/21 18:28:46) No.8143 ┗マジ泣き・・・。−ザズルア=ジャズルフィードゥ (2002/3/20 10:30:34) NEW No.8216
8109 | ガラスのように・・・・ | 鎖夢 E-mail | 2002/2/16 00:08:22 |
初めまして、鎖夢(さくら)と申します。 この話はゼルアメ風のゼル中心話です。 はっきり言って暗いです。自分でも痛いかもって思います。 もしよろしければ読んでやってください。 ********************************************************************** それは、もうどれくらい前だったのか。 晴れていたのか、雨だったのか、それとも────。 もうそれすらも思い出せない程遠い時の彼方に置き去りにされた記憶。 それでも覚えている。 あの笑顔を、あの声を、あの暖かさを。 【ガラスのように・・・・】 今どうしているの 何故 何も言わないの 季節だけが通り過ぎていく ────オレを残して──── オレは一人夜空を見上げていた。夜空はただ月が輝き、森の中を静かに照らしている。 白く、蒼白く、ただ見守るように、見下ろすようにただ月が輝いていた。 そこは街道から少し離れた場所にある森の中だ。 オレは今夜、そこで野宿をする事に決めていた。 火を焚くでもなく、ただ月明かりの中で物思いにふける。 オレは自分の掌に置かれた何かを見つめていた。アミュレットだ。 本来の持ち主に返そうとして、返す事すらできなくなってしまったアミュレット。 長い間持っているのもかかわらず、それは美しく輝いている。 何の表情も浮かべずにただじっと見つめていた。 ただ、無表情なままで。 『ゼルガディスさん。』 呼ばれたような気がして、オレは立ち上がり、振り返った。 だが、そこには誰もいない。そう、そこに、もうこの世界のどこにもあいつはいない。 もう長い間、誰からも名前を呼ばれていない。オレですらもう忘れてしまいそうな自分の名前。 覚えにくい、しかもややこしい名前のせいで何度も仲間達に間違えられたり、 わざと間違える仲間達に怒鳴ったのも今では遠い過去。 ノイズが聞こえたような気がした。 今では、もう朧げになってしまっている記憶の中、それは鮮明に今でも残っている。 ただ一人、この世界でオレが最も愛した少女。 笑顔の絶えない、優しい少女だったと彼は思っている。 アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン。 セイルーンの第二王女であり、オレの仲間であり、そして───。 その日は、あいつの十九歳の誕生日だった。 王女であるアメリアを祝いに、各国の王族や貴族達がパーティへと出席した。 その中には自分の息子と婚約させ、王家と繋がりを持とうとしている輩もいなかったわけじゃない。 王族であれば、この年齢で結婚するのは当たり前。 確かに、地位が欲しくて彼女に声をかけてくる者達ばかりではない。 それでもどうしてもそれが頭から離れず、話し掛けてくる人物が皆同じように見えてしまう。 たまに、そう愚痴を零していたのを今でも覚えている。 そんな事から逃れるように、アメリアはテラスで月を眺めていた。 「リナさん、ガウリイさん・・・・・ゼルガディスさん、どうしていますか?」 「元気そうだな。アメリア。」 声をかけると、アメリアは驚いて振り返った。 オレはテラスの壁に寄りかかるようにして立っていた。この場所なら中からオレの姿は見えないはずだ。 「ゼ、ゼルガディスさんっ。」 「久しぶりだな。」 「どうしてここに・・・・あ、また不法侵入しましたね?」 「それしかないだろう?」 驚くアメリアに、オレは苦笑しながらそれを肯定する。 「不法進入は悪です。連絡してくれればよかったじゃないですか。」 「こんな日にオレみたいなのが連絡したら、悪い噂がたつだろう?」 「そんな・・・・・・。」 アメリアはそれ以上言葉がでなかったようだった。 「そんな事ない」と言いたかったのだろう。 でも否定できない可能性を見つけてしまったらしい。 それに気まずさを感じたのか、アメリアは努めて明るく問い掛けてきた。 「それで、どうしたんですか?こんな急に。」 「あぁ・・・・・。」 アメリアの言葉に、オレは目の前に小さな箱を一つ差し出した。丁寧にラッピングされた小奇麗な箱。 それを差し出しながら、オレは僅かに微笑みながら告げる。 自分でも信じられないほど自然に、その頃は笑えていたのかもしれない。 「これを渡しに来たんだ。誕生日おめでとう、アメリア。」 「覚えてくれてたんですか?」 「まぁ・・・・な。」 喜ぶアメリアの姿に、オレは照れたように視線を反らす。それに彼女は更に笑みを深めた。 「ありがとうございます。あ、開けてもいいですか?」 「お前の物だ。好きにすればいい。」 「へへへvvわぁ〜、素敵な髪飾りっ。」 アメリアはリボンを解いて箱を開ける。 中に入っていたのは銀細工の髪飾りだ。四つで一組になっている。 それぞれに、翠色、蒼、ワインレッド、薄紫の石がはめ込まれているもので、 オレはどうしてもそれをアメリアに送りたかった。 それを見て、アメリアは蒼い石のついている髪飾りを取り出す。 「ありがとうございます、ゼルガディスさん。大事にしますね。」 「気に入ってもらえてよかった。」 幸せそうに満面の笑みを浮かべるアメリア。それを見ているだけでオレも幸せだった。 そう いつだったか 問いかけていたね 『どうすれば この想いが届くのだろう』って 誰にも見つからないように、オレ達は宮殿の中庭へと移動していた。 柔らかな月明かりの下、中庭の薔薇が咲き乱れている。そんな中で二人は歩いていた。 どれくら黙ったまま、二人で歩いていただろうか。 オレはその事を切り出せないままだったが、小さく息を吐き出すと足を止める。 それにアメリアも不思議そうな顔をして立ち止まった。そして、オレはアメリアを見ないままで告げる。 「また、しばらく会いに来れなくなるかもしれない。」 「しばらくって、どれくらいですか?」 「分からない。」 本当に、次はいつ会えるか分からなかった。 その頃のオレは、少し厄介な事に巻き込まれていたのだ。 まぁ、自分のした事が原因だっただから仕方ないと諦めてはいた。 決して消える事のない、過去の罪。いや、もしかしたらその時も、今も罪のままだったのかもしれない。 アメリアはオレの言葉に寂しそうな顔で、それでも僅かに微笑む。 「・・・・でも、必ずまた会いに来てくれますよね?」 「聞くまでもないだろう。」 「はいっvv」 嬉しそうに頷くアメリアに、少しどころではない罪悪感を感じていた。 オレはアメリアの笑顔に救われながら、それでもいつも罪悪感を感じていたんだ。 それは後ろ暗い事があるからだけではなかった。 ただ、何故かいつも罪悪感を感じていた。 今はまだ知らない 約束を交わして 永遠に続いた道を彷徨うけれど 草を掻き分ける音に、オレは振り返った。 月明かり、それでも闇を纏う森の中でいくつもの光がこちらを見ている。 「レッサー・デーモンか・・・・。」 最近、こうしてレッサー・デーモンに出くわす事が多い。 世界で何かが起こっているのかもしれないが、今のオレには関係なかった。 それでも、オレに害なすのならば、敵は倒すのみ。 オレは、唸り続ける数匹のレッサー・デーモンを見て剣を抜いた。 ずっと使い続けているブロード・ソードだ。 「魔皇霊斬(アストラル・ヴァイン)っ!」 オレの剣が赤い輝きを発する。 その色はまるで・・・・・・・・。 ずっと静かな場所は 傷つかなくていい 「そうだ、ゼルガディスさん。これを・・・・。」 「?」 「この前、侍女さんから聞いたんです。お互いの持ち物を交換して、 願い事が叶ったら持ち主に返すっていうおまじないがあるって。」 オレがただ不思議そうに目の前に差し出されているアミュレットを見つめていると、 自分のアミュレットを無理矢理オレの手の中に押し込めてそう説明をした。 「ようするに、オレに何か寄越せって言うわけか?」 「もう。ゼルガディスさんって、どうしてそうゆう言い方するんですか?」 「冗談だ。じゃあ、オレは・・・・。」 オレの言葉に拗ねた表情をするアメリアを見て、オレは苦笑する。 そして、オレは自分のマントを留めているブローチを外し、マントを手で抑えた。 そのブローチをオレはアメリアへと差し出す。 「これをお前に渡そう。」 「え?いいんですか?それ、すごく大事な物なんじゃ・・・・。」 「お前のアミュレットだって大事な物だろう?」 「そうですけど・・・・・。」 「オレがどうでもいい物を渡したらフェアじゃない。」 まだ何か言いたそうにしているアメリアを、オレはそう言いくるめてしまう。 アメリアはしばらくの間、納得のいかない表情で何かを考えていたが、すぐに顔を上げるといつも通りの笑顔で言った。 「分かりました。じゃあ、ゼルガディスさんが元に戻れたら返しに来て下さい。」 「分かった。」 保証はなかった。『絶対』だとか『必ず』だとか、口にする事もできずに、オレはただ頷く。 そして、オレはそれだけを告げるとカオス・ワーズを唱え、浮遊(レビテーション)で空へと浮かび上がった。 「ゼルガディスさんっ!」 オレはアメリアの声に振り返った。アメリアはオレをじっと見上げている。 「私、ゼルガディスさんの事大好きですからっ。」 その言葉に、オレは頷く事しかできずにその場を立ち去る。胸の中にわだかまる、いつもの罪悪感を抱えて。 一人になるのが とても好きだった 孤独な日々は 「ゼルガディスさんって、ご自分の事嫌いなんですか?」 いつだったか、アメリアがそんな事を言ってきた事があった。 そう言えばあの日も、同じ場所から満月を見ていたような気がする。 「どうしてそう思う?」 オレはそれを肯定してしまいそうになったが、それを押し留めてそう問いかけた。 こんな身体で、こんなオレで、どうして好きになれと? その当時のオレはまだアメリアの事をそこまで大切だと認識していなかったと思う。 そう、まだただの仲間だった頃だ。 「何となく・・・・です。」 「好きだと思うか?こんな自分。」 「いえ、そうじゃなくって・・・・・・。」 「何だ?」 更に続けるアメリアに、オレは問い掛ける。困っている顔を見るのが楽しくて、 何度かそうやって困らせた事もあった。だけど、その時ばかり少し違ったんだ。 「姿とか関係なく、昔からそうだったんじゃないですか?」 見透かされていると思った。 昔から、非力な自分が嫌いで。だからいつも冷静ぶってそれを隠していた気がする。 もっとも、今は違う理由だ。だからと言って好きと言うわけでもない。 そこまで考えて、オレはアメリアに悟られないように苦笑した。 そうだな。オレは、自分の好きになれない。絶対に。何があっても。 「決めました!」 オレがそんな事を考えていると、突然アメリアが声を上げた。 「何をだ?」 「私がゼルガディスさんの分もゼルガディスさんを愛しますっ!」 「アメリア・・・・。」 いつもの笑顔とは違う、少し大人びた微笑でアメリアはそう言う。 それにオレはどうしていいか分からなかった。 そんなアメリアの表情を見たのは初めてだった。優しい微笑みだったと思う。 「だって、自分に愛してもらえないなんて・・・・ゼルガディスさん可愛そう すぎますっ・・・・・私そんなの・・・・・・そんなの嫌ですっ。」 言いながら、アメリアの目から涙がこぼれた。それにオレは目を見開く。 そのまま抱きついてきたアメリアを受け止めて、行き場を失った手を見つめていたが、 オレはアメリアを優しく、できるだけ優しく抱きしめた。 どうしていいかなんて分からなかった。誰かを抱きしめた事なんてなかった。 「ありがとう・・・・・・アメリア。」 オレの言葉に、アメリアの嗚咽が更に響いた。 その時オレは初めて自覚した。アメリアの事を誰よりも愛しいと。 外では、雲がないというのに雨が降っていた。 月明かりに照らされ、輝く雨粒。 その光を感じながらオレは、どこかに置き忘れた何かを、やっと取り戻せたような気がしていた。 気づいたらただ一人 空を見上げていた こぼれ落ちた雫は 涙のように オレは全てのレッサー・デーモンを倒し、再び木の幹に寄りかかって座る。 仲間達と会わなくなってから、オレは少しずつ過去の自分に戻っていった。 『残酷な魔剣士』、『レゾの狂戦士』、『白のゼルガディス』などと呼ばれていたあの頃に。 仲間達はきっと、オレを引き止める存在だったのかもしれない。 オレは放っておけばどこまでも闇の中に堕ちる存在。 だから、オレは・・・・・・・・。 ガラスのようなStory 言葉にできず 透き通る指先に 抱かれたまま あの後、オレは全てを終えるまでに五年もかかってしまった。 それでもオレは約束通りアメリアに会う為にセイルーンへと向かった。 こんなにも長い間放っておいたから、もしかしたら誰かともう結婚してしまった のではないかとも考えたが、それでも会いに行く約束をしたから。 だが、オレはセイルーンでどうしようもない想いを胸に抱く事になる。 アメリアは、もうこの世にはいなかった。 何でも、アメリアの父親であるフィルさんが国王になった後、 彼女は突然暗殺者に狙われだしたのだと言う。 それと同時期にアメリアの姉であるグレイシアも噂を聞きつけてセイルーンに戻ってきたらしい。 二人共、かなりの使い手と言えば使い手だった。 グレイシアは何とか免れたのだが、アメリアは暗殺者の手によって殺された。 今更と言えばあまりに今更すぎた。 今更アメリアを殺しても仕方なかったはずだ。 オレは怒りと、悲しみと憎悪の中でどうしていいか分からなかった。 アメリアは結局、誰とも婚約する事がなかったらしい。 ずっとオレを待ち続けてくれたのだ。 オレはアメリアから預かったアミュレットを返すと、自分のブローチは受け取らずにセイルーンを後にした。 そこでリナとガウリイに会ったが、それ以後は会っていない。 そして、オレはアメリアを殺した暗殺者を・・・・自分のできうる限り残酷なやり方で殺してやった。 事切れた暗殺者を見つめ、自分の赤く染まった服を見た時、何かがオレの中で壊れた気がする。 それは、オレの中で取り戻されていた何か。 その時の月が、赤く見えたのはオレの幻想だったのだろうか。 『どうすれば この想いが届くのだろう』って 「っ・・・・・・・・。」 オレはふと、心臓の辺りに痛みを感じた。 ここのところ毎日のように感じる痛み。 本当は知っている。 いくらこんな身体にされたとは言え、オレも元は人間だ。 この身体にも寿命というものが存在するのだろう。 オレはもう数年感じている。この身体が崩れていくような感覚を。 もし、死んだのならば会えるだろうか? でもオレはきっと血塗られた存在。 死んだとしてもアメリアと同じ所に行く事はできないだろう。 それでもせめて────。 コノ想イダケハ届クダロウカ? 月から雫が落ちているように見えた。 あの日と同じだ。オレが初めてアメリアを愛しいと思ったあの日と。 月に照らされて輝くそれを見つめながら、オレは意識が混濁していくのを感じる。 あぁ、これで全てが終わるんだ。 今はまだ知らない 約束を交わして 永遠に続いた道を彷徨うけれど あのときのまま 時計の針は凍り付いて 響き渡る鐘の音 別れを告げた 「だ〜か〜ら〜、嘘じゃないんだってばっ!」 「あのなぁ。ただの夢に決まってるだろう?」 栗色の髪をした少女と、金色の髪をした少年がそんな言い争いをしていた。 二人共旅をしているのだろう。軽装にそれぞれ荷物を持っている。 「ただの夢を二十回も見るっ!?普通?」 「普通じゃないからだろう?」 「あ〜もうっ。夢の中じゃあんなにクラゲ頭だったのにぃぃぃぃっっ!?」 少女が思わず立ち止まって地団駄を踏む。 「前世だのなんだのあるわけないだろう?怪しい本の読みすぎじゃないか?」 「あたしの読む本のどこが怪しいって言うのよっ!」 「全部だろ。」 そんな二人の目の前を、数人の子供達が走っていった。 ふとそれに視線を移すと、その中の一人が思い切り何もない所で転ぶ。 それに少女が慌ててかけよった。 「大丈夫?」 彼女はその子供を急いで起こしてやった。 黒髪に大きく澄んだ瞳。年齢は違うが、その顔は確かに彼女が夢で見た、『仲間』 と同じだった。それに思わず彼女は息を呑む。 「あ、あんた・・・・・。」 「大丈夫かっ?」 ふと、幼い少年の声にその方向へと視線を向ける。 するとそこにはやはり黒髪の少年が立っていた。 おそらく、自分と一緒にいた中にその少女がいない事に気づいて、 慌てて戻ってきたのだろう。しかし、その顔を見た瞬間彼女は更に驚いた。 髪も、肌の色も違う。年も違う、だがそれはもう一人の『仲間』にそっくり だった。あの少しきつい顔つきがその人物を思い起こさせる。 「う・・・・そでしょ?」 目を見開く彼女に二人は小さく礼を言うと、今度はしっかりと手を繋いだまま、 先ほどの方向へと走っていった。それを彼女は呆然と見送る。 まるで、夢の続きを見ているような感覚だった。 ただ、手には少女を抱き起こした時の感触だけが残っている。 「おい、理奈?」 「え?」 「どうした?」 「何でもないわ。行きましょう。」 理奈と呼ばれた、あのリナ=インバースにそっくりな少女は連れの少年の言葉に ただ笑いながら肩を竦め、子供達とは反対の方向へと歩き始める。 (ま、あの年じゃあたし達と旅なんかできないわよね。) 口元に笑みを浮かべ、彼女は胸中でそんな事を呟く。 (ガウリイ・・・・・ゼルガディス・・・・アメリア・・・・・。 大丈夫。あたしはちゃんと覚えてる。それに・・・・・・・・・・・・。) そう思いながら、彼女は隣の少年を見た。夢の中でいつも隣にいた ガウリイ=ガブリエフという剣士とそっくりな幼馴染の顔を。 それに彼は眉を潜める。 「何だ?」 「いつか思い出してもらうからねっ!ガウリイ!」 「は?って、それオレの事か?」 「さぁね。」 益々訳が分からないと言った表情をする彼に、理奈はそう告げて走り出した。 それに彼も慌てて走り出す。 「おい、理奈待てよっ。」 それは、かつて見たかもしれない光景だった。 ガラスのようなStory 言葉にできず 透き通る指先に 抱かれたまま END ********************************************************************* な、何か意味不明ですみません(>×<) ゼルの一人称だったのに、何故か最後は三人称。 しかも無駄に長いような気もするし・・・・・。 更に最後も謎な終わり方でした。 うわぁ、穴だらけ・・・・・。 一応、同じ場所・同じ時代にリナ、ガウリイ、ゼル、アメリアが 転生したんだと納得してやってください。 ちなみに転んだ子供はアメリア、戻ってきたのはゼルです。 そしてさりげに最後はガウリナ?? お目汚し、失礼しましたm(__)m †鎖夢† |
8110 | Re:ガラスのように・・・・ | 隣のLおねいさま | 2002/2/16 00:59:39 |
記事番号8109へのコメント ひさびさにここに来て投稿を見ました、隣のLおねいさまです。 はじめまして。 私はゼルアメ大好きなんです。前にはちょっとここに投稿していた 時があるんですよ(苦笑) すごく感動しました。話がダークなわりにはすごくなんていうか 雪のようにきれいな感じがして。悲しいのにほほえましいというか。 結論としていつも迷ってしまうのはゼルとアメリアは果たして 幸せになれるのか?です。難しいですよね、こればかりは。 また小説みたいです。どしどし投稿しちゃってくださいね。 そして素敵な作品を読ませてください。それでは失礼しました! |
8117 | はじめまして! | 鎖夢 E-mail | 2002/2/16 21:26:01 |
記事番号8110へのコメント 隣のLおねいさまさんは No.8110「Re:ガラスのように・・・・」で書きました。 > > ひさびさにここに来て投稿を見ました、隣のLおねいさまです。 >はじめまして。 > 私はゼルアメ大好きなんです。前にはちょっとここに投稿していた >時があるんですよ(苦笑) 初めまして、鎖夢と申します。 実はさりげにいつも読ませていただいていました。 読み逃げですみません。 私は、魔剣士ひいきなゼルアメファンだったりします。 > すごく感動しました。話がダークなわりにはすごくなんていうか >雪のようにきれいな感じがして。悲しいのにほほえましいというか。 き、きれいですかっ?何か照れてしまいます。 元々、ダークなのとかしか書けないらしくって・・・・ あ、でも私にしてはダークじゃないかも♪とか思ってたんですけど、 やっぱしダークだったんでしょうか? > 結論としていつも迷ってしまうのはゼルとアメリアは果たして >幸せになれるのか?です。難しいですよね、こればかりは。 これはゼルが元に戻れるか否かでかなり変わりそうですよね。 もし戻れれば、何とかなりそうですが・・・・ でも、その後も何だかんだ言って障害がたくさんありそうです。 > また小説みたいです。どしどし投稿しちゃってくださいね。 >そして素敵な作品を読ませてください。それでは失礼しました! じ、実は考えてるパラレルっぽいのがあったりなかったりします。 でもあまりに長くなりそうなので、もうちょっと投降になれてからに しようかなと・・・・・それまではちょくちょく短編などを投降しようと 思ってます。 また、よろしければ読んでやってください。 コメントありがとうございました。 †鎖夢† |
8120 | はじめまして | 一坪 E-mail | 2002/2/17 20:08:48 |
記事番号8109へのコメント 投稿ありがとうございましたっ! いやーー読み応えありました。惹きこまれたので一気に読んじゃいましたが。 こーゆーダークな話も味があっていいですねー。 最後の展開はちょっとビックリでした。 では、これからもよろしくお願いします! |
8122 | はじめまして | 鎖夢 E-mail | 2002/2/17 22:54:39 |
記事番号8120へのコメント 一坪さんは No.8120「はじめまして」で書きました。 > >投稿ありがとうございましたっ! > >いやーー読み応えありました。惹きこまれたので一気に読んじゃいましたが。 >こーゆーダークな話も味があっていいですねー。 >最後の展開はちょっとビックリでした。 一坪サマ、はじめましてっ! こちらこそ、こんな拙い文章にコメントありがとうござます。 何だかちょっと照れくさいですね・・・・(////)ゞ あ、味がありますか?自分的には無味無臭のような気もしなくはありません。 最後の展開は、自分でも入れようかすごく迷いました。 でも、入れずに切ってしまうとあまりにも救いがないような気がしたので入れました。 ビックリでしたか?そう言っていただけると嬉しいです。 私、いつでも想像がつかない展開を目指してるんです。 >では、これからもよろしくお願いします! こちらこそよろしくお願いします! コメント、ありがとうございましたvv †鎖夢† |
8121 | 月と太陽 | 鎖夢 E-mail | 2002/2/17 22:47:55 |
記事番号8109へのコメント 【ガラスのように・・・・】のアメリアサイドです。 また暗くて痛いんですが、よろしくおねがいします。 ********************************************************************** 何が起こったのか分からなかった。 ただ衝撃を感じて、目の前で何かが点滅している。 椅子が倒れる音と誰かの声だけが遠くで聞こえた気がした。 多分、リナさん達。 『アメリア・・・・。』 どうして?どうして貴方がここにいないんですか? どうして私の名前を呼んでくれないんですか? ねぇ、どうして? 【月と太陽】 『忘れないでね 私を見つめて 変わらないでね 優しい 眼差し』 ゼルガディスさんと最後に会ったのは五年前・・・・丁度私が十九歳の誕生日を迎えた日だった。 その時『しばらく会えない』と言われたけれど、こんなに長いなんて。 薄れてしまうかと思った思い出も思いも、薄れるどころかどんどん強く鮮明になっている。 私は深く溜息を着く。 今日、私は二十四歳になった。 この年齢になれば、王族は結婚しているのが当たり前。 でも私は他の誰とも結婚する気はない。 だって、ただ穏やかに権力の中で育っただけの人間なんて、もう目に入らない。 二年前にお爺様が亡くなって、父さんが国王になった。 私の王位継承権も第二位に上がっている。 でも、姉さんは相変わらず旅に出たまま帰ってこない。 目の前に置かれた髪飾りを見つめ、私はまた溜息を着く。 もう、このまま結婚しないままというのも難しいのかもしれない。 「ゼルガディスさん・・・・まだですか?まだ来てくれませんか?」 呟いた声が、虚しく乾いて部屋に吸い込まれていく。 外は穏やかに日の光が照らしているのに、どこかそれも遠い。 天気はいいのに、ここのところ私の気分は優れなかった。 一年目。いつもの事だと思ってまた会える日を考えながら、その日を楽しみにしながら私は過ごした。 二年目。少し不安だったけれど、約束を信じて、たまに泣いたけれど待っていた。 三年目。不安でどうすればいいか分からなくて色々考えた。 もしかして何かあったんじゃないかとか、他に好きな人ができてしまったんじゃないかとか。 四年目。どうしようもなくなって、リナさん達に捜してもらった。 五年目。まだ、彼は見つからない。来てくれない。 ゼルガディスさん、もう元の姿に戻れましたか? ちゃんと無事で、この世界のどこかにいますか? まだ───私を好きでいてくれてますか? 此処から見下ろす情景は閉ざされた心の鍵を壊す 虚ろな記憶の中で、鮮明に残っている・・・・昨日の事のように。 普段は冷静で、ポーカーフェイス。一見冷たそうに見えるけれど本当は優しかった。 ゼルガディスさん・・・・ゼルガディス=グレイワーズさん。 私にとって、とても大切な大切な人。 その日は、私の十九歳の誕生日だった。 私を祝いに、各国の王族や貴族達がパーティへと出席しくれていた。いつものパーティ。 笑顔を振り撒いて、笑顔を張り付かせて、ただ人形の王女を演じる。 きっと今の私を見たら、一緒に旅をしたリナさん達は顔を顰めるだろう。 自分でだって見たくないほどなのだから・・・・・。 パーティに出席する人の中には、自分の息子さんと私を婚約させ、王家と繋がりを 持とうとしている人もいなかったわけじゃない。 王族なら、この年齢で結婚するのは当たり前。 確かに、地位が欲しくて私に声をかけてくる人達ばかりじゃない。 本当に純粋な好意。 別に婚約とか関係なくて、友達とかの意味で声をかけてくれる人もいる。 でも、それでも何故か偽者の、仮面の笑顔しか向けられない。 どうしても、話し掛けてくる人が皆同じように見えてしまう。 そんな事から逃れるように、私はテラスで月を眺めていた。 月が綺麗だった。綺麗で、少し寂しそうな満月。 それに自然と思い出す。本当に信頼できる仲間の事を。 「リナさん、ガウリイさん・・・・・ゼルガディスさん、どうしていますか?」 「元気そうだな。アメリア。」 思わず呟いた私に、声がかけられて慌てて振り返った。 振り返った先には全身白ずくめで、白いフードとマスクで顔を覆った人が立っている。 そんな人、私はこの世界で一人しか知らない。 「ゼ、ゼルガディスさんっ。」 「久しぶりだな。」 「どうしてここに・・・・あ、また不法侵入しましたね?」 「それしかないだろう?」 驚いてる私を見て、ゼルガディスさんは苦笑してる。 でも、不法侵入はいけません!ゼルガディスさんってばちゃんと表から入ってくれればいいのに。 兵士の人だって顔知ってるんだから。 「不法進入は悪です。連絡してくれればよかったじゃないですか。」 「こんな日にオレみたいなのが連絡したら、悪い噂がたつだろう?」 「そんな・・・・・・。」 私は思わず言葉に詰まった。 本当は「そんな事ありませんよ」とか、「大丈夫です」とか言いたかった。 でも、今来ている人達の事を考えるとそんなの気休めにしかならない事に気づく。 何でみんな見た目で判断するんでしょう。 そう考えたけれど、どことなく気まずくなってしまった空気に、私は笑いながら ゼルガディスさんを見た。自分でもわかる。 今、私はちゃんと自分で笑っているんだと・・・・・。 「それで、どうしたんですか?こんな急に。」 「あぁ・・・・・。」 私に言われてゼルガディスさんは思い出したように荷物を探る。 そして、しばらくして私の目の前に手を差し出した。 その上には小さな小箱。丁寧に、でもシンプルにラッピングされている。 「これを渡しに来たんだ。誕生日おめでとう、アメリア。」 「覚えてくれてたんですか?」 「まぁ・・・・な。」 私はゼルガディスさんの言葉を理解するのにかなり時間がかかってしまった。 薄く微笑みながら私に小箱を手渡してくれる彼に、笑顔で問い掛ける。 照れたように反らされた視線が、私の中で嬉しさを掻き立てる。 「ありがとうございます。あ、開けてもいいですか?」 「お前の物だ。好きにすればいい。」 「へへへvvわぁ〜、素敵な髪飾りっ。」 リボンを解いて箱の中を覗くと、銀細工の髪飾りが入っていた。 四つ入っていて、少しずつ違うデザイン。 それぞれに、翠色、蒼、ワインレッド、薄紫の石がはめ込まれてる。 私は思わず蒼い石のついている髪飾りを取り出す。 ゼルガディスさんの瞳の色によく似た、石がついていたのだ。 「ありがとうございます、ゼルガディスさん。大事にしますね。」 「気に入ってもらえてよかった。」 私が笑うと、ゼルガディスさんも少し笑ってくれた。 それが嬉しく、ただ嬉しくて。幸せだ。 その後、ゼルガディスさんと一緒に少し話して、お別れした。 次はいつ会えるか分からないって言ってたけれど、その時の私は不安に思わなかった。 嬉しくて、嬉しすぎて、そんな事考えなかったの。 夢のような出来事だった。 でも、私の手に残されたゼルガディスさんのブローチと、プレゼント。 そして・・・・・私の腕から消えたアミュレットだけがそれを現実にしてくれていた。 失う事さえも 恐れていた訳じゃないけれど 「リナさん!ガウリイさん!お久しぶりです。」 「アメリア、久しぶりね。」 久しぶりにリナさんとガウリイさんが訪ねてきてくれた。 二人はもう、旅をしていない。二人は結婚していて、今はリナさんの故郷である ゼフィーリアで一緒に暮らしているのだ。 私は久しぶりに会った 「はいっ。あれ?お子さんはどうしたんですか?」 「リナの姉ちゃんに預けてきたんだ。まだ長旅は無理だろ?」 「そうですね。でも、本当に会えて嬉しいです。」 ガウリイさんの言葉に私は頷いて、また笑う。 それを見ながらリナさんが少し首を傾けながら聞いてきた。 「ゼルからはまだ連絡ないの?」 「・・・・はい。」 「もう五年よね?おっかしいわねぇ。」 「それより、お二人共どうしたんですか?」 リナさんにきかれて私は俯いた。その時、私の中で昏い何かが蠢く。 だけど私はそれを抑え込みながらリナさん達に逆に質問を返した。 これ以上、彼の事に触れてほしくなかったから。 「もしかして、アメリア知らないのか?」 「何がですか?」 「あんたの暗殺計画がたってるって噂よ。」 「あぁ、それですか?大丈夫ですよ。たまにそうゆう噂あるんですけど、 そうゆう時って大概デマなんです。」 慣れていた。王位継承権を奪う為に、時には巫女頭の地位を奪うために暗殺者を雇う人達。 だけど、そんな噂が流れる時は絶対に何も起こらないと私は知ってる。 「そう?ま、用心にこしたことはないでしょ?」 「もしかして、心配してわざわざゼフィーリアから?」 「まぁな。結構向こうでも噂すごかったからな。」 「もしかしたらゼルも来てくれるかもしらないわよ。」 わざわざ来てくれたのだという、喜びと感謝の気持ち。 それもゼルガディスさんの名前を出された瞬間に砕け散る。 「そうでしょうか?」 私は、冷たくそう返す事しかできなかった。 きっと彼女には分からないだろうから。 僅かに残った情景は 今もそう・・・・・乾いた風に揺れる 記憶は色褪せて 変わりゆくけれど 前に、ゼルガディスさんと二人だけで旅をした事が一度だけある。 リナさん達の行動している時も、二人で行動する事は多かった。 でも、完全に二人きりなのは初めてで嬉しかった。 父さんには半年間だけと言って許可を貰った。 その時・・・・確か夏の初めだったと思う。 少し暑くなりはじめた初夏、私は近くの川に足を浸して涼んでいた。 ゼルガディスさんはその近くの木に寄りかかって何か本を読んでる。 キラキラ光る川の水が綺麗で、澄んだ水を何度も弾いた。 何となくゼルガディスさんを見ると、疲れていたのか眠ってしまってる。 私は濡れた足を拭いて、裸足のままゼルガディスさんに近づいた。 木の枝や、葉の間から木漏れ日が漏れている。 その中で私はゼルガディスさんの隣に座って寄り添った。 「ゼルガディスさん・・・・ずっと大好きです。ずっと・・・・・・・・。」 呟きながら私は目を閉じた。 幸せすぎて、愛しくて、ただあの頃は全てを信じられた。 そう、あの頃は。 月と太陽のような 交わりを結んで 二人に降り注ぐ 木漏れ日の雨 「まさか本当に狙われるなんて思いませんでした。」 思わず私はベッドに突っ伏したままで呟く。 昨日、突然姉さんが帰ってきた。もう何年ぶりだっただろう? でも姉さんは相変わらず綺麗で自信に溢れてて、優しい姉さんだった。 リナさんと知り合いだったのはちょっと驚いたけれど。 その時私と姉さんに誰かが襲い掛かったのだ。 暗殺者だった。 何とか撃退したけれど、今までとは違うかなりの使い手。 だから私は一人になる事をできるだけ避けるように言われた。 今、部屋にはリナさんとガウリイさん、それから姉さんがいる。 ここに、あの人が加わる事はあるのかな? 『忘れないでね 私を見つめて 変わらないでね 優しい 眼差し』 「ゼルガディスさんって、ご自分の事嫌いなんですか?」 「どうしてそう思う?」 いつだったか、ずっと前に私はそんな事を言った事がある。 まだゼルガディスさんを信用しはじめたばかりの頃で、ただの仲間だった頃。 リナさん達の存在も、私にとっては珍しいものだったけれど、 ゼルガディスさんはもっと不思議な存在だった。 きっと自分は、自分の道は、この人と交差する事はないと思っていた。 「何となく・・・・です。」 「好きだと思うか?こんな自分。」 「いえ、そうじゃなくって・・・・・・。」 「何だ?」 何となく言った言葉だから、追求されて私は何て言えばいいのか分からなかった。 冷静で、自分の事を誤魔化すのがうまい人だったから。 何を言ってもすり抜けられてしまうような気がした。 「姿とか関係なく、昔からそうだったんじゃないですか?」 何となくそう思ってた。 ガウリイさんはよく分からないけれど、リナさんは自分を信じてる。 多分自分を好きでいられるタイプなんじゃないかな? 私も今の自分なら好きでいられると思う。 だけどゼルガディスさんはそうゆう人には見えなくて・・・・・。 私の思ったとおり、ゼルガディスさんは答えないまま窓の外に視線を向けた。 そして自嘲気味に・・・・でもどこか寂しそうな微笑みを浮かべて外を見てる。 それはきっと、無意識な肯定。 「決めました!」 「何をだ?」 「私がゼルガディスさんの分もゼルガディスさんを愛しますっ!」 「アメリア・・・・。」 精一杯の笑顔で言うと、ゼルガディスさんは複雑な表情で私を見た。 「だって、自分に愛してもらえないなんて・・・・ゼルガディスさん可愛そう すぎますっ・・・・・私そんなの・・・・・・そんなの嫌ですっ。」 私は言いながら泣いてしまった。 笑おうと思ったのに、何故か涙が止まらなくて・・・・・。 それに驚いた顔をしているゼルガディスさんを見て、また涙がこぼれる。 気づいたら、私はゼルガディスさんに抱きついてしまっていた。 それに一瞬だけ彼が身体を強張らせる。私も慌てて離れて笑おうとした。 だけど、ゼルガディスさんはそんな私を抱きしめたのだ。 一瞬自分の状況が理解できなくて、目を見開いた。そこから涙がまた零れる。 「ありがとう・・・・・・アメリア。」 優しく響いた低い声に、優しく抱きしめてくれる腕に、私は声をあげて泣いた。 そして気づいてしまったのだ。 彼が大事なのだと。好きなのだと。 胸の奥に残る 微笑みが 熱を奪って Can't stop the Silence あなたも きっと同じ リナさんとガウリイさんがセイルーンに来てから三日が経った。 どうやら噂は色々な所に飛び火しているらしく、私は自分の部屋に篭っている。 これだけ噂が飛び交っているののだからゼルガディスさんの耳にも入ってるだろう。 だけど、彼は私の前に現れてはくれなかった。 どうして、どうして来てくれないんですか? もう私の事も忘れてしまったんですか? それとも・・・・・・・・。 私は少しだけ泣いた。外は、久しぶりの雨に濡れている。 だけど私の心はどこかで乾いて、ひび割れていたのかもしれない。 月と太陽の様な 交わりを結んで 二人に降り注ぐ 木漏れ日の雨 今まで感じた事もないような衝撃。 それに目を見開いた。目の前にいるのは暗殺者。 身体が動かない。動けない。体中が痛くてどうしようもない。 そのまま、正面を見ていたはずの視界が揺らいで天井を映した。 だけど、次の瞬間には床が映っていて、その数瞬後には誰かの足と床が見えだけ。 「アメリア!」 「こいつっ!!」 リナさんとガウリイさんの声が聞こえる。 それから、慌てて私に駆け寄る音。 誰かが私を抱き上げている。でも、それは望んだ手じゃない。 「アメリア!アメリアっ!!」 あぁ、姉さんの声だ。 どんどん意識が落ちていく。 息ができない。顔が硬直していくような・・・・体中が痙攣していくような感覚。 眠りに着くような穏やかなものじゃなくて、のしかかるような重さ。 音が、意識が遠くなる。 私の意識の奥で、陽炎のような一つの影が振り返った。 その人は私を見つけたのか、優しく微笑んでくれる。 けれど、それもすぐに闇へと消えた。 「・・・・・・ル・・・ィ・・・・・・さ・・・・・。」 それは声になったのか、ならなかったのか分からない。 ただ、重くなっていく瞼の隙間から何か冷たい物を零れ落ちた気がした。 知っていましたか?ゼルガディスさん。 私、まだ貴方に「愛してる」って言った事ないんですよ? ずっと「好き」とか「大好き」とかしか言ってないんですよ? 本当はゼルガディスさんが元に戻れて、私の所に来てくれた時に言おうと思ったんです。 素敵でしょう? でも、ここで言わせてください。 ゼルガディスさん、愛してます。 過去形なんかじゃありません。 今も、未来も、ずっとずっと愛してます。 ずっと───。 夏の香りが まわりを染めていく 『変わらないでね 優しい まなざし』 もう 燃えて逝ってね 私の妖精 掻き消えそう 貴方を見つめて END ********************************************************************* アメリア一人称って難しいですね(汗) ゼルの二倍くらい時間がかかりました。 特にシリアスだと書きにくい事この上ないです。 普段三人称で書いてるせいもあるんでしょうけど・・・・。 何故か私が書くアメリアは、無邪気さの裏で果てしなく暗いです。 しかも何気にゼルサイドより暗いしダークですね。 そして、何故かちらほらとガウリナ(笑) †鎖夢† |
8139 | 鎖夢さんだvv | ねんねこ E-mail URL | 2002/2/21 13:43:08 |
記事番号8121へのコメント こんにちは、いつもお世話になってます。ねんねこですvv まずは書き殴りさんデビューおめでとうございますっ!(何) しかもゼルアメですぜ、ゼルアメvv(><) 最近ゼルアメから離れつつある話を書いてる自分。ゼルアメ読んでると、『ああ、やっぱり自分ってゼルアメラーだ……!』て思いますね。でも自分では書けなくなりつつあるんですけど(ダメじゃん)。 一気に二作品、拝見させていただきましたvv あああああああっ、なんかめちゃくちゃ果てしなく悲しいです(T_T) でも、ゼル編の最後にやっと再会できたって感じで嬉しかったです。 私的にいつも一緒に……という彼らも好きなんですけど、離れていても、心はいつも一緒なんだよ、と思っている二人が好きなんですよ;; >何故か私が書くアメリアは、無邪気さの裏で果てしなく暗いです。 あああっ、なんかわかりますっ!わかりますよそのアメリアの雰囲気っっ! どちらかといえば原作の姫の方が好きなので(アニメ版はちょっと……汗)無邪気なんだけど、どこか暗くて。何も考えてなさそーで、実はいろんなことを考えていそーで。見かけよりも大人びた娘だと思ってるんですが…… もうタイトルもお話も素敵で惚れ惚れしちゃいましたvv また素敵なお話拝見させてくださいませ♪ ではでは短いですがこの辺で。ねんねこでしたっ! |
8143 | ねんねこさんだvvv(対抗してみたり) | 鎖夢 E-mail URL | 2002/2/21 18:28:46 |
記事番号8139へのコメント > こんにちは、いつもお世話になってます。ねんねこですvv > まずは書き殴りさんデビューおめでとうございますっ!(何) > しかもゼルアメですぜ、ゼルアメvv(><) > 最近ゼルアメから離れつつある話を書いてる自分。ゼルアメ読んでると、『ああ、やっぱり自分ってゼルアメラーだ……!』て思いますね。でも自分では書けなくなりつつあるんですけど(ダメじゃん)。 ねんねこさん、こんにちは!こちらこそいつもお世話になってます!! はい、書き殴りでびぅ(何ごと!?)しましたvv かなりドキドキです。何気にゼルアメをちゃんと書いたのは初めてで・・・。 初めてが死にネタでいいのかぁ!!?(ちゃぶ台返し)なんてつっこんじゃ嫌ですよvv > 一気に二作品、拝見させていただきましたvv > あああああああっ、なんかめちゃくちゃ果てしなく悲しいです(T_T) > でも、ゼル編の最後にやっと再会できたって感じで嬉しかったです。 > 私的にいつも一緒に……という彼らも好きなんですけど、離れていても、心はいつも一緒なんだよ、と思っている二人が好きなんですよ;; 果てしなく暗くてすみませんっ!!(>×<) 元々、甘いのとか苦手なんでどうしてもそっち行っちゃうんですよ。 ゼル編の最後嬉しかったですか?あぁ、入れてよかった! 実は入れないつもりでいたんですよ。 私もねんねこさんと同意見です。いつも一緒な二人もいいですけど、離れていて も・・・・(以下略)がいいんですよねvvそこがガウリナとは違う魅力だと思うんです。 >>何故か私が書くアメリアは、無邪気さの裏で果てしなく暗いです。 > > あああっ、なんかわかりますっ!わかりますよそのアメリアの雰囲気っっ! > どちらかといえば原作の姫の方が好きなので(アニメ版はちょっと……汗)無邪気なんだけど、どこか暗くて。何も考えてなさそーで、実はいろんなことを考えていそーで。見かけよりも大人びた娘だと思ってるんですが…… ねんねこさん、分かってくださいますか!? そうなんです、原作の姫がいいんです。無謀だけど、考えてなさそうなんだけ どちゃんと色々考えてるんです。アニメの姫はなんと言うか、うう〜ん・・・・(汗) 一度ゼルアメ恐怖症になったのはアニメの姫が原因でした。 しかし、アニメの姫に侵食されて、うちの姫は混合姫になってますが(笑えない) > もうタイトルもお話も素敵で惚れ惚れしちゃいましたvv > また素敵なお話拝見させてくださいませ♪ > ではでは短いですがこの辺で。ねんねこでしたっ! はい!素敵かどうかはかなり謎ですが、また投降しますのでその時は・・・・・。 コメントありがとうございましたvv |
8216 | マジ泣き・・・。 | ザズルア=ジャズルフィードゥ | 2002/3/20 10:30:34 |
記事番号8121へのコメント どうも、初めまして。ザズルア=ジャズルフィードゥです。 「ガラスのように・・・」「月と太陽」読ませていただきました。 「月と太陽」を読み終わった後は泣いちゃいましたよ。マジで。 「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!ゼルとアメリアには幸せになってくれなくちゃ嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」と心の中で絶叫(静かにしていなければいけない場所なので)したけどそんなのエゴっすね。 そんな甘っちょろいこと言っているから甘っちょろい小説しかかけないんですよね、きっと。 それでは。(大して感想になっていない気が・・・。) |