◆−Programized Heaven type:01−鎖夢 (2002/3/21 17:16:36) No.8217 ┣ふふふ・・・。−+綺咲+ (2002/3/21 23:42:05) No.8219 ┃┗ありがとうございます〜(>▽<)−鎖夢 (2002/3/24 22:14:17) No.8222 ┣Programized Heaven type:02−鎖夢 (2002/3/25 21:29:22) No.8225 ┃┣Reわくわく!−朋 (2002/3/26 15:13:15) No.8230 ┃┃┗はじめましてvv−鎖夢 (2002/3/28 22:24:27) No.8232 ┃┗みにょーん(>▽<)))−+綺咲+ (2002/3/29 18:19:47) No.8237 ┃ ┗ウケケッ・・・・(−▽−)−鎖夢 (2002/3/29 21:48:14) No.8239 ┣Programized Heaven type:03−鎖夢 (2002/3/29 21:40:35) No.8238 ┃┗わーいっ−朋 (2002/3/30 16:46:31) No.8246 ┃ ┗ありがとうございますvv−鎖夢 (2002/4/8 00:53:47) No.8263 ┗Programized Heaven type:04−鎖夢 (2002/4/8 00:47:20) No.8262 ┣つづきだ!−朋 (2002/4/8 13:55:10) No.8266 ┃┗続きですvv−鎖夢 (2002/4/11 22:14:47) No.8284 ┣つづきだ!−朋 (2002/4/8 13:55:16) No.8267 ┗久しぶりです〜♪−+綺咲+ (2002/4/12 19:13:52) No.8291 ┗どうもですvv−鎖夢 (2002/4/13 00:00:46) No.8292
8217 | Programized Heaven type:01 | 鎖夢 E-mail URL | 2002/3/21 17:16:36 |
こんにちは、鎖夢です。 今回ちょっとパラレル系連載なんて勇気ある事してみました。 ちょっとSF混じりのファンタジーです。オールキャラ目指して頑張ります。 カップリングは・・・・・あるようなないような微妙なところです。 実のところあんまし意識してません。一応ストーリー性重視でいきます♪ ***************************************************************************************************************************** 惑星エデン。 天種族と呼ばれる有翼種族の住むその惑星は、平和で穏やかな、まさに楽園のような世界だった。 エデンを治め、全ての天種族達の頂点に経つ《金色の魔王》。 そしてその下に仕え、エデンを守るスィーフィードとシャブラニグドゥ。 更にその二人の下には何人もの部下達がおり、エデンは平和の中で守られていた。 だが、突然起きた時空崩壊により《金色の魔王》は時空の彼方へと葬られてしまい、その瞬間にエデンの平和は脆くも崩れ去った。 シャブラニグドゥからスィーフィードへの宣戦布告。 それをきっかけに二つの権力に分かれたエデンは、戦火へと叩き込まれた。 シャブラニグドゥは五人の部下と共に、スィーフィードも多くの部下と共に戦った。 しかし結果はスィーフィードの敗北と言う形で終幕を得る。 スィーフィードは最期の力で自分の魂を分裂させ、一人の少女を作り出した。 だが、その少女もシャブラニグドゥによって攫われ、エデンは完全にシャブラニグドゥの支配下に置かれた。 更に戦火の中、空も地も、何もかもが汚染され、エデンから青い空と清き水は失われた。 灰色に染まった大地と空と人と人。天種族達はいつの間にか、その象徴である翼の意味すらも忘れてしまっている。 シャブラニグドゥの独裁的な政治の中で逆らう者が決していなかったわけではない。 だが、逆らった者は『鋼天使』と呼ばれるアンドロイドへと姿を変えられ、 自我を残したままで決してシャブラニグドゥの命令には逆らえないと言う永遠の苦しみの中で生きる事となるのだ。 その任務を遂行する者達を、エデンの者は『ジーザス』と呼んでいる。 そして、楽園が失われてから千年の時が経っていた。 圧し掛かるような、重い色をした雲から黒ずんだ雨が降り注いでいた。 大地に恵みを与える雫とは程遠く、大地を侵していく雨。かつては優しくいこの大地に恵みを与えていたのかもしれない。 だが、今はただ全てを黒く染めていくだけだ。そんな、全てが灰色に染まりきった大地で白い影が動いた。 彼等は皆、一様に逃げ続けている。全員が纏っている白い服は、雨を吸って灰色になりかけている。 白い服の上で、銀色の十字架が鈍く輝いていた。年齢は様々だが、まだ若い───十代前半から後半程度の者達がほとんどだ。 そのうち一人の少女など、幼い子供を抱いたまま走っていた。周りには他に人気は感じられない。 それに彼等は少なからず安堵していた。だがそれと同時に、早く先に進まなければいけないと言う意識に駆り立てられる。 だが、突然彼等に突然眩しい程のライトが浴びせられ、全員が立ち止まって腕でそれを防ぎ、顔を背けた。 ライトが逆行になってよく見えなかったが、歩み寄ってくる人影に、誰もが絶望を感じる。 その後ろでは鋼の翼を持つ人間が、無表情でレーザー銃を構えていた。 白いコートを纏い、額に赤い石のついたサークレットをしたその人物は、逃げていた彼等にゆっくりと歩み寄る。 その気配はどこか張り詰めた冷たいもので、人としての情など感じられない。 「よくここまで逃げたと褒めてやろう。だが、逃げきれるわけもない。」 白コートの言葉に、彼等は悔しげに唇を噛み締める。尚も男は続けた。 「従うならば生を、逆らうならば永遠の苦痛を・・・・どちらを選ぶ。」 その手には、しっかりと小銃が握られている。照準を、彼等のリーダー格らしき少年へと向けた。 それに少年は隠し持っていたダガーを抜き取り、男へと走り出す。 「うわぁぁぁぁぁっっ!!!」 瞳を見開き、悲鳴のような絶叫を上げて少年は男へと駆け出す。だがその瞬間に、赤い光が少年の体を幾度も貫いた。 後ろで待機していた者達がレーザー銃で少年を打ち抜いたのだ。薄れゆく意識の中で、彼は赤いレーザーの雨の間、 灰色の雨に濡れても尚白い色を脳裏に焼きつけ、そして灰色の大地に沈んだ。 更にレーザは少年の仲間をも打ち抜き、そして誰もが動かなくなると同時にそれはやんだ。 全員が事切れた事を確認した白コートは、通信機のインカムに向かって無感情に言い放つ。 「こちらジーザス007。脱走者捕殺完了。帰還する。」 そう単調に告げ、彼は待機していた部下に帰還の指示をした。帰還準備を始める部下達を見つめ、彼は灰色の空を見つめる。 もうどれ程、この空は本来の色を見せていないのだろうか。彼は未だ青い空を見た事がなかった。 雨を全身で受け、ただ空を見上げていた彼は、ふと口元に自嘲の笑みを浮かべて歩き出す。 (何も、変えられるわけないんだ・・・・。) Programized Jeasus Programized People Programized Heave Programized Heaven.....Heave.....Heave It asks inhabitants in the closed world. The sky, the earth, the people and the people which had been dyed gray. Even the wing became gray steel now. It believes what if being? The "GOD"? The "DEVIL"? Or,it is ..... 【Programized Heaven type:01】 その場所は、エデンの中で最も活気のある場所だった。 幾つものゲリラグループが壊滅していった中、唯一長期間存在しているグループ。 『デュナミス』と名乗るそのグループは、エデンでもかなりの実力者が揃っている。 幾つもの部隊に分かれているデュミナスは、常にエデンを巡回し、政府側から住人達を守っていた。 そしてここは、そのデュミナスの首班部隊アジトだ。 「雨で崩れちゃいましたね。」 黒髪に大きな瞳をした少女が困ったように土砂の山を見つめていた。 首班部隊のアジトは、昔の地下都市を利用している為、雨が降るとたまにこうして天井が崩れる。 出入り口も巧妙に隠し、政府に知られないように行動をしている彼等にとってこれは死活問題だ。 しかも、今回は土砂の量も半端ではなかった。それに隣にいた栗毛の少女が思わず頭を抱える。 「だぁぁぁっ。人手足りないってのにっ。」 「昨日はよく降ったからなぁ。」 「リナさんどうします?」 リナと呼ばれた栗毛の少女は、少し考えるような仕草をした。 大量の土砂。いくら何でも少女であるリナやアメリアには無理な仕事だ。 彼女はそう考え、自分の隣にいる金髪の青年───ガウリイへと視線を向ける。 「ガウリイ、ここはあんたに任せるわ。適当にその辺の奴等捕まえて直しといて。」 「じゃあリナ達は見回り頼むぞ。」 「OK♪」 「リナさん!」 リナとアメリアが、そこをガウリイに任せて日課である見回りに行こうとした時だ。 誰かが走ってくる音と共に、リナの名前を呼ぶ声が響いた。 振り返ると、金髪の女がこちらに走ってくるのが見える。 その見慣れた姿を見止め、リナは訝しげに問い掛けた。 「フィリア、どうしたのよ。そんなに慌てて。」 「それが、新しいジーザスが確認されたらしいんです。」 「え?」 「それ本当ですかっ?」 金髪の女───フィリアは緊迫した面持ちでリナへと答えを返す。 彼女の言葉に含まれた『ジーザス』という単語に、三人に一瞬で緊張感が走った。 ディミナスにとってジーザスは最も恐れるべき敵だ。 ジーザスは政府が人工的に作り出した、天種族とも鋼天使とも違う生命体で、 天種族が使う魔法の他に、それぞれが特殊能力を持っている。 更に彼等の魔法は並みの使い手では歯がたたないほど強力だ。 現在初期タイプであるジーザス000とその同タイプであるジーザス005は欠番となっているが、 それでも他にジーザスは五人いた。それにまた一人加わるとなると───。 声を上げたアメリアを見て、フィリアは彼等に向かって頷く。 「はい。今第二部隊の方が来てます。」 「分かった。すぐ行くわ。」 「おい、リナ。どうするんだ?これ。」 ミーティングルームのある中央錬に向かおうとしたリナを呼び止め、ガウリイはそれを指差した。 その視線の先には大量の土砂がある。それに一瞬眩暈を覚えたものの、リナは真剣な面持ちで返す。 「後回しよ。今はジーザスの事のが先決だわ。」 それに同意したように頷き、ガウリイもリナ達に続いて走り出す。 誰もいなくなった場所で、土砂だけが空しく取り残された。 彼は逃げていた。 薄汚れた白い布を頭から被り、白い服装に身を包んだ青年だ。 布の間から胸元の十字架が見える。だがそれは他の天種族が着ける物とは違い、精巧な装飾が施されている。 透き通るような銀色の髪が鈍く光り、その耳元で赤い石をつけたピアスが揺れた。 顔は布に隠れてよく見えないが、それを差し引いてもかなり整っているように見える。 足元で、昨夜降り続いた雨の名残が飛沫を上げた。 後ろからは物々しい音がしている。 振り返れば、鋼の翼を持つ鋼天使がレーザー銃を持って彼を追いかけてきていた。 それに彼は思わず、小さく舌打ちをする。 (恨むぞゼロス。) そう胸中で呟いた彼の足元にレーザーが打ち込まれた。 おそらく威嚇射撃か何かなのだろう。だが、狙いは正確だ。 (無駄に性能上げやがって・・・・。) やはり言葉にはせず毒づき、彼はただ走り続けていた。 だが、ただ闇雲に走っているわけではない。鋼天使が狙いを定めにくいように走っていた。 それでも鋼天使の照準は正確で、彼の腕にレーザーが何度か掠る。 肌が焼ける痛みに顔を顰めながら彼はそれでも走り続けた。 生憎と、この程度で走れなくなる程度の訓練は受けていない。 それでもレーザーは、ついに彼の右足を貫いた。 ミーティングルームと呼ばれるそこに、彼等は集まっていた。 集まっているのは、ミデュナス首班の主力メンバーだ。 リーダーのルナを始め、妹であるリナ、ガウリイ、アメリア、フィリアがいる。 そして今日は、第二部隊のリーダーであるミルガズィアが来ていた。 ちなみに、全員がデュミナスの証である赤いバンダナをつけている。 「ジーザス007、特徴は赤い石のサークレットと白いコート。そのくらいね。」 そう言って、デュミナスのリーダーであるルナはテーブルの上に資料を投げた。 いつもなら写真が添付されているはずなのだが、珍しく文字の羅列だけが見える。 それに思わずアメリアが首を傾げる。 「顔は分からないんですか?」 「生憎とな。」 アメリアの問いに、ミルガズィアは資料に視線を落としながら答えた。 今まで現れたジーザスの顔が分からなかった事は一度もない。 大概は近くの部隊の手によって確認されるのだが───。 どうやら新しく現れたジーザスは相当の使い手らしい。 重く圧し掛かるような雰囲気の中、突然ミーティングルームの空間モニターが展開された。 それに気づき、全員がそれに視線を向けると、黒髪の女が焦った表情で映し出されている。 情報管理及び情報収集担当のシルフィールだ。 『ルナさんっ。』 「どうしたの?シルフィール。」 『二時の方角三キロに鋼天使を確認しました。数十五、誰か追われています。』 「分かったわ。リナ、ガウリイくん行ってちょうだい。」 「OK。」 シルフィールの映し出されている空間モニターの隣に、もう一つ空間モニターが浮かび上がった。 そこには複数の鋼天使反応と、追われている反応が一つ映し出されている。 どうやらレーダーでキャッチしたものらしい。それを見てルナは手早く二人へと告げた。 それに頷いた二人だったが、突然それにアメリアが立ち上がる。 「あ、私が行きますっ。」 「何でだ?」 「だって、ガウリイさんは土砂のお仕事があるでしょうvv」 「あ・・・・・。」 「土砂?」 問い掛けるガウリイに、アメリアはにっこりと笑いながら告げる。 その笑みに思わずガウリイは黒い何かを感じた気がした。 だがルナはそれを気にするわけでもなく怪訝そうに問い掛ける。 「南の端が崩れてんのよ。」 「ふ〜ん。なら、リナとアメリアちゃんでお願い。」 「「了解♪」」 頷きながらガウリイを見たルナは、そのまま指示をその二人へと変更する。 そんなルナの言葉に嬉しそうに返事を返した二人の隣で、ガウリイががっくりと 肩を落としたのは、おそらく全員に無視されていただろう。 「フレア・アロー!!」 青年は鋼天使に向かって炎の魔法を放つと、そのまま近くの岩陰に身を潜めた。 先程レーザー銃で貫かれた部分はまだ痛むものの、レーザーなので出血は少ない。 不幸中の幸いと言ったところだ。 だが、それでも容赦なくレーザーの雨は彼へと降り注ぎ、そこから動く事ができない。 動こうとすれば、岩の表面をレーザーが掠めた。それに思わず青年はぼやく。 「銃ぐらい持ってくるんだったな。」 彼の持っている武器は、少し大振りのナイフが一本だけ。 仕方なく彼は意識を集中させ、鋼天使がいる方に向かって地面に手をつく。 「大地よ・・・我が意に従え・・・・・・・・ダグ・ハウトっ!」 大地に震動が走り、次の瞬間目の前の岩を砕きながら石の錘が鋼天使へと襲い掛かる。 立ち上がる砂埃を見て、彼はそのまま走り出した。 そんな彼に、剣を持った鋼天使が一人、彼を切りつけようと飛び掛る。 それに慌ててナイフで剣を受け止め、弾き返した。接近戦では彼の方が上なのだ。 彼はそのまま鋼天使と距離を置く為に後ろに飛びのく。 だがその瞬間、貫かれた右足に鋭い痛みが走った。 「っ!?」 彼はその痛みに息を呑み、思わず地面に膝をついてしまう。 出血はほとんどない。だが、焼けるような痛みと違和感に感覚がうまく働かなかった。 それでも彼は何とか体勢を立て直そうと立ち上がる。気づけば、彼は鋼天使の集団に囲まれていた。 確実に追っての手は増えている。このまま魔法で攻撃をしてもいいが、その瞬間に他の鋼天使に 攻撃されてしまうだろう。広範囲型の攻撃呪文を使うには、痛みが邪魔で集中できない。 八方塞かと思い、彼が諦めの表情で目を閉じた瞬間だった。 「「ファイアー・ボール!!」」 高らかに響いた少女の声と共に、一部に爆発が起こる。 その爆風を腕で防ぎながら、彼は自分の身に起こった事を理解しようとした。 だが、それより前に二人の少女が彼の目の前に降り立つ。 動きやすそうな服装に、やはり天種族のつける十字架のペンダントを首から下げた少女。 だが、彼女達の額には鮮やかな赤のバンダナが巻かれている。 突然の事に驚いていると、少女のうちの一人、アメリアが問い掛けた。 「大丈夫ですかっ?」 「あ・・・・あぁ。」 「アメリア、その人と一緒に先行って!」 「はいっ!」 戸惑う青年を見て、リナは呪文詠唱をしながら叫んだ。 それにアメリアも緊迫した表情で返事を返し、彼の腕を掴む。 「こっちです!!」 そう言いながら、彼女は青年をやや強引に引っ張って走った。 それに鋼天使が攻撃をしかけようとしたが、そんな鋼天使に向かってリナが呪文を解放する。 「バースト・フレア!」 立ち上った紅蓮の炎と煙の間から、走り去っていく二人の姿を見止め、彼女は不敵に笑った。 大きな瞳に、狩りを楽しむ肉食獣のような光が僅かだが浮かぶ。 そして彼女は再び呪文を唱え、放ちながら鋼天使に告げた。 「あんた達は、このあたしが相手になってあげるわっ。」 再び起きた爆発の余韻に髪をなびかせ、リナは自分のホルダーから銃を抜いた。 二人は、リナ達から少し離れた場所にやってきていた。 この辺りは昔町があったのだが、戦火に焼かれてほとんど崩れてしまっている。 その、おそらく民家であっただろう壁の影にそれは隠されていた。 「エアロバイク・・・・。」 オレンジ色の、光沢を持ったそれを見て思わず彼は呟く。 エアロバイクはエデンでは標準的な移動手段だ。 空中に浮かび、静かなのに加えて速度もかなり出る。 大概は一人乗りなのだが、それは改造されているらしくニ、三人は軽く乗れそうだった。 「乗ってくださいっ。」 どこか呆然としている青年に声をかけると、アメリアはエンジンをかける。 青年がアメリアの後ろに乗ると、彼女は真剣な面持ちで前を見据えた。 「一旦リナさんの所に戻ります。彼女を回収してください。」 「分かった。」 「じゃあ、行きますよ!」 頷いた青年を見て、アメリアの真剣な表情の中に僅かだけ嬉々とした色が浮かぶ。 それと同時にエアロバイクが浮かび上がり、先程二人が走って来た道を逆そうした。 かつて町があった面影のせいか、やや複雑になっている道を軽々と走り抜けるアメリアの手腕に、青年は少なからず驚く。 どうやら、ディミナスのメンバーであるのは伊達ではないらしい。 そして、そんな二人の視界に、鋼天使と交戦中のリナの姿が映った。 「リナさぁん!!」 よく響くアメリアの声に、リナは銃を片手に振り返る。 そんなリナに青年は身を乗り出して手を差し伸べた。 「掴まれ!」 リナは彼の手をしっかりと掴み、エアロバイクへとしがみつく。 彼女を回収できた事を確認すると、そのままアメリアはUターンをして鋼天使の中を突っ切った。 鋼天使は攻撃しようとしたが、素早く走り去るエアロバイクに照準を定める事ができずに、 攻撃する機会を見出せないままで去っていくその姿を見送るしかない。 鋼天使からかなり離れ、追ってこない事と確認したリナは座り込んだ。 その頬に一筋の傷が走っている。おそらくレーザーにやられたのだろう。 「ふぅ〜。ナイスタイミングよ、アメリア。」 「へへへvv」 「あたし運転変わるから、手当てしてあげて。」 「はい。」 照れたように笑うアメリアの後ろからハンドルを握り、彼女はアメリアと入れ替わる。 慣れていて、尚且つこの二人だからできる事で、本当ならかなり危険な事だ。 それを易々とやってしまう二人を、彼は呆然と見詰めていた。 アメリアは後ろにいた彼に近づきながらにっこりと笑う。 よく見ると、先程のような危ない事をやってみせるとは思えないほど愛らしい容姿をした少女だった。 「足見せてください。」 「あぁ・・・・。」 彼はアメリアに言われ、右足を差し出した。 白いズボンを捲ると、脛の部分に黒っぽく焦げた部分がある。 そこまで大量の出血ではないとは言え、ある程度の出血はしていた。 (うわぁ・・・・貫通しちゃってる。) 思わず胸中で呟き、アメリアはその傷口を調べる。 どうやらそこまで酷い傷ではなさそうだ。それを確認して彼女は意識を集中させた。 「リカバリィ。」 淡い光に包まれ、焼け焦げた皮膚も元通り、正常な皮膚へと変わる。 それを確かめながら、持っていたハンカチで血を拭き取り、彼女は立ち上がった。 そして、『天使』という言葉がよく似合う笑顔で告げる。 「はい、これで大丈夫ですよ。」 「すまん。」 「いえ、当然の事です。あ、私はアメリアと言います。こっちはリナさん。」 「よろしくっ。」 どこか照れたように短く告げる青年に、アメリアは笑顔を絶やす事なく自分の自己紹介をし、 更に運転しているリナの名前を告げた。それにリナが正面を見たまま片手を上げる。 それに苦笑し、アメリアは再び青年へと向き直る。 「あの、お名前を聞いてもいいですか?」 「ゼル・・・・ゼルガディスだ。」 少し戸惑ったような微笑を浮かべ、青年───ゼルガディスは二人へと名前を告げた。 Next turn→Programized Heaven type:02 ***************************************************************************************************************************** かなり異色なもの書いちゃったかなぁ〜とか思ってます。てへvv あ、ちなみに『デュミナス』は能天使(パワーズ)の別名だったと思います。 パワーズよりもこっちのが響き好きなんで・・・・。 それよりも、微妙にゼルが別人チックのような気もしなくはありません。 そして、かなり英語が自信ないです(T△T) †鎖夢† |
8219 | ふふふ・・・。 | +綺咲+ E-mail | 2002/3/21 23:42:05 |
記事番号8217へのコメント こんにちはっ! コメントを投稿してみちゃったりなんかしてみました!! いや〜・・・なんか・・・すごかったです!!(何) かっこよかったっていうか、描写がきちんとしてたっていうか、びっくりです。 どうか、私を弟子にしてくださいっ!(笑) ゼルは逃亡者ですか?なんか、重要人物っぽくて・・・っつーか、ゼロス。あんたは一体、何をやらかしたのじゃ・・・?? あ〜でも、ゼルがかっこよくて嬉しかったです。 次も、是非頑張ってくださいっ! あ、話は変わるのですが、先日HPを拝見させていただきました。 なんか、綺麗で・・・あっとうさせられたりしました。 素敵だったです。私もいろいろ好きなので・・・(←何が) ああ・・・すいません、読み返せば意味不明です(汗々) でも、次が出たら、それも是非、読まさせてもらっちゃおーかなぁ、とか企んでいる今日この頃です。 それではまた。 綺咲でしたv |
8222 | ありがとうございます〜(>▽<) | 鎖夢 E-mail URL | 2002/3/24 22:14:17 |
記事番号8219へのコメント > こんにちはっ! > コメントを投稿してみちゃったりなんかしてみました!! > いや〜・・・なんか・・・すごかったです!!(何) > かっこよかったっていうか、描写がきちんとしてたっていうか、びっくりです。 > どうか、私を弟子にしてくださいっ!(笑) 綺咲さん、こんばんはです! いや、もう、コメントありがとうございます〜vv えへへ、描写がきちんとしてたって言っていただけると嬉しいですvv 目指せ!リアルな情景描写!がモットーらしいので。(らしいっておいおい・・・・) 弟子だなんてとんでもないでするっ!綺咲さんこそ素敵なお話かかれてるじゃないですか! > ゼルは逃亡者ですか?なんか、重要人物っぽくて・・・っつーか、ゼロス。あんたは一体、何をやらかしたのじゃ・・・?? > あ〜でも、ゼルがかっこよくて嬉しかったです。 > 次も、是非頑張ってくださいっ! はい、ゼルりん重要人物で逃亡者ですvvまぁ、ただしくは脱走者なんですけどね。 ゼロスは色々とやらかしてます。その辺りは今書いてますんで期待しないで待っててやってくださいませ。 どうしてもゼルファンなんで、かっこいいゼルが書きたいんです。 ただ、うちのゼルはかっこいいと言っていいのかどうかが謎ですが。 > あ、話は変わるのですが、先日HPを拝見させていただきました。 > なんか、綺麗で・・・あっとうさせられたりしました。 > 素敵だったです。私もいろいろ好きなので・・・(←何が) のわぁぁぁっ!?うちのサイトにいらたんですか!?Σ(T■T;) 何だかもう、嬉しいんですけど、驚きと恥ずかしさでぐちゃぐちゃですわ(>_<) しがない辺境の創作サイトですが、よければまたいらしてやってください。 > ああ・・・すいません、読み返せば意味不明です(汗々) > でも、次が出たら、それも是非、読まさせてもらっちゃおーかなぁ、とか企んでいる今日この頃です。 > > それではまた。 > 綺咲でしたv はい!頑張って続き書きます! ってか設定ちょっと組みなおさないと大変な事になりかけてたりします。 コメントありがとうございましたぁっ!! †鎖夢† |
8225 | Programized Heaven type:02 | 鎖夢 E-mail URL | 2002/3/25 21:29:22 |
記事番号8217へのコメント 連載二回目です。 ***************************************************************************************************************************** 無機質な壁に囲まれた廊下。そこで一人の青年が壁に寄りかかったまま荒く息をついていた。 その周りには破壊された鋼天使が転がっており、彼も負傷しているようだ。 浅葱色の髪に、どこかきつい印象を受ける目鼻立ち。額にはオレンジ色の石がついたサークレットが輝いている。 紺色の服に血が滲み、所々黒く光沢を見せていた。 そんな彼の耳元の通信機から、一人の少女の声が響く。 『ヴァルガーブ、お疲れ様。もう大丈夫。』 「分かった。今から戻る。」 少女にそう答えると、通信を切って天井を見上げた。まだ遠くで、脱走を告げる警報ブザーが鳴り響いている。 それに耳を傾けていた彼は、痛む体を叱咤しながら立ち上がりはじめた。 「っててて・・・・・はぁ、ドジったな。」 痛む腹部の傷を抑えながらそう呟くと、急に目の前に手が差し伸べられる。 それに慌てて、手の主を見ると、一人の青年がにっこりと笑っていた。 紫がかった黒髪を肩の少し上で揃え、額に輝くような白い石のついたサークレットをした青年。 黒い服を身に纏っているせいで上から下まで黒ずくめだが、似合ってはいる。 その見慣れた姿の、意外な登場に彼は目を見開いた。 「大丈夫ですか?ヴァルガーブさん。」 「ゼロス、何でお前ここに?」 「見送りに来ただけですよ。我等の弟君をね。」 ゼロスと呼ばれたその青年は、笑いながらそう告げた。それにヴァルガーブは僅かに笑みを浮かべて天井を仰いだ。 自分がこうしてここにいる理由となっている、とある人物の姿を思い浮かべ、苦笑しながら言葉を紡ぐ。 「弟・・・・か。そうゆう事になるのかもな・・・・・・・・・・ってオレはお前が兄貴だなんて冗談じゃねぇぞ。」 「そうゆう事言うと、手、貸しませんよ?」 「別に貸さなくてもいいっての。」 あからさまに表情をしかめたヴァルガーブは、差し出されたゼロスの手を叩いた。 その反応に、思わず彼は溜息混じりで辺りを見回す。 あちこちに散らばる鋼天使の残骸。更に冷却用であろう緑色の液体が、鋼天使から流れ落ち、 そこらじゅうに溢れている。見慣れているとは言え、あまり長居したい光景ではなかった。 それを見つめながら再び溜息を着き、彼は腰に手を当てる。 「それにしても、派手にやりましたねぇ。」 「どうせ他の奴等も同じようなもんなんだろ?」 「まぁ、否定はしませんけど・・・・。」 「分かってるよ。自分でもやりすぎだと思ってるからな。」 座ったままその光景をぼんやりと眺め、ヴァルガーブはにやりと笑った。 彼の言葉を否定できない辺りが、何となく悲しかったりするの。 だが、彼と同じように鋼天使と交戦していた他の二人の所も、ここと大差ないのだ。 ヴァルガーブは否定できなかったゼロスを見て、苦笑しながら立ち上がった。 そして服に着いたゴミを軽く叩き落とす。 「ともかくここを離れましょう。これ以上はジャミングが持ちませんから。」 「で?どこ行く?」 「とりあえず僕の部屋に行きましょう。お二人もそこにいますから。」 二人はその場から離れる為に、よく知った廊下を走り出した。 いつの間にか警報ブザーはやんでおり、静まり返った廊下に二人の足音だけが響く。 そんな中で、ふとゼロスは自嘲の笑みを僅かだけ浮かべて告げた。 「これでやっと・・・・約束守れましたよ。」 「約束?」 「えぇ。」 意外な言葉にヴァルガーブは思わず彼へと視線を向ける。 視線の先で、ゼロスはどこか昔を懐かしむような笑みを浮かべていた。 そして彼はヴァルガーブへと視線を向けると、ウィンクなどしながら、 ゼロスにとっても、ヴァルガーブにとっても懐かしい人物の名前を述べる。 「レゾさんとの・・・・ね。」 その名前を聞いたヴァルガーブは、一瞬驚いたように目を見開く。 が、次の瞬間納得したのか、不敵な笑みを浮かべた。 【Programized Heaven type:02】 「はい、到着〜。」 リナはそう言いながらエアロバイクを止めた。 地面に着地する前に、アメリアは自分から飛び降りて着地し、リナとゼルガディスは着地してからエアロバイクから降りる。 ゼルガディスは何となく、二人の少女に僅かな視線を向け、思わず溜息を着いた。 はっきり言って、彼はここまで着いて来るつもりはなかったのだ。 だが、適当な事を言って下ろしてもらおうとしても、二人に引き止められてしまい、 結局デュミナスのアジトまで連れて来られてしまった。 (何で、俺の周りは強引な奴しかいないんだ?) 今朝、無理矢理着けられたせいでまだ馴染まないピアスを弄び、彼はそこを見つめる。 巧妙に隠されているその入り口は、一見すると分からないような物だ。 彼自身、まさかこんな所に隠されているとは思わなかった。 「ねぇ、あんた何であんな所にいたの?」 突然の問いかけに、ゼルガディスは慌ててその声の主を見る。 振り返れば、リナが訝しげな視線を彼に向けていた。 「そう言えば、あの先って政府機関の建物しかありませんよね?」 「それは・・・・・・・・。」 「ご苦労様。リナ、アメリアちゃん。」 リナの問いにそれを思い出し、アメリアも怪訝そうにゼルガディスを見つめる。 彼は、できれば忘れていてほしかったその事に言葉を詰まらせた。 だが、そんな三人の背後で、ゆっくりと歩み寄ってくる足音が響く。 それに振り返ると、ルナが笑みを浮かべながらこちらにやってくる所だった。 彼女は笑顔で戻ってきた二人に対して言葉をかけるが、それにリナは問い掛ける。 「あれ?姉ちゃんどうしたの?」 「あんた達が帰ってくるの待ってたのよ。」 「私達を?」 ルナが出迎えた事を不思議に思いながら、二人は顔を見合わせた。 だが、ルナはそんな二人などお構いなしにゼルガディスへと近づく。 「貴方がゼルガディスくんね。直接会うのは初めてだわ。」 「どうして俺の事を?」 「私はルナ。名前ぐらいは聞いてるんじゃないかしら。」 「あんたがあの"ルナ"なのかっ。」 突然名前を言い当てられ、ゼルガディスは目を見開いた。後ろでリナとアメリアも顔を見合わせている。 ルナは自分の名前を名乗りながら、彼を試すような視線を向けた。 その名前を聞いた瞬間に、彼の蒼い瞳が更に見開かれる。 二人のやり取りを見ていたリナは、ルナに近づいて慌てたように声をかけた。 「ちょっと姉ちゃんっ。話が見えないんだけど・・・・。」 「まぁ、とりあえず彼の事は私に任せて。あんた達はガウリイくんの所手伝ってあげて。」 「わ、分かりました。」 ルナはやんわりと強制の言葉を述べ、アジトの入り口を指す。 それにリナはまだ納得のいかない顔をしていたが、アメリアと一緒にアジトへ入っていった。 二人がアジトの中に消えていったのを確認し、ゼルガディスは溜息混じりに告げる。 「まさかあんたが、あの『デュミナス』のリーダーとはね。」 苦笑しながら告げられた言葉に、ルナは不敵な笑みを浮かべた。 初対面とは思えない、どこか特殊な空気が充満する。 「意外かしら?」 「いや、何となくだが納得した。ゼロスの話を真に受けてもいいならな。」 「どうせロクな事言ってないんでしょ。・・・・ともかく案内するわ。こっちよ。」 ゼロスの名前を聞き、ルナは僅かに肩を竦めた。 そして彼女は、先程リナとアメリアが消えた入り口を指しながら歩き始める。 ゼルガディスは一瞬迷ったような表情をしたが、それでも彼女の後に着いて歩き始めた。 だが彼は、近い将来その行動が浅はかだったと後悔する事になる。 「ゼルガディスが逃げた?」 その男は、確認の意でそう告げながら振り返った。黒髪の、見た目二十代半ば程度の青年。 燃えるように鮮やかな緋色の瞳を持っているが、その瞳はどこまでも冷たい。 その緋色の瞳を細め、振り返った方向には男が一人跪いていた。 彼の周りには五人の部下が控えている。 男は尚も続けた。 「はい。鋼天使に追わせましたが、取り逃がしました。」 「分かりました。下がっていいですよ。」 「失礼いたします。」 にこやかに笑みを浮かべながら告げると、男は恭しく頭を下げて退出していった。 それを見送り、完全に男の気配が消えた瞬間、彼の表情が冷たいものとなる。 「フィブリゾ、反応は掴めていますか?」 「ここから五時の方角に十キロ行った辺りで反応が消えました。」 呼ばれて答えたのは、白衣を羽織った少年だった。黒髪に大きな瞳をした、十二、三歳程度の少年。 少女と見まごう程に愛らしい外見だが、その笑みは子供にはありえない何かを感じさせる。 フィブリゾの答えに、彼は満足げに頷きながら、別の人物へと視線を向けた。 「グラウシェラー・・・・貴方が行ってください。」 「お任せ下さい。」 「いいですか。必ず捕縛するのですよ。」 そう告げて穏やかに笑った男の瞳は、先程にも増して冷たく、どこか狂気すら浮かんでいる。 彼の名はシャブラニグドゥ=レイ=マルクト。この世界を支配する独裁者だ。 「後は、あの土砂を間に詰めるだけだな。」 ガウリイはそう告げると、額に浮かんだ汗を乱暴に拭った。 目の前にはコンクリートの壁がある。そこは、土砂が崩れた場所だ。 その場所は今までにも何回か崩れている。前々から危険だと思われていた場所だった。 それゆえ、コンクリートの壁を崩れた部分に宛がい、穴になっている部分に崩れた土砂を詰めるという手段に出たのだ。 ガウリイは、作業の邪魔にならないように長い金髪を一つに束ねている。 何故か束ねているものは赤いリボンだったりするが、おそらく誰かにつけられたのだろう。 だが、何故取らないのかと言ってしまえばそれまでなのかもしれない。 「結構早く済みそうだな。いや、助かった。」 「どうせやる事がなくて暇だったんだ。」 ガウリイの言葉に答えたのは、彼と同い年程度の男だった。 僅かにウェーブのかかった黒髪に、やや鋭い目付き。白を好む天種族には珍しく、深緑色を基調とした服装をしている。 まぁ、全員が白い服を着ているわけではないので、珍しくはないのだが。 だがそれでも彼等は薄い色を好む習慣のようなものがあり、ある意味珍しいと言えば珍しい。 「じゃあ久々に勝負でもすっか?」 「そうだな。」 ガウリイと彼───ザングルスはこのデュミナスでは珍しい、剣術のみを扱うメンバーだ。 そのせいか、よく二人で勝負がてら稽古をする事が多い。 最初は、今まで不敗を誇ってきたザングルスが初めてガウリイに負け、付き纏っていただけだったが、 そのうち意気投合し、ルナが彼の腕を見込んでデュミナスに引き入れたのだ。 それからは友人として、お互いを高める為に稽古をしている。 ちなみにザングルスは第三部隊のメンバーだが、今日は用事があってここに来ていたらしい。 「ガウリイさ〜ん。」 「あ、ザングルス来てたの?」 作業を一段落終えた二人の耳に、聞き覚えのある声が届き、二人は振り返った。 そこには、丁度彼等に近づいてくるリナとアメリアの姿がある。 二人の姿に、ガウリイは片手を上げて返事を返した。 「リナ、アメリア。早かったな。」 「うん。まぁね。」 「どうしたんだ?」 ガウリイの言葉に、リナはやや曖昧な言葉を返す。 普段はっきりと物を言う彼女なので、思わずガウリイはそれに眉を顰めた。 それにリナとアメリアは思わず顔を見合わせる。言うべき言わぬべきか迷ったらしい。 だが、リナが次の瞬間には口を開く。 「ちょっと気になる事があるのよ。」 「気になる事?」 「後で話すわ。それより、まだ終わってないんでしょ?」 「あぁ。後は土砂を間に詰めるだけだけどな。」 「じゃあ、取り掛かりましょう。話はその後よ。」 ルナとゼルガディスは、中央練にあるミーティングルームに来ていた。 ミーティングルームに入り、ドアが閉められる。そして、ルナは外に会話が漏れないように結界を張った。 彼女が結界を張り終えた事を確認すると、ゼルガディスはやっと口を開く。 「戦前の地下都市か・・・・。随分と広げたものだな。」 「まぁね。町を追われた人の住居も兼ねてるから、これくらい必要なのよ。」 ゼルガディスの言葉に、ルナはそう言いながら備え付けのポットへと手を伸ばした。 そして二人分のカップにコーヒーを注ぐ。コーヒーの芳ばしい香りが室内に充満したが、二人は無言だ。 どこか気まずい雰囲気の中、ルナは自分のカップを片手に持ち、もう片方のカップをゼルガディスへと渡した。 それを受け取り、軽く礼を言って彼はコーヒーに口をつける。 ずっと走り続けていたせいで喉が乾いていた。もっとも、暑くて一気に飲んでしまう事はできない。 程好い温度のコーヒーを喉に通し、彼はどこか気まずそうに声をかける。 「ルナ・・・・さん・・・・・・その・・・・・・。」 「別に呼び捨てで構わないわよ。呼びたかったら別にいいけどね。」 「あんたがそれでいいなら・・・・俺も構わない。」 途切れ途切れに戸惑いながら呼びかけたゼルガディスに、ルナは苦笑した。 それはまるで弟か妹、ともかく下の弟妹に向けるような表情だ。 その表情に、ゼルガディスはどこか照れたように視線を反らしながら頷いた。 彼の反応にルナは僅かに笑みを浮かべる。 「そう言えば、みんな元気にしてた?」 「落ち込むような奴等か?」 「それもそうね。・・・・・・そうだわ。これ、渡しとく。」 『みんな』の事を思い出し、ルナは笑った。確かに、彼の言う通り落ち込んだり沈んだりするような人物達ではない。 妙に納得してしまいながらルナは何か布のような物をテーブルに置いた。 それは、デュミナスの印である赤いバンダナ。それを見た瞬間、ゼルガディスは思いきり眉を顰める。 「俺に、デュミナスのメンバーになれって言うのか?」 「そうよ。ゼロスから聞いてない?」 「あの生ゴミ・・・・。」 「貴方のように力のある人物がいて不自然じゃないのは、うちくらいでしょ?ゼロスなりに考えた結果だったのよ。」 あっさり肯定されてしまい、思わずゼルガディスは低い声でぼやいた。 その形容の仕方にルナは面白そうに笑う。それに何となくだが、彼は疲れさえ覚えた。 そんなゼルガディスを見て、彼女は立ち上がり、彼の額に赤いバンダナを巻いてやる。 巻きながら彼女が告げた言葉に、ゼルガディスはどこか不機嫌そうに視線を反らした。 「ちっ。赤は好きじゃないんだ。」 「よく似合うじゃない。銀髪に赤って映えるのね♪」 視線を反らしながら、僅かに視界に入ったバンダナの色を見つめ、思わず舌打ちをする。 だが、ルナの言う通りに銀色の髪に、鮮やかな赤いバンダナはよく映えた。 僅かだが彼の髪から、冷たい印象を掻き消してくれているようにも思える。 「それは嫌味と取らせてもらうぞ。ルナ。」 「あら、嫌味も何も本当の事じゃない。」 「本当でも言わないでくれ。」 「分かったわよ。そうゆう頑固なところだけ、誰かさんに似ちゃったわね。」 更に不機嫌そうな面持ちになった彼を見て、ルナは僅かに肩を竦めた。 彼女の言った『誰かさん』という言葉に、ゼルガディスは僅かに表情を曇らせたが、ルナはそれに気づかない。 数分後、ミーティングルームは再び静寂に包まれた。 「怪しい?」 ガウリイは、昼食のサンドイッチを頬張りながら問い掛けた。 ここはアジト内にある食堂のような場所だ。大概のメンバーは、特に忙しくなければここで食事を取る。 ちなみにここの料理担当者はかなりの腕前で、ここに来る前はとある王宮から宮廷料理人にならないかと 誘いがかかった程の人物だ。だが、本人は気楽に料理を作りたいと言って蹴ってしまったらしい。 まぁ、そんな食堂は昼食時ともなればかなり賑やかな場所となっていた。 その食堂にはリナ、ガウリイ、アメリア、フィリア、ザングルスの四人が集まっている。 ガウリイ表情にはただ疑問符ばかりが浮かんでいる。 そんな彼の表情を見ながら、リナはパスタを飲み込んだ。 ソースと絶妙に絡み合ったそれに舌鼓を打ちながら、彼の疑問に答えるべく口を開く。 「そっ。果てしなく怪しいわ、彼。」 「政府機関しかないようなとこから逃げてきてたんです。」 「捕まってたとかじゃないのか?」 リナの言葉につけたしながら、アメリアが僅かに身を乗り出した。 それにガウリイがそう結論を出すが、リナはそれに首を横へと振る。 「それにしちゃあ、服もほとんど汚れてなかったわ。あそこまでの実力者が、そう簡単に捕まるとも思えないし。」 「罠か・・・・。」 「さぁ。でも、姉ちゃんと知り合いみたいなのよ。」 「ルナさんとですか?」 「そうなんです。ただ、直接会うのは初めてだって言ってましたけど。」 「リナは会った事ないのか?」 「会った事あったら、こんな事言わないわよ。」 ガウリイの言葉を否定し、リナはサラダにフォークを伸ばした。 その横でアメリアが更に説明を始める。 「ゼルガディスさんって言うんですけど、銀色の髪の男の人なんです。」 「銀髪か。珍しいな。」 「そう言えば、第二部隊のミリーナさんも銀髪でしたね。」 銀髪子供は、先天的な色素欠乏か、特異体質でなければ生まれない。 昔からこのエデンでは、銀髪の子供は大事にされてきた。 ちなみに、ミリーナは第二部隊のサブリーダーだ。 「う〜ん、ミリーナの銀髪とはちょっと違う感じね。もうちょっと冷たい色。」 「何が冷たい色なの?」 「どわぁぁぁぁっっ!!??」 突然聞こえた声に、思わず全員が慌てて振り返った。 その視界に、ルナとゼルガディスの姿が映る。それに慌ててリナが立ち上がった。 「姉ちゃん!気配消して近づかないでよ!」 「あら、消したつもりなかったんだけど・・・・。」 「思いっきり消えてました。」 リナの非難を軽々と受け流し、ルナは言ってみせる。だが、それに思わずアメリアが半眼でうめいた。 本来、気配に敏感であるガウリイも気づいていなかったらしく、どこか呆然としている。 そんな彼等を見渡し、ルナは僅かに肩を竦めた。 「まぁ、それより紹介するわ。彼はゼルガディスくん。今日からディミナスのメンバーよ。」 「へ?」 「どうゆう事ですか?」 「そのまんまの意味だけど・・・・。」 呆然としながら、全員がルナとゼルガディスを見比べた。そんな中で、やはり呆然とアメリアが問い掛ける。 それにルナは平然と答えを返した。その平静ぶりに誰も何も言えない。 だが、リナが逸早く我に返り、言い放った。 「そうじゃなくって!いきなりすぎだって言うのよ!」 「って言うか、うちの前サブリーダーの後釜として送られてきたのよ。彼。」 「それどうゆう事ですかっ。」 「ちょっと待ってくれ、ルナ。そんな事俺も聞いてないぞ。」 ルナの言葉を聞き、思わず叫んだのはフィリアだ。 フィリアはデュミナス第一部隊では古参メンバーの一人で、尚且つ前サブリーダーとも知り合いだった。 特に仲が良かったわけではない。いや、むしろ仲が悪かった。出会えば必ず罵り合いをする程だ。 そんなフィリアと共にルナへと視線を向け、ゼルガディスもぼやく。どうやら彼もその事実を知らなかったらしい。 「いいじゃない、この際だから。ね?」 「ね?じゃない!何で俺なんだ?お前の妹とか、他にも適任者はいるだろ?」 にっこりと笑うルナに、ゼルガディスはフォークを持ったまま自分を見つめるリナを指差した。 指差されたリナは思わずむっとした顔をするが、彼はそれに気づいていない。 更に、ルナは笑みを浮かべて告げる。ただし、目は笑っていなかった。 「だ〜め。決定事項だから。」 「決定事項?誰が決めたんだ?」 「デュミナスの部隊リーダーおよびサブ全員。」 「・・・・・・・・。」 その言葉に全員が沈黙する。それを満足げに見つめ、ルナは告げた。 「ま、そうゆうわけよ。とりあえずリナ達と行動してもらうからよろしくね。」 それにリナ達───リナ、ガウリイ、アメリアの三人───が頷く。 そんな光景を見つめながら、ゼルガディスは今日何度目かの溜息を着いた。 Next turn→Programized Heaven type:03 ***************************************************************************************************************************** ちょっと補足説明しときます。 デュミナスの部隊は主部隊3つ、小部隊6つで構成されてます。 主部隊の下に二つずつ小部隊が所属してるんです。 第一部隊 通称『主部隊』。最も政府機関に近い地点を拠点としながらゲリラ活動を行っている。 リーダー:ルナ サブ(仮):ゼルガディス その他所属:リナ、ガウリイ、アメリア、フィリアetc 小部隊:01部隊、04部隊 第二部隊 ディミナスで最も機動力のある部隊。第一、第三部隊のサポートを主としている。 リーダー:ミルガズィア サブ:ミリーナ その他所属:メンフィス、ラーク、シルフィールetc 小部隊:02部隊、05部隊 第三部隊 第一部隊と並び、強大な戦力を誇る。第一部隊と首都を挟んだ位置を拠点としている。 リーダー:ナーガ サブ:リュネシエル(オリキャラです) その他所属:マルチナ、ザングルス、ゾルフ、ロディマスetc 小部隊:03部隊、06部隊 総合責任者:ルナ 副総合責任者:ミルガズィア・ナーガ 情報管理者:シルフィール 小部隊総合管理者:ザングルス 総合技術責任者:アメリア 参謀官:リュネシエル 何だか懐かしのキャラが数人いますが、こんな感じです。 第三部隊のリーダーがちょっと怖いですが、お気になさらず・・・・(^_^;)ヾ きっとサブがうまくフォローしてるんですよ。きっと・・・・多分。 †鎖夢† |
8230 | Reわくわく! | 朋 | 2002/3/26 15:13:15 |
記事番号8225へのコメント 鎖夢さんは No.8225「Programized Heaven type:02」で書きました。 > > >連載二回目です。 > > >***************************************************************************************************************************** > > > >無機質な壁に囲まれた廊下。そこで一人の青年が壁に寄りかかったまま荒く息をついていた。 >その周りには破壊された鋼天使が転がっており、彼も負傷しているようだ。 >浅葱色の髪に、どこかきつい印象を受ける目鼻立ち。額にはオレンジ色の石がついたサークレットが輝いている。 >紺色の服に血が滲み、所々黒く光沢を見せていた。 >そんな彼の耳元の通信機から、一人の少女の声が響く。 > > 『ヴァルガーブ、お疲れ様。もう大丈夫。』 > 「分かった。今から戻る。」 > >少女にそう答えると、通信を切って天井を見上げた。まだ遠くで、脱走を告げる警報ブザーが鳴り響いている。 >それに耳を傾けていた彼は、痛む体を叱咤しながら立ち上がりはじめた。 > > 「っててて・・・・・はぁ、ドジったな。」 > >痛む腹部の傷を抑えながらそう呟くと、急に目の前に手が差し伸べられる。 >それに慌てて、手の主を見ると、一人の青年がにっこりと笑っていた。 >紫がかった黒髪を肩の少し上で揃え、額に輝くような白い石のついたサークレットをした青年。 >黒い服を身に纏っているせいで上から下まで黒ずくめだが、似合ってはいる。 >その見慣れた姿の、意外な登場に彼は目を見開いた。 > > 「大丈夫ですか?ヴァルガーブさん。」 > 「ゼロス、何でお前ここに?」 > 「見送りに来ただけですよ。我等の弟君をね。」 > >ゼロスと呼ばれたその青年は、笑いながらそう告げた。それにヴァルガーブは僅かに笑みを浮かべて天井を仰いだ。 >自分がこうしてここにいる理由となっている、とある人物の姿を思い浮かべ、苦笑しながら言葉を紡ぐ。 > > 「弟・・・・か。そうゆう事になるのかもな・・・・・・・・・・ってオレはお前が兄貴だなんて冗談じゃねぇぞ。」 > 「そうゆう事言うと、手、貸しませんよ?」 > 「別に貸さなくてもいいっての。」 > >あからさまに表情をしかめたヴァルガーブは、差し出されたゼロスの手を叩いた。 >その反応に、思わず彼は溜息混じりで辺りを見回す。 >あちこちに散らばる鋼天使の残骸。更に冷却用であろう緑色の液体が、鋼天使から流れ落ち、 >そこらじゅうに溢れている。見慣れているとは言え、あまり長居したい光景ではなかった。 >それを見つめながら再び溜息を着き、彼は腰に手を当てる。 > > 「それにしても、派手にやりましたねぇ。」 > 「どうせ他の奴等も同じようなもんなんだろ?」 > 「まぁ、否定はしませんけど・・・・。」 > 「分かってるよ。自分でもやりすぎだと思ってるからな。」 > >座ったままその光景をぼんやりと眺め、ヴァルガーブはにやりと笑った。 >彼の言葉を否定できない辺りが、何となく悲しかったりするの。 >だが、彼と同じように鋼天使と交戦していた他の二人の所も、ここと大差ないのだ。 >ヴァルガーブは否定できなかったゼロスを見て、苦笑しながら立ち上がった。 >そして服に着いたゴミを軽く叩き落とす。 > > 「ともかくここを離れましょう。これ以上はジャミングが持ちませんから。」 > 「で?どこ行く?」 > 「とりあえず僕の部屋に行きましょう。お二人もそこにいますから。」 > >二人はその場から離れる為に、よく知った廊下を走り出した。 >いつの間にか警報ブザーはやんでおり、静まり返った廊下に二人の足音だけが響く。 >そんな中で、ふとゼロスは自嘲の笑みを僅かだけ浮かべて告げた。 > > 「これでやっと・・・・約束守れましたよ。」 > 「約束?」 > 「えぇ。」 > >意外な言葉にヴァルガーブは思わず彼へと視線を向ける。 >視線の先で、ゼロスはどこか昔を懐かしむような笑みを浮かべていた。 >そして彼はヴァルガーブへと視線を向けると、ウィンクなどしながら、 >ゼロスにとっても、ヴァルガーブにとっても懐かしい人物の名前を述べる。 > > 「レゾさんとの・・・・ね。」 > >その名前を聞いたヴァルガーブは、一瞬驚いたように目を見開く。 >が、次の瞬間納得したのか、不敵な笑みを浮かべた。 > > > > > > > > > > > 【Programized Heaven type:02】 > > > > > > > > > > > 「はい、到着〜。」 > >リナはそう言いながらエアロバイクを止めた。 >地面に着地する前に、アメリアは自分から飛び降りて着地し、リナとゼルガディスは着地してからエアロバイクから降りる。 >ゼルガディスは何となく、二人の少女に僅かな視線を向け、思わず溜息を着いた。 >はっきり言って、彼はここまで着いて来るつもりはなかったのだ。 >だが、適当な事を言って下ろしてもらおうとしても、二人に引き止められてしまい、 >結局デュミナスのアジトまで連れて来られてしまった。 > > (何で、俺の周りは強引な奴しかいないんだ?) > >今朝、無理矢理着けられたせいでまだ馴染まないピアスを弄び、彼はそこを見つめる。 >巧妙に隠されているその入り口は、一見すると分からないような物だ。 >彼自身、まさかこんな所に隠されているとは思わなかった。 > > 「ねぇ、あんた何であんな所にいたの?」 > >突然の問いかけに、ゼルガディスは慌ててその声の主を見る。 >振り返れば、リナが訝しげな視線を彼に向けていた。 > > 「そう言えば、あの先って政府機関の建物しかありませんよね?」 > 「それは・・・・・・・・。」 > 「ご苦労様。リナ、アメリアちゃん。」 > >リナの問いにそれを思い出し、アメリアも怪訝そうにゼルガディスを見つめる。 >彼は、できれば忘れていてほしかったその事に言葉を詰まらせた。 >だが、そんな三人の背後で、ゆっくりと歩み寄ってくる足音が響く。 >それに振り返ると、ルナが笑みを浮かべながらこちらにやってくる所だった。 >彼女は笑顔で戻ってきた二人に対して言葉をかけるが、それにリナは問い掛ける。 > > 「あれ?姉ちゃんどうしたの?」 > 「あんた達が帰ってくるの待ってたのよ。」 > 「私達を?」 > >ルナが出迎えた事を不思議に思いながら、二人は顔を見合わせた。 >だが、ルナはそんな二人などお構いなしにゼルガディスへと近づく。 > > 「貴方がゼルガディスくんね。直接会うのは初めてだわ。」 > 「どうして俺の事を?」 > 「私はルナ。名前ぐらいは聞いてるんじゃないかしら。」 > 「あんたがあの"ルナ"なのかっ。」 > >突然名前を言い当てられ、ゼルガディスは目を見開いた。後ろでリナとアメリアも顔を見合わせている。 >ルナは自分の名前を名乗りながら、彼を試すような視線を向けた。 >その名前を聞いた瞬間に、彼の蒼い瞳が更に見開かれる。 >二人のやり取りを見ていたリナは、ルナに近づいて慌てたように声をかけた。 > > 「ちょっと姉ちゃんっ。話が見えないんだけど・・・・。」 > 「まぁ、とりあえず彼の事は私に任せて。あんた達はガウリイくんの所手伝ってあげて。」 > 「わ、分かりました。」 > >ルナはやんわりと強制の言葉を述べ、アジトの入り口を指す。 >それにリナはまだ納得のいかない顔をしていたが、アメリアと一緒にアジトへ入っていった。 >二人がアジトの中に消えていったのを確認し、ゼルガディスは溜息混じりに告げる。 > > 「まさかあんたが、あの『デュミナス』のリーダーとはね。」 > >苦笑しながら告げられた言葉に、ルナは不敵な笑みを浮かべた。 >初対面とは思えない、どこか特殊な空気が充満する。 > > 「意外かしら?」 > 「いや、何となくだが納得した。ゼロスの話を真に受けてもいいならな。」 > 「どうせロクな事言ってないんでしょ。・・・・ともかく案内するわ。こっちよ。」 > >ゼロスの名前を聞き、ルナは僅かに肩を竦めた。 >そして彼女は、先程リナとアメリアが消えた入り口を指しながら歩き始める。 >ゼルガディスは一瞬迷ったような表情をしたが、それでも彼女の後に着いて歩き始めた。 > >だが彼は、近い将来その行動が浅はかだったと後悔する事になる。 > > > > > > > > > > > 「ゼルガディスが逃げた?」 > >その男は、確認の意でそう告げながら振り返った。黒髪の、見た目二十代半ば程度の青年。 >燃えるように鮮やかな緋色の瞳を持っているが、その瞳はどこまでも冷たい。 >その緋色の瞳を細め、振り返った方向には男が一人跪いていた。 >彼の周りには五人の部下が控えている。 > >男は尚も続けた。 > > 「はい。鋼天使に追わせましたが、取り逃がしました。」 > 「分かりました。下がっていいですよ。」 > 「失礼いたします。」 > >にこやかに笑みを浮かべながら告げると、男は恭しく頭を下げて退出していった。 >それを見送り、完全に男の気配が消えた瞬間、彼の表情が冷たいものとなる。 > > 「フィブリゾ、反応は掴めていますか?」 > 「ここから五時の方角に十キロ行った辺りで反応が消えました。」 > >呼ばれて答えたのは、白衣を羽織った少年だった。黒髪に大きな瞳をした、十二、三歳程度の少年。 >少女と見まごう程に愛らしい外見だが、その笑みは子供にはありえない何かを感じさせる。 >フィブリゾの答えに、彼は満足げに頷きながら、別の人物へと視線を向けた。 > > 「グラウシェラー・・・・貴方が行ってください。」 > 「お任せ下さい。」 > 「いいですか。必ず捕縛するのですよ。」 > >そう告げて穏やかに笑った男の瞳は、先程にも増して冷たく、どこか狂気すら浮かんでいる。 >彼の名はシャブラニグドゥ=レイ=マルクト。この世界を支配する独裁者だ。 > > > > > > > > > > > > 「後は、あの土砂を間に詰めるだけだな。」 > >ガウリイはそう告げると、額に浮かんだ汗を乱暴に拭った。 >目の前にはコンクリートの壁がある。そこは、土砂が崩れた場所だ。 >その場所は今までにも何回か崩れている。前々から危険だと思われていた場所だった。 >それゆえ、コンクリートの壁を崩れた部分に宛がい、穴になっている部分に崩れた土砂を詰めるという手段に出たのだ。 > >ガウリイは、作業の邪魔にならないように長い金髪を一つに束ねている。 >何故か束ねているものは赤いリボンだったりするが、おそらく誰かにつけられたのだろう。 >だが、何故取らないのかと言ってしまえばそれまでなのかもしれない。 > > 「結構早く済みそうだな。いや、助かった。」 > 「どうせやる事がなくて暇だったんだ。」 > >ガウリイの言葉に答えたのは、彼と同い年程度の男だった。 >僅かにウェーブのかかった黒髪に、やや鋭い目付き。白を好む天種族には珍しく、深緑色を基調とした服装をしている。 >まぁ、全員が白い服を着ているわけではないので、珍しくはないのだが。 >だがそれでも彼等は薄い色を好む習慣のようなものがあり、ある意味珍しいと言えば珍しい。 > > 「じゃあ久々に勝負でもすっか?」 > 「そうだな。」 > >ガウリイと彼───ザングルスはこのデュミナスでは珍しい、剣術のみを扱うメンバーだ。 >そのせいか、よく二人で勝負がてら稽古をする事が多い。 >最初は、今まで不敗を誇ってきたザングルスが初めてガウリイに負け、付き纏っていただけだったが、 >そのうち意気投合し、ルナが彼の腕を見込んでデュミナスに引き入れたのだ。 >それからは友人として、お互いを高める為に稽古をしている。 >ちなみにザングルスは第三部隊のメンバーだが、今日は用事があってここに来ていたらしい。 > > 「ガウリイさ〜ん。」 > 「あ、ザングルス来てたの?」 > >作業を一段落終えた二人の耳に、聞き覚えのある声が届き、二人は振り返った。 >そこには、丁度彼等に近づいてくるリナとアメリアの姿がある。 >二人の姿に、ガウリイは片手を上げて返事を返した。 > > 「リナ、アメリア。早かったな。」 > 「うん。まぁね。」 > 「どうしたんだ?」 > >ガウリイの言葉に、リナはやや曖昧な言葉を返す。 >普段はっきりと物を言う彼女なので、思わずガウリイはそれに眉を顰めた。 >それにリナとアメリアは思わず顔を見合わせる。言うべき言わぬべきか迷ったらしい。 >だが、リナが次の瞬間には口を開く。 > > 「ちょっと気になる事があるのよ。」 > 「気になる事?」 > 「後で話すわ。それより、まだ終わってないんでしょ?」 > 「あぁ。後は土砂を間に詰めるだけだけどな。」 > 「じゃあ、取り掛かりましょう。話はその後よ。」 > > > > > > > > > > >ルナとゼルガディスは、中央練にあるミーティングルームに来ていた。 >ミーティングルームに入り、ドアが閉められる。そして、ルナは外に会話が漏れないように結界を張った。 >彼女が結界を張り終えた事を確認すると、ゼルガディスはやっと口を開く。 > > 「戦前の地下都市か・・・・。随分と広げたものだな。」 > 「まぁね。町を追われた人の住居も兼ねてるから、これくらい必要なのよ。」 > >ゼルガディスの言葉に、ルナはそう言いながら備え付けのポットへと手を伸ばした。 >そして二人分のカップにコーヒーを注ぐ。コーヒーの芳ばしい香りが室内に充満したが、二人は無言だ。 >どこか気まずい雰囲気の中、ルナは自分のカップを片手に持ち、もう片方のカップをゼルガディスへと渡した。 >それを受け取り、軽く礼を言って彼はコーヒーに口をつける。 > >ずっと走り続けていたせいで喉が乾いていた。もっとも、暑くて一気に飲んでしまう事はできない。 >程好い温度のコーヒーを喉に通し、彼はどこか気まずそうに声をかける。 > > 「ルナ・・・・さん・・・・・・その・・・・・・。」 > 「別に呼び捨てで構わないわよ。呼びたかったら別にいいけどね。」 > 「あんたがそれでいいなら・・・・俺も構わない。」 > >途切れ途切れに戸惑いながら呼びかけたゼルガディスに、ルナは苦笑した。 >それはまるで弟か妹、ともかく下の弟妹に向けるような表情だ。 >その表情に、ゼルガディスはどこか照れたように視線を反らしながら頷いた。 >彼の反応にルナは僅かに笑みを浮かべる。 > > 「そう言えば、みんな元気にしてた?」 > 「落ち込むような奴等か?」 > 「それもそうね。・・・・・・そうだわ。これ、渡しとく。」 > >『みんな』の事を思い出し、ルナは笑った。確かに、彼の言う通り落ち込んだり沈んだりするような人物達ではない。 >妙に納得してしまいながらルナは何か布のような物をテーブルに置いた。 >それは、デュミナスの印である赤いバンダナ。それを見た瞬間、ゼルガディスは思いきり眉を顰める。 > > 「俺に、デュミナスのメンバーになれって言うのか?」 > 「そうよ。ゼロスから聞いてない?」 > 「あの生ゴミ・・・・。」 > 「貴方のように力のある人物がいて不自然じゃないのは、うちくらいでしょ?ゼロスなりに考えた結果だったのよ。」 > >あっさり肯定されてしまい、思わずゼルガディスは低い声でぼやいた。 >その形容の仕方にルナは面白そうに笑う。それに何となくだが、彼は疲れさえ覚えた。 >そんなゼルガディスを見て、彼女は立ち上がり、彼の額に赤いバンダナを巻いてやる。 >巻きながら彼女が告げた言葉に、ゼルガディスはどこか不機嫌そうに視線を反らした。 > > 「ちっ。赤は好きじゃないんだ。」 > 「よく似合うじゃない。銀髪に赤って映えるのね♪」 > >視線を反らしながら、僅かに視界に入ったバンダナの色を見つめ、思わず舌打ちをする。 >だが、ルナの言う通りに銀色の髪に、鮮やかな赤いバンダナはよく映えた。 >僅かだが彼の髪から、冷たい印象を掻き消してくれているようにも思える。 > > 「それは嫌味と取らせてもらうぞ。ルナ。」 > 「あら、嫌味も何も本当の事じゃない。」 > 「本当でも言わないでくれ。」 > 「分かったわよ。そうゆう頑固なところだけ、誰かさんに似ちゃったわね。」 > >更に不機嫌そうな面持ちになった彼を見て、ルナは僅かに肩を竦めた。 >彼女の言った『誰かさん』という言葉に、ゼルガディスは僅かに表情を曇らせたが、ルナはそれに気づかない。 > >数分後、ミーティングルームは再び静寂に包まれた。 > > > > > > > > > > > 「怪しい?」 > >ガウリイは、昼食のサンドイッチを頬張りながら問い掛けた。 > >ここはアジト内にある食堂のような場所だ。大概のメンバーは、特に忙しくなければここで食事を取る。 >ちなみにここの料理担当者はかなりの腕前で、ここに来る前はとある王宮から宮廷料理人にならないかと >誘いがかかった程の人物だ。だが、本人は気楽に料理を作りたいと言って蹴ってしまったらしい。 >まぁ、そんな食堂は昼食時ともなればかなり賑やかな場所となっていた。 >その食堂にはリナ、ガウリイ、アメリア、フィリア、ザングルスの四人が集まっている。 > >ガウリイ表情にはただ疑問符ばかりが浮かんでいる。 >そんな彼の表情を見ながら、リナはパスタを飲み込んだ。 >ソースと絶妙に絡み合ったそれに舌鼓を打ちながら、彼の疑問に答えるべく口を開く。 > > 「そっ。果てしなく怪しいわ、彼。」 > 「政府機関しかないようなとこから逃げてきてたんです。」 > 「捕まってたとかじゃないのか?」 > >リナの言葉につけたしながら、アメリアが僅かに身を乗り出した。 >それにガウリイがそう結論を出すが、リナはそれに首を横へと振る。 > > 「それにしちゃあ、服もほとんど汚れてなかったわ。あそこまでの実力者が、そう簡単に捕まるとも思えないし。」 > 「罠か・・・・。」 > 「さぁ。でも、姉ちゃんと知り合いみたいなのよ。」 > 「ルナさんとですか?」 > 「そうなんです。ただ、直接会うのは初めてだって言ってましたけど。」 > 「リナは会った事ないのか?」 > 「会った事あったら、こんな事言わないわよ。」 > >ガウリイの言葉を否定し、リナはサラダにフォークを伸ばした。 >その横でアメリアが更に説明を始める。 > > 「ゼルガディスさんって言うんですけど、銀色の髪の男の人なんです。」 > 「銀髪か。珍しいな。」 > 「そう言えば、第二部隊のミリーナさんも銀髪でしたね。」 > >銀髪子供は、先天的な色素欠乏か、特異体質でなければ生まれない。 >昔からこのエデンでは、銀髪の子供は大事にされてきた。 >ちなみに、ミリーナは第二部隊のサブリーダーだ。 > > 「う〜ん、ミリーナの銀髪とはちょっと違う感じね。もうちょっと冷たい色。」 > 「何が冷たい色なの?」 > 「どわぁぁぁぁっっ!!??」 > >突然聞こえた声に、思わず全員が慌てて振り返った。 >その視界に、ルナとゼルガディスの姿が映る。それに慌ててリナが立ち上がった。 > > 「姉ちゃん!気配消して近づかないでよ!」 > 「あら、消したつもりなかったんだけど・・・・。」 > 「思いっきり消えてました。」 > >リナの非難を軽々と受け流し、ルナは言ってみせる。だが、それに思わずアメリアが半眼でうめいた。 >本来、気配に敏感であるガウリイも気づいていなかったらしく、どこか呆然としている。 >そんな彼等を見渡し、ルナは僅かに肩を竦めた。 > > 「まぁ、それより紹介するわ。彼はゼルガディスくん。今日からディミナスのメンバーよ。」 > 「へ?」 > 「どうゆう事ですか?」 > 「そのまんまの意味だけど・・・・。」 > >呆然としながら、全員がルナとゼルガディスを見比べた。そんな中で、やはり呆然とアメリアが問い掛ける。 >それにルナは平然と答えを返した。その平静ぶりに誰も何も言えない。 >だが、リナが逸早く我に返り、言い放った。 > > 「そうじゃなくって!いきなりすぎだって言うのよ!」 > 「って言うか、うちの前サブリーダーの後釜として送られてきたのよ。彼。」 > 「それどうゆう事ですかっ。」 > 「ちょっと待ってくれ、ルナ。そんな事俺も聞いてないぞ。」 > >ルナの言葉を聞き、思わず叫んだのはフィリアだ。 >フィリアはデュミナス第一部隊では古参メンバーの一人で、尚且つ前サブリーダーとも知り合いだった。 >特に仲が良かったわけではない。いや、むしろ仲が悪かった。出会えば必ず罵り合いをする程だ。 >そんなフィリアと共にルナへと視線を向け、ゼルガディスもぼやく。どうやら彼もその事実を知らなかったらしい。 > > 「いいじゃない、この際だから。ね?」 > 「ね?じゃない!何で俺なんだ?お前の妹とか、他にも適任者はいるだろ?」 > >にっこりと笑うルナに、ゼルガディスはフォークを持ったまま自分を見つめるリナを指差した。 >指差されたリナは思わずむっとした顔をするが、彼はそれに気づいていない。 >更に、ルナは笑みを浮かべて告げる。ただし、目は笑っていなかった。 > > 「だ〜め。決定事項だから。」 > 「決定事項?誰が決めたんだ?」 > 「デュミナスの部隊リーダーおよびサブ全員。」 > 「・・・・・・・・。」 > >その言葉に全員が沈黙する。それを満足げに見つめ、ルナは告げた。 > > 「ま、そうゆうわけよ。とりあえずリナ達と行動してもらうからよろしくね。」 > >それにリナ達───リナ、ガウリイ、アメリアの三人───が頷く。 >そんな光景を見つめながら、ゼルガディスは今日何度目かの溜息を着いた。 > > > > > >Next turn→Programized Heaven type:03 >***************************************************************************************************************************** >ちょっと補足説明しときます。 >デュミナスの部隊は主部隊3つ、小部隊6つで構成されてます。 >主部隊の下に二つずつ小部隊が所属してるんです。 > >第一部隊 >通称『主部隊』。最も政府機関に近い地点を拠点としながらゲリラ活動を行っている。 >リーダー:ルナ >サブ(仮):ゼルガディス >その他所属:リナ、ガウリイ、アメリア、フィリアetc >小部隊:01部隊、04部隊 > >第二部隊 >ディミナスで最も機動力のある部隊。第一、第三部隊のサポートを主としている。 >リーダー:ミルガズィア >サブ:ミリーナ >その他所属:メンフィス、ラーク、シルフィールetc >小部隊:02部隊、05部隊 > >第三部隊 >第一部隊と並び、強大な戦力を誇る。第一部隊と首都を挟んだ位置を拠点としている。 >リーダー:ナーガ >サブ:リュネシエル(オリキャラです) >その他所属:マルチナ、ザングルス、ゾルフ、ロディマスetc >小部隊:03部隊、06部隊 > >総合責任者:ルナ >副総合責任者:ミルガズィア・ナーガ >情報管理者:シルフィール >小部隊総合管理者:ザングルス >総合技術責任者:アメリア >参謀官:リュネシエル > >何だか懐かしのキャラが数人いますが、こんな感じです。 >第三部隊のリーダーがちょっと怖いですが、お気になさらず・・・・(^_^;)ヾ >きっとサブがうまくフォローしてるんですよ。きっと・・・・多分。 > > >†鎖夢† きゃー楽しみですう、どうなってくのかな、わくわく!続きまってますー! |
8232 | はじめましてvv | 鎖夢 E-mail URL | 2002/3/28 22:24:27 |
記事番号8230へのコメント > きゃー楽しみですう、どうなってくのかな、わくわく!続きまってますー! 朋さん、初めまして。コメントありがとうございます! ちょっと微妙に行き詰まってたりしますが、頑張って執筆中です。 まぁ、期待しないで待っていてやってくださいませvv †鎖夢† |
8237 | みにょーん(>▽<))) | +綺咲+ E-mail | 2002/3/29 18:19:47 |
記事番号8225へのコメント こんにちわっ! コメントがえしがあった嬉しさと、次の話ができていた嬉しさのあまり、またコメントを書いてみたりした、綺咲ですv 毎回、鎖夢さんの話は長くって、あたしははとっても嬉しいんです。 どーしてあんなに書けるんでしょうか・・・?(←ただあたしが書くのが遅いだけ) やっぱり弟子に・・・いや、あたしは全然だめな文章、略して駄文なんで(何) なんか、企んでいる人がいっぱいですねぇ。 なんか気になってます。とっても気になってます。 そして、ゼルがかっこいいv また意味不明です。 また来ます。 えへ、赦して下さいませ・・・。 +有川綺咲+ |
8239 | ウケケッ・・・・(−▽−) | 鎖夢 E-mail URL | 2002/3/29 21:48:14 |
記事番号8237へのコメント > こんにちわっ! > コメントがえしがあった嬉しさと、次の話ができていた嬉しさのあまり、またコメントを書いてみたりした、綺咲ですv 綺咲さん、どうもですっ! こちらこそコメントどうもありがとうございます。 感想頂けるのって、すごく嬉しいです。いつもモニターの前でにやけてます。 タイトルがあんまり可愛いんで、綺咲さん拉致っちゃおうかと思いましたよ(やめれ) > 毎回、鎖夢さんの話は長くって、あたしははとっても嬉しいんです。 > どーしてあんなに書けるんでしょうか・・・?(←ただあたしが書くのが遅いだけ) > やっぱり弟子に・・・いや、あたしは全然だめな文章、略して駄文なんで(何) メモ帳に書き書きしてるので、割と長いの書けて・・・・ます? そんな、いっぺんにこんなの気力持たないです(根性なし) でも逆に短いのって書けないんですよ、私。 サイトの方もいっつも長編ばっかりになってしまって(T_T) > なんか、企んでいる人がいっぱいですねぇ。 > なんか気になってます。とっても気になってます。 > そして、ゼルがかっこいいv 企んでる人一杯ですvv特にゼロスはすっごく企んでます。 企んでる人大好きなので(笑) ゼルかっこいいですか!?大丈夫でしょうか? 何とかかっこよく書こうと、毎回苦心しています。 > また意味不明です。 > また来ます。 > えへ、赦して下さいませ・・・。 はい!是非また読んでやってくださいませvv †鎖夢† |
8238 | Programized Heaven type:03 | 鎖夢 E-mail URL | 2002/3/29 21:40:35 |
記事番号8217へのコメント オリキャラなんぞ出してみました。 ***************************************************************************************************************************** 「エルメキア・ランス!」 乾いた大地に少女の声が高らかに響き、彼女から放たれた光が鋼天使を貫いた。 鋼天使が二体地面に沈んだ。その横では金髪の青年が剣を振るい、レーザーを弾きながら鋼天使と交戦していた。 更にその向こう側では銀髪の青年が、やはり鋼天使と交戦中である。 鋼天使達の持つレーザー銃での攻撃が一度収まった事を確認すると、少女───リナは振り返って叫んだ。 「アメリア、早く非難させて!」 「はいっ!皆さん私に着いてきてください!!」 アメリアはそう言いながら、避難民の避難経路を確保する。 その後ろに着きながら他の三人は鋼天使への攻撃と、レーザー銃の防御を繰り返していた。 今回は、政府側から逃げてきた数人の子供を保護するのが目的だ。 どうやら彼等は一度捕まり、鋼天使にされる前に逃げ出してきたらしい。 全員の掌には、鋼天使となった後の番号にされるらしい番号を刻む焼き鏝の痕があった。 レーザーの嵐の中、魔法の使えないガウリイがアメリアと子供達のいる辺りまで退避する。 それを確認して、リナとゼルガディスは同時に頷いた。どうやら広範囲系の呪文でけりを付ける気らしい。 「バースト・フレア!」 「ラザ・クロウヴァ!」 二人の声と共に、炎と光が舞った。凄まじい爆音が轟き、砂煙が上空へと立ち上る。 そして、僅かに晴れた砂埃の向こう側には哀れな残骸となった鋼天使の姿があった。 それを確認してリナはゼルガディスへと不敵な笑みを向ける。それに彼は僅かに微笑して答えた。 ゼルガディスがデュミナスに加わってから三日が経っているが、彼も大分メンバーに馴染んだ。 元より、他のメンバーが社交的な人格の持ち主だったからという理由もある。 「これで全員ね。」 リナは、何世代か前に作られたであろう小型トラックに乗っている子供達を見て確認する。 保護した子供達は五人。いずれも十代半ば程度───リナやアメリアと同じ年頃だ。 最も、アメリアは高位天種族の血族なので実年齢は五十歳ぐらいらしい。リナに至っては、もうニ百年は生きているとか。 それでも保護された子供達は、自分達と同い年程度にしか見えない彼女やリナが戦っているのを見て驚いていた。 確認をしているリナの隣で、ガウリイが武器を片付けながら口を開く。 「そういや、最近ジーザスが来ないな。」 「来てくれなくていいわよ。厄介だしね。」 「そうですよ。ジーザスなんていなくていいです。」 「本っ当にアメリアってジーザス嫌いね。」 珍しく刺々しい感情を滲ませて言葉を紡ぐアメリアに、リナは苦笑した。 彼女はジーザスの事となると向きになるのだ。 「当たり前です。ジーザスは生まれながらにして悪なんですからっ。」 「ゼル、どうした?」 アメリアは拳を握って力説したが、そんな彼女の言葉にガウリイの声が重なった。 それにゼルガディスを見ると、僅かに俯きながら拳を握り締めている。 彼の顔は、どこか青白く見えた。それにアメリアは心配そうに眉を顰める。 「ゼルガディスさん、顔色悪いですよ?」 「いや・・・・なんでもない。」 アメリアの声に気づき、彼は顔を上げた。だが、表情を隠すように視線を反らすと、ただ素っ気無く答えを返す。 そんな彼の耳元で、緋色の石のついたピアスだけが、風で僅かに揺れて煌いた。 【Programized Heaven type:03】 小型トラックは、ガウリイの運転で南に向かって走らされていた。 その後を、砂煙が追っていく。この辺りは乾燥地帯なので、雨が降ってもすぐに乾いてしまうのだ。 その荷台には保護された五人の子供達とリナ、アメリア、ゼルガディスの三人が乗っている。 子供達は疲れたのか、渡されたブランケットに包まって眠ってしまっていた。 「それにしても、ゼルガディスさんが来てからスムーズに進むようになりましたよねぇ。」 「いや・・・・別に俺は・・・・・・・・・。」 「まったまたぁ〜。謙遜しちゃって。」 アメリアの言葉に思わず照れたように視線を反らすと、隣でリナがゼルガディスを小突いた。 確かに、四人で組むようになってからは事がうまく運ぶようになっている。 三人よりも四人の方が動きやすいというのもあった。だがそれだけではない。 今までガウリイが前線に立って後ろからリナがサポートをし、アメリアがサポートをしながら 非難経路を確保するという形を取っていた。 だが、ガウリイとリナの間でゼルガディスが動き、二人の負担を軽くし、アメリアは非難経路を 確保する事に専念すればよくなったのだ。それだけで全員の負担がかなり減った。 更に言ってしまえば、ゼルガディスは第一部隊で唯一の剣術と魔法の両方を扱える人物だ。 ただ、集団で戦う事になれていないのか、たまに広範囲呪文を使いかけてリナに慌てて止められるという事もしばしあった。 そんな時だった。 「「「うわぁぁぁっっ!!??」」」 突然急ブレーキがかけられ、小型トラックは横向きにスライドしながら止まる。 凄まじい程の砂埃を上げ、衝撃を与えるそれに、三人は縁に捕まりながら悲鳴を上げた。 眠っていた子供達も何事かと目を覚ます。 リナは荷台から降り、運転席にいるガウリイに向かって怒鳴った。 「ちょっと、ガウリイ!危ないじゃないのよぉ!」 「悪い悪い。」 リナへの返事もそこそこに、ガウリイは運転席から下りて辺りを見回す。 彼女もそれに倣って辺りに転がるそれを見つめる。 彼等の周りには、鋼天使の残骸が散乱していた。鋼天使は元々、天種族から作られる。 政府が反逆者を捕まえて、その人物を鋼天使へと改造するのだ。 ほとんど金属のパーツで出来ている鋼天使だが、目と脳、そして脳髄と神経だけは天種族として生きていた頃のまま残される。 戦って鋼天使を倒せば、ある程度は血のような匂いもするのだ。 更に冷却用の液体が気持ち悪さを倍増させていた。それに思わずゼルガディスが顔を顰める。 「派手にやったなものだな。」 「いくらなんでも、これは酷いような気がします。」 いくら敵とは言え、元は同じ天種族だった者達。 ここまで酷く壊されているのを見るのは、アメリアにとって辛い事だった。 彼女は鋼天使に悲痛そうな眼差しを向けている。そんな時だ。 「危ない!」 突然の気配に、ゼルガディスがそう叫びながらアメリアを庇いながら飛び退いた。 それに驚いていると、二人がいた辺りに青い光がぶつかる。 鋼天使がまだ残っていたのかと思い、全員が戦闘態勢に入りかけるが、 そんな彼等───ゼルガディス以外だが───の耳に聞き覚えのある声が届いた。 「何だ、お前達か。」 そう言いながら彼等に歩み寄って来たのは、見た目十代後半かと思われる少女だった。 少女らしい華やかな面立ちとはかけ離れた、少年のような凛々しさを持った少女だ。 腰まで伸びた黒髪に切れ長な深い蒼の瞳。平均より高い痩身を、天種族には珍しい黒い服で覆っている。 何故か右目を長く伸びた前髪で隠しており、左目しか見えていない。 彼女の手には、一本の柄に二本の刃がついた剣が握られていた。 そして彼女が何者なのかを示すように、その額には赤いバンダナが巻かれている。 その姿を見止め、リナは怒鳴るように非難の声を上げた。 「リューネ!危ないじゃない!」 「すまん。敵かと思ったのでな。」 リューネと呼ばれたその少女は、僅かに肩を竦めてそう告げる。 元々、彼女の視力が悪い事はリナも知っているので、それ以上は何も言えない。 普段はその動きと態度から忘れてしまう事もあるのだが、彼女は右目が見えないのだ。 そのせいで、たまにひどい眼精疲労を伴って体調を崩す事もあるらしい。 普段はこんなミスをしないはずだが、どうやら彼女の悪い癖が出たようだ。 彼女は普段、冷静沈着で判断力もあり、デュミナスの総合参謀官を任されている。 そんな彼女だが、たまに。本当にたまになのだ。時と場所を選ばないボケをかましてくれる。 第三部隊のサブリーダーである彼女がリーダーになれなかったのはそれが理由ではないかと、 古参メンバー以外の間では、実しやかに囁かれていた。 だが、クールでほとんど何でも完璧にこなしてしまう彼女の場合は愛嬌になるのだろう。多分。 閑話休題。 「リナ、知り合いなのか?」 「そっか、まだゼルは会った事なかったのよね。」 急に現れた彼女に、ゼルガディスは怪訝そうな視線を送っていた。 リナはそんな彼の言葉に、十分魅力的だと思われる笑みを浮かべて告げる。 「彼女はリュネシエル。第三部隊のサブリーダなの。あたし達はリューネって呼んでるけどね リューネ、聞いてるでしょ?彼が新しい第一サブのゼルガディス。」 「あぁ、君がゼルガディスか。ルナから話は聞いている。よろしく。」 「こちらこそ。」 「ところで、リューネさんこんな所で何やってるんですか?」 リナの言葉に、納得したような表情をしながら彼女はゼルガディスを見た。 そして、僅かに笑みを浮かべて手を差し出す。それに答えてゼルガディスも軽く彼女の手を握った。 そんな二人の横でアメリアが不思議そうな表情で問い掛けると、リュネシエルは溜息を着く。 「ナーガーが余計な事をしてくれたせいで仕事が増えただけだ。」 「何?また何かやったの?」 「いつものごとくな。」 「リューネも大変だなぁ。」 「そうでもないさ。ところで、ミリーナから聞いたか?」 「何をですか?」 「最近ミリーナに付き纏っている男がいてな。ルークというらしいんだが。」 「ぶっ。」 「ゼル?」 リュネシエルから告げられた名前に、思わずゼルガディスが吹き出した。 それに全員の視線が彼へと向けられる。 更にリュネシエルが眉を僅かに顰め、怪訝そうに問い掛けた。 「知っているのか?」 「いや、まぁ・・・・そんなところだ。」 曖昧な返事で誤魔化すと、ゼルガディスは僅かに視線を反らす。 それを見て彼女は更に話を続けた。 「赤毛の男なんだが、ミリーナが赤毛嫌いだと言ったら黒髪に染めてきたそうだ。」 「・・・・・・・(-_-;)」 「しかも、いくら冷たくしても着いて来るらしい。」 「・・・・・・・(-_-;;)」 「そりゃなんつーか・・・・大変そうだわ。」 「ミリーナさんモテますからね。」 リュネシエルの話に、ゼルガディスは気分が重くなっていくのを感じた。 そして、彼女達の会話を聞き流しながら空を見上げる。 何となく、話の人物が脳裏に浮かんでしまうような気がした。 (何で俺の周りはそんな奴ばっかりなんだ・・・・(T T)) その呟きは、一体誰に対してだったのか。それは本人にしか分からない。 「へっ・・・・くっしゃん!」 室内に突然くしゃみの音が響いた。それに全員がその人物へと振り返る。 黒い短髪に、やや目付きのきつい青年だ。その額には灰色に近い白い石のついたサークレットをしている。 彼を見て、同じ部屋にいたゼロスは首を傾げた。 「おや、ルークさん風邪ですか?」 「そりゃないだろ。バカは風邪引かないって言うからな。」 「ヴァル・・・・・・・・。」 ヴァルガーヴの言葉に、ルークはきつい目を更にきつくして彼を睨む。 目付きの悪い同士(酷)の睨み合いを見つめ、ゼロスは大袈裟に溜息を着いた。 「シェーラさん、行きましょうか。」 「そうね。」 隣で本を読んでいたシェーラと共に立ち上がり、二人は睨み合うヴァルガーヴとルークを残して部屋を出る。 そして完璧にドアがしまり、ゼロスとシェーラがきっかり3メートルドアから離れた瞬間。 その部屋の中から、一体何が起こっているのかと思いたくなるような騒音が響いた。 (もう知りません・・・・。) ここはフィブリゾが所属している研究所の一角だ。 彼は目の前のモニターを楽しそうに見ている。 「ふふっ。見ぃ〜つけた。」 「どうしたフィブ。楽しそうじゃねぇか。」 「何だガーヴか。うん、まぁ楽しいのは事実だよ。」 嬉しそうに呟いたフィブリゾの耳に、聞き慣れた男の声が響く。 それに振り返ると、そこには赤毛の男が一人立っていた。 フィブリゾと同じ政府側の幹部、ガーヴ=カオスドラゴンである。 「見つけたのか?」 「うん。おもしろい所にいたんだ。」 「おもしろい所?」 「デュミナスのメンバーと行動してるよ。さっき鋼天使から映像が送られてきた。」 モニターには、リナ達と共に戦うゼルガディスの姿が映し出されていた。 それを覗き込みながら、ガーヴは僅かに眉を顰める。 だが、そんなガーヴなど気にも止めずに、フィブリゾは告げた。 「ほら、見てみなよ。彼がデュミナスの赤いバンダナしてる。やっぱり彼は赤が似合うね。」 「そうかね?」 「あ、僕のセンス疑う気?」 気のない返事をすると、フィブリゾはその顔に不満げな、まるで拗ねた子供のような表情を浮かべる。 彼は研究に没頭し、更には自分に遺伝子の操作を加えた為に子供のような外見をしているが、 シャブラニグドゥに仕える幹部の中では一番の年配者だ。 一部の噂では、シャブラニグドゥ自身よりも年上ではないかと言われている。 「まぁ、ともかくヘマしないようにするんだな。フィブリゾ博士。」 ガーヴはそうとだけ告げると、研究室を後にした。向かうのは───。 「皆さん、お疲れ様でした。」 アジトに戻ると、リナ達をフィリアが出迎えた。 リナ、アメリア、ゼルガディスの三人は、子供達が全員荷台から降りたのを確認してから自分達も荷台から降りる。 「リナさん。ルナさんが大事な話あるので部屋に来るよう言ってましたよ。」 「話?」 フィリアの言葉に、思わずリナは眉を顰めた。 ルナがミーティングルームではなく、私室に呼び出す時は、必ずと言っていい程あまりいい話ではない。 リナは経験上、それをよく知っていた。フィリアもどこか心配そうな表情だ。 「はい。ガウリイさんも一緒にとおっしゃってました。」 「あたしとガウリイに話ねぇ。何だろ。」 「まぁ、行ってみれば分かるんじゃないか?」 「それもそうね。アメリア、ゼル。ここお願い。」 「分かりました。」 リナは首を傾げたが、ガウリイの言葉に頷く。 そして、その場を残りの三人に任せるとルナの部屋に向かった。 それを見送り、ふとゼルガディスはアメリアへと視線を向ける。 どうしても聞いておきた事があったのだ。 「アメリア、お前はジーザスを憎んでいるのか?」 「え?」 「何となくそう見えたんだ。」 「分かっちゃいました?」 ゼルガディスの真剣な眼差しに、アメリアは僅かに肩を竦めて笑った。 彼女は僅かに寂しげな微笑みを浮かべると告げる。 「私のフルネームは、アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン。かつて政府側に属していたセイルーンの者です。」 「確か、十年ぐらい前に壊滅した国家だったな。」 セイルーンは、元々シャブラニグドゥ側の領地内に位置する大国だった。 大戦中もシャブラニグドゥ側について戦い、大きな功績を残した国でもある。 そして、そのセイルーンは十年前、政府の手によって壊滅させられた。 アメリアはその時の事を思い出しているのだろう。どこか悲痛そうな面持ちで頷く。 「はい。私は何とか生き延びたんですけど、ほとんどの人が殺されました。ジーザスによって・・・・。」 ジーザスという言葉に、思わずゼルガディスは息を呑んだ。 そして、先程見せた反応と同じように、俯いたまま拳を握り締めて問い掛ける。 「どの・・・・ジーザスだった?」 「黒髪の男の人で、青い石のついたサークレットをしてました。」 「ジーザス001か。」 「知ってるんですかっ?」 アメリアの言葉と同時に、とある男の穏やかな微笑みが彼の脳裏を横切った。 だが、それを振り払うように彼は忌々しげにその言葉を紡ぐ。それにアメリアはあからさまな反応を示した。 ゼルガディスはゆっくりと息を吸い込むと、俯いたまま次の言葉を述べる。 「俺も・・・・俺もあいつは嫌いでな。」 「え?」 唐突な言葉にアメリアは意味が飲み込めず、疑問符を浮かべた。 そんな彼女の反応に、ゼルガディスはゆっくりと顔を上げて、澄んだ蒼い瞳で彼女を見つめる。 「俺もジーザスは大嫌いなんだ。」 その口元に、哀しげな微笑みを浮かべながら───。 「やっぱりオレも行くべきだったか・・・・でもこっちもこっちで心配だし・・・・・う〜ん。」 ヴァルガーヴは私室で、まるで動物園の熊のごとくうろうろと歩き回っていた。 頬やら腕やらに包帯や絆創膏が見える。どうやらルークとやり合った時の傷らしい。 そんな彼の耳に、ドアをノックする音が届いた。次の瞬間、聞き慣れた声が聞こえる。 「おい、ヴァル。オレだ。」 「ガーヴ様!?」 上司であるガーヴの突然の訪問に、ヴァルガーヴは慌ててドアを開けた。 ドアを開けると、やはり見慣れた上司の姿がある。彼はガーヴを部屋に招き入れると、ドアを閉めた。 「どうなさったんですか?」 「お前等の弟分が見つかっちまったらしいぞ。」 「え?」 「お前等が逃がしたんだろ?」 「な、何で分かったんですか?」 ガーヴの思いがけない言葉に、ヴァルガーヴは表情を引き攣らせる。 誰にも知られないように計画を進めたつもりだった。誰にも知られてはならないはずだった。 それなのに、ガーヴに知られてしまった事に、驚きよりも警戒心が働く。 彼を作為的に逃がしたのは、立派な反逆行為なのだから。 だが、彼の予想に反してガーヴは軽く言って見せる。 「鋼天使の残骸見て気がついたんだよ。あのやり方はお前等だってな。」 「・・・・・・・・。」 「ま、オレとゼラス。あとダルフィンはお前等の味方だけどな。」 「え?それってどうゆう・・・・・。」 「ヴァルガーヴ!ゼルが見つかっ・・・・・・た・・・・・・・・。」 さりげないガーヴの問題発言に、どうゆう事かを聞こうとした瞬間だった。 突然、黒髪を三つ編みにした少女が叫びながら部屋に入ってきたのだ。 黄色石をつけたサークレットをしたその少女は、ガーヴの姿を見止めるなり、ドアを開けた体勢のまま固まる。 ヴァルガーヴも同様に固まり、三人───正しくは二人───の間に気まずい空気が流れた。 「よぉ、グラウんとこのシェーラじゃねぇか。」 「っ!」 「おいおい。別にとって食おうとか思わねぇよ。」 ガーヴの言葉に、シェーラは慌ててヴァルガーヴの後ろに隠れた。 それに彼は苦笑しながら二人に近づく。だが、急に彼は真剣な面持ちで問い掛けた。 「奴の事、助けたいか?」 「え?」 「どうなんだよ。」 「できるなら・・・・・・・・。」 突然の問いかけに、思わず二人は顔を見合わせた。だが二人はそれに頷く。 その瞬間、ガーヴは口の端を吊り上げて笑みを浮かべた。 「よし、シェーラ。お前脱走しろ。」 Next turn→Programized Heaven type:04 ***************************************************************************************************************************** オリキャラ、リュネシエルことリューネさん登場です。 彼女はこの話で、ゼルと並んでキーパーソンになるので注目してみてくださいませvv こうゆう、割とストイックで凛々しい女性キャラが好きだったりします。 目標は「凛々しく妖しく麗しく」。しかし、ゼルもそうだが名前が長いぞ・・・・リューネ。 今回はちょっと日常っぽくしてみました。こっからはもう、大変な事になる予定なので。 ここを過ぎると、なかなかギャグをかける機会がないんですよ(遠い目) 余談なんですけど、ラザ・クロウヴァの漢字表記が好きです(笑) そのせいでつい使っちゃいました。あれって原作でも一回っきりしか出てないですよね? どうゆう効果が出るのか分からなくって調べまくっちゃいました♪ 果たしてゼルは使えるのか?とか思ったんですけど、「精霊魔法に長けている」という設定なので使わせちゃいました。 †鎖夢† |
8246 | わーいっ | 朋 | 2002/3/30 16:46:31 |
記事番号8238へのコメント 鎖夢さんは No.8238「Programized Heaven type:03」で書きました。 > > >オリキャラなんぞ出してみました。 > >***************************************************************************************************************************** > > > > > 「エルメキア・ランス!」 > >乾いた大地に少女の声が高らかに響き、彼女から放たれた光が鋼天使を貫いた。 >鋼天使が二体地面に沈んだ。その横では金髪の青年が剣を振るい、レーザーを弾きながら鋼天使と交戦していた。 >更にその向こう側では銀髪の青年が、やはり鋼天使と交戦中である。 >鋼天使達の持つレーザー銃での攻撃が一度収まった事を確認すると、少女───リナは振り返って叫んだ。 > > 「アメリア、早く非難させて!」 > 「はいっ!皆さん私に着いてきてください!!」 > >アメリアはそう言いながら、避難民の避難経路を確保する。 >その後ろに着きながら他の三人は鋼天使への攻撃と、レーザー銃の防御を繰り返していた。 > >今回は、政府側から逃げてきた数人の子供を保護するのが目的だ。 >どうやら彼等は一度捕まり、鋼天使にされる前に逃げ出してきたらしい。 >全員の掌には、鋼天使となった後の番号にされるらしい番号を刻む焼き鏝の痕があった。 > >レーザーの嵐の中、魔法の使えないガウリイがアメリアと子供達のいる辺りまで退避する。 >それを確認して、リナとゼルガディスは同時に頷いた。どうやら広範囲系の呪文でけりを付ける気らしい。 > > 「バースト・フレア!」 > 「ラザ・クロウヴァ!」 > >二人の声と共に、炎と光が舞った。凄まじい爆音が轟き、砂煙が上空へと立ち上る。 >そして、僅かに晴れた砂埃の向こう側には哀れな残骸となった鋼天使の姿があった。 >それを確認してリナはゼルガディスへと不敵な笑みを向ける。それに彼は僅かに微笑して答えた。 >ゼルガディスがデュミナスに加わってから三日が経っているが、彼も大分メンバーに馴染んだ。 >元より、他のメンバーが社交的な人格の持ち主だったからという理由もある。 > > 「これで全員ね。」 > >リナは、何世代か前に作られたであろう小型トラックに乗っている子供達を見て確認する。 >保護した子供達は五人。いずれも十代半ば程度───リナやアメリアと同じ年頃だ。 >最も、アメリアは高位天種族の血族なので実年齢は五十歳ぐらいらしい。リナに至っては、もうニ百年は生きているとか。 >それでも保護された子供達は、自分達と同い年程度にしか見えない彼女やリナが戦っているのを見て驚いていた。 > >確認をしているリナの隣で、ガウリイが武器を片付けながら口を開く。 > > 「そういや、最近ジーザスが来ないな。」 > 「来てくれなくていいわよ。厄介だしね。」 > 「そうですよ。ジーザスなんていなくていいです。」 > 「本っ当にアメリアってジーザス嫌いね。」 > >珍しく刺々しい感情を滲ませて言葉を紡ぐアメリアに、リナは苦笑した。 >彼女はジーザスの事となると向きになるのだ。 > > 「当たり前です。ジーザスは生まれながらにして悪なんですからっ。」 > 「ゼル、どうした?」 > >アメリアは拳を握って力説したが、そんな彼女の言葉にガウリイの声が重なった。 >それにゼルガディスを見ると、僅かに俯きながら拳を握り締めている。 >彼の顔は、どこか青白く見えた。それにアメリアは心配そうに眉を顰める。 > > 「ゼルガディスさん、顔色悪いですよ?」 > 「いや・・・・なんでもない。」 > >アメリアの声に気づき、彼は顔を上げた。だが、表情を隠すように視線を反らすと、ただ素っ気無く答えを返す。 >そんな彼の耳元で、緋色の石のついたピアスだけが、風で僅かに揺れて煌いた。 > > > > > > > > > > > 【Programized Heaven type:03】 > > > > > > > > > > >小型トラックは、ガウリイの運転で南に向かって走らされていた。 >その後を、砂煙が追っていく。この辺りは乾燥地帯なので、雨が降ってもすぐに乾いてしまうのだ。 >その荷台には保護された五人の子供達とリナ、アメリア、ゼルガディスの三人が乗っている。 >子供達は疲れたのか、渡されたブランケットに包まって眠ってしまっていた。 > > 「それにしても、ゼルガディスさんが来てからスムーズに進むようになりましたよねぇ。」 > 「いや・・・・別に俺は・・・・・・・・・。」 > 「まったまたぁ〜。謙遜しちゃって。」 > >アメリアの言葉に思わず照れたように視線を反らすと、隣でリナがゼルガディスを小突いた。 > >確かに、四人で組むようになってからは事がうまく運ぶようになっている。 >三人よりも四人の方が動きやすいというのもあった。だがそれだけではない。 >今までガウリイが前線に立って後ろからリナがサポートをし、アメリアがサポートをしながら >非難経路を確保するという形を取っていた。 >だが、ガウリイとリナの間でゼルガディスが動き、二人の負担を軽くし、アメリアは非難経路を >確保する事に専念すればよくなったのだ。それだけで全員の負担がかなり減った。 >更に言ってしまえば、ゼルガディスは第一部隊で唯一の剣術と魔法の両方を扱える人物だ。 >ただ、集団で戦う事になれていないのか、たまに広範囲呪文を使いかけてリナに慌てて止められるという事もしばしあった。 > >そんな時だった。 > > 「「「うわぁぁぁっっ!!??」」」 > >突然急ブレーキがかけられ、小型トラックは横向きにスライドしながら止まる。 >凄まじい程の砂埃を上げ、衝撃を与えるそれに、三人は縁に捕まりながら悲鳴を上げた。 >眠っていた子供達も何事かと目を覚ます。 >リナは荷台から降り、運転席にいるガウリイに向かって怒鳴った。 > > 「ちょっと、ガウリイ!危ないじゃないのよぉ!」 > 「悪い悪い。」 > >リナへの返事もそこそこに、ガウリイは運転席から下りて辺りを見回す。 >彼女もそれに倣って辺りに転がるそれを見つめる。 > >彼等の周りには、鋼天使の残骸が散乱していた。鋼天使は元々、天種族から作られる。 >政府が反逆者を捕まえて、その人物を鋼天使へと改造するのだ。 >ほとんど金属のパーツで出来ている鋼天使だが、目と脳、そして脳髄と神経だけは天種族として生きていた頃のまま残される。 >戦って鋼天使を倒せば、ある程度は血のような匂いもするのだ。 >更に冷却用の液体が気持ち悪さを倍増させていた。それに思わずゼルガディスが顔を顰める。 > > 「派手にやったなものだな。」 > 「いくらなんでも、これは酷いような気がします。」 > >いくら敵とは言え、元は同じ天種族だった者達。 >ここまで酷く壊されているのを見るのは、アメリアにとって辛い事だった。 >彼女は鋼天使に悲痛そうな眼差しを向けている。そんな時だ。 > > 「危ない!」 > >突然の気配に、ゼルガディスがそう叫びながらアメリアを庇いながら飛び退いた。 >それに驚いていると、二人がいた辺りに青い光がぶつかる。 >鋼天使がまだ残っていたのかと思い、全員が戦闘態勢に入りかけるが、 >そんな彼等───ゼルガディス以外だが───の耳に聞き覚えのある声が届いた。 > > 「何だ、お前達か。」 > >そう言いながら彼等に歩み寄って来たのは、見た目十代後半かと思われる少女だった。 >少女らしい華やかな面立ちとはかけ離れた、少年のような凛々しさを持った少女だ。 >腰まで伸びた黒髪に切れ長な深い蒼の瞳。平均より高い痩身を、天種族には珍しい黒い服で覆っている。 >何故か右目を長く伸びた前髪で隠しており、左目しか見えていない。 >彼女の手には、一本の柄に二本の刃がついた剣が握られていた。 >そして彼女が何者なのかを示すように、その額には赤いバンダナが巻かれている。 > >その姿を見止め、リナは怒鳴るように非難の声を上げた。 > > 「リューネ!危ないじゃない!」 > 「すまん。敵かと思ったのでな。」 > >リューネと呼ばれたその少女は、僅かに肩を竦めてそう告げる。 >元々、彼女の視力が悪い事はリナも知っているので、それ以上は何も言えない。 >普段はその動きと態度から忘れてしまう事もあるのだが、彼女は右目が見えないのだ。 >そのせいで、たまにひどい眼精疲労を伴って体調を崩す事もあるらしい。 >普段はこんなミスをしないはずだが、どうやら彼女の悪い癖が出たようだ。 >彼女は普段、冷静沈着で判断力もあり、デュミナスの総合参謀官を任されている。 >そんな彼女だが、たまに。本当にたまになのだ。時と場所を選ばないボケをかましてくれる。 >第三部隊のサブリーダーである彼女がリーダーになれなかったのはそれが理由ではないかと、 >古参メンバー以外の間では、実しやかに囁かれていた。 >だが、クールでほとんど何でも完璧にこなしてしまう彼女の場合は愛嬌になるのだろう。多分。 > >閑話休題。 > > 「リナ、知り合いなのか?」 > 「そっか、まだゼルは会った事なかったのよね。」 > >急に現れた彼女に、ゼルガディスは怪訝そうな視線を送っていた。 >リナはそんな彼の言葉に、十分魅力的だと思われる笑みを浮かべて告げる。 > > 「彼女はリュネシエル。第三部隊のサブリーダなの。あたし達はリューネって呼んでるけどね > リューネ、聞いてるでしょ?彼が新しい第一サブのゼルガディス。」 > 「あぁ、君がゼルガディスか。ルナから話は聞いている。よろしく。」 > 「こちらこそ。」 > 「ところで、リューネさんこんな所で何やってるんですか?」 > >リナの言葉に、納得したような表情をしながら彼女はゼルガディスを見た。 >そして、僅かに笑みを浮かべて手を差し出す。それに答えてゼルガディスも軽く彼女の手を握った。 >そんな二人の横でアメリアが不思議そうな表情で問い掛けると、リュネシエルは溜息を着く。 > > 「ナーガーが余計な事をしてくれたせいで仕事が増えただけだ。」 > 「何?また何かやったの?」 > 「いつものごとくな。」 > 「リューネも大変だなぁ。」 > 「そうでもないさ。ところで、ミリーナから聞いたか?」 > 「何をですか?」 > 「最近ミリーナに付き纏っている男がいてな。ルークというらしいんだが。」 > 「ぶっ。」 > 「ゼル?」 > >リュネシエルから告げられた名前に、思わずゼルガディスが吹き出した。 >それに全員の視線が彼へと向けられる。 >更にリュネシエルが眉を僅かに顰め、怪訝そうに問い掛けた。 > > 「知っているのか?」 > 「いや、まぁ・・・・そんなところだ。」 > >曖昧な返事で誤魔化すと、ゼルガディスは僅かに視線を反らす。 >それを見て彼女は更に話を続けた。 > > 「赤毛の男なんだが、ミリーナが赤毛嫌いだと言ったら黒髪に染めてきたそうだ。」 > 「・・・・・・・(-_-;)」 > 「しかも、いくら冷たくしても着いて来るらしい。」 > 「・・・・・・・(-_-;;)」 > 「そりゃなんつーか・・・・大変そうだわ。」 > 「ミリーナさんモテますからね。」 > >リュネシエルの話に、ゼルガディスは気分が重くなっていくのを感じた。 >そして、彼女達の会話を聞き流しながら空を見上げる。 >何となく、話の人物が脳裏に浮かんでしまうような気がした。 > > (何で俺の周りはそんな奴ばっかりなんだ・・・・(T T)) > >その呟きは、一体誰に対してだったのか。それは本人にしか分からない。 > > > > > > > > > > > 「へっ・・・・くっしゃん!」 > >室内に突然くしゃみの音が響いた。それに全員がその人物へと振り返る。 >黒い短髪に、やや目付きのきつい青年だ。その額には灰色に近い白い石のついたサークレットをしている。 >彼を見て、同じ部屋にいたゼロスは首を傾げた。 > > 「おや、ルークさん風邪ですか?」 > 「そりゃないだろ。バカは風邪引かないって言うからな。」 > 「ヴァル・・・・・・・・。」 > >ヴァルガーヴの言葉に、ルークはきつい目を更にきつくして彼を睨む。 >目付きの悪い同士(酷)の睨み合いを見つめ、ゼロスは大袈裟に溜息を着いた。 > > 「シェーラさん、行きましょうか。」 > 「そうね。」 > >隣で本を読んでいたシェーラと共に立ち上がり、二人は睨み合うヴァルガーヴとルークを残して部屋を出る。 >そして完璧にドアがしまり、ゼロスとシェーラがきっかり3メートルドアから離れた瞬間。 >その部屋の中から、一体何が起こっているのかと思いたくなるような騒音が響いた。 > > (もう知りません・・・・。) > > > > > > > > > > >ここはフィブリゾが所属している研究所の一角だ。 >彼は目の前のモニターを楽しそうに見ている。 > > 「ふふっ。見ぃ〜つけた。」 > 「どうしたフィブ。楽しそうじゃねぇか。」 > 「何だガーヴか。うん、まぁ楽しいのは事実だよ。」 > >嬉しそうに呟いたフィブリゾの耳に、聞き慣れた男の声が響く。 >それに振り返ると、そこには赤毛の男が一人立っていた。 >フィブリゾと同じ政府側の幹部、ガーヴ=カオスドラゴンである。 > > 「見つけたのか?」 > 「うん。おもしろい所にいたんだ。」 > 「おもしろい所?」 > 「デュミナスのメンバーと行動してるよ。さっき鋼天使から映像が送られてきた。」 > >モニターには、リナ達と共に戦うゼルガディスの姿が映し出されていた。 >それを覗き込みながら、ガーヴは僅かに眉を顰める。 >だが、そんなガーヴなど気にも止めずに、フィブリゾは告げた。 > > 「ほら、見てみなよ。彼がデュミナスの赤いバンダナしてる。やっぱり彼は赤が似合うね。」 > 「そうかね?」 > 「あ、僕のセンス疑う気?」 > >気のない返事をすると、フィブリゾはその顔に不満げな、まるで拗ねた子供のような表情を浮かべる。 >彼は研究に没頭し、更には自分に遺伝子の操作を加えた為に子供のような外見をしているが、 >シャブラニグドゥに仕える幹部の中では一番の年配者だ。 >一部の噂では、シャブラニグドゥ自身よりも年上ではないかと言われている。 > > 「まぁ、ともかくヘマしないようにするんだな。フィブリゾ博士。」 > >ガーヴはそうとだけ告げると、研究室を後にした。向かうのは───。 > > > > > > > > > > > > > 「皆さん、お疲れ様でした。」 > >アジトに戻ると、リナ達をフィリアが出迎えた。 >リナ、アメリア、ゼルガディスの三人は、子供達が全員荷台から降りたのを確認してから自分達も荷台から降りる。 > > 「リナさん。ルナさんが大事な話あるので部屋に来るよう言ってましたよ。」 > 「話?」 > >フィリアの言葉に、思わずリナは眉を顰めた。 >ルナがミーティングルームではなく、私室に呼び出す時は、必ずと言っていい程あまりいい話ではない。 >リナは経験上、それをよく知っていた。フィリアもどこか心配そうな表情だ。 > > 「はい。ガウリイさんも一緒にとおっしゃってました。」 > 「あたしとガウリイに話ねぇ。何だろ。」 > 「まぁ、行ってみれば分かるんじゃないか?」 > 「それもそうね。アメリア、ゼル。ここお願い。」 > 「分かりました。」 > >リナは首を傾げたが、ガウリイの言葉に頷く。 >そして、その場を残りの三人に任せるとルナの部屋に向かった。 >それを見送り、ふとゼルガディスはアメリアへと視線を向ける。 >どうしても聞いておきた事があったのだ。 > > 「アメリア、お前はジーザスを憎んでいるのか?」 > 「え?」 > 「何となくそう見えたんだ。」 > 「分かっちゃいました?」 > >ゼルガディスの真剣な眼差しに、アメリアは僅かに肩を竦めて笑った。 >彼女は僅かに寂しげな微笑みを浮かべると告げる。 > > 「私のフルネームは、アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン。かつて政府側に属していたセイルーンの者です。」 > 「確か、十年ぐらい前に壊滅した国家だったな。」 > >セイルーンは、元々シャブラニグドゥ側の領地内に位置する大国だった。 >大戦中もシャブラニグドゥ側について戦い、大きな功績を残した国でもある。 >そして、そのセイルーンは十年前、政府の手によって壊滅させられた。 > >アメリアはその時の事を思い出しているのだろう。どこか悲痛そうな面持ちで頷く。 > > 「はい。私は何とか生き延びたんですけど、ほとんどの人が殺されました。ジーザスによって・・・・。」 > >ジーザスという言葉に、思わずゼルガディスは息を呑んだ。 >そして、先程見せた反応と同じように、俯いたまま拳を握り締めて問い掛ける。 > > 「どの・・・・ジーザスだった?」 > 「黒髪の男の人で、青い石のついたサークレットをしてました。」 > 「ジーザス001か。」 > 「知ってるんですかっ?」 > >アメリアの言葉と同時に、とある男の穏やかな微笑みが彼の脳裏を横切った。 >だが、それを振り払うように彼は忌々しげにその言葉を紡ぐ。それにアメリアはあからさまな反応を示した。 >ゼルガディスはゆっくりと息を吸い込むと、俯いたまま次の言葉を述べる。 > > 「俺も・・・・俺もあいつは嫌いでな。」 > 「え?」 > >唐突な言葉にアメリアは意味が飲み込めず、疑問符を浮かべた。 >そんな彼女の反応に、ゼルガディスはゆっくりと顔を上げて、澄んだ蒼い瞳で彼女を見つめる。 > > 「俺もジーザスは大嫌いなんだ。」 > >その口元に、哀しげな微笑みを浮かべながら───。 > > > > > > > > > > > 「やっぱりオレも行くべきだったか・・・・でもこっちもこっちで心配だし・・・・・う〜ん。」 > >ヴァルガーヴは私室で、まるで動物園の熊のごとくうろうろと歩き回っていた。 >頬やら腕やらに包帯や絆創膏が見える。どうやらルークとやり合った時の傷らしい。 >そんな彼の耳に、ドアをノックする音が届いた。次の瞬間、聞き慣れた声が聞こえる。 > > 「おい、ヴァル。オレだ。」 > 「ガーヴ様!?」 > >上司であるガーヴの突然の訪問に、ヴァルガーヴは慌ててドアを開けた。 >ドアを開けると、やはり見慣れた上司の姿がある。彼はガーヴを部屋に招き入れると、ドアを閉めた。 > > 「どうなさったんですか?」 > 「お前等の弟分が見つかっちまったらしいぞ。」 > 「え?」 > 「お前等が逃がしたんだろ?」 > 「な、何で分かったんですか?」 > >ガーヴの思いがけない言葉に、ヴァルガーヴは表情を引き攣らせる。 >誰にも知られないように計画を進めたつもりだった。誰にも知られてはならないはずだった。 >それなのに、ガーヴに知られてしまった事に、驚きよりも警戒心が働く。 >彼を作為的に逃がしたのは、立派な反逆行為なのだから。 > >だが、彼の予想に反してガーヴは軽く言って見せる。 > > 「鋼天使の残骸見て気がついたんだよ。あのやり方はお前等だってな。」 > 「・・・・・・・・。」 > 「ま、オレとゼラス。あとダルフィンはお前等の味方だけどな。」 > 「え?それってどうゆう・・・・・。」 > 「ヴァルガーヴ!ゼルが見つかっ・・・・・・た・・・・・・・・。」 > >さりげないガーヴの問題発言に、どうゆう事かを聞こうとした瞬間だった。 >突然、黒髪を三つ編みにした少女が叫びながら部屋に入ってきたのだ。 >黄色石をつけたサークレットをしたその少女は、ガーヴの姿を見止めるなり、ドアを開けた体勢のまま固まる。 >ヴァルガーヴも同様に固まり、三人───正しくは二人───の間に気まずい空気が流れた。 > > 「よぉ、グラウんとこのシェーラじゃねぇか。」 > 「っ!」 > 「おいおい。別にとって食おうとか思わねぇよ。」 > >ガーヴの言葉に、シェーラは慌ててヴァルガーヴの後ろに隠れた。 >それに彼は苦笑しながら二人に近づく。だが、急に彼は真剣な面持ちで問い掛けた。 > > 「奴の事、助けたいか?」 > 「え?」 > 「どうなんだよ。」 > 「できるなら・・・・・・・・。」 > >突然の問いかけに、思わず二人は顔を見合わせた。だが二人はそれに頷く。 >その瞬間、ガーヴは口の端を吊り上げて笑みを浮かべた。 > > 「よし、シェーラ。お前脱走しろ。」 > > > > > >Next turn→Programized Heaven type:04 >***************************************************************************************************************************** >オリキャラ、リュネシエルことリューネさん登場です。 >彼女はこの話で、ゼルと並んでキーパーソンになるので注目してみてくださいませvv >こうゆう、割とストイックで凛々しい女性キャラが好きだったりします。 >目標は「凛々しく妖しく麗しく」。しかし、ゼルもそうだが名前が長いぞ・・・・リューネ。 > >今回はちょっと日常っぽくしてみました。こっからはもう、大変な事になる予定なので。 >ここを過ぎると、なかなかギャグをかける機会がないんですよ(遠い目) > >余談なんですけど、ラザ・クロウヴァの漢字表記が好きです(笑) >そのせいでつい使っちゃいました。あれって原作でも一回っきりしか出てないですよね? >どうゆう効果が出るのか分からなくって調べまくっちゃいました♪ >果たしてゼルは使えるのか?とか思ったんですけど、「精霊魔法に長けている」という設定なので使わせちゃいました。 > > >†鎖夢† やった、続きだ!きゃん、カップリングは今回あまりないみたいですけど、 私はゼルとアメの会話だけで色めきたってしまいますう。これから、元ジーザス のゼルと、アメはどうなんのかなっ。それにいよいよストーリーもシリアスに なってくみたいで、応援してます! |
8263 | ありがとうございますvv | 鎖夢 E-mail URL | 2002/4/8 00:53:47 |
記事番号8246へのコメント 朋さん、こんばんはです! 毎度コメントありがとうございまするvv そして、レス遅くなっちゃってごめんなさい。 >やった、続きだ!きゃん、カップリングは今回あまりないみたいですけど、 >私はゼルとアメの会話だけで色めきたってしまいますう。 はい、続きです!何かもうめちゃくちゃ異色もいいとこですよねぇ(^^;)ヾ カップリングは意識してないんですけど、一応王道系でしょうか? ただ、妄想すればカップリング有りに見える感じかもしれません。 元々がゼルアメラーなので、そっちに偏ってしまうみたいですね。 駄目じゃん鎖夢・・・。 >これから、元ジーザスのゼルと、アメはどうなんのかなっ。 >それにいよいよストーリーもシリアスになってくみたいで、応援してます! ふふふふ、ゼルは元ジーザスなのかどうか楽しみにしててくださいませvv それとこっから先、ゼル&アメは悲惨な事になってく気配ですが、どうか最後までよろしくおねがいします。 シリアス一直線とはいかないかもしれませんが、頑張りますね! †鎖夢† |
8262 | Programized Heaven type:04 | 鎖夢 E-mail URL | 2002/4/8 00:47:20 |
記事番号8217へのコメント むう、ちょっと間があいてしまいました。 一週間以上経ってしまいましたね(-_-;) 今回はちょっとだけリナの秘密とゼルの父親、空白のジーザス001に迫ってみました。 って言っても本当にちょっとだけなのですが・・・・・。 それではヘヴンへどうぞ〜♪ ***************************************************************************************************************************** ルナの私室には、たくさんの本が置かれていた。魔道書や医療関係の本。果てには趣味の恋愛小説までがある。 リナは昔から彼女の部屋で本を読むのが好きだった。だから、どこにどの本があるかはすぐに分かる。 部屋に入ると、ルナは椅子に座ってどこか神妙な面持ちで考え事をしていた。 彼女はリナが来た事に気づくと、立ち上がる。 その表情の真剣さに、リナは戸惑いながら彼女へと問い掛けた。 「で、姉ちゃん。あたし達に話って何?」 「まぁ、そこに座りなさい。」 ルナは二人に座るように促した。それに二人は従って椅子へと腰掛ける。 リナはどこか不安げだが、ガウリイは何を話すか知っているかのように落ち着いていた。 それがリナの不安を余計に掻き立ている。 ルナはそれが分かっていのか、備え付けのポットからコーヒーを煎れる。 そしてカップを二つ、二人の前に置き、自分のカップを持ってゆっくりと椅子に腰掛ける。 その一連の動作が、リナにはゆっくり感じられた。 「リナ。」 呼び声に顔を上げると、リナの方に何か丸い円状の物体がフリスビーのように投げられた。 それを受け取り、見た瞬間にリナは息を呑んだ。 渡されたのはサークレットだった。金色のフレームに、緑色の石がついている。 古めかしく見えるにも関わらず、よく磨きこまれたそれは新品同様に美しかった。 だが、リナはそれに驚いたわけではない。 そのサークレットは彼等の敵であるジーザスが、全員着けている物と同じなのだ。 ただ、石の色だけが全員違い、ほとんどデザインは同じサークレット。 それが今、彼女の手の中にある。 「これ・・・・ジーザスがしてるサークレットと同じ物じゃない。何でこんなのが・・・・。」 「それはあんたのよ。」 「え?」 一瞬意味が分からず、リナは呆けたようにルナを見た。 よく見れば、彼女の額にも同じようなサークレットが嵌められている。 銀色のフレームに黄銀の石がつけられたそれは、リナの物より古い物だ。 そのサークレットに気づきながら、リナは次の言葉を待った。 そしてリナの耳に、半ば予想通りの言葉が響く。 「あんたは、ジーザスの一人なのよ。」 ルナから発せられた言葉は、ただリナの耳に吸い込まれ、消えていった。 ”アタシガ、じーざすノ一人?” 【Programized Heaven type:04】 白い壁で囲まれた部屋だった。白い壁、白い床、白い天井。 どこか無機質なその部屋の中央に、クリスタルでできた棺桶のような物がある。 その中には一人の青年が横たわっていた。 穏やかなその表情は、眠っているのか、それとも死んでいるのか。 ゼロスはそんな青年をじっと見つめている。彼にとって、この青年は兄のような存在だった。 そしてゼロスは青年から多くを学び、今では彼の代わりを務めている。 「約束、ちゃんと守りましたよ。」 紫色の瞳でじっと青年を見つめながら、ゼロスはそう呟くように告げた。 クリスタルの棺桶を指でなぞり、その感覚の虚しさに苦笑する。 「でも貴方が望んだ通りには、きっとならない。なれない。だって彼は、もうあの頃の彼ではないから・・・・。」 悔しげに眉を顰め、なぞっていた指が折り曲げられる。 そして、強く拳が握られた。肩が、拳が、自然と悔しさに震える。 だが青年の表情の穏やかさを見つめ、彼は脱力したような笑みを浮かべた。 「貴方は今、何を願っているのですか?」 呟く言葉は、彼の耳に届くだけで終わる。それが悲しい程に虚しさを感じさせた。 だがその瞬間、静まりかえった室内に彼の通信機から電子音が響く。 そして聞きなれた声が彼の耳を打った。 『ゼロス聞こえるか?』 「ヴァルガーブさんどうしたんですか?」 いつになく切羽詰ったヴァルガーヴの声に、ゼロスは眉を顰める。 どうやら彼は走りながら通信しているらしく、延々と足音が響いていた。 『ガーヴ様の提案で、今からシェーラを逃がす。』 「どうゆう事ですか!?」 『いいからルナに連絡取れっ!迎えに来させる!オレ達は道具じゃねぇって思い知らせてやるんだ。』 「ヴァルガーヴさん・・・・・・・・。」 ヴァルガーヴの言葉にゼロスは表情を歪め、目の前の青年を見つめた。 あまりに静かで穏やかすぎる表情が悲しみを誘う。 そんな彼の表情に、彼がまだ自分達と共に暮らしていた頃の事を思い出した。 (貴方も道具扱いはもう、嫌ですよね。) 悲しげな苦笑を纏わせ、ゼロスは胸中で青年へと問いかける。 そして、意を決したような表情で立ち上がると、その瞳に鋭さを浮かべて告げた。 「分かりました。今から三十分後に作戦開始を許可します。」 「あたしがジーザスって・・・・どうゆう事・・・・。」 自分でも声が震えているのが分かった。 【ジーザス】 天種族とも鋼天使とも違う、異端なりし人工生命体。 ジーザス002ゼロスをリーダーとし、主に政府幹部直属の部下として働く殺人人形。 リナの中で、そんな言葉が脳裏を駆け巡った。自分がそのジーザスだとは、今まで思った事すらない。 放心したようなリナの表情に、ルナは溜息を着くと更に続けた。 「二百年前。あんたは政府機関の研究所で生まれた。ジーザス000、ルナ=インバース=イェソドの後継者として。」 「姉ちゃんもジーザスだって言うの!?」 「リナ、声が大きい。他の奴等に聞こえるぞ。」 思わず大声を上げたリナを、ガウリイが真剣な眼差しで止める。 それに、何か絶望的な思いすら感じ、彼女はガウリイを見上げた。 「ガウリイ、まさかあんたも知ってたの?」 「悪い・・・・・・・・。」 呆然と問いかけるリナに彼は俯きながら謝る。 謝られた事にすらショックを受けながら、リナは手元のサークレットを見つめた。 初めてこの手にしたと言うのに、どこかそれは懐かしい輝きを放っている。 そして、それを感じながら自分がジーザスである事を実感した。 思わずリナは、そのサークレットを持つ手を強める。泣きたくなるほど、その感触が懐かしかった。 少し考えてみれば分かる事だったのかもしれない。 彼女は両親の事を知らない。そして、自分がどこで生まれたのかもだ。 物心ついた時には、デュミナスのアジトにいた。 そして、近くにはルナやガウリイ、ミルガズィアを始めとするデュミナスの古参メンバーがいたのだ。 「リナ。まだ詳しい事は話せない。だけど、これだけは言っておくわ。ジーザスは、政府の・・・・人殺しの道具なんかじゃない。」 「姉ちゃん・・・・。」 どこか悲痛な面持ちで告げられた言葉に、リナも表情を歪める。 正直、二百年程姉妹をやっているが、リナは彼女のそんな表情を始めて見た。 「だから私は、ガウリイくんと一緒にあんたを連れて逃げた。そしてミルガズィア達と出会ったのよ。」 その言葉を告げ、ルナは自分の額からサークレットを外す。 テーブルの上にサークレットを置く音が響き、リナは自分の手の中にあるサークレットを見つめた。 「姉ちゃん、あたしこのまんまでもいい?」 リナは俯いたまま、視線だけをルナへと向ける。それに彼女は優しげな笑みを浮かべて告げた。 「えぇ。リナはリナ以外の何でもないわ。でも、それは持っていて。そしてお願い。ジーザスである事を誇りに思って。 最後にあんたの本当の名前を言っておくわね。あんたの本当の名前はリナ=インバース=ネツァク。 勝利と成就を意味するジーザスよ。」 「勝利と・・・・成就。」 その言葉を噛み締めるように判読し、リナは再びサークレットに視線を落とした。 ガーヴ、ヴァルガーヴ、シェーラの三人はとある政府機関の建物の入り口に立っていた。 辺りを伺い、鋼天使がいないかどうかを確かめる。 そんな彼等に聞きなれた声が届いた。 『ルークさんがいないので、あまり大事にはできません。気をつけてくださいね。』 「ありがとう。ガーヴ様、お世話になります。」 ゼロスの言葉に軽く礼を言うと、シェーラはガーヴに向かって頭を下げる。 カモフラージュの為に三つ編みは下ろされ、天種族が着る白い装束と十字架のペンダントを纏っていた。 どこからどう見ても、天種族にしか見えない。 「なぁに。オレだってシャブラニグドゥ様のやり方にはもう、着いて行けねぇんだ。」 ガーヴは苦笑しながらそう告げる。それにシェーラの硬い表情が僅かに綻んだ。 そして、同じジーザスであるヴァルガーヴへと向き直る。 「ヴァルガーブ、こっちお願いね。」 「任せとけって。」 「じゃあ、行きます。」 そう告げて、シェーラは建物から飛び出した。 『ルナさんっ!』 「うわっ。ゼロス、いきなりびっくりさせないでよっ!」 「すみません。僕もちょっと焦ってたものですから。」 突然開いた空間モニターに、ルナはコーヒーを噴出しかけて慌ててその相手へと告げた。 サークレットをした黒髪のその男は、ゼロスに他ならない。 珍しく大声をあげるルナを見て、ゼロスは心なしか焦ったように答えを返す。 だが、その姿にリナが驚いたように彼を凝視した。 「ジ、ジーザス002。」 『あ、貴女がリナさんですね。初めまして。ジーザス002ゼロス=メタリオム=コクマーです♪』 にっこりと笑いながら告げるゼロスに、リナは曖昧な顔をして見せる。 ゼロスはジーザスの中でも特に実力者で、表立った任務にはほとんど出ていた。 そのせいで何回かデュミナスのメンバーとも直接交戦した事がある。 が、その時の印象と今の印象がかけ離れすぎていて、リナは正直戸惑っていた。 それにルナは溜息を着きながら、手で顔の半分を覆う。 「ゼロス。あいさつはいいから用件言いなさい。」 『あ、そうでした。実は、今からシェーラさんを迎えに来てほしいんです。』 「どうゆう事よ?」 ルナの言葉に反応し、ゼロスは用件を述べる。 それに思わず彼女は眉を顰めた。ゼロスは彼女の表情に肩を竦め、更に続ける。 『デュミナスとして行動しているところを見つかっちゃったんです。 それで、シャブラニグドゥ様から捜索するように命令されているのがグラウシェラー様なんですよ。 シェーラさんはグラウシェラー様の部下ですから・・・・。』 「面倒な事になってきちゃったわね。分かったわ。リナ、ガウリイくん。行ってきて。」 真剣な表情で告げられた言葉に、ルナは険しい顔つきで呟く。 そして目の前にいた二人へと告げた。それにゼロスが興味深そうに瞳を向ける。 『おや、リナさんにあの事話されたんですか?』 「まだ全部じゃないけどね。ともかくこっちで保護するわ。」 『お願いします。いずれ僕達も皆さんと合流しますから。』 ゼロスはそう告げ、少し寂しげに笑いながら通信をきった。 その二人は、何もない荒野を歩いていた。一人は黒髪の青年。もう一人は銀髪の女だ。 丁度、銀髪の女を黒髪の青年が追いかけているように見える。 「おい、ミリーナ!待てよっ!」 ミリーナと呼ばれたその女は、黒髪の青年の言葉を聞いて立ち止まった。 それに歩み寄ると、彼女は冷たい視線を投げかけて告げる。 ルークの頬には、何故か絆創膏が貼られていた。先程ヴァルガーヴと争った時にでも怪我をしたのだろう。 「着いて来ないでって言ってるのが聞こえない?」 「別にいいじゃねぇか。」 「私が嫌なの。」 僅かに眉を顰めたミリーナに、ルークは肩を竦めた。だが、それすらも無視して彼女は歩き出そうとする。 そんな二人の耳に、人工的な電子音が届いた。ルークの耳元にある通信機からだ。 更に、通信機から彼にとって聞きなれた男の声が響く。 『ルークさん、聞こえますか?ルークさん!』 焦ったようなゼロスの声に、ルークは嫌そうな顔をした。 そして、その感情を隠す事なく鬱陶しげに告げる。 「何だよ、今せっかくミリーナとラブラブ・・・・・。」 「してません。」 「ミリーナぁ〜〜。」 『ルークさん、もう帰って来ないでください。』 ルークの言葉を遮って告げられたミリーナの言葉に、彼は情けない声をあげた。 更にゼロスの、言葉が追い討ちをかける。さすがのルークも、それには肩を落とした。 「お前、いくらなんでもそれは酷いぞ。」 『そうじゃなくて、本当に帰って来ちゃ駄目なんです。』 「どうゆう事だ?」 いつになく真剣な、そして焦ったような声にルークは表情を険しくさせる。 その光景を、ミリーナはただ見つめていた。 先程とは違う、ジーザスの顔をしているルークを見ながら、通信機を通した会話に耳を傾ける。 『ゼルガディスさんが見つかっちゃったんで、シェーラさんを逃がします。このまま貴方も逃亡してください。』 「お前等はどうするんだよ!」 『僕とヴァルガーブさんは残ります。ゼラス様とダルフィン様に続いてガーヴ様の助力をゲットしましたからvv』 「それだったらオレもっ!」 『いえ、こちらは二人で大丈夫です。だから、デュミナスの手助けをしてあげてください。』 見つかってしまったという言葉に、ルークの表情が強張った。 更に告げられた真実に彼は追いすがる。ルークの直接的な上司はダルフィンだ。 彼は情報収集・管理の役職を任せられているダルフィンの下で、隠蔽工作を何度もしている。 そして、その為に不要な人物を消し去った事もあった。 だがそんなルークの言葉を軽く拒絶し、ゼロスはミリーナへと言葉をかける。 『ミリーナさん、申し訳ないんですけど。ルークさんをお願いします。』 「両親を殺した貴方のお願いは聞きたくないけれど、仕方ないわ。」 『すみません。』 「別に、貴方を憎んでるわけじゃないわ。憎む事ができるなら、最初からジーザス自体を憎んでた。」 謝るゼロスにそうとだけ告げ、ミリーナは視線を反らす。 彼女もまた、ジーザスによって家族を奪われた一人だった。 そんな彼女の言葉に、ゼロスは苦笑しながら告げる。 『ありがとうございます、ミリーナさん。では・・・・。』 通信が切れると、その場に気まずい沈黙が漂った。 何も言わないミリーナを、俯きながら視線だけで見つめ、ルークは口を開く。 「ミリーナ・・・・その・・・・・・・・悪ぃ・・・・。」 「別に・・・・行きましょう。皆に話さないと・・・・。」 「あぁ。」 そっけない言い方ではあったが、それでもルークは僅かに笑みを浮かべ、彼女の後に着いて歩き出した。 ゼルガディスは、自分の与えられた部屋でぼんやりとしていた。 ベッドに仰向けで寝転がり、その手にした物を見つめている。 胸元から外した十字架を見つめ、思わず溜息を着いた。 それは、父親と向かえた最後の誕生日に、彼の父親から貰った物だ。 今まで、父親との思い出を忘れる為にずっと着けずにいた。 だが、逃げ出してくる時、どうしてもこれが手から離れずに着けてきたのだ。 中央に埋められた、彼の瞳と同じ色の石を見つめ、ゼルガディスは思わず溜息を着く。 そんな彼の耳に、ドアをノックする音が届いた。 「ゼルガディスくん、いる?」 「ルナ・・・・どうしたんだ?」 ドアの間から顔を出したルナを見て、ゼルガディスはベッドから身を起こす。 すると彼女はドアを閉め、ドアに背中を着けた体勢で風の結界を貼った。 どうやら、他の誰かに聞かれてはまずい話らしい。 「シェーラが来る事になったわ。」 「え?」 一瞬、言われている意味が分からなかった。 何故シェーラがここに来るのか、何故そんな危険な事をするのか。 自分がここにいる事ですら、危険な賭けだと言うのに、これ以上危険を冒す理由が分からなかったのだ。 そんなゼルガディスの反応を見て、ルナは更に続けた。 「貴方の妹という事にしてほしいの。幸い、シェーラはほとんど顔を知られていないから。」 「どうして急に?」 「ゼルくんがデュミナスとして行動しているところを見つかったらしいの。」 「何だって!?」 「気にしないで。少し計画が早まっただけの事だから。」 唐突な出来事と言葉に、ゼルガディスは立ち上がった。 そして、自分の行動が迂闊だったと気づき、悔しげに視線を反らす。 「さっき、ミルガズィアとナーガに連絡したの。これからこのアジトを破壊するわ。」 「どうしてそんな事をするんだ?」 「ここが見つかれば、避難民に被害が及ぶでしょう?だからデュミナスは全員、旧スィーフィード側の領地に向かう事になったの。 そして、王宮を拠点に政府に前面戦争を開始する。避難民は別の場所に移すわ。小隊と一緒にね。」 「分かった。決行は?」 「今、転移装置で小隊と避難民を移動させてるから、それが終わったら荷物を積み込んで出発するわ。」 真剣な表情で頷くゼルガディスを見て、ルナは僅かに笑みを浮かべて告げた。 ルナはそれだけを告げ、そのまま結界を解いて、彼の部屋を後にしようとする。 だが、そんなルナにゼルガディスの声が届けられた。 「ルナっ。」 「何?」 「その・・・・ルークの事聞いてるか?」 「ミリーナちゃんに一目惚れしちゃったんでしょう?」 振り返ると、ゼルガディスは自分でも思わぬ行動だったらしく、気まずげに視線を反らす。 だが、呼び止めてしまった以上、言わないわけにもいかず、そのまま言葉を告げた。 その言葉にルナは完全に向き直り、笑いながら答えを返す。 それにゼルガディスは僅かに驚いた顔をした。 「知っていたのか。」 「別にいいんじゃない?恋愛にジーザスも天種族も関係ないもの。」 ルナの言葉に、ゼルガディスはただ俯き、黙ったままだ。 それに溜息を着き、彼女は更に告げる。 「ともかく、準備して。リナ達がシェーラ連れて帰って来たらすぐに始めるから。」 「あぁ。」 俯きながら頷いたゼルガディスを見て、一瞬ルナは迷ったものの、そのまま部屋を出る。 ドアがしまる音が響くと、ゼルガディスは再び自分の十字架を見た。 (俺はこのままここにいて、本当にいいのか?) 湧き上がる疑問を胸に抱き、彼は十字架のペンダントを握り締め、その手を額に当てる。 冷たい金属の感触は、彼が望むものを与えずに、ただ現実だけを突きつけた。 それにゼルガディスの表情が僅かに歪んだ。 「・・・・・・・・父さん・・・・俺は・・・・・・・・。」 そう呟き、思わず上を見上げるものの、そこには見上げるべき空すらもなかった。 Next turn→Programized Heaven type:05 ***************************************************************************************************************************** 今回はちょっと政府側を補足説明。 シャブラニグドゥ(指示メイン。たまに実戦) │ ├フィブリゾ(開発中心。ジーザス製作者) │ ├ジーザス007(不明) │ └開発局 ├グラウシェラー(実戦メイン。機動隊主流) │ ├ジーザス003シェーラ(機動隊指揮官) │ └第一部隊局 ├ゼラス(実戦メイン。特殊工作主流) │ ├ジーザス001、002ゼロス(特別工作員) │ └第二部隊局 ├ガーヴ(実戦メイン。機動隊主流) │ ├ジーザス004ヴァルガーヴ(破壊工作員) │ └第三部隊局 └ダルフィン(情報収集・操作中心) ├ジーザス006ルーク(隠蔽工作員) └情報管理局 尚、現在ジーザス000ルナおよび005リナは欠番って事になってます。 こんな感じでしょうか。ちょっと見難いかな? 組織好きなので、こうゆうの決めるの楽しくて仕方ないらしいです。 察しのいい方は001と007が誰なのか、分かってしまったんじゃないでしょうか? ちょっとそれが心配だったりします(-_-;) 分かっちゃった方は内密に・・・・。つーか、バレバレですが(爆) †鎖夢† |
8266 | つづきだ! | 朋 | 2002/4/8 13:55:10 |
記事番号8262へのコメント 鎖夢さんは No.8262「Programized Heaven type:04」で書きました。 > > >むう、ちょっと間があいてしまいました。 >一週間以上経ってしまいましたね(-_-;) >今回はちょっとだけリナの秘密とゼルの父親、空白のジーザス001に迫ってみました。 >って言っても本当にちょっとだけなのですが・・・・・。 > > >それではヘヴンへどうぞ〜♪ > >***************************************************************************************************************************** > > > >ルナの私室には、たくさんの本が置かれていた。魔道書や医療関係の本。果てには趣味の恋愛小説までがある。 >リナは昔から彼女の部屋で本を読むのが好きだった。だから、どこにどの本があるかはすぐに分かる。 >部屋に入ると、ルナは椅子に座ってどこか神妙な面持ちで考え事をしていた。 >彼女はリナが来た事に気づくと、立ち上がる。 >その表情の真剣さに、リナは戸惑いながら彼女へと問い掛けた。 > > 「で、姉ちゃん。あたし達に話って何?」 > 「まぁ、そこに座りなさい。」 > >ルナは二人に座るように促した。それに二人は従って椅子へと腰掛ける。 >リナはどこか不安げだが、ガウリイは何を話すか知っているかのように落ち着いていた。 >それがリナの不安を余計に掻き立ている。 >ルナはそれが分かっていのか、備え付けのポットからコーヒーを煎れる。 >そしてカップを二つ、二人の前に置き、自分のカップを持ってゆっくりと椅子に腰掛ける。 >その一連の動作が、リナにはゆっくり感じられた。 > > 「リナ。」 > >呼び声に顔を上げると、リナの方に何か丸い円状の物体がフリスビーのように投げられた。 >それを受け取り、見た瞬間にリナは息を呑んだ。 >渡されたのはサークレットだった。金色のフレームに、緑色の石がついている。 >古めかしく見えるにも関わらず、よく磨きこまれたそれは新品同様に美しかった。 >だが、リナはそれに驚いたわけではない。 > >そのサークレットは彼等の敵であるジーザスが、全員着けている物と同じなのだ。 >ただ、石の色だけが全員違い、ほとんどデザインは同じサークレット。 >それが今、彼女の手の中にある。 > > 「これ・・・・ジーザスがしてるサークレットと同じ物じゃない。何でこんなのが・・・・。」 > 「それはあんたのよ。」 > 「え?」 > >一瞬意味が分からず、リナは呆けたようにルナを見た。 >よく見れば、彼女の額にも同じようなサークレットが嵌められている。 >銀色のフレームに黄銀の石がつけられたそれは、リナの物より古い物だ。 >そのサークレットに気づきながら、リナは次の言葉を待った。 > >そしてリナの耳に、半ば予想通りの言葉が響く。 > > >ルナから発せられた言葉は、ただリナの耳に吸い込まれ、消えていった。 > > > > > > > > > > > ”アタシガ、じーざすノ一人?” > リナ、ルナがジーザス?!いったいどういう事情が、あったんでしょう? > > > > > > > > > > 【Programized Heaven type:04】 > > > > > > > > > > >白い壁で囲まれた部屋だった。白い壁、白い床、白い天井。 >どこか無機質なその部屋の中央に、クリスタルでできた棺桶のような物がある。 >その中には一人の青年が横たわっていた。 >穏やかなその表情は、眠っているのか、それとも死んでいるのか。 > >ゼロスはそんな青年をじっと見つめている。彼にとって、この青年は兄のような存在だった。 >そしてゼロスは青年から多くを学び、今では彼の代わりを務めている。 > > 「約束、ちゃんと守りましたよ。」 > >紫色の瞳でじっと青年を見つめながら、ゼロスはそう呟くように告げた。 >クリスタルの棺桶を指でなぞり、その感覚の虚しさに苦笑する。 > > 「でも貴方が望んだ通りには、きっとならない。なれない。だって彼は、もうあの頃の彼ではないから・・・・。」 > >悔しげに眉を顰め、なぞっていた指が折り曲げられる。 >そして、強く拳が握られた。肩が、拳が、自然と悔しさに震える。 >だが青年の表情の穏やかさを見つめ、彼は脱力したような笑みを浮かべた。 > > 「貴方は今、何を願っているのですか?」 > >呟く言葉は、彼の耳に届くだけで終わる。それが悲しい程に虚しさを感じさせた。 >だがその瞬間、静まりかえった室内に彼の通信機から電子音が響く。 >そして聞きなれた声が彼の耳を打った。 > > 『ゼロス聞こえるか?』 > 「ヴァルガーブさんどうしたんですか?」 > >いつになく切羽詰ったヴァルガーヴの声に、ゼロスは眉を顰める。 >どうやら彼は走りながら通信しているらしく、延々と足音が響いていた。 > > 『ガーヴ様の提案で、今からシェーラを逃がす。』 > 「どうゆう事ですか!?」 > 『いいからルナに連絡取れっ!迎えに来させる!オレ達は道具じゃねぇって思い知らせてやるんだ。』 > 「ヴァルガーヴさん・・・・・・・・。」 > >ヴァルガーヴの言葉にゼロスは表情を歪め、目の前の青年を見つめた。 >あまりに静かで穏やかすぎる表情が悲しみを誘う。 >そんな彼の表情に、彼がまだ自分達と共に暮らしていた頃の事を思い出した。 > > (貴方も道具扱いはもう、嫌ですよね。) > >悲しげな苦笑を纏わせ、ゼロスは胸中で青年へと問いかける。 >そして、意を決したような表情で立ち上がると、その瞳に鋭さを浮かべて告げた。 > > 「分かりました。今から三十分後に作戦開始を許可します。」 > > > > > > > > > > > > 「あたしがジーザスって・・・・どうゆう事・・・・。」 > >自分でも声が震えているのが分かった。 > >【ジーザス】 > > 天種族とも鋼天使とも違う、異端なりし人工生命体。 > ジーザス002ゼロスをリーダーとし、主に政府幹部直属の部下として働く殺人人形。 > >リナの中で、そんな言葉が脳裏を駆け巡った。自分がそのジーザスだとは、今まで思った事すらない。 >放心したようなリナの表情に、ルナは溜息を着くと更に続けた。 > > 「二百年前。あんたは政府機関の研究所で生まれた。ジーザス000、ルナ=インバース=イェソドの後継者として。」 > 「姉ちゃんもジーザスだって言うの!?」 > 「リナ、声が大きい。他の奴等に聞こえるぞ。」 > >思わず大声を上げたリナを、ガウリイが真剣な眼差しで止める。 >それに、何か絶望的な思いすら感じ、彼女はガウリイを見上げた。 > > 「ガウリイ、まさかあんたも知ってたの?」 > 「悪い・・・・・・・・。」 > >呆然と問いかけるリナに彼は俯きながら謝る。 >謝られた事にすらショックを受けながら、リナは手元のサークレットを見つめた。 >初めてこの手にしたと言うのに、どこかそれは懐かしい輝きを放っている。 >そして、それを感じながら自分がジーザスである事を実感した。 >思わずリナは、そのサークレットを持つ手を強める。泣きたくなるほど、その感触が懐かしかった。 > >少し考えてみれば分かる事だったのかもしれない。 > >彼女は両親の事を知らない。そして、自分がどこで生まれたのかもだ。 >物心ついた時には、デュミナスのアジトにいた。 > >そして、近くにはルナやガウリイ、ミルガズィアを始めとするデュミナスの古参メンバーがいたのだ。 > > 「リナ。まだ詳しい事は話せない。だけど、これだけは言っておくわ。ジーザスは、政府の・・・・人殺しの道具なんかじゃない。」 > 「姉ちゃん・・・・。」 > >どこか悲痛な面持ちで告げられた言葉に、リナも表情を歪める。 >正直、二百年程姉妹をやっているが、リナは彼女のそんな表情を始めて見た。 > > 「だから私は、ガウリイくんと一緒にあんたを連れて逃げた。そしてミルガズィア達と出会ったのよ。」 > >その言葉を告げ、ルナは自分の額からサークレットを外す。 >テーブルの上にサークレットを置く音が響き、リナは自分の手の中にあるサークレットを見つめた。 > > 「姉ちゃん、あたしこのまんまでもいい?」 > >リナは俯いたまま、視線だけをルナへと向ける。それに彼女は優しげな笑みを浮かべて告げた。 > > 「えぇ。リナはリナ以外の何でもないわ。でも、それは持っていて。そしてお願い。ジーザスである事を誇りに思って。 > 最後にあんたの本当の名前を言っておくわね。あんたの本当の名前はリナ=インバース=ネツァク。 > 勝利と成就を意味するジーザスよ。」 > 「勝利と・・・・成就。」 > >その言葉を噛み締めるように判読し、リナは再びサークレットに視線を落とした。 > > > > > > > > > > >ガーヴ、ヴァルガーヴ、シェーラの三人はとある政府機関の建物の入り口に立っていた。 >辺りを伺い、鋼天使がいないかどうかを確かめる。 >そんな彼等に聞きなれた声が届いた。 > > 『ルークさんがいないので、あまり大事にはできません。気をつけてくださいね。』 > 「ありがとう。ガーヴ様、お世話になります。」 > >ゼロスの言葉に軽く礼を言うと、シェーラはガーヴに向かって頭を下げる。 >カモフラージュの為に三つ編みは下ろされ、天種族が着る白い装束と十字架のペンダントを纏っていた。 >どこからどう見ても、天種族にしか見えない。 > > 「なぁに。オレだってシャブラニグドゥ様のやり方にはもう、着いて行けねぇんだ。」 > >ガーヴは苦笑しながらそう告げる。それにシェーラの硬い表情が僅かに綻んだ。 >そして、同じジーザスであるヴァルガーヴへと向き直る。 > > 「ヴァルガーブ、こっちお願いね。」 > 「任せとけって。」 > 「じゃあ、行きます。」 > >そう告げて、シェーラは建物から飛び出した。 > > > > > > > > > > > 『ルナさんっ!』 > 「うわっ。ゼロス、いきなりびっくりさせないでよっ!」 > 「すみません。僕もちょっと焦ってたものですから。」 > >突然開いた空間モニターに、ルナはコーヒーを噴出しかけて慌ててその相手へと告げた。 >サークレットをした黒髪のその男は、ゼロスに他ならない。 >珍しく大声をあげるルナを見て、ゼロスは心なしか焦ったように答えを返す。 >だが、その姿にリナが驚いたように彼を凝視した。 > > 「ジ、ジーザス002。」 > 『あ、貴女がリナさんですね。初めまして。ジーザス002ゼロス=メタリオム=コクマーです♪』 > >にっこりと笑いながら告げるゼロスに、リナは曖昧な顔をして見せる。 >ゼロスはジーザスの中でも特に実力者で、表立った任務にはほとんど出ていた。 >そのせいで何回かデュミナスのメンバーとも直接交戦した事がある。 > >が、その時の印象と今の印象がかけ離れすぎていて、リナは正直戸惑っていた。 >それにルナは溜息を着きながら、手で顔の半分を覆う。 > > 「ゼロス。あいさつはいいから用件言いなさい。」 > 『あ、そうでした。実は、今からシェーラさんを迎えに来てほしいんです。』 > 「どうゆう事よ?」 > >ルナの言葉に反応し、ゼロスは用件を述べる。 >それに思わず彼女は眉を顰めた。ゼロスは彼女の表情に肩を竦め、更に続ける。 > > 『デュミナスとして行動しているところを見つかっちゃったんです。 > それで、シャブラニグドゥ様から捜索するように命令されているのがグラウシェラー様なんですよ。 > シェーラさんはグラウシェラー様の部下ですから・・・・。』 > 「面倒な事になってきちゃったわね。分かったわ。リナ、ガウリイくん。行ってきて。」 > >真剣な表情で告げられた言葉に、ルナは険しい顔つきで呟く。 >そして目の前にいた二人へと告げた。それにゼロスが興味深そうに瞳を向ける。 > > 『おや、リナさんにあの事話されたんですか?』 > 「まだ全部じゃないけどね。ともかくこっちで保護するわ。」 > 『お願いします。いずれ僕達も皆さんと合流しますから。』 > >ゼロスはそう告げ、少し寂しげに笑いながら通信をきった。 > > > > > > > > > > >その二人は、何もない荒野を歩いていた。一人は黒髪の青年。もう一人は銀髪の女だ。 >丁度、銀髪の女を黒髪の青年が追いかけているように見える。 > > 「おい、ミリーナ!待てよっ!」 > >ミリーナと呼ばれたその女は、黒髪の青年の言葉を聞いて立ち止まった。 >それに歩み寄ると、彼女は冷たい視線を投げかけて告げる。 >ルークの頬には、何故か絆創膏が貼られていた。先程ヴァルガーヴと争った時にでも怪我をしたのだろう。 > > 「着いて来ないでって言ってるのが聞こえない?」 > 「別にいいじゃねぇか。」 > 「私が嫌なの。」 > >僅かに眉を顰めたミリーナに、ルークは肩を竦めた。だが、それすらも無視して彼女は歩き出そうとする。 >そんな二人の耳に、人工的な電子音が届いた。ルークの耳元にある通信機からだ。 >更に、通信機から彼にとって聞きなれた男の声が響く。 > > 『ルークさん、聞こえますか?ルークさん!』 > >焦ったようなゼロスの声に、ルークは嫌そうな顔をした。 >そして、その感情を隠す事なく鬱陶しげに告げる。 > > 「何だよ、今せっかくミリーナとラブラブ・・・・・。」 > 「してません。」 > 「ミリーナぁ〜〜。」 > 『ルークさん、もう帰って来ないでください。』 > >ルークの言葉を遮って告げられたミリーナの言葉に、彼は情けない声をあげた。 >更にゼロスの、言葉が追い討ちをかける。さすがのルークも、それには肩を落とした。 > > 「お前、いくらなんでもそれは酷いぞ。」 > 『そうじゃなくて、本当に帰って来ちゃ駄目なんです。』 > 「どうゆう事だ?」 > >いつになく真剣な、そして焦ったような声にルークは表情を険しくさせる。 >その光景を、ミリーナはただ見つめていた。 >先程とは違う、ジーザスの顔をしているルークを見ながら、通信機を通した会話に耳を傾ける。 > > 『ゼルガディスさんが見つかっちゃったんで、シェーラさんを逃がします。このまま貴方も逃亡してください。』 > 「お前等はどうするんだよ!」 > 『僕とヴァルガーブさんは残ります。ゼラス様とダルフィン様に続いてガーヴ様の助力をゲットしましたからvv』 > 「それだったらオレもっ!」 > 『いえ、こちらは二人で大丈夫です。だから、デュミナスの手助けをしてあげてください。』 > >見つかってしまったという言葉に、ルークの表情が強張った。 >更に告げられた真実に彼は追いすがる。ルークの直接的な上司はダルフィンだ。 >彼は情報収集・管理の役職を任せられているダルフィンの下で、隠蔽工作を何度もしている。 >そして、その為に不要な人物を消し去った事もあった。 >だがそんなルークの言葉を軽く拒絶し、ゼロスはミリーナへと言葉をかける。 > > 『ミリーナさん、申し訳ないんですけど。ルークさんをお願いします。』 > 「両親を殺した貴方のお願いは聞きたくないけれど、仕方ないわ。」 > 『すみません。』 > 「別に、貴方を憎んでるわけじゃないわ。憎む事ができるなら、最初からジーザス自体を憎んでた。」 > >謝るゼロスにそうとだけ告げ、ミリーナは視線を反らす。 >彼女もまた、ジーザスによって家族を奪われた一人だった。 >そんな彼女の言葉に、ゼロスは苦笑しながら告げる。 > > 『ありがとうございます、ミリーナさん。では・・・・。』 > >通信が切れると、その場に気まずい沈黙が漂った。 >何も言わないミリーナを、俯きながら視線だけで見つめ、ルークは口を開く。 > > 「ミリーナ・・・・その・・・・・・・・悪ぃ・・・・。」 > 「別に・・・・行きましょう。皆に話さないと・・・・。」 > 「あぁ。」 > >そっけない言い方ではあったが、それでもルークは僅かに笑みを浮かべ、彼女の後に着いて歩き出した。 > > > > > > > > > > >ゼルガディスは、自分の与えられた部屋でぼんやりとしていた。 >ベッドに仰向けで寝転がり、その手にした物を見つめている。 >胸元から外した十字架を見つめ、思わず溜息を着いた。 >それは、父親と向かえた最後の誕生日に、彼の父親から貰った物だ。 >今まで、父親との思い出を忘れる為にずっと着けずにいた。 >だが、逃げ出してくる時、どうしてもこれが手から離れずに着けてきたのだ。 >中央に埋められた、彼の瞳と同じ色の石を見つめ、ゼルガディスは思わず溜息を着く。 > >そんな彼の耳に、ドアをノックする音が届いた。 > > 「ゼルガディスくん、いる?」 > 「ルナ・・・・どうしたんだ?」 > >ドアの間から顔を出したルナを見て、ゼルガディスはベッドから身を起こす。 >すると彼女はドアを閉め、ドアに背中を着けた体勢で風の結界を貼った。 >どうやら、他の誰かに聞かれてはまずい話らしい。 > > 「シェーラが来る事になったわ。」 > 「え?」 > >一瞬、言われている意味が分からなかった。 >何故シェーラがここに来るのか、何故そんな危険な事をするのか。 >自分がここにいる事ですら、危険な賭けだと言うのに、これ以上危険を冒す理由が分からなかったのだ。 >そんなゼルガディスの反応を見て、ルナは更に続けた。 > > 「貴方の妹という事にしてほしいの。幸い、シェーラはほとんど顔を知られていないから。」 > 「どうして急に?」 > 「ゼルくんがデュミナスとして行動しているところを見つかったらしいの。」 > 「何だって!?」 > 「気にしないで。少し計画が早まっただけの事だから。」 > >唐突な出来事と言葉に、ゼルガディスは立ち上がった。 >そして、自分の行動が迂闊だったと気づき、悔しげに視線を反らす。 > > 「さっき、ミルガズィアとナーガに連絡したの。これからこのアジトを破壊するわ。」 > 「どうしてそんな事をするんだ?」 > 「ここが見つかれば、避難民に被害が及ぶでしょう?だからデュミナスは全員、旧スィーフィード側の領地に向かう事になったの。 > そして、王宮を拠点に政府に前面戦争を開始する。避難民は別の場所に移すわ。小隊と一緒にね。」 > 「分かった。決行は?」 > 「今、転移装置で小隊と避難民を移動させてるから、それが終わったら荷物を積み込んで出発するわ。」 > >真剣な表情で頷くゼルガディスを見て、ルナは僅かに笑みを浮かべて告げた。 >ルナはそれだけを告げ、そのまま結界を解いて、彼の部屋を後にしようとする。 >だが、そんなルナにゼルガディスの声が届けられた。 > > 「ルナっ。」 > 「何?」 > 「その・・・・ルークの事聞いてるか?」 > 「ミリーナちゃんに一目惚れしちゃったんでしょう?」 > >振り返ると、ゼルガディスは自分でも思わぬ行動だったらしく、気まずげに視線を反らす。 >だが、呼び止めてしまった以上、言わないわけにもいかず、そのまま言葉を告げた。 >その言葉にルナは完全に向き直り、笑いながら答えを返す。 >それにゼルガディスは僅かに驚いた顔をした。 > > 「知っていたのか。」 > 「別にいいんじゃない?恋愛にジーザスも天種族も関係ないもの。」 > >ルナの言葉に、ゼルガディスはただ俯き、黙ったままだ。 >それに溜息を着き、彼女は更に告げる。 > > 「ともかく、準備して。リナ達がシェーラ連れて帰って来たらすぐに始めるから。」 > 「あぁ。」 > >俯きながら頷いたゼルガディスを見て、一瞬ルナは迷ったものの、そのまま部屋を出る。 >ドアがしまる音が響くと、ゼルガディスは再び自分の十字架を見た。 > > (俺はこのままここにいて、本当にいいのか?) > >湧き上がる疑問を胸に抱き、彼は十字架のペンダントを握り締め、その手を額に当てる。 >冷たい金属の感触は、彼が望むものを与えずに、ただ現実だけを突きつけた。 >それにゼルガディスの表情が僅かに歪んだ。 > > 「・・・・・・・・父さん・・・・俺は・・・・・・・・。」 > 父さん・・・、彼、でしょうか?・・・ああ、早く明らかになってくれー、わくわく。続きよみたいよう。楽しみ」にしてます! ところで、コメントの元記事の利用のしかたとかに、かなり手間取ってるんですが・・・できれば、教えていただけないでしょうか? >そう呟き、思わず上を見上げるものの、そこには見上げるべき空すらもなかった。 > > > > > >Next turn→Programized Heaven type:05 >***************************************************************************************************************************** >今回はちょっと政府側を補足説明。 > >シャブラニグドゥ(指示メイン。たまに実戦) >│ >├フィブリゾ(開発中心。ジーザス製作者) >│ ├ジーザス007(不明) >│ └開発局 >├グラウシェラー(実戦メイン。機動隊主流) >│ ├ジーザス003シェーラ(機動隊指揮官) >│ └第一部隊局 >├ゼラス(実戦メイン。特殊工作主流) >│ ├ジーザス001、002ゼロス(特別工作員) >│ └第二部隊局 >├ガーヴ(実戦メイン。機動隊主流) >│ ├ジーザス004ヴァルガーヴ(破壊工作員) >│ └第三部隊局 >└ダルフィン(情報収集・操作中心) > ├ジーザス006ルーク(隠蔽工作員) > └情報管理局 > >尚、現在ジーザス000ルナおよび005リナは欠番って事になってます。 >こんな感じでしょうか。ちょっと見難いかな? >組織好きなので、こうゆうの決めるの楽しくて仕方ないらしいです。 >察しのいい方は001と007が誰なのか、分かってしまったんじゃないでしょうか? >ちょっとそれが心配だったりします(-_-;) >分かっちゃった方は内密に・・・・。つーか、バレバレですが(爆) > > >†鎖夢† |
8284 | 続きですvv | 鎖夢 E-mail URL | 2002/4/11 22:14:47 |
記事番号8266へのコメント 朋さん、こんばんは。 いつもコメントありがとうございます! >> ”アタシガ、じーざすノ一人?” >リナ、ルナがジーザス?!いったいどういう事情が、あったんでしょう? 色々と事情があったんですよ。特にルナが複雑です。 これからそれを、ちょっとずつ書いていきます。 あと、色んなキャラの過去編も途中に入れるつもりですので・・・・。 >父さん・・・、彼、でしょうか?・・・ああ、早く明らかになってくれー、わくわく。続きよみたいよう。楽しみ」にしてます! 彼・・・・です(ニヤリ) まぁ、とりあえず「それは秘密です♪」てな事でvv 全部明らかになるのは本当にいつなんだろうと自分でも思ってしまいます。 ただ、断片は少しずつ入れていきます。 >ところで、コメントの元記事の利用のしかたとかに、かなり手間取ってるんですが・・・できれば、教えていただけないでしょうか? 必要なとこ以外が『Back Space』とかで削除しちゃってもいいと思います。 私もまだ初心者なんで、よく分からないですけど・・・・他の方のを見つつ、 こんな感じかな〜ってやってます。 だから朋さんは朋さんなりの利用をすればいいんじゃないかな〜って。 って、全然参考になってないですよね。あはははは(^^;)ヾ 続き頑張りますね! †鎖夢† |
8267 | つづきだ! | 朋 | 2002/4/8 13:55:16 |
記事番号8262へのコメント 鎖夢さんは No.8262「Programized Heaven type:04」で書きました。 > > >むう、ちょっと間があいてしまいました。 >一週間以上経ってしまいましたね(-_-;) >今回はちょっとだけリナの秘密とゼルの父親、空白のジーザス001に迫ってみました。 >って言っても本当にちょっとだけなのですが・・・・・。 > > >それではヘヴンへどうぞ〜♪ > >***************************************************************************************************************************** > > > >ルナの私室には、たくさんの本が置かれていた。魔道書や医療関係の本。果てには趣味の恋愛小説までがある。 >リナは昔から彼女の部屋で本を読むのが好きだった。だから、どこにどの本があるかはすぐに分かる。 >部屋に入ると、ルナは椅子に座ってどこか神妙な面持ちで考え事をしていた。 >彼女はリナが来た事に気づくと、立ち上がる。 >その表情の真剣さに、リナは戸惑いながら彼女へと問い掛けた。 > > 「で、姉ちゃん。あたし達に話って何?」 > 「まぁ、そこに座りなさい。」 > >ルナは二人に座るように促した。それに二人は従って椅子へと腰掛ける。 >リナはどこか不安げだが、ガウリイは何を話すか知っているかのように落ち着いていた。 >それがリナの不安を余計に掻き立ている。 >ルナはそれが分かっていのか、備え付けのポットからコーヒーを煎れる。 >そしてカップを二つ、二人の前に置き、自分のカップを持ってゆっくりと椅子に腰掛ける。 >その一連の動作が、リナにはゆっくり感じられた。 > > 「リナ。」 > >呼び声に顔を上げると、リナの方に何か丸い円状の物体がフリスビーのように投げられた。 >それを受け取り、見た瞬間にリナは息を呑んだ。 >渡されたのはサークレットだった。金色のフレームに、緑色の石がついている。 >古めかしく見えるにも関わらず、よく磨きこまれたそれは新品同様に美しかった。 >だが、リナはそれに驚いたわけではない。 > >そのサークレットは彼等の敵であるジーザスが、全員着けている物と同じなのだ。 >ただ、石の色だけが全員違い、ほとんどデザインは同じサークレット。 >それが今、彼女の手の中にある。 > > 「これ・・・・ジーザスがしてるサークレットと同じ物じゃない。何でこんなのが・・・・。」 > 「それはあんたのよ。」 > 「え?」 > >一瞬意味が分からず、リナは呆けたようにルナを見た。 >よく見れば、彼女の額にも同じようなサークレットが嵌められている。 >銀色のフレームに黄銀の石がつけられたそれは、リナの物より古い物だ。 >そのサークレットに気づきながら、リナは次の言葉を待った。 > >そしてリナの耳に、半ば予想通りの言葉が響く。 > > >ルナから発せられた言葉は、ただリナの耳に吸い込まれ、消えていった。 > > > > > > > > > > > ”アタシガ、じーざすノ一人?” > リナ、ルナがジーザス?!いったいどういう事情が、あったんでしょう? > > > > > > > > > > 【Programized Heaven type:04】 > > > > > > > > > > >白い壁で囲まれた部屋だった。白い壁、白い床、白い天井。 >どこか無機質なその部屋の中央に、クリスタルでできた棺桶のような物がある。 >その中には一人の青年が横たわっていた。 >穏やかなその表情は、眠っているのか、それとも死んでいるのか。 > >ゼロスはそんな青年をじっと見つめている。彼にとって、この青年は兄のような存在だった。 >そしてゼロスは青年から多くを学び、今では彼の代わりを務めている。 > > 「約束、ちゃんと守りましたよ。」 > >紫色の瞳でじっと青年を見つめながら、ゼロスはそう呟くように告げた。 >クリスタルの棺桶を指でなぞり、その感覚の虚しさに苦笑する。 > > 「でも貴方が望んだ通りには、きっとならない。なれない。だって彼は、もうあの頃の彼ではないから・・・・。」 > >悔しげに眉を顰め、なぞっていた指が折り曲げられる。 >そして、強く拳が握られた。肩が、拳が、自然と悔しさに震える。 >だが青年の表情の穏やかさを見つめ、彼は脱力したような笑みを浮かべた。 > > 「貴方は今、何を願っているのですか?」 > >呟く言葉は、彼の耳に届くだけで終わる。それが悲しい程に虚しさを感じさせた。 >だがその瞬間、静まりかえった室内に彼の通信機から電子音が響く。 >そして聞きなれた声が彼の耳を打った。 > > 『ゼロス聞こえるか?』 > 「ヴァルガーブさんどうしたんですか?」 > >いつになく切羽詰ったヴァルガーヴの声に、ゼロスは眉を顰める。 >どうやら彼は走りながら通信しているらしく、延々と足音が響いていた。 > > 『ガーヴ様の提案で、今からシェーラを逃がす。』 > 「どうゆう事ですか!?」 > 『いいからルナに連絡取れっ!迎えに来させる!オレ達は道具じゃねぇって思い知らせてやるんだ。』 > 「ヴァルガーヴさん・・・・・・・・。」 > >ヴァルガーヴの言葉にゼロスは表情を歪め、目の前の青年を見つめた。 >あまりに静かで穏やかすぎる表情が悲しみを誘う。 >そんな彼の表情に、彼がまだ自分達と共に暮らしていた頃の事を思い出した。 > > (貴方も道具扱いはもう、嫌ですよね。) > >悲しげな苦笑を纏わせ、ゼロスは胸中で青年へと問いかける。 >そして、意を決したような表情で立ち上がると、その瞳に鋭さを浮かべて告げた。 > > 「分かりました。今から三十分後に作戦開始を許可します。」 > > > > > > > > > > > > 「あたしがジーザスって・・・・どうゆう事・・・・。」 > >自分でも声が震えているのが分かった。 > >【ジーザス】 > > 天種族とも鋼天使とも違う、異端なりし人工生命体。 > ジーザス002ゼロスをリーダーとし、主に政府幹部直属の部下として働く殺人人形。 > >リナの中で、そんな言葉が脳裏を駆け巡った。自分がそのジーザスだとは、今まで思った事すらない。 >放心したようなリナの表情に、ルナは溜息を着くと更に続けた。 > > 「二百年前。あんたは政府機関の研究所で生まれた。ジーザス000、ルナ=インバース=イェソドの後継者として。」 > 「姉ちゃんもジーザスだって言うの!?」 > 「リナ、声が大きい。他の奴等に聞こえるぞ。」 > >思わず大声を上げたリナを、ガウリイが真剣な眼差しで止める。 >それに、何か絶望的な思いすら感じ、彼女はガウリイを見上げた。 > > 「ガウリイ、まさかあんたも知ってたの?」 > 「悪い・・・・・・・・。」 > >呆然と問いかけるリナに彼は俯きながら謝る。 >謝られた事にすらショックを受けながら、リナは手元のサークレットを見つめた。 >初めてこの手にしたと言うのに、どこかそれは懐かしい輝きを放っている。 >そして、それを感じながら自分がジーザスである事を実感した。 >思わずリナは、そのサークレットを持つ手を強める。泣きたくなるほど、その感触が懐かしかった。 > >少し考えてみれば分かる事だったのかもしれない。 > >彼女は両親の事を知らない。そして、自分がどこで生まれたのかもだ。 >物心ついた時には、デュミナスのアジトにいた。 > >そして、近くにはルナやガウリイ、ミルガズィアを始めとするデュミナスの古参メンバーがいたのだ。 > > 「リナ。まだ詳しい事は話せない。だけど、これだけは言っておくわ。ジーザスは、政府の・・・・人殺しの道具なんかじゃない。」 > 「姉ちゃん・・・・。」 > >どこか悲痛な面持ちで告げられた言葉に、リナも表情を歪める。 >正直、二百年程姉妹をやっているが、リナは彼女のそんな表情を始めて見た。 > > 「だから私は、ガウリイくんと一緒にあんたを連れて逃げた。そしてミルガズィア達と出会ったのよ。」 > >その言葉を告げ、ルナは自分の額からサークレットを外す。 >テーブルの上にサークレットを置く音が響き、リナは自分の手の中にあるサークレットを見つめた。 > > 「姉ちゃん、あたしこのまんまでもいい?」 > >リナは俯いたまま、視線だけをルナへと向ける。それに彼女は優しげな笑みを浮かべて告げた。 > > 「えぇ。リナはリナ以外の何でもないわ。でも、それは持っていて。そしてお願い。ジーザスである事を誇りに思って。 > 最後にあんたの本当の名前を言っておくわね。あんたの本当の名前はリナ=インバース=ネツァク。 > 勝利と成就を意味するジーザスよ。」 > 「勝利と・・・・成就。」 > >その言葉を噛み締めるように判読し、リナは再びサークレットに視線を落とした。 > > > > > > > > > > >ガーヴ、ヴァルガーヴ、シェーラの三人はとある政府機関の建物の入り口に立っていた。 >辺りを伺い、鋼天使がいないかどうかを確かめる。 >そんな彼等に聞きなれた声が届いた。 > > 『ルークさんがいないので、あまり大事にはできません。気をつけてくださいね。』 > 「ありがとう。ガーヴ様、お世話になります。」 > >ゼロスの言葉に軽く礼を言うと、シェーラはガーヴに向かって頭を下げる。 >カモフラージュの為に三つ編みは下ろされ、天種族が着る白い装束と十字架のペンダントを纏っていた。 >どこからどう見ても、天種族にしか見えない。 > > 「なぁに。オレだってシャブラニグドゥ様のやり方にはもう、着いて行けねぇんだ。」 > >ガーヴは苦笑しながらそう告げる。それにシェーラの硬い表情が僅かに綻んだ。 >そして、同じジーザスであるヴァルガーヴへと向き直る。 > > 「ヴァルガーブ、こっちお願いね。」 > 「任せとけって。」 > 「じゃあ、行きます。」 > >そう告げて、シェーラは建物から飛び出した。 > > > > > > > > > > > 『ルナさんっ!』 > 「うわっ。ゼロス、いきなりびっくりさせないでよっ!」 > 「すみません。僕もちょっと焦ってたものですから。」 > >突然開いた空間モニターに、ルナはコーヒーを噴出しかけて慌ててその相手へと告げた。 >サークレットをした黒髪のその男は、ゼロスに他ならない。 >珍しく大声をあげるルナを見て、ゼロスは心なしか焦ったように答えを返す。 >だが、その姿にリナが驚いたように彼を凝視した。 > > 「ジ、ジーザス002。」 > 『あ、貴女がリナさんですね。初めまして。ジーザス002ゼロス=メタリオム=コクマーです♪』 > >にっこりと笑いながら告げるゼロスに、リナは曖昧な顔をして見せる。 >ゼロスはジーザスの中でも特に実力者で、表立った任務にはほとんど出ていた。 >そのせいで何回かデュミナスのメンバーとも直接交戦した事がある。 > >が、その時の印象と今の印象がかけ離れすぎていて、リナは正直戸惑っていた。 >それにルナは溜息を着きながら、手で顔の半分を覆う。 > > 「ゼロス。あいさつはいいから用件言いなさい。」 > 『あ、そうでした。実は、今からシェーラさんを迎えに来てほしいんです。』 > 「どうゆう事よ?」 > >ルナの言葉に反応し、ゼロスは用件を述べる。 >それに思わず彼女は眉を顰めた。ゼロスは彼女の表情に肩を竦め、更に続ける。 > > 『デュミナスとして行動しているところを見つかっちゃったんです。 > それで、シャブラニグドゥ様から捜索するように命令されているのがグラウシェラー様なんですよ。 > シェーラさんはグラウシェラー様の部下ですから・・・・。』 > 「面倒な事になってきちゃったわね。分かったわ。リナ、ガウリイくん。行ってきて。」 > >真剣な表情で告げられた言葉に、ルナは険しい顔つきで呟く。 >そして目の前にいた二人へと告げた。それにゼロスが興味深そうに瞳を向ける。 > > 『おや、リナさんにあの事話されたんですか?』 > 「まだ全部じゃないけどね。ともかくこっちで保護するわ。」 > 『お願いします。いずれ僕達も皆さんと合流しますから。』 > >ゼロスはそう告げ、少し寂しげに笑いながら通信をきった。 > > > > > > > > > > >その二人は、何もない荒野を歩いていた。一人は黒髪の青年。もう一人は銀髪の女だ。 >丁度、銀髪の女を黒髪の青年が追いかけているように見える。 > > 「おい、ミリーナ!待てよっ!」 > >ミリーナと呼ばれたその女は、黒髪の青年の言葉を聞いて立ち止まった。 >それに歩み寄ると、彼女は冷たい視線を投げかけて告げる。 >ルークの頬には、何故か絆創膏が貼られていた。先程ヴァルガーヴと争った時にでも怪我をしたのだろう。 > > 「着いて来ないでって言ってるのが聞こえない?」 > 「別にいいじゃねぇか。」 > 「私が嫌なの。」 > >僅かに眉を顰めたミリーナに、ルークは肩を竦めた。だが、それすらも無視して彼女は歩き出そうとする。 >そんな二人の耳に、人工的な電子音が届いた。ルークの耳元にある通信機からだ。 >更に、通信機から彼にとって聞きなれた男の声が響く。 > > 『ルークさん、聞こえますか?ルークさん!』 > >焦ったようなゼロスの声に、ルークは嫌そうな顔をした。 >そして、その感情を隠す事なく鬱陶しげに告げる。 > > 「何だよ、今せっかくミリーナとラブラブ・・・・・。」 > 「してません。」 > 「ミリーナぁ〜〜。」 > 『ルークさん、もう帰って来ないでください。』 > >ルークの言葉を遮って告げられたミリーナの言葉に、彼は情けない声をあげた。 >更にゼロスの、言葉が追い討ちをかける。さすがのルークも、それには肩を落とした。 > > 「お前、いくらなんでもそれは酷いぞ。」 > 『そうじゃなくて、本当に帰って来ちゃ駄目なんです。』 > 「どうゆう事だ?」 > >いつになく真剣な、そして焦ったような声にルークは表情を険しくさせる。 >その光景を、ミリーナはただ見つめていた。 >先程とは違う、ジーザスの顔をしているルークを見ながら、通信機を通した会話に耳を傾ける。 > > 『ゼルガディスさんが見つかっちゃったんで、シェーラさんを逃がします。このまま貴方も逃亡してください。』 > 「お前等はどうするんだよ!」 > 『僕とヴァルガーブさんは残ります。ゼラス様とダルフィン様に続いてガーヴ様の助力をゲットしましたからvv』 > 「それだったらオレもっ!」 > 『いえ、こちらは二人で大丈夫です。だから、デュミナスの手助けをしてあげてください。』 > >見つかってしまったという言葉に、ルークの表情が強張った。 >更に告げられた真実に彼は追いすがる。ルークの直接的な上司はダルフィンだ。 >彼は情報収集・管理の役職を任せられているダルフィンの下で、隠蔽工作を何度もしている。 >そして、その為に不要な人物を消し去った事もあった。 >だがそんなルークの言葉を軽く拒絶し、ゼロスはミリーナへと言葉をかける。 > > 『ミリーナさん、申し訳ないんですけど。ルークさんをお願いします。』 > 「両親を殺した貴方のお願いは聞きたくないけれど、仕方ないわ。」 > 『すみません。』 > 「別に、貴方を憎んでるわけじゃないわ。憎む事ができるなら、最初からジーザス自体を憎んでた。」 > >謝るゼロスにそうとだけ告げ、ミリーナは視線を反らす。 >彼女もまた、ジーザスによって家族を奪われた一人だった。 >そんな彼女の言葉に、ゼロスは苦笑しながら告げる。 > > 『ありがとうございます、ミリーナさん。では・・・・。』 > >通信が切れると、その場に気まずい沈黙が漂った。 >何も言わないミリーナを、俯きながら視線だけで見つめ、ルークは口を開く。 > > 「ミリーナ・・・・その・・・・・・・・悪ぃ・・・・。」 > 「別に・・・・行きましょう。皆に話さないと・・・・。」 > 「あぁ。」 > >そっけない言い方ではあったが、それでもルークは僅かに笑みを浮かべ、彼女の後に着いて歩き出した。 > > > > > > > > > > >ゼルガディスは、自分の与えられた部屋でぼんやりとしていた。 >ベッドに仰向けで寝転がり、その手にした物を見つめている。 >胸元から外した十字架を見つめ、思わず溜息を着いた。 >それは、父親と向かえた最後の誕生日に、彼の父親から貰った物だ。 >今まで、父親との思い出を忘れる為にずっと着けずにいた。 >だが、逃げ出してくる時、どうしてもこれが手から離れずに着けてきたのだ。 >中央に埋められた、彼の瞳と同じ色の石を見つめ、ゼルガディスは思わず溜息を着く。 > >そんな彼の耳に、ドアをノックする音が届いた。 > > 「ゼルガディスくん、いる?」 > 「ルナ・・・・どうしたんだ?」 > >ドアの間から顔を出したルナを見て、ゼルガディスはベッドから身を起こす。 >すると彼女はドアを閉め、ドアに背中を着けた体勢で風の結界を貼った。 >どうやら、他の誰かに聞かれてはまずい話らしい。 > > 「シェーラが来る事になったわ。」 > 「え?」 > >一瞬、言われている意味が分からなかった。 >何故シェーラがここに来るのか、何故そんな危険な事をするのか。 >自分がここにいる事ですら、危険な賭けだと言うのに、これ以上危険を冒す理由が分からなかったのだ。 >そんなゼルガディスの反応を見て、ルナは更に続けた。 > > 「貴方の妹という事にしてほしいの。幸い、シェーラはほとんど顔を知られていないから。」 > 「どうして急に?」 > 「ゼルくんがデュミナスとして行動しているところを見つかったらしいの。」 > 「何だって!?」 > 「気にしないで。少し計画が早まっただけの事だから。」 > >唐突な出来事と言葉に、ゼルガディスは立ち上がった。 >そして、自分の行動が迂闊だったと気づき、悔しげに視線を反らす。 > > 「さっき、ミルガズィアとナーガに連絡したの。これからこのアジトを破壊するわ。」 > 「どうしてそんな事をするんだ?」 > 「ここが見つかれば、避難民に被害が及ぶでしょう?だからデュミナスは全員、旧スィーフィード側の領地に向かう事になったの。 > そして、王宮を拠点に政府に前面戦争を開始する。避難民は別の場所に移すわ。小隊と一緒にね。」 > 「分かった。決行は?」 > 「今、転移装置で小隊と避難民を移動させてるから、それが終わったら荷物を積み込んで出発するわ。」 > >真剣な表情で頷くゼルガディスを見て、ルナは僅かに笑みを浮かべて告げた。 >ルナはそれだけを告げ、そのまま結界を解いて、彼の部屋を後にしようとする。 >だが、そんなルナにゼルガディスの声が届けられた。 > > 「ルナっ。」 > 「何?」 > 「その・・・・ルークの事聞いてるか?」 > 「ミリーナちゃんに一目惚れしちゃったんでしょう?」 > >振り返ると、ゼルガディスは自分でも思わぬ行動だったらしく、気まずげに視線を反らす。 >だが、呼び止めてしまった以上、言わないわけにもいかず、そのまま言葉を告げた。 >その言葉にルナは完全に向き直り、笑いながら答えを返す。 >それにゼルガディスは僅かに驚いた顔をした。 > > 「知っていたのか。」 > 「別にいいんじゃない?恋愛にジーザスも天種族も関係ないもの。」 > >ルナの言葉に、ゼルガディスはただ俯き、黙ったままだ。 >それに溜息を着き、彼女は更に告げる。 > > 「ともかく、準備して。リナ達がシェーラ連れて帰って来たらすぐに始めるから。」 > 「あぁ。」 > >俯きながら頷いたゼルガディスを見て、一瞬ルナは迷ったものの、そのまま部屋を出る。 >ドアがしまる音が響くと、ゼルガディスは再び自分の十字架を見た。 > > (俺はこのままここにいて、本当にいいのか?) > >湧き上がる疑問を胸に抱き、彼は十字架のペンダントを握り締め、その手を額に当てる。 >冷たい金属の感触は、彼が望むものを与えずに、ただ現実だけを突きつけた。 >それにゼルガディスの表情が僅かに歪んだ。 > > 「・・・・・・・・父さん・・・・俺は・・・・・・・・。」 > 父さん・・・、彼、でしょうか?・・・ああ、早く明らかになってくれー、わくわく。続きよみたいよう。楽しみ」にしてます! ところで、コメントの元記事の利用のしかたとかに、かなり手間取ってるんですが・・・できれば、教えていただけないでしょうか? >そう呟き、思わず上を見上げるものの、そこには見上げるべき空すらもなかった。 > > > > > >Next turn→Programized Heaven type:05 >***************************************************************************************************************************** >今回はちょっと政府側を補足説明。 > >シャブラニグドゥ(指示メイン。たまに実戦) >│ >├フィブリゾ(開発中心。ジーザス製作者) >│ ├ジーザス007(不明) >│ └開発局 >├グラウシェラー(実戦メイン。機動隊主流) >│ ├ジーザス003シェーラ(機動隊指揮官) >│ └第一部隊局 >├ゼラス(実戦メイン。特殊工作主流) >│ ├ジーザス001、002ゼロス(特別工作員) >│ └第二部隊局 >├ガーヴ(実戦メイン。機動隊主流) >│ ├ジーザス004ヴァルガーヴ(破壊工作員) >│ └第三部隊局 >└ダルフィン(情報収集・操作中心) > ├ジーザス006ルーク(隠蔽工作員) > └情報管理局 > >尚、現在ジーザス000ルナおよび005リナは欠番って事になってます。 >こんな感じでしょうか。ちょっと見難いかな? >組織好きなので、こうゆうの決めるの楽しくて仕方ないらしいです。 >察しのいい方は001と007が誰なのか、分かってしまったんじゃないでしょうか? >ちょっとそれが心配だったりします(-_-;) >分かっちゃった方は内密に・・・・。つーか、バレバレですが(爆) > > >†鎖夢† |
8291 | 久しぶりです〜♪ | +綺咲+ E-mail | 2002/4/12 19:13:52 |
記事番号8262へのコメント ごぶさたしましたっ。 綺咲です〜おぼえてますか??忘れられてるかも・・・(汗)。 入学式だなんだで、だいぶ忙しかったもので・・・。 書き殴り自体あんまりのぞけなくて・・・久しぶりに見て、潤いました。 そして、あたしが見てない間に、色々進んでいらっしゃるようで・・・。 ルナ&リナはジーザスだし、ジーザスたちは反逆(?)しようとしているし・・・。 そしてなぜだか、ガーウ゛様は協力的だしで、う〜ん、謎は深まっていきますねぇ。 一番気になってるのは、ゼルの父親。父親って・・・あの人ですかねぇ? っていうか、ジーザスは人間ですか? ・・・あぁっ!すいません、愚問なんですけど、しかも訳わかんないし。でも気になってたんですよ・・・。 でも、いままで人間じゃないのかなぁと漠然と思っていたので、父親だなんて・・・人間みたいだなぁって思って・・・。 すいません。またまとまってません・・・。 また次も楽しみにしてますっ!! それでは〜♪ +有川 綺咲+ |
8292 | どうもですvv | 鎖夢 E-mail URL | 2002/4/13 00:00:46 |
記事番号8291へのコメント > ごぶさたしましたっ。 > 綺咲です〜おぼえてますか??忘れられてるかも・・・(汗)。 > 入学式だなんだで、だいぶ忙しかったもので・・・。 > 書き殴り自体あんまりのぞけなくて・・・久しぶりに見て、潤いました。 綺咲さん、こんばんはvv いえいえ忘れてません。ちゃ〜んと覚えてますってvv 入学式ですか。って事は・・・・同い年か、3歳違いかですね。 ちなみに私は今年、専門学校に行く予定でしたが、諸事情により、バイト三昧です(笑) > そして、あたしが見てない間に、色々進んでいらっしゃるようで・・・。 > ルナ&リナはジーザスだし、ジーザスたちは反逆(?)しようとしているし・・・。 > そしてなぜだか、ガーウ゛様は協力的だしで、う〜ん、謎は深まっていきますねぇ。 > 一番気になってるのは、ゼルの父親。父親って・・・あの人ですかねぇ? あはは、色々進めてみました♪ リナ&ルナも、ジーザスも色々と事情ってものがあるらしいです。 反逆なんでしょうかね、これは。まぁ、ある意味反逆なのかもしれませぬ(意味深) ガーヴ様が協力的なのは、多分ヴァルガーヴを自分の息子みたいに思ってるせいってのがあるせいなんだと思います。 まぁ、この辺はおいおい書いていきますが・・・・。 ゼルの父親・・・・・そう、あの人です(にっこりvv) 誰やねん!っていう突っ込みはしないでくださいねvv(^^;)ヾ > っていうか、ジーザスは人間ですか? > ・・・あぁっ!すいません、愚問なんですけど、しかも訳わかんないし。でも気になってたんですよ・・・。 > でも、いままで人間じゃないのかなぁと漠然と思っていたので、父親だなんて・・・人間みたいだなぁって思って・・・。 ジーザスは、人間でも天種族でもありません。 そうですね・・・・クローンとか、キメラみたいな人工生物だと思ってください。 ただ、クローンみたいに誰かのコピーだったり、キメラみたいに元になった生物がいるわけじゃないんですよ。 ある意味、アンドロイドみたいなものなんですけど、でもナマモノ(爆)ですし。 ジーザスはある意味、全員が兄弟とかそうゆう感じで書いてます。 だから、type:02でゼロスが「我等の弟君」って言ったり、ヴァルが「はお前が兄貴だなんて冗談じゃねぇ」なんて言ったんです。 あぁぁぁっ!?何か長くなってしまいましたっ!(0д0;) 続き、これからも頑張っていきますのでよろしくおねがいします。 では! †鎖夢† |