◆−あなたの望みは何ですか? 第ニ十八話−amy (2002/4/29 20:26:46) No.8421 ┣はじめまして−秋茄 (2002/4/30 23:25:58) No.8438 ┃┗こちらこそ!−amy (2002/5/2 21:33:34) No.8454 ┗あなたの望みは何ですか? 第ニ十九話−amy (2002/5/3 19:51:50) No.8461 ┣あわわ・・・??(・■・;)−+綺咲+ (2002/5/5 21:03:43) No.8472 ┃┗うふふふふ、、、、、、、(ー▽ー)−amy (2002/5/8 23:11:03) No.8480 ┗あなたの望みは何ですか? 第三十話−amy (2002/5/10 23:42:35) No.8487 ┗あなたの望みは何ですか? 第三十一話−amy (2002/5/19 23:14:07) No.8517 ┗あなたの望みは何ですか? 第三十ニ話−amy (2002/5/28 16:23:47) No.8552 ┣はわわ―っ−秋茄 (2002/5/28 21:25:48) No.8555 ┃┣のわわーっ(笑)−amy (2002/6/3 21:26:03) No.8566 ┃┗のわわーっ(笑)−amy (2002/6/3 21:26:06) No.8567 ┗あなたの望みは何ですか? 第三十三話−amy (2002/6/7 19:36:09) No.8572
8421 | あなたの望みは何ですか? 第ニ十八話 | amy E-mail | 2002/4/29 20:26:46 |
あう〜、またしてもツリーが落ちてしまいました(ーー;) この話、ツリー落ちるの早いですね、、、、 それだけ私の書く速度が遅いってことなんですけど、、、、 頑張らなくては、、、、、、っっ!(喝) 〜注意〜 この話はゼロゼルのシリアスです。 そういったものが苦手な方はご遠慮下さい。 また、この注意に従わずに読み、 気分を害されても私は一切責任を取りません。 それと、非難、中傷のメールなどは送らないで下さい。 では、続きを読んで下さる方はどうぞ♪ ================================== 「、、、、、壮観、、、、とでも言うべきか?」 「さてな」 ぽつりとこぼした俺の台詞に、ミルガズィアは耳聡く反応した。 地平線を一望できるこの開けた平野に、数えきれない程のドラゴン達が宙 に浮いていた。 金色と黒、そして白に青。 様々な種類の竜族達が空へ羽ばたき、咆哮を上げている。 地図を見た時の通りに、彼等は俺を中心としてぐるりと囲むように自分の 持ち場についていた。 その下には何百という数のエルフ達。 美しいその容姿を無骨な甲冑で包み、毅然とした面持ちで前を凝視してい る。 中には女もいるようだった。 「、、、、、人間なら滅多に拝めない光景だな」 苦笑するようにつぶやくと、人間の姿をとったままのミルガズィアがこち らをちらりと一瞥した。 何か言いたそうにしていたが、結局彼は口を閉ざし、エルフ達と同じよう に前方を睨み付ける。 俺もそれに倣った。 しかし、いくらキメラであり、視力も発達している俺とはいえ、前方には 黒い点がいくつかしか伺うことができない。 所詮人間の能力では竜族やエルフ達に勝ることができるはずもないのだ。 「、、、、、どれくらいいるんだ?」 「、、、、、数えるのも馬鹿馬鹿しいな」 俺の問いに、ミルガズィアは前方から視線を外さないまま答える。 それだけ多いのか、それとも逆に極端に少ないのか、彼の顔色からは伺い 知ることはできない。 どちらにしても有利な戦況というわけではないのだろうと見当をつけて、 俺は石をぎゅっと握りしめた。 上級魔族に対して言えば、俺はぎりぎりまで手を出す事を許されない。 下級、中級に関してはこの賢者の石さえあれば余裕を持って対峙すること が可能だが、油断はできないだろう。 小さく息を吐くと、冷や汗が背をゆっくりと伝った。 どうやら自分は緊張しているようだ。 「、、、、、アリシア達の方は平気だな?」 自分の緊張を誤魔化そうと、俺は話題を変え、その矛先をミルガズィアに 向けた。 「、、、、、ああ」 一方、彼は必要最低限以上の返事を返そうとはしない。 それを見て俺は沈黙した。 ミルガズィアも少なからず緊張しているのだと悟ったからだ。 アリシア達の方にも護衛はいる。 少なくとも、いつの間にか惨殺されていたなどということはあるまい。 向こうに魔族が現れたならすぐに合図が来るようになっているし、竜族達 もそれなりに応戦するはずだ。 そして、よほどのことがない限り、簡単に魔族にやられるということもな いだろう。 俺がそこへ到着するまでの時間稼ぎくらいは十分にできるはずだ。 まあ、俺が到着したところで、竜族にすらなんとかなら無かった相手にど うすることもできないかもしれないけれど。 「さて、、、、そろそろ行動を起こさねばな」 思考の海に沈んでいた俺の横で、ミルガズィアがぽつりとつぶやいた。 その一言で、俺の全身が泡立つのが分かる。 彼はゆっくりとした動作で、顔を天に向け、人間には発音不可能な声を上 げた。 高く低くそれは辺りに響き渡り、余韻を引きずって流れて行く。 それはやがてドラゴン特有の咆哮に変わり、同時にミルガズィアの姿もド ラゴンのそれへと変化して行った。 思わず見上げてしまうほど巨大な金色の竜の姿が、そこにあった。 ドラゴンの姿に戻ったミルガズィアは、そのまままた顔を天へと向け、一 声鳴く。 その咆哮は大きく、すぐ近くにいた俺は思わず両耳を手で塞いだ。 咆哮は辺りに大きく響き渡り、辺りにいたドラゴン達から一斉に返しの咆 哮が戻って来る。 やがてドラゴン達は同時に前方へと飛び立ち始めた。 俺はミルガズィアの背に乗せられ、やはり前方へと連れて行かれる。 以前にフィリアの背に乗ったこともあったが、スピードは段違いだった。 フィリアが全速力を出した時も振り落とされるかと思ったが、ミルガズィ アのこの速度は本気で振り落とされかねない。 そのくせ、彼には随分と余裕があり、こちらを気遣っている風にも見え た。 やはり格が違う、ということなのか。 しっかりと背にしがみつき、手の中の石を落とさぬよう気を付けながら、 俺は前方を見つめた。 続く |
8438 | はじめまして | 秋茄 | 2002/4/30 23:25:58 |
記事番号8421へのコメント はじめまして、秋茄といいます。いつも読ませていただいてます〜 「あなたの望みは何ですか?」 そろそろ話の山場でしょうかっ…!ゼル―っ…!! これからどうなっちゃうんでしょう 続きを楽しみにしてますっ amyさんの書く小説大好きですvv かっこ良いですし、話がおもしろいですし…密にファンですv(いきなり…) 「死神降臨」と「小さな鉢植え」と「女もつらいよ」が特に大好きなんですっ 死神降臨のお話が一番気に入ってて、何回も読ませてもらってます〜v 小さな鉢植えは、のめり込んで一気に読んじゃいました パソコンの前で一人はらはらドキドキしたり泣きそうになったりしてました 女もつらいよは、読むたびに笑ってます ゼロスの「ぺーしなさいっ!」って言葉が好きです(笑) あぅ、とうとう書いてしまいましたっ… …なんだかいきなりおかしな事書いてスミマセン、、 書いてる事がめちゃくちゃですし… これからも頑張って下さい!応援してますv でわでわっ |
8454 | こちらこそ! | amy E-mail | 2002/5/2 21:33:34 |
記事番号8438へのコメント 秋茄さんへ >はじめまして、秋茄といいます。いつも読ませていただいてます〜 >「あなたの望みは何ですか?」 >そろそろ話の山場でしょうかっ…!ゼル―っ…!! >これからどうなっちゃうんでしょう >続きを楽しみにしてますっ こちらこそ初めまして! 読んで下さって本当にありがとうございます! もうすぐ山場ですね、、、、本当に予定より随分と長い話に、、、、 計画性のなさが伺える作品になってしまいました(おいおい) これからも頑張りますので、どうぞよろしくお願いします! >amyさんの書く小説大好きですvv >かっこ良いですし、話がおもしろいですし…密にファンですv(いきなり…) >「死神降臨」と「小さな鉢植え」と「女もつらいよ」が特に大好きなんですっ >死神降臨のお話が一番気に入ってて、何回も読ませてもらってます〜v >小さな鉢植えは、のめり込んで一気に読んじゃいました >パソコンの前で一人はらはらドキドキしたり泣きそうになったりしてました >女もつらいよは、読むたびに笑ってます >ゼロスの「ぺーしなさいっ!」って言葉が好きです(笑) ありがとうございますううう!!(感涙) そう言っていただけると本当に救われます♪ 「小さな鉢植え」と「女もつらいよ」はどうやら 全体的に評判がいいようで、嬉しい限りです。 「小さな鉢植え」は個人的にも気に入っているので、 お誉めいただけて本当に嬉しいです、ありがとうございます! 「女もつらいよ」はあまり自信のなかった作品だったので、 色々な方からお誉めいただくたび、なんとなく意外に感じます(笑) 「ぺーしなさい」、、、台詞まで覚えていていただけるなんて!(笑) よく読んで下さっているようで、嬉しいです! どうもありがとうございました!!! これからも頑張って小説書いていきますので、 どうか見捨てないでやって下さい(^_^) ではでは amyより |
8461 | あなたの望みは何ですか? 第ニ十九話 | amy E-mail | 2002/5/3 19:51:50 |
記事番号8421へのコメント やがて目的地に到着したのか、ミルガズィアが地面に降り立った。 そこから俺もするりと降り、地面に立つ。 そこへ数匹の魔族と大量のレッサー・デーモンが雪崩れ込んできた。 「ラ・ティルト!!!」 賢者の石で威力を増幅したラ・ティルトを放つ。 混戦状態の中、青白い火柱が一匹の魔族を包み込んだ。 威力を増幅したおかげかかなり高位の魔族にも効いているようで、俺も 一応の戦力になっている。 遠目に見たよりも随分と数が多いが、大半は下級魔族のようだった。 中級らしきヤツもまばらにいるが、上級魔族はまだ見かけていない。 もちろん、ゼロスの姿も見ていない。 「ゴズ・ヴ・ロー!!」 黒い影が地面を這い、目前に迫っていた魔族に襲い掛かる。 それを魔族はあっさりと避け、こちらにスピードを上げて迫ってきた。 俺は口の中で呪文を唱えながら剣を鞘から抜き放ち、大きく後ろへ跳躍す る。 入れ代わりにミルガズィアがこちらへ回り込み、魔族に強力なレーザー・ ブレスを吐きかけた。 同時にミルガズィアの後ろへ移動した俺は呪文を解き放つ。 「アストラル・ヴァイン!!」 赤く輝く刀身を、そこにいた魔族に叩き込んだ。 ざむっ!! 肩から斜に切り下ろされ、その魔族が消滅する。 後ろにいたドラゴンの姿をしているミルガズィアが大きく息を吸った。 それを合図に俺はミルガズィアから大きく離れる。 同時にミルガズィアが呪文を解き放った。 人間には上手く聞き取れない呪文を口にした途端、辺りに青白い光が輝い た。 思わず堅く瞳を閉ざし、光が収まるのを待って目を開く。 すると、俺達を取り囲んでいたれっさー・デーモン達が全て消滅してい た。 「、、、、さすがだな」 そうつぶやく俺の言葉に、ミルガズィアは何の反応も示さなかった。 俺は軽く肩を竦めて、まだ残っている魔族に向き直る。 賢者の石の効果のおかげか、剣の光りはいつもよりも強い。 それを大きく構えて、魔族と対峙した。 はっきり言って、下級魔族ならばそう苦もない。 中級魔族と一対一で闘い、勝利したことのある俺にとって、賢者の石があ る今の状態で負ける気がしなかった。 「アストラル・ブレイク!!」 呪文を放って魔族に攻撃する。 避けることは予想済みだったので、避けるだろう方向とは反対へ移動す る。 そこから前もってアストラル・ヴァインをかけておいた短剣を投げた。 それをも避ける魔族に向かって大きく踏み込み、剣を振るう。 ざんっっ!! 胴を薙ぎ払い、その勢いのまま後ろへ進む。 そこにいた魔族へ剣を突き立てた。 ミルガズィアに意識を集中していた魔族はこちらに気付く間もなく消滅す る。 それを確認して俺は立ち止まり、大きく息を吐いた。 近くにいた魔族達はミルガズィアにかかりきりになっている。 それを逆手にとって、俺はこちらに注意をしていない魔族に向かって呪文 を放った。 「エルメキア・フレイム!!」 青白い槍状の光りが魔族に突進し、その身体を貫いた。 その魔族が金属的な悲鳴をあげたことで、他の魔族達がこちらを注目す る。 数匹がこちらへ向かおうとするが、遅い。 さっきの呪文を放った後、俺はすぐに呪文を唱え始めていた。 それはもう完成している。 随分前にこの目で見た広範囲呪文の改造版。 「エルメキア・ランス!!!」 俺の声と同時に、辺りが青い光で包まれる。 通常ならばこの呪文、青白い矢状の光りが相手に雨のように降り注ぐ呪文 だが、以前にコピーレゾが見せた改造版を使ったのだ。 すなわち、同じ効力で矢状ではなく広範囲にまんべんなく広がる呪文。 形状を変えることで威力は落ちるが、そこは賢者の石の力でカバーしてい る。 こちらへ向かってきた魔族数匹はこれを受け、消滅する。 俺はそれを見て、一息ついた。 ちょうどその時だった。 どおおんっっっ!!!! とてつもなく多きな爆発音が起こり、爆発からここは随分と離れているに も関わらず、強い爆風が俺を数メートル後ろへ吹き飛ばした。 がんっ! 「ぐっ、、、、」 咄嗟のことで受け身がとれず、頭から着地してしまう。 着地した場所がまた堅かった。 ミルガズィアの踵。 ドラゴンの堅い皮膚に覆われたそこに思いきり頭をぶつけ、俺は眉をしか めた。 だがミルガズィアからは何の反応もない。 それを訝しく思い、俺は痛みを堪えてゆっくりと立ち上がった。 ミルガズィアは先程爆発した方をじっと見据えている。 ドラゴンの姿なので、表情は読むことができない。 ミルガズィアの視線を追って、空中に目を遣る。 すると、そこは不自然にぽっかりと空いていた。 回りにはドラゴンや魔族が所狭しと飛んで戦闘しているにも関わらず、そ こだけが何もいなかった。 不自然なその光景に疑問を持ち、視線を何となくその下へと向ける。 すると、その下の大地に黒い影が山になっていた。 「、、、、、なんだ?」 「、、、、死体だ」 「は?」 思わずつぶやいた俺に、ミルガズィアがぽつりと返す。 しかし、その言葉はイマイチ要領を得ていない。 一瞬意味が分からず、俺は間の抜けた声をあげた。 だがミルガズィアは言葉を返さない。 その様子にピンときた。 あの黒い影は、、、、ドラゴン達の死体。 「嘘だろ?」 山のように折り重なっているのを見て、あまりの数の多さにつぶやく。 あの一瞬の爆発で、あれだけの数のドラゴンが? その時、また遠くで大きな爆発音がした。 どおおんっっ!!! またしても遠いここまで強い爆風が吹く。 俺はミルガズィアの陰にいたため、その爆風から身を守ることができた。 もちろん、同じように陰になっているので、爆発した方を見ることはでき ない。 だが、恐らくそこも先程のようにぽっかりと空いているのだろう。 それだけ強い上級魔族がそこにいるのだ。 それを考えただけで、背筋を何かが駆け上がる感触がした。 「、、、、、ゼロスッ!!」 怒りに満ちたその一言は、ミルガズィアが発したものだった。 続く |
8472 | あわわ・・・??(・■・;) | +綺咲+ | 2002/5/5 21:03:43 |
記事番号8461へのコメント ・・・と・・・とうとう来るんですか、ゼロスがっっ!? あわわわ・・・ゼルとゼロスが敵同士だし・・・できれば二人が戦うトコなんてみたくないです・・・。(´△`,) > 随分前にこの目で見た広範囲呪文の改造版。 >「エルメキア・ランス!!!」 > 俺の声と同時に、辺りが青い光で包まれる。 > 通常ならばこの呪文、青白い矢状の光りが相手に雨のように降り注ぐ呪文 >だが、以前にコピーレゾが見せた改造版を使ったのだ。 > すなわち、同じ効力で矢状ではなく広範囲にまんべんなく広がる呪文。 > 形状を変えることで威力は落ちるが、そこは賢者の石の力でカバーしてい >る。 なんかココが複雑な気持ちで読んだトコですネ・・・。 いや、ゼルもさぞかし複雑だろーなぁと・・・だって「コピーレゾ」で「賢者の石」ですしね。 レゾばっかり・・・。 かなり年月がたったこの時代で、数少ない知り合いが敵っていうのは、いったいどんな心境になるんでしょうか。 まぁ、ミルガズィアさんは(一応)仲間だし、知り合いっていってもゼロスは魔族だし、なによりゼルは気が強いですから、あんまり辛いとか悲しいとか言わないと思いますけどね。 さらにいうならば、辛い過去とか思い出すこととかもいっぱいありますし。 う〜ん。ゼルがズタボロにならないのが不思議。 でも守るものがあると、人は強くなるってことでしょうかね? あはは・・・だから、また意味不明な感想に・・・。 なんか山場になってきたようなので、次回も期待してますよってことなんですよ、つまりはっ!!(違) それではまたv +有川 綺咲+ |
8480 | うふふふふ、、、、、、、(ー▽ー) | amy E-mail | 2002/5/8 23:11:03 |
記事番号8472へのコメント 綺咲さんへ あわわ、、、の顔文字可愛い〜〜〜!!(興奮) 、、、失礼しました。お見苦しい所を、、、、、(ーー;) あんまり顔文字が可愛かったので、つい(理性が!) というわけで(どういう?)、 感想、どうもありがとうございました!! 早速レスさせていただきますね!! > ・・・と・・・とうとう来るんですか、ゼロスがっっ!? > あわわわ・・・ゼルとゼロスが敵同士だし・・・できれば二人が戦うトコなんてみたくないです・・・。(´△`,) とうとうです、とうとう来ます!! 二人が闘うとこ、、、、、、 あります、そういう予定が、、、、す、すみません!(ーー;) で、でもでも! たぶん最後はあんな感じでこんなんが!!(分からんわい) >> 随分前にこの目で見た広範囲呪文の改造版。 >>「エルメキア・ランス!!!」 >> 俺の声と同時に、辺りが青い光で包まれる。 >> 通常ならばこの呪文、青白い矢状の光りが相手に雨のように降り注ぐ呪文 >>だが、以前にコピーレゾが見せた改造版を使ったのだ。 >> すなわち、同じ効力で矢状ではなく広範囲にまんべんなく広がる呪文。 >> 形状を変えることで威力は落ちるが、そこは賢者の石の力でカバーしてい >>る。 >なんかココが複雑な気持ちで読んだトコですネ・・・。 >いや、ゼルもさぞかし複雑だろーなぁと・・・だって「コピーレゾ」で「賢者の石」ですしね。 >レゾばっかり・・・。 はい、そんな感じです。 それに、コピーレゾはレゾに作られた側で、 ゼルと少し立場が似ている気がしたので使ってみました。 >かなり年月がたったこの時代で、数少ない知り合いが敵っていうのは、いったいどんな心境になるんでしょうか。 やっぱり結構辛いかな、、、と。 でもゼル自身はそれを否定しそうだし、 もしかしたら気付いていないかもしれない、、、、 私にはそんなイメージがあります。 >まぁ、ミルガズィアさんは(一応)仲間だし、知り合いっていってもゼロスは魔族だし、なによりゼルは気が強いですから、あんまり辛いとか悲しいとか言わないと思いますけどね。 私もそう思います!気が合いますね!!!(嬉) ゼロスは『魔族』という時点で仲間として見ないつもりなのでしょう。 辛いとか悲しいと言葉に出すことを『弱音』だと判断し、 持ち前のプライドの高さからそれを実行できないと思います。 自分を嘲る形以外では。 >さらにいうならば、辛い過去とか思い出すこととかもいっぱいありますし。 >う〜ん。ゼルがズタボロにならないのが不思議。 >でも守るものがあると、人は強くなるってことでしょうかね? 辛いことが多かったし、昔と違って自分を大切に思っていないので、 誰かを守ることに存在意義と責任を感じると思います。 しかもそれは無意識で、自分がそう思ってることに気付かない。 よしんば気付いたとしてもそれを理屈こねて否定するのでは、と。 >あはは・・・だから、また意味不明な感想に・・・。 >なんか山場になってきたようなので、次回も期待してますよってことなんですよ、つまりはっ!!(違) いえいえ、私のレスの方が意味不明ですよー(笑) 、、、、、笑い事じゃないですね、すみません(ーー;) これからも頑張らせていただきます。 どうか見捨てないでやって下さいねー! ではでは amyより |
8487 | あなたの望みは何ですか? 第三十話 | amy E-mail | 2002/5/10 23:42:35 |
記事番号8461へのコメント ミルガズィアの声で、あれがゼロスの仕業であることを知った。 背筋がうっすらと汗ばむ。 あれが高位魔族の力なのだ。 人間の力では到底及ばないドラゴン達。 それにすら適わない、強力な力。 分かっていたはずなのに、いざその力を目の前にすると緊張した。 ゼロスが現実に俺の敵に回ったことは少ない。 大抵はあいつは傍観者を決め込んでいたし、俺を殺す役割にはいなかっ た。 まあ、ただ単に役割を担っていなかっただけで殺そうと思えばいつでも躊 躇いなく俺を瞬殺しただろう、あいつは。 こうして考えると、俺は随分とあいつを敵対視しきっていなかったのだと 気付く。 あいつのことをリナ達よりは敵対視していただろうが、それにしたって俺 のゼロスに対する認識は甘かった。 どれだけ高位魔族が恐ろしいものか十分過ぎるほどに分かっていたはずな のに、、、、、 それだけあいつは俺達の中に居着いていたのだろう。 人間と魔族。 力の差は歴然であり、互いに相入れることのない存在。 そんなことをつい頭の片隅に追いやってしまうほど。 自分自身にため息をつく。 俺はバカだ。 苦笑しようとした途端に、また遠くで爆音が轟いた。 またしてもこちらまで届く爆風。 それにミルガズィアが咆哮をあげた。 あまりに唐突だったため、俺は耳を防ぐことができずに眉をしかめた。 耳の奥、、、鼓膜がビリビリと震えて痛い。 一体何故突然吠えたのかと驚いてミルガズィアを見上げる。 俺は思わず大きく目を見開いた。 そこには突如出現した黒い円錐型の物体に、大きな肩翼を貫かれたミルガ ズィアの姿があった。 「、、、、、、まあ、これは個人的なものですけど」 瞳を開き、ゼロスはぽつりとこぼす。 その口元は笑いとも怒りともとれない複雑な形をしていた。 先程片付けたドラゴンの群れがいたであろう空。 そこをふよふよと飛びながら、ゼロスは杖を握りしめた。 「、、、、、、これくらい、当然です。 油断していた貴方が悪いんですよ、ミルガズィアさん?」 冷酷な笑みを作ろうとして失敗し、ゼロスは妙な表情をした。 結局、苦笑にとどめる。 気付けば足下の大地にエルフ達が集まり始めていた。 「おやおや、僕もぼうっとしている場合ではないようですね」 くすり笑ってアストラル・サイドへ戻る。 今度の笑みはきちんと成功していた。 続く |
8517 | あなたの望みは何ですか? 第三十一話 | amy E-mail | 2002/5/19 23:14:07 |
記事番号8487へのコメント やがて肩翼を貫いていた黒い円錐形の物体が虚空に解けるようにして消え た。 ミルガズィアの悲鳴じみた咆哮がやみ、辛そうな呻きが聞こえる。 翼からは小さい滝のように勢い良く血が吹き出していた。 急ぎ俺はリカバリィを唱え、その手をミルガズィアの翼に翳す。 丸く大きく開いてしまった穴が、徐々に塞がりだしていた。 金色の翼から流れ出る大量の出血がひどく痛々しい。 これをゼロスがやったのだ。 やっと出血が止まる。 「すまない、、、、」 荒い息をはきながら、不鮮明な発音でミルガズィアが言う。 「いや、構わない、、、」 答えて、俺は翳していた手を引っ込める。 大地にぶちまけられた大量の血液が目に痛い程真っ赤だった。 突然の大量出血で朦朧としているであろう意識を必死に止めようとするミ ルガズィアがひどく弱々しく見えた。 「ミルガズィア、、、、、、」 弱っているミルガズィアに話しかけることは少し悪い気がしたが、そうも 言っていられない。 俺はここでは主力の一つ。 切り札の一つとして保護されているのだ。 今現在、ここで最も脅威となっているのはあのゼロス。 ならば、、、、、 「ゼロスは今、どこにいる?」 足下の大地に群がるエルフ達に、ゼロスは杖を向けた。 途端に杖から鋭い光が放たれ、エルフ達に雷が突き抜ける。 咄嗟に空へ飛んだ者の身体がびくんっと揺れ、そのまま失神して地面に落 ちた。 空へ逃げることの適わなかったエルフ達は黒焦げになってしまっている。 エルフ特有の美しい姿が跡形もない。 ゼロスはゆっくりとその大地に降り立ち、失神したエルフの中の一人に歩 み寄る。 ぶすぶすと音を立てている焦げた死体には目もくれない。 失神しているエルフの頭を、ゼロスは唐突に片手で鷲掴みにした。 そのまま成人男性の身体を片腕で持ち上げる。 エルフがぐっと呻いた。 美しい顔が苦悶の表情をかたどっている。 ゼロスが頭を鷲掴みにしている手に力を込めた。 頭蓋骨がみしみしと嫌な音を立て、それに反応するかのようにエルフが はっきりと目を覚ます。 ますます力を込めたゼロスの握力に、エルフはか細い悲鳴をあげた。 死に対する恐怖がエルフから吹き出し、それをゼロスは心地良さそうに受 けた。 エルフの悲鳴に、他の失神していたエルフ達が気付いて目を覚まし始め た。 目が覚めた途端に目へ飛び込んできた同族の危機に、エルフ達は鋭く反応 する。 だが雷のために身体は痙攣し、口も痺れてまともに動きそうになかった。 立ち上がれない。 呪文を唱えて同族を助けることも出来そうにない。 他のエルフの軍隊は遠くにいる。 ゼロスの笑みが深くなった。 ぎりぎりみしみしと頭蓋骨は圧迫され続けている。 エルフの悲鳴も小さくなりはじめた。 ゼロスがさらに腕を高々と上げ、動けないエルフ達に手に掴んでいるエル フを見える様にする。 ゼロスは冷酷な笑みを浮かべながら、さらに手に力を込めた。 今にも頭蓋骨を握りつぶす勢いで。 その時、声が聞こえた。 「エルメキア・フレイム!」 俺の攻撃を、ゼロスは慌てた様子で手にしていたエルフを放り投げて避け た。 放り投げられたエルフは大地に叩き付けられ、ぐっと呻いて荒い息をは く。 とりあえず生きているようだった。 「ゼルガディス、、、、、さん、、、、、」 驚いているかのような声音で、ゼロスが俺の名を呼んだ。 俺はその声に、放り投げられたエルフからゼロスへと視線を移す。 声と同じように、ゼロスの表情は驚きに満ちていた。 「、、、、、、、、貴方だけ、、、ここに?」 どうやら、ミルガズィアと一緒でなかったことに驚いているらしい。 「、、、、、ケガ人と一緒なわけないだろう」 冷たい声で返すと、ゼロスはひどく決まり悪そうに放り投げたエルフをち らっと見た。 「、、、、、一緒に来ていれば、僕もすぐに貴方の接近に気付いたのに」 苦笑しながら、ゼロスは俯く。 まるで子供のように見えた。 「気付いたら、ここから立ち去ったのに」 「逃げるのか?」 ゼロスの言葉に、俺は言った。 ゼロスは奇妙に顔を歪めて何も言わない。 「ゼロス」 顔を背けようとしたゼロスを呼ぶ。 渋々、ゼロスはこちらを見返した。 「、、、、、、俺が相手をする」 ゼロスの顔が、辛そうに歪んだ。 続く |
8552 | あなたの望みは何ですか? 第三十ニ話 | amy E-mail | 2002/5/28 16:23:47 |
記事番号8517へのコメント 「ラ・ティルトッ!」 呪文なしにラ・ティルトを発動させ、それを俺はゼロスへと放った。 呪文が聞こえなかったことに驚き、ゼロスは慌てた様子で大きく後ろへ 下がる。 賢者の石がなければできない芸当だった。 「ブラム・ガッシュ!ブラム・レイザー!」 続け様に攻撃魔術を呪文なしで発動させる。 賢者の石が手許にあっても、これでは威力が普段以上に上がることはな い。 ただ相手の隙をつきたいだけだった。 今だ驚愕の表情で杖を振り、ゼロスはそれらの攻撃をはじいていく。 俺が呪文なしに魔術を発動させていることが信じられないのだろう。 「アストラル・ヴァイン!」 最後の攻撃をはじいた直後、俺は剣を腰から引き抜いて声をあげた。 刀身が赤く光り、鈍く煌めく。 次の攻撃のために、今度は口の中で呪文を唱えてそのままゼロスの元へと 突進し、剣を振るった。 がきいんっっ!! 鈍い音と共に剣先が止まる。 ゼロスがすんでの所、杖で受け止めたのだ。 お互いの動きが一瞬止まったこの瞬間、俺は力ある言葉を解き放つ。 「ラ・ティルト!!」 威力を増幅されたラ・ティルトがゼロスの身体に直撃する。 青白い光の柱がゼロスを包み込むが、悲鳴は聞こえてこない。 (しまった!) 気付いて無理な体勢から剣を後ろへと薙ぎ振るった。 がぎいいいっっ! 耳障りな音を立てて、ゼロスの杖が俺の剣に阻まれる。 そう、真後ろにゼロスはいた。 空間移動で俺の後ろに回り込み、杖を振るったのである。 先程の悲鳴をあげなかったゼロスは、、、魔族お得意のとかげの尻尾き り。 一つ小さく舌打ちをして、俺はゼロスから飛び退いた。 距離を開け過ぎてもいけない、狭過ぎてもまずい。 いわば中距離とも言える場所まで距離をとって、俺は剣を構え直した。 先程の無理な体勢からの防御で腕の筋を軽く痛めてしまっている。 接近戦に持ち込むつもりではあったが、今は腕の痛みがなくなるまでは遠 慮願いたい。 かといって遠距離では先程のドラゴン達やエルフ達のように強力な呪文で 軽くあしらわれてしまう。 これはこちらが中距離地点から攻撃呪文をくり出すしかない。 「ダイナスト・ブラス!」 判断した瞬間から呪文を発動させ、ゼロスへと命中させる。 そのまま右へと全力疾走した。 どがあああ!! 先程まで俺のいた場所に魔力弾が激突している。 俺はそれをちらりと見遣って、口の中で呪文を唱えた。 続く |
8555 | はわわ―っ | 秋茄 | 2002/5/28 21:25:48 |
記事番号8552へのコメント こんにちわ、amyさん! あぁ、やっぱり戦闘シーンは目が離せません どきどきですよ―っ!「うっ!」とか「はぁっ!」とか 力入っちゃいます(自分誰と戦ってるのさ…) ゼルかっこイイっっv 頭の中で場景を思い浮かべて、 部屋で1人パソコンへ向かい、息を呑んでました 顔がパソコンの光に照らされて、恐いと言われてしまいました(笑) 私、集中して作業とか読み物すると、眉間にしわが寄るんですよね(イヤ―!) > 気付いて無理な体勢から剣を後ろへと薙ぎ振るった。 > がぎいいいっっ! > 耳障りな音を立てて、ゼロスの杖が俺の剣に阻まれる。 > そう、真後ろにゼロスはいた。 ココっ!ここが1番力が入りました あああゼルかっこいい―っっ!!(TワT)/// はっ、なんかいきなり1人で盛り上がっちゃってますね…! 短いですが… ではではっ 秋茄 |
8566 | のわわーっ(笑) | amy E-mail | 2002/6/3 21:26:03 |
記事番号8555へのコメント 秋茄さんへ >こんにちわ、amyさん! こんにちは!!感想、どうもありがとうございました! 久々の感想で何だか嬉しかったです(笑) 最近は皆さん忙しそうですもんね、、、、 >あぁ、やっぱり戦闘シーンは目が離せません >どきどきですよ―っ!「うっ!」とか「はぁっ!」とか >力入っちゃいます(自分誰と戦ってるのさ…) ありがとうございますうう!!! そういう風に思ってもらえると本当に嬉しいです。 自分としては戦闘シーン書くの苦手なんですよー(苦笑) >ゼルかっこイイっっv >頭の中で場景を思い浮かべて、 >部屋で1人パソコンへ向かい、息を呑んでました >顔がパソコンの光に照らされて、恐いと言われてしまいました(笑) >私、集中して作業とか読み物すると、眉間にしわが寄るんですよね(イヤ―!) 私も人の作品で戦闘シーン読んでると眉間にしわ寄りますー! 痛そうなシーンとか「あううう」と痛がったり(笑) >> 気付いて無理な体勢から剣を後ろへと薙ぎ振るった。 >> がぎいいいっっ! >> 耳障りな音を立てて、ゼロスの杖が俺の剣に阻まれる。 >> そう、真後ろにゼロスはいた。 > >ココっ!ここが1番力が入りました >あああゼルかっこいい―っっ!!(TワT)/// ありがとうございますうう!!!! 私もここに力入れて書いてました! 無理な体勢の細かい描写ができない私(泣) いつも感想、本当にありがとうございます。 これからもどうかよろしくお願いしますね。 短いですが、これにて。 ではでは amyより |
8567 | のわわーっ(笑) | amy E-mail | 2002/6/3 21:26:06 |
記事番号8555へのコメント 秋茄さんへ >こんにちわ、amyさん! こんにちは!!感想、どうもありがとうございました! 久々の感想で何だか嬉しかったです(笑) 最近は皆さん忙しそうですもんね、、、、 >あぁ、やっぱり戦闘シーンは目が離せません >どきどきですよ―っ!「うっ!」とか「はぁっ!」とか >力入っちゃいます(自分誰と戦ってるのさ…) ありがとうございますうう!!! そういう風に思ってもらえると本当に嬉しいです。 自分としては戦闘シーン書くの苦手なんですよー(苦笑) >ゼルかっこイイっっv >頭の中で場景を思い浮かべて、 >部屋で1人パソコンへ向かい、息を呑んでました >顔がパソコンの光に照らされて、恐いと言われてしまいました(笑) >私、集中して作業とか読み物すると、眉間にしわが寄るんですよね(イヤ―!) 私も人の作品で戦闘シーン読んでると眉間にしわ寄りますー! 痛そうなシーンとか「あううう」と痛がったり(笑) >> 気付いて無理な体勢から剣を後ろへと薙ぎ振るった。 >> がぎいいいっっ! >> 耳障りな音を立てて、ゼロスの杖が俺の剣に阻まれる。 >> そう、真後ろにゼロスはいた。 > >ココっ!ここが1番力が入りました >あああゼルかっこいい―っっ!!(TワT)/// ありがとうございますうう!!!! 私もここに力入れて書いてました! 無理な体勢の細かい描写ができない私(泣) いつも感想、本当にありがとうございます。 これからもどうかよろしくお願いしますね。 短いですが、これにて。 ではでは amyより |
8572 | あなたの望みは何ですか? 第三十三話 | amy E-mail | 2002/6/7 19:36:09 |
記事番号8552へのコメント 極力声を小さくして呪文を唱えつつ、俺は走って移動し続けた。 まだ上がったままの土煙りの中から蛇が這うような動きで光りがあちらこ ちらへと走る。 じゃっっ!! 奇妙な音を立てて、その光りが走った所が蒸発した。 大地も深くえぐれてうねる蛇の姿に見える。 俺の岩の肌も、この攻撃を食らえばただでは済まないだろう。 素早く、しかしうねうねと不規則に動くその光をギリギリで避けながら、 俺は呪文を完成させた。 「ラ・ティルト!!」 威力増幅版のラ・ティルトをやっと土煙の収まったゼロスの方へと叩き付 ける。 しかしゼロスはこれを予期していたらしく、驚く素振りもせずに空間を移 動した。 それに気付いた俺は急ぎまた新たな呪文を小さな声で唱えながら動き回 る。 一ケ所に留まってはいけない。 そんなことをすればいつどこからゼロスに攻撃されるか分からないから だ。 問題はあいつが上空に出現した場合。 威力が強力な広範囲の攻撃を上空から加えられれば、俺に勝ち目はない。 だが、、、、、、あいつはそうはしないだろう。 あいつは俺に執着している、何故かは分からないが、執着している。 それが好意であれ、嫌悪であれ、執着している以上は俺を一思いにあっさ り殺そうとはしないはずだ。 妙な確信と共に、俺は左右へ視線を走らせた。 ゼロスが出現してくる様子はない。 あちらも俺が呪文なしで攻撃できることを知って警戒を強めたようだ。 仕方なしに、俺は呪文をなお唱えつつ、その場に立ち止まった。 腕の痛みはもうほとんどない。 剣にかけた呪文も弱ってはいるが、杖の攻撃ならばなんとかもつだろう。 しかし辺りはシーンとしたまま何の変化も示さない。 「、、、、うう、、、、」 ふいに、遠くで先程のエルフの呻き声が聞こえた。 俺は思わずそちらへちらりと視線を向け、、、、、 「やっぱり、甘いですよ、、、」 「!」 すぐ耳元で聞こえた声に身体中を緊張させ、俺は咄嗟に右へ跳んだ。 どおおおんんっっっ!!! 同時に大規模な爆発が起こり、俺は横へと吹き飛ばされる。 がんっ!がっ!ざざああああっっっ!! 途中2度岩に身体をぶつけ、その後勢い良く大地を頭からスライディング した俺は、あまりの痛みに顔を歪める。 皮肉なことにこれも岩の肌のおかげか、多少の出血はしているものの、大 したことはなさそうだった。 ケガをしたのは、、、、背中。 剣を嗜む者として、背中にケガに舌打ちをしそうになるが慌ててやめる。 せっかく完成した呪文をふいにする気はなかった。 ゼロスの性格やパターンを想像して、俺はすぐさま立ち上がり、大きく横 へ跳ぶ。 その時ちょうど、先程まで自分のいた所を杖が勢い良く薙いだ。 (見えた!) ついでゼロスの姿を確認し、俺は力ある言葉を解き放つ。 「ラグナ・ブレード!」 「なっ?!」 予想もしていなかったであろう言葉を耳にし、ゼロスは驚きに染まった声 でこちらを凝視する。 その表情がちらりと見えたと同時に、俺は闇の刃を振り下ろしていた。 フィリアはよく、俺の心配をしていたように思う。 ゼロスを始めとする魔族を心底嫌っていた彼女には、ゼロスが俺に執着し ていたことが自然と感じられたのかもしれない。 道で歩く時、ゼロスが俺の隣や後ろに立つたび、フィリアはちらちらとこ ちらを伺っていた。 最初はその視線を俺の身体がそんなに珍しいのかと勝手に思って嫌悪して いた。 ついでそれはゼロスに対する嫌悪の目であって、たまたまそこに俺がいた だけではないかと思った。 フィリアの心配に気付くには、ひどく時間がかかった。 その内に彼女にも人を心配する余裕はなくなり、俯いて歩くようになって いた。 後はひたすらダーク・スターとの戦いへ。 気付いてみればハッピーエンドになっていて、俺達はそれぞれバラけて帰 路についた。 その時、俺はアメリアと戻った。 当然ながら、ゼロスは傍らにいなかった。 自然、フィリアの心配げな視線はなかった。 だから気付くのが遅れた。 フィリアが自分を心配してくれていたのだと気付いたのはあの時。 アメリアと道を別れ、一人になった俺の元へやってきたゼロスのあの言 葉。 「貴方が好きです」 驚愕した。 一体こいつは何を言っているのか? そもそもこれは現実なのか? はてさて、とうとう耳がイカレたか? 「、、、、、、、、」 硬直した俺をみて、ゼロスは無言のまま困ったかのように苦笑した。 その表情はひどく人間臭く、一瞬こいつが魔族であること忘れさせた。 「、、、、、何を言っているんだ?」 やっとの思いで絞り出したその声は、ひどく嗄れていたに違い無い。 ゼロスは苦笑したまま、また繰り返した。 「貴方が好きです」 執着。 まずその言葉が脳裏をよぎった。 ああ、そうか。 こいつは俺に執着心を抱いているのだ。 だから、こう言っている。 しかし、、、、、、 「阿呆らしい」 俺はその言葉を一蹴にきした。 何が「好き」だ。 魔族にそんな人間のような感情があるはずもない。 それはただ単に執着と興味でしかない。 その執着と興味を好意と思い込んでいるだけだ。 そう、思ったから。 「そんなくだらないことを言うために、 わざわざここに出てきたのか? アメリアがいないのを見計らって?」 嘲笑うかのように言うと、ゼロスは苦笑を深くした。 それは図星であると全身で示しているのと同意義だ。 あまりの馬鹿馬鹿しさに目眩にも似た感覚に一瞬だけ襲われる。 深いため息をついた。 そして、、、、、 アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンの日記。 シルフィール=ネルス=ラーダの手記。 これらは発行前に魔導師協会の間での審議がなされた。 ここに書かれていることは皆真実なのか、と。 中でもゼルガディス=グレイワーズとレゾの血縁に関して論議が繰り広げ られた。 あの賢者の直系がゼルガディスという指名手配犯であることもだが、その 賢者が彼をキメラに仕立て、悪事を強要していたことについて最も長く審議 されていた。 レゾに治療され、彼を心から尊敬していた人間がそれに反発した。 かの悪党が賢者たるレゾの直系であるはずがない。 ましてや彼がキメラを作り、悪事を働かせるなどとは言語道断。 どうせキメラの方が姫と巫女の同情をひくためにした作り話にすぎないに 違い無い、と。 当然ながら、アメリアとシルフィールの両名はその発言に激怒した。 あまりの二人の剣幕に、回りの人間が萎縮してしまったのは言うまでもな い。 最後にゼルガディスをこの場に出し、彼の話を聞くという案が出たが却下 された。 彼の行方は当のアメリア達ですら知らないし、本人が公的な場に出るのを 嫌う人種であることは2人から十分に説明されていたからだ。 結局、彼と接触したことのある数少ない人間を可能な限り探し出し、話し を聞くことで場を収めたのだという。 結果は、、、、、事実。 ディルギアという獣人やその他かつてのゼルガディスの部下からの確かな 証言であった。 投獄されていた者からの証言もあり、その証言をした囚人の刑を軽くした らしい。 晴れて、ゼルガディス=グレイワーズの汚名はほぼ返上された。 但し数々の罪悪を実行したことも事実であり、それは揺るぎない真実であ った。 強要されていたとはいえ、彼はそれを実行に移していたのだ。 情状酌量はあるものの、あまりの犯罪数の多さに結局は罪人の称号を挽回 することはできなかった。 アメリアとシルフィールはそれでも彼のことを人々に広め、今の彼を見つ めさせた。 このごたごたのことを、ちょうどその時期に決界の外の世界へと旅立って いた彼は何一つ知らない。 続く |