◆−混沌宮にまつわるいくつかの出来事 3−闇の結晶 改め 紫闇影人 (2002/6/19 17:16:46) No.8611
 ┗初めまして…かな?−璃緒 (2002/8/6 21:54:15) NEW No.8736


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8611混沌宮にまつわるいくつかの出来事 3闇の結晶 改め 紫闇影人 2002/6/19 17:16:46


ふと気になって一週間前にカレーした鍋を開けたら、抗生物質の素が大量発生していてかなりびびったりした今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
こんにちは。闇の結晶、改め紫闇影人と申します。
今回改名させていただきました。今後ともよろしくお願いします(ペこん)
……えー、そういうことで、本編どうぞっ!(前書き続き思いつかなかった・汗)
あ、そうそう、これの前のやつ(1と2)は著者別に登録してありますから、もしよろしければ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

混沌宮にまつわるいくつかの出来事 3

翌日――
「おはよーっ!
さあて、今日のご飯はなっにかなーっ♪」
そう言いつつ、リナが食堂に下りてきたのは、もうかなり日が高く上った後のことだった。
「おはようございます、リナさん」
「おはよう、リナ」
「……ずいぶん遅いわね。
また盗賊いじめでもしてきたの?」
「いいじゃない、これくらい遅くなったって……
って、ちょっと待った!あんた、なんであたしの趣味が「盗賊いぢめ」だって知ってるのよ!?」
そのまま受け流しかけ、驚きの声をあげるリナに、ミシリムはあっさりと,
「自分の二つ名、忘れたわけでもないでしょう?
『ロバーズキラー』の『ドラまた』リナ。リナ=インバースの二つ名としては、結構有名な方だと思うけど?」
言って彼女は肩をすくめる。
「……ああっ!リナ!昨日は妙によく眠れたと思ったら……おまえ、なんか呪文かけてただろ!」
「あ、久しぶりにガウリイが来ないと思ったら,ちゃんと効いてたんだ、スリーピング♪」
「おまえなあ……」
「いいじゃない、どうせほっとけば社会の害悪になるだけの存在なんだし……
それに!あたしやガウリイの生活費は,あたしが盗賊いじめでかっぱらってきたお宝の中から出てるんだからね」
「そうは言うけどな、怪我したりしたらどうするんだよ?」
「だーいじょーぶ、雑魚相手にそんなへましないわよ。
さてと、ご飯ご飯っ♪」
喜々としてメニューを開き,品定めをしはじめるリナに、ガウリイは小さなため息ひとつ。自分もメニューを開く。
「おばちゃーん!あたし、AセットとCセット、それから日替わりメニュー一人前づつね!」
「俺は、AセットからEセットまで、一人前ずつ!」
「あんた達はなんにするの?……って、聞くまでもないか」
リナはゼロスとミシリムに問いかけるが、すぐに気付いて苦笑する。
「僕達は必要ありませんから……」
案の定、ゼロスの方も苦笑で答えた。
「そうは言うけど、前にいっしょに旅してたときはメシ食ってたじゃないか?」
「あれは、人間のフリする必要があったからですよ」
ガウリイののほほんした問いにゼロスがお気楽そうに答える。
そんなどちらかと言えばほのぼのした会話のとなりでは。
「ミシリム、あんたも食事がいらないってことは……あんたも魔族なんじゃないでしょうね?」
「……否定した覚えは無いわよ」
「最初に会った時言ったじゃない、「ゼロスの同類でも友達でも仲間でも、味方でもない」って」
「あたしは獣王配下の魔族じゃないもの。2年前の『あのこと』もあって、魔族の中枢も混乱しててね。それぞれの派閥が、仲がいいとは言いがたいのよ。
……個人的にも、ゼロス嫌いだし。あんなのと同類扱いされるのはごめんだわ」
……食堂の真ん中で魔族がどうのっていう会話を交わしてていいモンなんでしょうか?
まあ確かに他の客は食事に夢中で気付いてないが……
そんなこんなを話しているうちに、リナ・ガウリイが注文した朝食が運ばれてきた。
それと同時に、ゼロスはふたりから距離を取る。
不思議そうな顔をするミシリムに、ゼロスは、
「ミシリムさんも離れておいた方がいいですよ。ヒドイ目に会いますから」
……ミシリムは、運ばれてきた朝食が全てテーブルに並んでも、その忠告に従わなかった。

そして――戦いは始まった。

戦い終わって。
「あー、おいしかったっ!」
「ほんとだよなー、とくに付け合せのサラダスパゲッティの味付けは良かったよなー」
食後の紅茶など飲みつつ、ほのぼのなごむ二人に対し。
「……こっちはヒドイ目に遭ったわよ……」
「大丈夫ですか?ミシリムさん?」
ゼロスはかなり苦笑気味。ミシリムは明らかに怒っている。
彼女の頬からは、つうっ、と一筋血が流れだしていた。
先ほどの争いの余波でフォークが刺さったのだ。
「べつにそのくらいの怪我、わざわざ血ィ流して見せること無いでしょうに。
どうせ物理攻撃無効でしょ?」
「……………………
……まあいいけど」
ミシリムは何かを言いかけるが、不服そうに投げ捨てた。
「さて……じゃ、食事も終わったことだし行きましょうか?」
「――――どこに?」
勢いつけて立ち上がろうとしていたリナは、ガウリイに出鼻をくじかれる。
勢いそのまま、転びかけ――ようやく気付く。
「……そう言えば、どこに行って誰に会うのかぜんぜん聞いてなかったわね」
なんとか立ち直り、椅子に座りなおしてすぐのリナの一言が、これだった。
「あれ?言ってませんでしたっけ?」
「聞いてないわよ。全部で八人、ててことは最終目的地の遺跡とやらに行くまでにもまだ他の人間拾ったりするんじゃないの?」
こくん、と首を傾げるゼロスを、りなはかるくにらむ。
「……じゃあ、一応説明しておいたら?」
そう言ってミシリムはテーブルに地図を広げる。
「……んなもんいつの間にどこから出したのよ」
「そんな細かいこといちいち気にしてたら人生やってけないわよ」
「どこからとも無く地図が出てくるのは細かいことなのか?」
「…………」
ガウリイの一言に、ミシリムはぶぜんと黙り込んだ。

「それじゃあ、一応これからの予定をお話しておきましょうか。
今、僕達は大体このあたりにいるわけですよね」
言ってゼロスが指差したところに、赤い点が浮かび上がる。
「これから、エルメキア帝国南部、「滅びの砂漠」との境目あたりに向かいます。
このあたりには最近正体不明の遺跡が数多く発見されているそうで、その遺跡を調べにどうやらゼルガディスさんが向かったようなんです」
言いながら、ゼロスの指が地図を滑る。それを追って、赤い曲線が地図上に現れた。
「エルメキアでゼルガディスさんを拾ったら、次はセイルーンに向かいます。
ここでアメリアさんを拾うのと……セイルーンは最近『外の世界』と交易を始めていて、そちらへ向かう船なんかも出てるんですよ。最終目的地である遺跡は『外の世界』の方にありますから、ここで船に乗ることになります」
「……うーん……」
続くゼロスの説明に、なぜかガウリイがうなり声をあげる。
「どうかしました?」
「いや、アメリアって一応王族だろ?仕事とか色々あるんだろうし……
連れ出すのはちょっと難しいんじゃないか?」
一応かい。ガウリイ。
珍しくまともな意見を言うガウリイに、しかしゼロスは、
「ま、いざとなればゼルガディスさんを楯に取るって手もありますし」
「人質まがいのことすると『あの御方』に怒られるんじゃないの?」
「うっ…………」
ミシリムの冷たい一言に、さすがに顔を青くするゼロス。
「まあ、ついたときにどうするか考えるしかないわよ。
もしかしたらそういうこと考えなくて済むかもしれないし」
「……どう言うこと?」
訝しげに聞くリナに、ミシリムは、
「とある所で、ちょっとしたうわさを聞いてね。
”ゼルガディス=グレイワーズが、セイルーンのアメリア王女を誘拐して逃げた”って」
ぶはっ!
盛大に吹き出す一同。
「ずいぶん大袈裟ね、その反応は……」
半ば呆れ顔のミシリム。
「元とはいえ裏の世界の人間が一国の王女さらったりしたらふつうかなり驚くと思うんですが……」
「それはあんたが人間の価値観に染まりすぎてるだけでしょ。
それはともかく、これからの予定の続きだけど。
外の世界に出たあと、一度セルロードスシティってところに向かうわ。
そこで、黄金竜と古代竜を計2匹拾ったら、大陸中央部、「閉ざされた山脈」って呼ばれているところへ。そこに最終目的地の遺跡があるはずよ」
「あ、ああそお…………
…………………………………
………………って、へっ!?」
いまだゼルとアメリアの話のショックから抜けきっていなかったため、気付くのが数秒遅れたらしいリナ。
「何?」
「……いやあの、今ツッコミどころがかなり複数あった気がするんだけど……とりあえず順番に。
黄金竜と古代竜の二人組みって……もしかしてフィリアとヴァルガーヴ?」
「……その通りです……」
かなり不服そうに答えるゼロス。
「……ずいぶん機嫌が悪そうね」
「当たり前じゃあないですかっ!なんで僕がまたあんな人達と旅しなきゃあならないんですっ!?」
「上の命令だから。ついでに人じゃないし」
「……………………………ミシリムさん、冷たいです……………………………」
ゼロスは、すごく寂しそうにつぶやいた。
「それはともかくとして……ヴァルガーヴってまだ卵のはずでしょ?連れて来れるの?」
「それなんですけど……
あのお方が、おもしろ半分に孵してしまったらしくて……」
ゼロスはなんだかなさけない顔をする。
「……おもしろ半分って…………?」
つぶやくミシリム。
だが、ゼロスはきっちりそれを無視した。
「リナさん、他に質問は――」
「あたしも気になるんだけど。その「おもしろ半分」っての」
「他に質問がないようなら、そろそろ出発――」
ゼロス、なおも無視。だが、そのほおに一筋冷や汗が流れているのをリナは見てとった。
「だから、その「おもしろ半分」ってのはいったい何?」
「じゃ、じゃあ、僕レジで会計してきますね」
言って伝票片手に逃げようとするゼロスの首根っこを、リナははしっと捕まえる。
「なんで無視するのよっ!?」
「なんで無視させてくれないんですっ!?」
「たかだか質問に答える程度でしょうがっ!」
「リナさんはなんにも知らないからそんなことが言えるんですよぉぉっ!」
机に突っ伏して泣くまねなどしつつ(マジで泣いてる可能性はあるが)なんとか追求から逃れようとするゼロス。
ミシリムが、ふう、とひとつため息をついた。
「………その辺で止めておいたら?
あたしも気になるのは確かだけど、その様子じゃあゼロスは絶対に口を割らないでしょうし、それならこんな問答してるだけ時間の無駄よ」
ゼロスの襟首つかんで引っ張りながら、リナが反論しようとする。
「そりゃそうかもしれないけど………」
「…………その鬱陶しい問答止めるならここの勘定含めて10日分毎食おごるわよ」
「わかったやめる。」
しゅたっ、とか音がしそうな勢いで奇麗に元に戻るリナ。
めまいでもするのか、ミシリムがうめいて頭を押さえた。
「……そ…それで……本当にもう質問は無いですよね?リナさん」
何とか復活し,おずおずと聞くゼロス。
「あ、あともう一つ。
遺跡に連れて行くのは全部で8人でしょ?
でも、今から拾う予定があるのはゼルにアメリア、フィリア、ヴァルガーヴ。
これにあたしとガウリイ足しても6人じゃない。
後の二人はどうしたの?まさか、そっちは別口で遺跡に向かってるとか?」
そのリナの一言に、ゼロスとミシリムは顔を見合わせた。
ひょい、とミシリムが肩をすくめる。
「……ああ、あたし達よ。あたしとゼロス」
「……………………へ?」
リナが,呆けたような声をあげた。
「何妙な声出してんのよ。ここにいるのも4人、これから拾うのも四人で合計8人でしょ。何か間違いでもある?」
アイスティー(いつの間に出てきた)など飲みながら、ミシリムは冷たく言い放つ。
「いや……そうじゃなくて……
…………あんたも?」
リナは随分とうろたえたようす。
ミシリムはそれに顔をしかめた。
「……理由なんてこっちが聞きたいぐらいよ。
ゼロスの言う『呼び出されるような心当たり』には何一つかかわってないし、あたしはそもそも「金色の魔王」様の目にとまるようなことをした覚えもないわ。
そもそもあたしはあのお方に会えるほど位が高くないもの」
その答えにリナはゼロスに視線を移すが……ゼロスも困ったように首を傾げただけ。
リナが考え込む姿勢に入ったのを見て、ミシリムがわざとらしいため息を吐いた。
「……考えてても仕方がないわよ。
とりあえず出発しましょう。とりあえずの目的地、『滅びの砂漠』へ」
「…………そうね」
とりあえず頷いて、リナは一応立ちあがった。


ミシリムに対する、今までとは違う疑念を胸に。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
後書き(かもしれないもの)
湿度が多いのをいいことに、なぜか風呂場にナメクジまで発生していたりする今日この頃、皆さんいかが御過ごしでしょうか?
こんにちは。紫闇影人と申します。
お送りしました「混沌宮にまつわるいくつかの出来事」第3話、いかがでしたでしょうか。へぼ駄文は承知の上。読んで頂けただけでも有り難く存じます……
L「……こらっ!」
あ、L様。どうしたんです?
L「どうしたんですじゃないでしょー……あんたね、あんな硬い挨拶じゃあ来ないもんも来ないわよ?」
…………それはレスのことでしょうか?しかも暗に「挨拶普通でもこない」と言われた気が……
でも珍しいですね。どうして私なぞのレスの心配してくださるんです?
L「あんたレスないと明らかに執筆速度遅れるでしょ……ただでさえこんななのに、これじゃああんたあたしが出てくるところまで書く前に失速するでしょうがっ!」
なるほど。つまり「出せ」と。
相変わらず出番確保にはあさまし  ぼぐっ。
L「……なんか言った?」
いえなんでも。

それでは、ここまで読んでくださった皆様どうもありがとうございました。

紫闇影人でした。





L「さ、とっとと次書きなさいね?」
あの、テストがあるんで……なんでもないです。

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8736初めまして…かな?璃緒 E-mail 2002/8/6 21:54:15
記事番号8611へのコメント

さきほど紫闇さんのHPに行って参りました、璃緒(りお)と申します♪
よろしくお願いします♪
>
>ふと気になって一週間前にカレーした鍋を開けたら、抗生物質の素が大量発生していてかなりびびったりした今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
抗生物質…もしやそれはペニシリン!?
かびですか…。
そういやこの間似たようなことがうちでも…(マテ)
>こんにちは。闇の結晶、改め紫闇影人と申します。
>今回改名させていただきました。今後ともよろしくお願いします(ペこん)
こんにちはです♪こちらこそよろしくです♪
(L様:初対面じゃないの…?)
……。細かい事は気にしない主義ですので。
>……えー、そういうことで、本編どうぞっ!(前書き続き思いつかなかった・汗)
>あ、そうそう、これの前のやつ(1と2)は著者別に登録してありますから、もしよろしければ。
はい♪
・………。
読んできました♪
>――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
>
>混沌宮にまつわるいくつかの出来事 3
>
>翌日――
>「おはよーっ!
>さあて、今日のご飯はなっにかなーっ♪」
>そう言いつつ、リナが食堂に下りてきたのは、もうかなり日が高く上った後のことだった。
>「おはようございます、リナさん」
>「おはよう、リナ」
>「……ずいぶん遅いわね。
>また盗賊いじめでもしてきたの?」
>「いいじゃない、これくらい遅くなったって……
>って、ちょっと待った!あんた、なんであたしの趣味が「盗賊いぢめ」だって知ってるのよ!?」
>そのまま受け流しかけ、驚きの声をあげるリナに、ミシリムはあっさりと,
>「自分の二つ名、忘れたわけでもないでしょう?
>『ロバーズキラー』の『ドラまた』リナ。リナ=インバースの二つ名としては、結構有名な方だと思うけど?」
うんうん。有名すぎるぐらい有名だね!
>言って彼女は肩をすくめる。
>「……ああっ!リナ!昨日は妙によく眠れたと思ったら……おまえ、なんか呪文かけてただろ!」
>「あ、久しぶりにガウリイが来ないと思ったら,ちゃんと効いてたんだ、スリーピング♪」
さすがリナ…。
>「おまえなあ……」
>「いいじゃない、どうせほっとけば社会の害悪になるだけの存在なんだし……
>それに!あたしやガウリイの生活費は,あたしが盗賊いじめでかっぱらってきたお宝の中から出てるんだからね」
>「そうは言うけどな、怪我したりしたらどうするんだよ?」
いや〜、がうりいくん心配性だなあ〜♪
>「だーいじょーぶ、雑魚相手にそんなへましないわよ。
>さてと、ご飯ご飯っ♪」
>喜々としてメニューを開き,品定めをしはじめるリナに、ガウリイは小さなため息ひとつ。自分もメニューを開く。
>「おばちゃーん!あたし、AセットとCセット、それから日替わりメニュー一人前づつね!」
>「俺は、AセットからEセットまで、一人前ずつ!」
>「あんた達はなんにするの?……って、聞くまでもないか」
>リナはゼロスとミシリムに問いかけるが、すぐに気付いて苦笑する。
>「僕達は必要ありませんから……」
>案の定、ゼロスの方も苦笑で答えた。
>「そうは言うけど、前にいっしょに旅してたときはメシ食ってたじゃないか?」
>「あれは、人間のフリする必要があったからですよ」
>ガウリイののほほんした問いにゼロスがお気楽そうに答える。
>そんなどちらかと言えばほのぼのした会話のとなりでは。
>「ミシリム、あんたも食事がいらないってことは……あんたも魔族なんじゃないでしょうね?」
>「……否定した覚えは無いわよ」
>「最初に会った時言ったじゃない、「ゼロスの同類でも友達でも仲間でも、味方でもない」って」
>「あたしは獣王配下の魔族じゃないもの。2年前の『あのこと』もあって、魔族の中枢も混乱しててね。それぞれの派閥が、仲がいいとは言いがたいのよ。
>……個人的にも、ゼロス嫌いだし。あんなのと同類扱いされるのはごめんだわ」
うみゅ。ゼロスと同類って言われて喜ぶやつはそうそういないと思ふ。
>……食堂の真ん中で魔族がどうのっていう会話を交わしてていいモンなんでしょうか?
細かい事は気にしな〜い(細かいのか?)
>まあ確かに他の客は食事に夢中で気付いてないが……
>そんなこんなを話しているうちに、リナ・ガウリイが注文した朝食が運ばれてきた。
>それと同時に、ゼロスはふたりから距離を取る。
>不思議そうな顔をするミシリムに、ゼロスは、
>「ミシリムさんも離れておいた方がいいですよ。ヒドイ目に会いますから」
>……ミシリムは、運ばれてきた朝食が全てテーブルに並んでも、その忠告に従わなかった。
あ〜あ。
>
>そして――戦いは始まった。
>
>戦い終わって。
>「あー、おいしかったっ!」
>「ほんとだよなー、とくに付け合せのサラダスパゲッティの味付けは良かったよなー」
>食後の紅茶など飲みつつ、ほのぼのなごむ二人に対し。
>「……こっちはヒドイ目に遭ったわよ……」
>「大丈夫ですか?ミシリムさん?」
>ゼロスはかなり苦笑気味。ミシリムは明らかに怒っている。
>彼女の頬からは、つうっ、と一筋血が流れだしていた。
>先ほどの争いの余波でフォークが刺さったのだ。
>「べつにそのくらいの怪我、わざわざ血ィ流して見せること無いでしょうに。
>どうせ物理攻撃無効でしょ?」
>「……………………
>……まあいいけど」
>ミシリムは何かを言いかけるが、不服そうに投げ捨てた。
>「さて……じゃ、食事も終わったことだし行きましょうか?」
>「――――どこに?」
>勢いつけて立ち上がろうとしていたリナは、ガウリイに出鼻をくじかれる。
>勢いそのまま、転びかけ――ようやく気付く。
>「……そう言えば、どこに行って誰に会うのかぜんぜん聞いてなかったわね」
>なんとか立ち直り、椅子に座りなおしてすぐのリナの一言が、これだった。
>「あれ?言ってませんでしたっけ?」
>「聞いてないわよ。全部で八人、ててことは最終目的地の遺跡とやらに行くまでにもまだ他の人間拾ったりするんじゃないの?」
>こくん、と首を傾げるゼロスを、りなはかるくにらむ。
>「……じゃあ、一応説明しておいたら?」
>そう言ってミシリムはテーブルに地図を広げる。
>「……んなもんいつの間にどこから出したのよ」
>「そんな細かいこといちいち気にしてたら人生やってけないわよ」
>「どこからとも無く地図が出てくるのは細かいことなのか?」
>「…………」
>ガウリイの一言に、ミシリムはぶぜんと黙り込んだ。
大丈夫!!そんなの細かいことだよ!!ミシリム!!
>
>「それじゃあ、一応これからの予定をお話しておきましょうか。
>今、僕達は大体このあたりにいるわけですよね」
>言ってゼロスが指差したところに、赤い点が浮かび上がる。
>「これから、エルメキア帝国南部、「滅びの砂漠」との境目あたりに向かいます。
>このあたりには最近正体不明の遺跡が数多く発見されているそうで、その遺跡を調べにどうやらゼルガディスさんが向かったようなんです」
>言いながら、ゼロスの指が地図を滑る。それを追って、赤い曲線が地図上に現れた。
>「エルメキアでゼルガディスさんを拾ったら、次はセイルーンに向かいます。
>ここでアメリアさんを拾うのと……セイルーンは最近『外の世界』と交易を始めていて、そちらへ向かう船なんかも出てるんですよ。最終目的地である遺跡は『外の世界』の方にありますから、ここで船に乗ることになります」
>「……うーん……」
>続くゼロスの説明に、なぜかガウリイがうなり声をあげる。
>「どうかしました?」
>「いや、アメリアって一応王族だろ?仕事とか色々あるんだろうし……
>連れ出すのはちょっと難しいんじゃないか?」
>一応かい。ガウリイ。
一応一応♪アメリアだもんね♪
>珍しくまともな意見を言うガウリイに、しかしゼロスは、
>「ま、いざとなればゼルガディスさんを楯に取るって手もありますし」
>「人質まがいのことすると『あの御方』に怒られるんじゃないの?」
あの御方…?もしや…?
>「うっ…………」
>ミシリムの冷たい一言に、さすがに顔を青くするゼロス。
>「まあ、ついたときにどうするか考えるしかないわよ。
>もしかしたらそういうこと考えなくて済むかもしれないし」
>「……どう言うこと?」
>訝しげに聞くリナに、ミシリムは、
>「とある所で、ちょっとしたうわさを聞いてね。
>”ゼルガディス=グレイワーズが、セイルーンのアメリア王女を誘拐して逃げた”って」
うわお♪さすがゼルちゃん(はあと)
>ぶはっ!
>盛大に吹き出す一同。
>「ずいぶん大袈裟ね、その反応は……」
>半ば呆れ顔のミシリム。
>「元とはいえ裏の世界の人間が一国の王女さらったりしたらふつうかなり驚くと思うんですが……」
>「それはあんたが人間の価値観に染まりすぎてるだけでしょ。
>それはともかく、これからの予定の続きだけど。
>外の世界に出たあと、一度セルロードスシティってところに向かうわ。
>そこで、黄金竜と古代竜を計2匹拾ったら、大陸中央部、「閉ざされた山脈」って呼ばれているところへ。そこに最終目的地の遺跡があるはずよ」
>「あ、ああそお…………
>…………………………………
>………………って、へっ!?」
>いまだゼルとアメリアの話のショックから抜けきっていなかったため、気付くのが数秒遅れたらしいリナ。
>「何?」
>「……いやあの、今ツッコミどころがかなり複数あった気がするんだけど……とりあえず順番に。
>黄金竜と古代竜の二人組みって……もしかしてフィリアとヴァルガーヴ?」
>「……その通りです……」
>かなり不服そうに答えるゼロス。
>「……ずいぶん機嫌が悪そうね」
>「当たり前じゃあないですかっ!なんで僕がまたあんな人達と旅しなきゃあならないんですっ!?」
>「上の命令だから。ついでに人じゃないし」
>「……………………………ミシリムさん、冷たいです……………………………」
>ゼロスは、すごく寂しそうにつぶやいた。
>「それはともかくとして……ヴァルガーヴってまだ卵のはずでしょ?連れて来れるの?」
>「それなんですけど……
>あのお方が、おもしろ半分に孵してしまったらしくて……」
>ゼロスはなんだかなさけない顔をする。
>「……おもしろ半分って…………?」
>つぶやくミシリム。
>だが、ゼロスはきっちりそれを無視した。
>「リナさん、他に質問は――」
>「あたしも気になるんだけど。その「おもしろ半分」っての」
私も私も〜♪
>「他に質問がないようなら、そろそろ出発――」
>ゼロス、なおも無視。だが、そのほおに一筋冷や汗が流れているのをリナは見てとった。
>「だから、その「おもしろ半分」ってのはいったい何?」
>「じゃ、じゃあ、僕レジで会計してきますね」
>言って伝票片手に逃げようとするゼロスの首根っこを、リナははしっと捕まえる。
>「なんで無視するのよっ!?」
>「なんで無視させてくれないんですっ!?」
>「たかだか質問に答える程度でしょうがっ!」
>「リナさんはなんにも知らないからそんなことが言えるんですよぉぉっ!」
>机に突っ伏して泣くまねなどしつつ(マジで泣いてる可能性はあるが)なんとか追求から逃れようとするゼロス。
>ミシリムが、ふう、とひとつため息をついた。
>「………その辺で止めておいたら?
>あたしも気になるのは確かだけど、その様子じゃあゼロスは絶対に口を割らないでしょうし、それならこんな問答してるだけ時間の無駄よ」
>ゼロスの襟首つかんで引っ張りながら、リナが反論しようとする。
>「そりゃそうかもしれないけど………」
>「…………その鬱陶しい問答止めるならここの勘定含めて10日分毎食おごるわよ」
>「わかったやめる。」
>しゅたっ、とか音がしそうな勢いで奇麗に元に戻るリナ。
うあ。さすがリナ。
>めまいでもするのか、ミシリムがうめいて頭を押さえた。
>「……そ…それで……本当にもう質問は無いですよね?リナさん」
>何とか復活し,おずおずと聞くゼロス。
>「あ、あともう一つ。
>遺跡に連れて行くのは全部で8人でしょ?
>でも、今から拾う予定があるのはゼルにアメリア、フィリア、ヴァルガーヴ。
>これにあたしとガウリイ足しても6人じゃない。
>後の二人はどうしたの?まさか、そっちは別口で遺跡に向かってるとか?」
>そのリナの一言に、ゼロスとミシリムは顔を見合わせた。
>ひょい、とミシリムが肩をすくめる。
>「……ああ、あたし達よ。あたしとゼロス」
>「……………………へ?」
>リナが,呆けたような声をあげた。
>「何妙な声出してんのよ。ここにいるのも4人、これから拾うのも四人で合計8人でしょ。何か間違いでもある?」
>アイスティー(いつの間に出てきた)など飲みながら、ミシリムは冷たく言い放つ。
>「いや……そうじゃなくて……
>…………あんたも?」
>リナは随分とうろたえたようす。
>ミシリムはそれに顔をしかめた。
>「……理由なんてこっちが聞きたいぐらいよ。
>ゼロスの言う『呼び出されるような心当たり』には何一つかかわってないし、あたしはそもそも「金色の魔王」様の目にとまるようなことをした覚えもないわ。
>そもそもあたしはあのお方に会えるほど位が高くないもの」
>その答えにリナはゼロスに視線を移すが……ゼロスも困ったように首を傾げただけ。
>リナが考え込む姿勢に入ったのを見て、ミシリムがわざとらしいため息を吐いた。
>「……考えてても仕方がないわよ。
>とりあえず出発しましょう。とりあえずの目的地、『滅びの砂漠』へ」
>「…………そうね」
>とりあえず頷いて、リナは一応立ちあがった。
>
>
>ミシリムに対する、今までとは違う疑念を胸に。
>
>
>―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
>後書き(かもしれないもの)
>湿度が多いのをいいことに、なぜか風呂場にナメクジまで発生していたりする今日この頃、皆さんいかが御過ごしでしょうか?
ナメクジといえばリナちゃんですな♪
(いやああああああああああっ!!!その名を口にしないでええええええええっ!)
…どこからか聞こえてくる声はもちろん無視♪
>こんにちは。紫闇影人と申します。
ども、こんにちは。璃緒です。
>お送りしました「混沌宮にまつわるいくつかの出来事」第3話、いかがでしたでしょうか。へぼ駄文は承知の上。読んで頂けただけでも有り難く存じます……
へぼだなんてとんでもないですよっ♪おもしろかったですよ〜(はあと)
>L「……こらっ!」
>あ、L様。どうしたんです?
きゃああああっ!!L様だっ(はあと)
>L「どうしたんですじゃないでしょー……あんたね、あんな硬い挨拶じゃあ来ないもんも来ないわよ?」
>…………それはレスのことでしょうか?しかも暗に「挨拶普通でもこない」と言われた気が……
>でも珍しいですね。どうして私なぞのレスの心配してくださるんです?
>L「あんたレスないと明らかに執筆速度遅れるでしょ……ただでさえこんななのに、これじゃああんたあたしが出てくるところまで書く前に失速するでしょうがっ!」
ああっ!失速しないでくださいっ!ここにも待っている人(?)はいますのでっ!
>なるほど。つまり「出せ」と。
L様〜〜(はあと)出しちゃってください♪
>相変わらず出番確保にはあさまし  ぼぐっ。
>L「……なんか言った?」
>いえなんでも。
>
>それでは、ここまで読んでくださった皆様どうもありがとうございました。
>
>紫闇影人でした。
>
>
>
>
>
>L「さ、とっとと次書きなさいね?」
>あの、テストがあるんで……なんでもないです。

璃緒:おもしろかったです〜♪
L様:璃緒…あんたお仕事さぼってなにやってんのかな〜(はあと)
璃緒:ああっ!L様!
L様:お仕置きね(はあと)
璃緒:ええっ!!そもそもL様がさぼるから私にまわって…
L様:うっ!!!…ま…まあ、それはともかく…
璃緒:後回しにしないでくださいっ!!これだから直属の私が苦労するんですよ…
   (魔族掲示板参照)
L様:な…なにはともあれまた今度っ!!
璃緒:L様〜!逃げないでくださいいいいいっ!!(泣)