◆−五大魔族と五人の部下達in神魔戦争プロローグ−東琥珀 (2002/6/29 14:45:48) No.8641
 ┣第一話:部下管理法−東琥珀 (2002/6/29 16:03:03) No.8642
 ┣第二話:頑張れ冥王将軍−東琥珀 (2002/7/2 19:27:08) No.8652
 ┣第三話:フィブリズ受難−東琥珀 (2002/7/6 12:26:25) No.8662
 ┣第四話:トラブルメーカー−東琥珀 (2002/7/13 19:19:13) No.8692
 ┣第五話:紅玉の瞳−東琥珀 (2002/7/13 20:08:39) No.8693
 ┣第六話:神へも物は申しがら−東琥珀 (2002/7/21 07:21:47) No.8702
 ┣第七話:紅い闇・漆黒の炎−東琥珀 (2002/7/22 21:07:01) No.8706
 ┣第八話:悪夢−東琥珀 (2002/7/25 16:49:09) No.8716
 ┣第九話:日は無邪気な昼の王。−東琥珀 (2002/8/2 15:21:46) No.8728
 ┃┗これが、お気に入り。−ユア・ファンティン (2002/8/2 20:15:24) No.8730
 ┃ ┗それは、どうも。−東琥珀 (2002/8/5 13:57:33) No.8735
 ┣第十話:月は無慈悲な夜の王。−東琥珀 (2002/8/2 16:17:09) No.8729
 ┣第十一話:神族強襲!−東琥珀 (2002/8/7 15:21:27) No.8738
 ┃┗貴方は、誰かのお母様。−ユア・ファンティン (2002/8/8 21:45:37) No.8739
 ┃ ┗毎度すまぬ。(何様)−東琥珀 (2002/8/9 12:33:28) No.8742
 ┣第十二話:死神−東琥珀 (2002/8/10 14:05:39) NEW No.8747
 ┃┗ナンバ-13、メイザ―ズ−ユア・ファンティン (2002/8/10 19:59:45) NEW No.8749
 ┃ ┗そっか。成程。(納得)−東琥珀 (2002/8/12 13:35:06) NEW No.8756
 ┃  ┗Re:うぉい。(ツッコミ)−ユア・ファンティン (2002/8/12 21:20:05) NEW No.8759
 ┣第十三話:勝利条件。−東琥珀 (2002/8/12 14:27:13) NEW No.8757
 ┗第十四話:水の将軍−東琥珀 (2002/8/12 16:52:19) NEW No.8758
  ┣おるえん…っ…−璃緒 (2002/8/12 21:34:17) NEW No.8760
  ┃┗しくしく。−東琥珀 (2002/8/13 10:05:26) NEW No.8763
  ┗はじめまして、そして水の将軍さんの冥福をお祈りいたします。−猫楽者 (2002/8/13 00:03:57) NEW No.8762


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8641五大魔族と五人の部下達in神魔戦争プロローグ東琥珀 E-mail 2002/6/29 14:45:48


注・これは『第一部』『五大魔族と五人の部下達人間界漫遊記の続きです。
  それを読んだ事が無いと言うヒトは、まずそちらから読む事をお薦めします。(過去ログに………)



遠い昔。

魔族と神族の、この世界の覇権を賭けた大きな争いがあった。

この戦争の被害は魔族や神族の中だけに留まらなかった。

色々な生命が塵と化し、沢山の哀しみが生まれた。

…………皆は解っているだろうか?

大切なものをなくしたのは…自分たちだけではない。

『命あるもの』『生きとし生けるもの』だけではない。

『魔族』と呼ばれる存在も………

恐れられ、憎まれた存在も………

色々大切なものを失ったはず………

『誰かが死ぬということは誰かが悲しむという事』

この絶対の真理は共通のものであるはず………

……………まぁ、人道主義者でも平和主義者でもない私がこのような事を語ろうと何の説得力も無いし………

カタい話はここまでにして………始めよう。

…………………………神魔戦争………………………

全ての哀しみの幕は意外とあっさり開くもので…………

『魔族』の最高幹部たちが、いつもの様に存在していた時………

ほぼ『偶然』ともとれる形で幕開けた。

……………………………………………………………………偶然?

いや………………………………………………………………?

これは果たして『偶然』か?

それとも『運命』か『必然』か?


ただ解っていることは。

その幕を開けた者達は………

自分が幕を開いたということさえ………

全く気付いてはいないと言う事か……………

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8642第一話:部下管理法東琥珀 E-mail 2002/6/29 16:03:03
記事番号8641へのコメント

作:…何回も言わせて頂きますが………
  これは『五大魔族と五人の部下達人間界漫遊記』の続きです。
冥:この話オリジナルキャラとか設定とか多いからね………
  もし『人間界漫遊記』読んでないと言う方がいたら………
  そっち読んでからの方が絶対わかりやすいので。
  過去ログチェックぷりぃず。
作:できるだけ読んでない方も解る様に努力はするつもりですがね。
  『二十人が何故人間界にいるのか』とか………
  『何故人間の躰になっちゃってるのか』とか………
  絶対『漫遊』読んでからこっち読んだ方がわかりやすいです。
冥:あんまり作中で説明入れたら、『漫遊』読んで下さった人にとっては
  かなりウザい文章になっちゃうからねー………
作:なんか今回ほぼ『設定編』みたいになっちゃったし………
冥:じゃあ…とりあえず…始めようか。

☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°・:*:・゜'★.。・:*:・゜'☆♪

世の中…『事実は小説よりも奇なり』という言葉があるが………
この場合コレは小説だからその言葉は当てはまらない。
………そう………この場合…………
『小説だろーとおとぎ話だろーと現実だろーと普通は有るはずの無い事が起こった』と言うべきか。
『神魔戦争』と呼ばれる闘いの中。
魔族の上層部の一部が、精神世界から完全に閉め出されたのである。
『一ヶ月経ったら魔族に戻してあげますから其れまで頑張って下さい』という
上司兼父親の無責任な言葉に怒りを募らせたのもつかの間。
『なっちまったもんは仕方ないから一ヶ月とりあえず生き延びよー』というワケで
それぞれの心にそれぞれの思いを抱き、一ヶ月を過ごした時。
五人の腹心と、そのそれぞれの部下五人の前に、
閉め出されずに精神世界に残った十人の神官将軍が現れた………
………ああ私ってば状況説明とっても苦手。

「フィブリゾ様フィブリゾ様御無事で何よりぃぃぃ」
「ダディ、ウルドね、とってもさみしかったのぉぉ」
冥王を抱き締め、離さない冥王将軍スクルドに冥王神官ウルド。
冥王が白目向いて血の泡吐いていたりするが………
………スクルド、力強すぎ。
『御無事で何より』と思うならまずその手を放せ。何よりも先に。
残りの四人は潮時を察して引き上げている。
「ヴェルダンディー、大丈夫だった?」
「貴女にしてはよくやった方ですねv」
「よくやったヴェルダンディー、見事冥王様をお守りしたのだな」
「はい、おかげさまで」
冥王と共に人間界を巡った同僚、冥王将軍ヴェルダンディーにねぎらいの言葉を掛ける。
ちなみに上から冥王神官ガイア、冥王将軍エイル、冥王神官アテネ。
嗚呼冥王創りすぎ。
こっちは割とフレンドリィに治まりそうである。冥王以外。
…………お…………
それに引き替え海王軍は…………?
「…………何よぉ」
「…………何だよ」
「…………貴女達、いい加減になさいな」
「いいえっ!」
びしっ、と同僚を指さす海王将軍オルエン。
「こいつは、私が直々に海王様から賜った物を奪おうとしたのです!許す事などできませんっ!!」
「だってズルいわよぉっ!私だって毎日海王様のために頑張ってるのにぃ!
ねぇ、ちょーだいちょーだいオルゴールちょーだいっっ!!!!」
オルエンが人間界で海王に貰ったオルゴールを巡って喧嘩してるらしい。
きゃーぴー騒ぐ海王神官リノアン。
「やかましい!そう簡単にやれるか馬鹿者っ!」
「……………………………………………」
はふぅ、とタメ息を付く海王。
ぬぅ。意外に苦労人なお方。
「大体貴様はいつもいつも小さな事で不平不満を!海王軍の恥さらしが!」
「あーもうやだやだ頭カタいのよぉ………
これだから軍人ってばヤなのよねぇ………頭にカビ生えてんじゃないのォ?」
「貴女達……いい加減になさいな………」
…………あ。
さっきより語気が強くなってる。
………これは………逃げた方がいいかも………
「大体お前の考え方はだな………」
「何よアンタこそ……………」
「………………………………」
ぎゃーすかぎゃー。
「いい加減にしろっつーとんじゃてめェらぁぁぁっっっっっ!!!!
毎度毎度顔合わすたびに喧嘩してんじゃねェェェェっっっっ!!!!!」
………………………キレた。
二重人格っぷりは健在である。海王。
「きゃーっ!きゃーっ!!海王様がキレたぁぁっ!!!」
「貴様の所為だぞリノアンっ!」
「何よアンタだって………」
「まだやっとるんかい何度ゆーたら解るんじゃいっっ!!!!!」
「きゃーっ!きゃーっ!!」
「ひえぇ………」
逃げまどう二人に、それを追いかける海王。
相変わらず両極に別れた性格である。
それで良いのか海王軍。
すっかり和み、三人でお茶会なんぞしている魔竜王軍の周りをくるくる回り…
あ。
リノアンティーカップ蹴った。
蹴られたティーカップはそのまま宙を舞い………
魔竜王の頭部直撃。
…アイタ〜…こりゃ痛いわ………
そんな事は気にも止めず走り続ける海王軍三名。
………あ。
「にゃあああうっ!?」
「ああっ!ゼロっ!」
ゼロスの使い魔のしっぽを踏んだ。
それでも走り続ける三人。
誰か止めろ。マジで。
リノアン、『感動の再会』をしていた覇王に体当たり。
覇王、そのままコケた。
シェーラ巻き込まれて覇王の鎧の下。
うわ重そー。
更にコケた覇王を踏みつけながら走るし。こいつら。
うあ…ハイヒールで覇王の首筋踏んだよ海王。
………覇王………そのまま動かんし………
更に進路にいた冥王が同じ目にあってたり………
泣いちゃったよ冥王………
冥王軍怒った………
やっと取り押さえた。三人とも。

………はっ、と我に返った海王一派が。
周囲から真っ白い視線を向けられた事は言うまでもない。



言い訳あんど言い逃れ。

作:海王様相変わらずやのぅ。
  冥王様は泣き虫やのぅ。
冥:ハイヒール痛いってば………物凄く………
作:ん………作者も経験あるから解る。
  事故であって……相手に悪気は無いんだろうが………
  余りの痛みに人前で泣きました。
冥:毎回毎回ワケのわからん事を経験してくる子だね………キミは……
作:はぅぅ。
  イジメにナンパに痴漢に自殺未遂に。
  『こんな経験いらんわ』な経験が山程あります。
冥:はう。
  キミも大変なのね。
作:はい。とっても。(涙)
  ところで……皆様も疑問に思ったかと思うのですが。
  冥王軍は全員で六人。
  海王が『二分の一』に分けた部下は、冥王は『六分の一』に分けました。
  つまり……冥王軍の神官将軍三人でやっと海王軍の神官将軍の一人分。
冥:そんなのがどうやって海王軍二人と、海王本人を取り押さえたか。
作:海王本人とオルエンはまだ『人間の躰』のままだ…と言う事もありますが。
冥:が?
作:やはり愛、とでも申しましょうか(笑)愛の力。
冥:…結局そぉいぅオチなのね………
作:はい。
  それではまた次回お会いしましょう!
冥:さよーならーv


                                            幕。

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8652第二話:頑張れ冥王将軍東琥珀 E-mail 2002/7/2 19:27:08
記事番号8641へのコメント

冥:うわタイトルそのまんまっ!
作:ほっといて下さればそこはかとなく幸せ。

☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°・:*:・゜'★.。・:*:・゜'☆♪

「…いつになったら精神世界へ帰れるんだろうなぁ」
冥王がはふぅ、とため息をつく。
「物質世界(マテリアル・サイド)は平和だけどさぁ…僕たちの世界は今戦争中なんだよ」
「………どうして帰してくれないんでしょうね…………
 ガイアも、アテネも、ウルドも、エイルも………あのお喋り好きのスクルドでさえ………………
『理由は言えない』『とにかく今貴方達を魔族には戻せない』の一点張り」
「赤眼の魔王様…どうしてるかなー」
「あの方の事ですから、元気にやっていますわよ…はい、お父様」
コポコポとお茶を注ぎ、冥王に渡す冥王将軍ヴェルダンディー。
「帰ったら親孝行しなきゃなぁ………」
くい、とお茶を飲みつつ言う冥王。
なんか既に思考が凡人。
「僕たちを戻さないなら、ここに来た意味無いじゃん…あの子たち」
「お父様、それちょっと言い過ぎ」
「…………そう言えば…………『お喋り好きのスクルド』で思い出したけど…
今朝から姿が見えない様だけど………どうしたんだろ?」
「『フィブリゾ様の為にぃぃぃ』買い出しに行きましたわ」
「………買い出し………」
「この辺は蚊が多いから、と蚊取り線香を」
「………蚊取り線香………」
自分の軍の将来が少々不安な冥王だった。

「♪スクルドちゃんは〜いい子です〜♪
フィブリゾ様のお役に立つ事が全てです〜♪」
訳のわからん歌を歌いながら、街道を駆けていく者一人。
淡い水色の長い髪、ぱっちりとした瞳、すらりと長い手足。
『超』が着く程の美少女だが………
「ん〜、重いわね………さすがにこれだけ買うと」
自分の持っている荷(実は一人ででっけェ荷車引いてたり)を見ながら言い…
「そうだ…ファブルズッ」
どこかで聞いたことのあるような単語を言い、ぱんっ、と両手を打ち合わせる。
目の前に、一人の少女が出現した。
「ファブ、悪いんだけど荷車引くの手伝ってよ」
「え〜、また私ですか」
「仕方ないでしょ………フィブリズ何処か行っちゃったんだし」
「………はーい」
よく見ると、このファブルズと言う少女………
髪の長さこそ腰くらいまであるものの。
緩いウェイブのつややかな黒髪。
ぱっちりとしたつぶらな瞳に、長いまつげ。年の頃なら十一、二。
………何処かの誰かにそっくりである。
多分髪をもう少し短くすれば生き写し。
「全くもう…フィブリズったら一体何処に行ったんでしょうね」
「見かけたって噂も聞かないしね…あ、ちょっと止まってファブ」
「はい」
「ここのお店でちょっと休みましょ♪」
「はいっ」
店に入っていくスクルドあーんどファブルズ。
「すいませーん、オレンジジュース二杯くださーい」
「はい、かしこまりました」
数分後。
二人が着いた席に、ウェイトレスの姉ちゃんがジュースを運んでくる。
「はい、ご注文の品です……あら?」
ウェイトレスの目がファブルズに止まる。
「……私が、何か?」
「あぁ、一度貴方を見かけたんですよ…つい三日程前」
「………?」
「………でも、もう少し髪が短かったような………弟さんかしら?」
「…………」
「すみません、その話、詳しく聞かせてもらえますか?」
いつになく真剣なスクルド。

「黒いロープを着た、あんたにそっくりの男の子………
まず間違いなくフィブリズね」
「アイツ、こんな所で何やってるんだろう」
「さぁね…………」
残留思念を辿った二人が辿り着いたのは、大きな洞窟だった。
そして、奥に入っていった二人が見たものは。
壁を向いて。
地面に『の』の字を書きながら。
ぶつぶつと呟くフィブリズくん。
「…………………………………」
どうやらこちらに気付いて無いらしい。
そっと背後に近寄り、聞き耳を立てるスクルド。
「…私が…人間に…私が…人間に…私が…人間に…私が…人間に…私が…」
以下延々と続く。
「…………………………………?」
スクルドはしばらく何かを考えていたが………
「♪」
何か思い付いたらしい。
そっとフィブリズの耳元に口を近づけ…………
「わぁぁぁぁぁっっ!!!!!!!!!!!!!!!」
360ホン。
「ぎゃああああああぁぁああぁっっ!!!!!?」
わたわたと振り向くフィブリズ。
当然ながら目の前には仁王立ちのスクルド。
「す…す…すくるど様ぁぁぁ!?」
「なーにやってんのよアンタはこんな所で」
「あ…あなたこそ…っ…
冥王将軍ともあろう方が何故このような所に………」
「フィブリゾ様のお供よ、お・と・も」
「冥王様が物質世界に!?」
「そ。今からあたしもフィブリゾ様の所に戻るけど………あんたも来なさい、挨拶しなきゃ」
「はい!」
嬉しそうに言うフィブリズ。
彼にとって冥王フィブリゾとは『憧れの人』なのだ。
自分の名前は冥王から取られたもの、ということを誇りに思っていた。
そして、スクルド一行は冥王が待っている場所へ戻る。
……………フィブリズは………………
この事が大きく自分の存在価値を揺るがす事になるなど、知るよしもない。



言い訳あんど言い逃れ。

作:今回は『人間界漫遊記』『冥王編その3』の続きでした。
冥:色々な意味で色々な人にウケてたよね…『その3』は………
  「『フィブリズ』ってアンタぁっ!」………って。
  今回はもう一人の部下も出てきたしね。
作:ファブルズですね………
冥:フィブリゾフィブリズファブルズ………
  ……………………………………っ!
作:………舌噛んだな…………
冥:……………………………(こくこくうなずきながら涙)
作:そ…それではまた次回…………

                                              幕。

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8662第三話:フィブリズ受難東琥珀 2002/7/6 12:26:25
記事番号8641へのコメント

琥:…ぶぇっくしょっ!ふぇっくしゅっ!
冥:ぅをーい…だいじょーぶかぁぁ?
琥:クーラーで…身体壊し…しくしくしく。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「フィブリゾ様ーvv貴方のスクルド、ただ今戻って参りました♪」
明るい声と共に…
魔族たち(一部違)が泊まっている小屋の扉が開く。
「おかえり、スクルド」
海王とチェス勝負をしていた冥王が振り返り、買い出し要員の部下に微笑みかける。
「色々買ってきましたよ〜…フィブリゾ様、バニラアイス好きでしたよね」
この世界にバニラアイスなんかあったのか?
「あvうん、大好きー」
「レモン味はありまして?」
「勿論です、海王様」
準備の良いスクルド。
スクルドの周りは、彼女が自分の欲しいものをちゃんと買ってきたかを確かめる魔族たちでいっぱいになった。
「でもよくこんなに沢山持ってこれましたねー」
使い魔の子猫にノミ取り首輪をはめつつ言うゼロス。
子猫は嫌がっているようだが、ちゃんとノミは始末しておかないと買主が後々大変である。
「お手伝いさんが居たのよー…はい、ゼラス様、ご注文のものです」
やたらでっかい包みを取り出す。
「おお、すまんな」
受け取り、包みを破る。
……豚肉の塊。
五キロくらいありそうだ。
「…どうするんですか?こんなもの?」
ゼロスが上司にたずねる。
「まさか貴女が召し上がるんじゃ無いでしょう?」
「当たり前だ」
豚肉を抱え、小屋の窓を開けて…
すぅっと大きく息を吸い込んで…
「メタルちゃーんっ!!!」
ばっさばっさばっさ。
小屋の外で巨大な羽音。
ゼラス=メタリオムの使い魔ロック鳥。
その名もメタルちゃん。
「…まだ飼ってたんだ…ゼラス…」
「ロック鳥を飼ってる、て噂本当だったんですね…」
「でも…名前…『メタルちゃん』って…」
「ネーミングセンスはイマイチだな…ゼラス」
「お前に言われたく無いと思うぞ、グラウシェラー」
「どういう意味だっ!?」
「そのまんまの意味だっ!!」
どつき漫才を始める魔竜王と覇王。
「あー…ところで」
不毛な争いを始めた二人から目を反らす冥王。
スクルドに目を向け、
「お手伝いさん…って言ったよね?」
「はい」
「誰?」
「フィブリズとファブルズに手伝ってもらいましたっ!!」
ぶぅっ!
冥王とヴェルダンディーが同時に吹きだす。
「?」
きょとん、とするスクルド。
「ぷくく…いや、なんでもないよ…それより、その二人は何処?」
「外で待たせています…入っておいで」
その声とほぼ同時に小屋の扉が再び開いた。
そして中に足を踏み入れる二人の人物。
黒いロープに身をまとい、フードで目を隠している。
『…………?』
スクルドを除いた全員の視線が二人の上に注がれる。
二人はぺこりとおじぎをして、すっ、とフードを外し…
………ぷっ。
ぶわははははははははははははははははははっっっ!!!!!!?
十九人、大爆笑。
覇王神官グラウなんぞ、床に倒れてひくひく痙攣していたり。
…そりゃまぁ…フツーは笑うわな…
上司が『フィブリゾ』…
部下が『フィブリズ』『ファブルズ』…
しかも二人とも上司生き写し…
全員の心境、心はひとつ。
『ファザコンだファザコンだとは思っていたがここまでだったとは』。
しかし二人とも笑われた事を気に止める様子は無い。
…慣れたんだろーな。多分。
二人とも全く同じ動きで顔を上げ…
一人が硬直した。
「?」
訝しげに同僚を見やるファブルズ。
まだ硬直したままのフィブリズ。
ぜんまい仕掛けの人形のような動きでかたかたとスクルドの方を振り向く。
「…スク…ルド…サ…マ…?」
「…どったのフィブリズ?」
「…コノ…カタ…ハ…」
「何言ってんのよ」
顔を引きつらせて問うフィブリズに、からから笑うスクルド。
「我らが王、冥王フィブリゾ様に決まってるじゃないのっvvv」
もう一度かたかたと冥王を見るフィブリズ。
「ヘル…マスタァ…サマ?」
「名前言って無かったね?そういえばあの時」
にこにこ笑って言う冥王だったが。
その笑顔はフィブリズにとって死刑宣告だったに違いない…
「うにゃあほへふにゃうあわぅあうあうあうあうっっっ!!!???」
ワケのわからない叫び声を上げるフィブリズだった…。



言い訳あんど言い逃れ。


作:ついに二人が再会したねぇ…ふふふふ。
冥:…で…この話はいったいいつ戦争とつながるのかな?
作:それは読んでからのおたのしみってことで…
冥:…本当は…
  考えてなかったりしてね…
作:ぎくぅっ?!
冥:待テあんた。
作:冗談冗談(笑)
冥:キミが言うと冗談に聞こえん…
作:しくしく。信用無いのね。
  それでは今回はこの辺で…
冥:また会いましょうっ!


                                              幕。

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8692第四話:トラブルメーカー東琥珀 E-mail 2002/7/13 19:19:13
記事番号8641へのコメント

作:なーんかこの話死ぬ程長くなりそうな……
冥:『迎え』と『冥王軍のごたごた』だけで四話も使ってるしね。
作:えーと…短くて四十話程かな…琥珀の希望的見解によると。
冥:よんじうわっ!?短くてっ!?

☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°・:*:・゜'★.。・:*:・゜'☆♪

「馬鹿者ぉぉぉぉぉぉっっっっ!!!!!!!!!!」
割と広めの部屋の中に、少女の怒号が響く。
「…ま…まぁまぁスクルド…彼も悪気があってやった訳ぢゃあ無いんだからさぁ………」
「あってたまりますかぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっ!!!!!!!」
最愛の人にまで食って掛かるスクルド。
その勢いに思わずのけ反るフィブリゾ。

冥王相手に異様な反応を見せたフィブリズをスクルドが尋問した所、
冥王とヴェルダンディーが人間となってさまよい歩いていた頃、偶然フィブリズが二人と接触していた事が明らかになった。
そこまではにこにこ笑って聞いていたスクルドだった………が。
『フィブリズが二人を自分の上司と気付かなかった』の下りで。
顔色が変わった。
いきなりフィブリズに殴りかかり、それを制止しようとしたアテネを振り払い、そして冒頭の怒号。
「あうあうあうっ」
顔面蒼白で、首をふるふる横に振りつつ涙を流すフィブリズ。
スクルドにこれほど怒鳴られるのは初めてなのであろう。
そんなフィブリズの様子には構わずに怒鳴り散らすスクルド。
「馬鹿っ!己が王の存在忘れたかっ!」
「わっ、忘れていた訳ではありませんっ!」
必死に弁明するフィブリズ。
荒れ模様の冥王軍。
周りで他四軍が哀れみの眼差しを冥王に向けている。
「…………………」
冥王がこめかみの辺りを押さえた丁度その時…………
ぱっかぁぁぁぁぁんっっっっ!!!!
冥王の顔面にインク瓶(運良くフタはされていた様だ)が直撃した。
スクルドが手当たり次第にフィブリズに向かって物を投げ………
流れ弾が直撃したらしい。
硬直するあたりの空気。
「………………………………………………………………」
無言のまま…………
冥王が、椅子を蹴倒し立ち上がった。
つかつかとスクルドに歩み寄り、大きく息を吸い込んで………
「いーかげんにしろ、このジャジャ馬ぁぁぁぁっっっ!!!!」

「……ったく、本当にウチの子たちは………」
ちゃぽん。
赤くなった鼻を氷水で冷やしながら言う冥王。
スクルドもフィブリズも、しょげて部屋の隅で『の』を書いていたりする。
「元気でよろしいですわよ」
どこからか取り出した羽根扇子をぱたぱた振りながら言う海王。
「それに、部下同士のごたごたというのは避けられないものですわ………
遅かれ早かれ、いつか訪れます…貴方の様に沢山創ったら尚更」
「んー」
少し困った様な顔をする冥王。
「そういえば………どうして六人も創ったんです、貴方?」
「んーとねぇ」
にっこり。
「やっぱりね、子供は沢山欲しいでしょ」
ぴぶぅっっ!!
遠巻きに会話を聞いていた者達が吹き出す。
「?」
きょろきょろと辺りを見回すフィブリゾ。
「………僕、なんか変な事言った?」
机の上に突っ伏して、ひくひく震えている同僚に問う。
「………………………いえいえ」
よろよろと海王が身を起こす。
「どぉしたのダルフ?」
「………………………いえいえ………」
「?」
冥王は首を傾げているが……案外確信犯かも知れない。
いくら実際が百歳二百歳をとっくに越した天下の冥王様でも、
外見は十一、二歳の可愛い少年なのだ。
年端もいかない少年に『父親』を語られたりすれば………
大抵のヤツはまず笑う。






そして…………………………………………
「……………もう少し」
暗い一室で……………………………………
「……………もう少しだ…………」
ぼそぼそと呟く一人の男。
「……………もう少しで全てが終わる………………」
赤眼の魔王シャブラニグドゥ。
「この悪夢の日々が終わる…………………………!!」
暗い一室…………………………
紅玉よりもなお紅い瞳が妖しい光を放っていた。











言い訳あんど言い逃れ。

作:暑いわボケぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっっ!!!!
冥:知るかこんちくしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっ!!!!
作:こんなに暑いとゆーのに風邪引いてしもうた私って一体…………
冥:………夏風邪って………馬鹿が引くんだよね…………
作:やかましいっ!
  ………確かに体調管理できなかった馬鹿だが…………
冥:うあ認めたよ。
  ………それで………今回やっと赤眼の魔王様が出てきたね。
作:……………………そろそろ泥沼に入って行くかな……………
冥:なんだそりゃ。
  それでは皆様(読んでる人いるのかどーか知らんが)
  また会いましょうっ!!



                                             幕。

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8693第五話:紅玉の瞳東琥珀 E-mail 2002/7/13 20:08:39
記事番号8641へのコメント

作:紅玉の瞳。
  直訳するとルビーアイ。
冥:うあそのまんまっ!

☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°・:*:・゜'★.。・:*:・゜'☆♪☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°


「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」
やたら無意味に暗い部屋の中。
笑い続ける男が一人。
…つーか怪しすぎだ。にーちゃん。
しかも理由が何かというと。
「もぉ少し………もぉ少しであの子たちに逢えるぅぅぅぅぅぅっっっ!!」
…………………………………………。
「もう………もう一ヶ月半も会って無い…………いくら自分のした事とはいえ…………うう………」
だくだく涙を流すル赤眼の魔王。
と言うか、誰も聞いて無いというのに何故こう独り言が多いのだろうか?
……よく見ると、何かを抱えているようである。
………カメラさん、もう少し近づいてー。はいストップ。
これは……………………………………
……………………………………………人形だよ……………………
冥王・覇王・獣王・海王・魔竜王の…………………
ついでに言えば等身大だし……………………
赤眼の魔王が五体の人形をそれぞれかわるがわる抱き締めたりキスしたりしている図……………………………
なんかすげー哀しいもんがある。
「うううっ…………会いたいよぉぉ………………みんなぁぁぁ…………………」
あああ。
禁断症状興してるな。これは。
………………それで良いのか赤眼の魔王。(良くありません)
多分本人は『純粋な親子愛』のつもりなのだろうが。
私には自分の妄想と独り言で話すフィギュアフェチの怪しいおっさんにしか見えん。
「……………………………………………」
涙を流しつつ人形に頬ずりする赤眼の魔王。
……………………………………………………………………一応『魔王』。
………………………………………………………………世の中って不思議。
をや。
赤眼の魔王ががばっと身を起こす。
「こうしてる場合じゃ無いっ!」
ようやく気付いたか。
「少しでも早くあの子たちに逢える様に努力しなければっ!」
…………………………………………………………………
やっぱり、魔王としては少しズレている赤眼の魔王なのであった。
………………………でもまぁ、これが彼の良い所……………………………
………………………………………………なのか?(聞くな)
「さてと………………………………まずは」
腰を下ろして考える。
「………………………………………………………………………まずは」
じっくり考える。
「……………………………………………………………………………そして」
頭をひねって考える。
「……………………………………………………………………………………」
………………………………………………………………………………
「どぁぁっ!!思いつかーんっっ!!!」
ぅヲイっっ!!!(笑)
「大体この作戦どーなってんだっ!?いや考えたの俺かっ!」
一人ボケツッコミを始める。
………………………………………………………壊れてきたな。
これが『自分と葛藤する』と言うモノなのかも知れない。
がさり、と机の上の計画書の束を手に取る赤眼の魔王。
「よく見たらこの計画、途中で神族がしびれを切らして攻めてきて、それで初めて成立するものじゃねーかっ!!
何時までも神族が攻めてこなかったら最初からお話になりゃしねーっ!」
今頃気づきやがったよ。
「こっちから攻めて行っても本末転倒だしなぁ………うう…………」
なんで魔族ってみんなこうどっか抜けてるんだろうか。
いやそーでも無きゃリナに勝ち目は無いんだけどさ。
そして………………………………………………
ぶちぶちと考え続ける赤眼の魔王。
「ううううう…………………………………………………」
冥王の人形を抱いたまま唸ってもキマら無い。(当然か)
赤眼の魔王が唸っていると………………………………………
どぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉんっっっっっっっ!!!!!!
魔王城に………………………………………………………………
爆発音が響いた。








言い訳あんど言い逃れ。

作:第五話っ!
冥:はやっ!
  第四話出したの確か一時間前………………!!
作:話を思い付いてしまったもんは仕方ないね。
冥:『東琥珀』復活かなぁ…………………………
作:『文章を書くのが早い』というだけでイジメの対象にまでなった東琥珀の、な…………………
  最近スランプだったんだけど…………………なんか調子いいや。
冥:………んにしても………とんでもない所で終わってるね…………
作:んにゅ。
  『次回乞うご期待』てヤツだな。
冥:うーん。
  ま、とりあえず………次回も早くね。
作:いえっさっ!
  では今回はこの辺で♪


                                                幕。

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8702第六話:神へも物は申しがら東琥珀 E-mail 2002/7/21 07:21:47
記事番号8641へのコメント

作:最近思う事ー。
冥:最近思う事ー?
作:フィブリゾに愛があるのか自分でもわかんなくなってきた事ー。
冥:をいっ!自分でわからんのかいっ!?(苦笑)
作:私としてはもうこれ以上なく愛してるつもりだったんだけどな。
  人に『フィブリゾぉぉぉ?!マジでっ!!?』『うっそぉっ!?』『変』
  とか言われても『好きなもんは好きなんだっ!』言い返してたのに…
  さすがに相方にまで言われるとキツい。
冥:相方って……………レイナ?
作:んむ。
  『あんた………本当にフィブリゾに対して愛はあるのか?』聞かれたよ。
冥:………聞かれるような作品書いてる方が悪いよーな………
作:やかましっ!!

☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°・:*:・゜'★.。・:*:・゜'☆♪☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°

「なっ………なんだっ!?」
いきなり魔王城を揺るがす爆音。
慌てふためく赤眼の魔王。
ま、当然の反応。
家政婦にミリィを雇ってでもいない限り、普通の人は自分の家に爆音が響けばまず驚く。
……………………………………………いや。
赤眼の魔王は『普通の人』じゃ無いのだが…………………………………
……………………………………………………………………………………
ま、『例外』って事でv
…………………………………………………………………コホン。
窓から慌てて顔を出し、辺りの様子を確認する。
腕に持っていた『五人の子供たち人形』に結界を張る事も忘れない。
……………………………………………………………………………………
他にやるべき事があるだろぅが。赤眼の魔王よ。
こんな所が彼の長所でもあり短所でもあり。
どこぞの金髪お姉様にとっちゃくそうっとーしい短所以外のなにものでも無いのだろうが。
赤眼の魔王がきょろきょろ辺りを見回していると………………………
ひゅぅぅうぅぅうぅうううぅうぅぅぅぅぅぅ………………………
ぐぁぁぁぁんっっっっ!!!!!
「げがふっ!?」
思わずうめき声を漏らす赤眼の魔王。
ものすごい衝撃が赤眼の魔王人間形態の頭部に加えられる。
あまりの衝撃に一瞬白目をむく。
しかし、すぐに元の表情を取り戻す。結構タフ。
…………………やっぱりあの御方にいぢめ倒されて耐性がついたのか?
頑張れS様明日があるさ!(多分)
頭に当たったものが何なのか確認しようとする赤眼の魔王。
頭の上に反射的にぱっ、と手をやる。
赤眼の魔王の手に触れたのは…………………………………………
足。
多分女性の。
「……………………………………………………」
女性が精神世界の空から降ってきて、赤眼の魔王の頭に着地したのだ。
ちなみに彼女、オリンピックの体操選手のような着地ポーズをとっていたり。
見せ場に余念が無い。
しかし、精神世界の空から降ってくるよーなヤツが普通の女性の訳は無い。
赤眼の魔王は、湧き出る怒りを抑えながら至って冷静に彼女に話しかけた。
「……………なんのつもりだ?スィーフィード」
「ちゃん、かさん、くらいは付けなさいよ♪
レディに対する礼儀がなって無いわ、シャブラニグドゥ」
「汝は私に『すぃーふぃーどちゃんv』と呼ばれて嬉しいか?」
「うん」
「がふぅっ…」
真顔で肯定されて思わず吐血する彼。
魔族のクセに。
「(や…やっぱり神族ってわからん…………)」
心の中で思う。
ってかこれは『神族』では無く『赤の竜神』が変なだけな気がする。
ま、そんな事赤眼の魔王にわかるハズも無しっ。
「しかし…………スィーフィード」
「ん?」
「体重増えたな」
「がふぅっ…」
今度は赤の竜神が吐血する番であった。
「な…なんなのそれどーゆー事っ!?」
「いや………どーゆー事もなにも素直に感想を言っただけだが……………」
「素直に……………ってっ!」
「いや。この間汝が私の頭に着地した時よりも確実に増えている」
「がーんっ!そ、そんなに増えた!?」
…………………………………………………………………………
お前らはいつもこんな事やっとんのかい。
と言うか神族のクセに………赤の竜神………体重増えて………
しかもそれを魔王に突っ込まれて傷つくとは……………………
世の中ってわからない。
「でっ、でもっ!シャブラニグドゥだってっ!前に見た時より白髪増えてるっ!!」
「がふぅっ…」
吐血合戦。(なんだそれ)
「心なしか頭も少し薄くなったんじゃない!?」
「そっ、そんな事は…………」
「いーえ!私の目はごまかせないわっ!!」
「くっ…さすがはスィーフィード!L様に与えられたストレスによるダメージを即座に見抜くとはっ!!?」
「ほほほほほほほほ!ごまかしたつもりでしょうけど、詰めが甘くてよ!」
………………………………………………………………………………………
書いてて頭が痛くなった作者を責めないで欲しひ(汗)
仮にも魔族と神族の王同士なんだから………
頼むから体重だの白髪だの髪の量だの………
低次元で争わないでくれ…………………………………
しかもいくらでもごまかせるような部分だし…………
まともに頭痛をおこしてへたり込む第三者その一をさておいて。
二人の低次元な争いは続くよどこまでも。
争いと線路はどこまでも。
「…をやっ!?肌が荒れてるぞ赤の竜神!」
「がふぅっ…」
「ははーん…さては夜更かししたなっ!?自己管理を怠った事の証明!」
「ぎくぎくっ!
………あっ、シャブラニグドゥに枝毛発見っ!」
「がふぅっ…」
「やっだ、髪の手入れくらいちゃんとしなさいよぉ」
「ほ…ほっとけっ!!」


………………………………………二十分後………………………………………



「……………はっ!そう言えばこんな事するためにこんな所来たんじゃ無かったっ!!」
「悪かったな。こんな所で。」
「だって殺風景だし可愛げが無いし…………って違ぁうっっ!!!
あんたとコントやってる暇は無いのっ!!私には!!」
「………とても忙しいようには見えなかったが………」
「うるさいっ!」
そして、急に真顔になる。
「………………………………………………」
さっきまでとは違う雰囲気を感じ、後ずさる赤眼の魔王。
「私と勝負しなさい、シャブラニグドゥ。本気でね。
………決着を着けようと思って来たのよ、今日はね………
あやうくアンタのペースにのまれる所だったわ、さすがは赤眼の魔王」
「………いや、そんな所で感心してもらってもな」
軽く苦笑する赤眼の魔王。
「……………………………………………………」
「……………………………………………………」
先ほどまでの軽い会話はどこへやら。
真顔で見つめ合う二人。
そして…………………………………………………
神魔戦争を締めくくる闘いが始まる。
崩壊への序曲が。










言い訳あんど言い逃れ。


作:いきなりですがごめんなさい。
  スィーフィードを変なひと(人じゃ無いけど)にしちゃいました。
冥:神族ファン、てのがいるのかどうかは知らないけど。
  彼女の転生体にはファンがいるだろーしね。
作:ルナ=インバース………か………
  私も好きなんだが………彼女………
冥:うそつけ。
作:はうっ!何故にうそつき呼ばわりっ!?
  本当ですってば!
冥:信じられないよねー…
  転生話でもあんな扱いだったし。
作:あれは…………
  魔族が主人公なんだから、神族がワキ役になるのは当然だろーさ。
冥:そーゆぅ事をあっさり言うのがねェ…………
  …………はっ!そろそろ日曜朝の特撮番組が始まる時間だっ!
  それじゃみなさんお元気でっ!See you againっ!
作:見とんのかいそんなもんっ!?…………まぁいいけどね………趣味は人それぞれだし………
  それじゃ皆様また会いましょう!!



                                                幕。

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8706第七話:紅い闇・漆黒の炎東琥珀 E-mail 2002/7/22 21:07:01
記事番号8641へのコメント

「………………………………ん?」
冥王が、ふと空を見上げた。
「どうしたデスか?ダディ」
六、七歳の幼女…冥王神官ウルドがその様子をめざとく見つける。
「……ううん、何でもないよ」
軽く笑い、ウルドの頭をわしわし撫でる冥王。
「ただ…………
ただちょっと、ヤな予感がしただけ」


「…………………………………………………」
睨み合う二者。
赤眼の魔王シャブラニグドゥ。
赤の竜神スィーフィード。
滅びを求めるものと、生存を求めるもの。
同じ世界では生きられない運命の存在。
「……………………少し、戦場を変えるか」
赤眼の魔王が、ぱちん、と指を鳴らす。
と、同時に。
二体は別の空間にいた。
「……………………………ここは………………………………?」
動じた様子もなく、赤の竜神が言う。
「精神世界だ………さっきと同じ…場所を移動しただけ」
「……ふーん?」
「城が壊れると困るからな」
「………………………………ふん…………………………………
そりゃあネ。世界に滅びを撒く『本部』が無くなるのは困るでしょうネ」
優雅にふっ、と笑う彼女。
「場所を移動すれば本部が壊れちゃうのは防げる…けど。無駄ヨ。
いくらお城が壊れずにすんでも、そこに貴方が…王が帰る事は無いんだもノ」
「言ってろ」
「…………さて……………長話も疲れたわ……………始めまショ」
ぽつりと呟いた言葉と共に。
闘いの幕が開ける。
………………………………………………………………………………
カーン!(←プロレスかよ)
最初に動いたのは竜神。
目まぐるしい剣舞。
動きに無駄が無く、見目美しい。
しかし、見とれている場合ではない。
これは、儀式剣舞では無く、実戦剣舞だから。
魔王も自分の武器…餓骨杖を取りだし、構える。
がんっ! がしっ! がんっ! ぎちっ!
剣舞から次々と繰り出される刃の一撃。
耳障りな音を生み出しながら杖で剣撃を受け止める魔王。
「どうしたノシャブラニグドゥッ!?」
「……………………………………」
無言のまま攻撃を受け続ける赤眼の魔王。
竜神はいとも平然と攻撃を放っているし、魔王もひょいひょい受けているので余り感じられないが、
おそらく二人の間には物凄い力の応酬があるのだろう。
「防戦一方だなんて、貴方らしくもないワ、シャブラニグドゥ」
「……………………………………………………」
「餓骨杖が泣いてるわヨ♪」
「……………………………………………………」
動じる事もなく、変わらず無言のままの赤眼の魔王。
いくら軽口を叩きかけても反応しない魔王の様子に、苛立ちを隠しきれない赤の竜神。
「………………………なにか言ったらどウ?」
「……………………………………………………」
「……………………これくらいの攻撃で話す余裕も無くなるほど貴方は弱く無いハズよ」
「……………………………………………………」
無表情、無言のまま変わらぬ調子で攻撃を受け流し続ける。
「…………なんとか言いなさいよッッッ!!!」
逆に、竜神からどんどん余裕が無くなっていく。
剣先が乱れ、動きに無駄が多くなる。
そして………………………………………
カキン☆
軽い音を立てて。
赤の竜神の持つ剣の。
紅い刀身が。
折れた。
………………………………………………………………………………………………
無言で、先端のない剣を見詰めているスィーフィード。
「…………………………妙な力の掛け方をするからだ」
「やかましいっっ!!!!」
やっと口を開いた赤眼の魔王の言葉に青筋を立てる。
「や…やーねー、安物の剣ってv」
「その剣汝の躰の一部のハズじゃ…………」
ごまかしきれんかった。
「あははははははははははははははははははははははは」
必死に笑って誤魔化そうとする赤の竜神。
ひとしきり馬鹿笑いをして。
「……………………………………………………」
急に真顔になり、剣の折れた刀身に触れる彼女。
すぃっ。
よくわからん音と共に、剣が再生する。
「…………………危うくアンタのペースにのまれるトコロだったワ」
「いやもう充分のまれてなかったかアンタ」
「うるさいって言ってるデショ!!」
もう一度怒鳴り……………
面差しを天に向ける。
るぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉんっっ!!
精神世界中に響き渡るかのような声で、神々の王が吼えた。
それが呪文のようなものだったのだろう。
炎にも似た髪を持つ、美しい少女の姿が一瞬、ゆらりと揺らめく。
真夏の陽炎のように。
霧に……紅い血しぶきのような霧に姿を変えた彼女は、程なく別の姿を造り上げる。
「………………その姿でこそ汝らしい」
にっ、と笑みを浮かべる赤眼の魔王。
紅い巨竜を目の前にして。
そこにあるのは王者の威厳…………………………………………………。











言い訳あんど言い逃れ。



作:何故だっ!!!!?
  何故私はシリアスを書こうとしてもギャグになるのだっ!!!!?
冥:それはキミに文才がないから。
作:がふぅっ!
  ストレートに言うなっっ!!!
  痛いわぁぁぁぁっっっ!!!!
冥:でも真実。
  戦闘シーンもヘタ。
作:それは認める。
  私の作家人生(?)初の戦闘シーンだからなっ!
  これから上手くなる余地もあるさ。多分。
冥:多分かい。
作:それではまた会いましょうっ!
冥:さよーならー♪



                                              幕。

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8716第八話:悪夢東琥珀 2002/7/25 16:49:09
記事番号8641へのコメント

「フィブリゾ」
覇王が、先程から何処か元気の無い同僚に声を掛ける。
「どうした?」
「…ん?何が?」
「何が?では無い…先程から溜息ばかり吐いている」
「…何でも無いよ…ただちょっと頭が痛いだけだから」
「頭が痛い?妙な人間の病でも引き込んだのでは無いか?」
「ううん、そんなんじゃ無くて…」
「恋の病?」
「うんそうそう、グラウシェラー、実は僕前からずっとキミの事が…
………って何言わせんのさッ!ンなワケあるかいッ!!グラウシェラーも赤くならないッ!!」
話に割り込んだ海王に突っ込み入れる冥王。
「僕にホモのケは無いよ…ぶちぶち」
「Sのケはありますけどね」
「うんそうそう、こう若い女が恐怖と絶望と痛みで顔を歪ませるのが好…
だから違うって!」
「…今の例、結構具体的でしたわね」
「…ああ」
「そうじゃ無くて〜…」
このままでは本当に変態にされかねないと思ったのか、慌ててフォローに入る冥王。
過ぎた冗談は身の破滅を招きます。注意しませう。
「…それより…病気では無いのなら、何なのだ?何故かわかっているのか?」
獣王が助け舟を出す。
「うん…まぁね」
苦々しげに呟き、額に手をやって…
ずきんっ!!
「ぎゃあっ!」
急に起こった物凄い痛みに、頭を抱えてその場にへたり込む彼。
「いたたたたたたたた…………」
「ぅおーい、大丈夫かーぁ?」
ぽんぽこ冥王の背中を叩く魔竜王。
「…フィブリゾ様…?」
心配そうに彼の周りに集まる冥王神官・将軍たち。
「………」
余りの痛みに声も出ない…
「…ふっふっふっふ…」
のでは無さそうだ。
ゆらり、と怪しい笑みを浮かべて体制を立て直す。
「もし僕の考えた通りなら…ふふふふふふ…あっははははは!」
周囲置いてけぼりでいきなり笑い出す。
ってか滅茶苦茶怪しいんですけど。
ぅをーい。
大丈夫っスかアンター。
「…で…何を考えたんですか?貴方は?」
冷静に問うゼロス。
彼も『ただの頭痛では無い』と踏んだ様だ。
「ん、んん。説明するからちょっと待ってね…エイル、氷を」
部下に頭を冷やす氷を持って来させる。
「僕は痛いのと熱いのとさみしいのは嫌いなんだ」
「そんなもん好きな人いませんよ」
同感。
ついでに静か過ぎるのも嫌い。わたしゃ。
氷の入った袋を額に当てて少し落ち着いたらしい。
椅子の上で腕を組み。
「…えーと…」
「………」
「ゴメン、何処から話せばいいのかわかんない」
『どぁっ!』
思わずコケる一同。
「それに、なんつーか、考え方が漠然としすぎてて…」
「いいから説明なさい」
「はいッ」
目に殺気を篭らせて言ったダルフィンの言葉に、慌てて心の中で文章を整理する。
「うーん、あのね、僕もよくわかんないんだけどー…」
困ったような顔でぽつりぽつりと話し始める。
「まず…僕とヴェルダンディー、ゼラスとゼロス、グラウシェラーとシェーラ、ダルフィンとオルエン、ガーヴとラルターク…
この十人は見ての通り、今『人間』という狭い器に押し込められている…
これを仮に『人間の封印』と呼ぼう」
「まんまやがな」
「やかましいガーヴ。
この封印は、赤眼の魔王様によってかけられたもの」
『やかましい』のところで冥王軍全員(フィブリゾ除)が揃って魔竜王に攻撃。
「…だろぉ…な」
苦しそうね。さすがに。人間の体だと。
「でもね。この封印はどんどん弱まっていってるみたいなんだよね…
多分この頭痛、その副作用だヨ」
「成程」
「元の力が強い分、冥王の封印だけ早く解けかけてるのか」
「そゆ事」
「…なんで…」
ぼそりと呟いた海王神官に周囲の視線が集まる。
「…なんで…冥王様に…赤眼の魔王様の封印が解けるんですかぁッ!?」
「…答は一つだ」
そこでいったん言葉を切り、
「封印を掛けた、赤眼の魔王様自身が弱体化している」








言い訳あんど言い逃れ。



作:私の頭がエラー起こしそうですハイ。
冥:…なんなの?急に。
作:S様の計画ややこしすぎ。
  解り易く説明しようとすればくどいし。
  だからっつーて不自然にしないよーにセリフ考えればワケわかんないし。
冥:ふあぁ。
  ま、頑張ってね。
作:…しくしくしく…冷たいフィブリゾ様…
冥:…なんかすっかり忘れられてるみたいなカンジだけど…
  僕、魔族だから。
作:はぁっ!その御手のゴルフセットは一体ぃぃぃぃっ!!!!?
(何かになにかが思いっ切りぶつかる音。何かが空を飛ぶ音)
冥:…ん。
  結構飛んだね。(空を眺めながら)
  じゃ、作者がお空の散歩してるところで。
  さよーならー♪


                                              幕。

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8728第九話:日は無邪気な昼の王。東琥珀 2002/8/2 15:21:46
記事番号8641へのコメント

作:また風邪引きました。
冥:…懲りないねェキミも…で?病状は?
作:…えーと…熱が三十八、四度。立ってるだけで目眩が。
冥:寝ろっ!今すぐに!おとなしく!(滝汗)
作:ふっ。この私がこれしきの熱で寝ていられるわけが無かろう。(何様)
  小学校六年のとき、三十九度の熱でドッジボール大会参加して、しかも優勝した女だぞ。
  帰宅してから一週間、生死の淵を彷徨ったけど。
冥:自慢にならないから。それ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「…赤眼の魔王様が弱体化…か…」
うみゅう、と考え込む覇王。
「うん。はっきりしないし、確証も無い。
けど、そうでも無い限り、あの方の掛けた封印が解けかけるなんて事無いと思うな」
「…さて…それにあたって重要なのは、私達がここからどう動くかということだな」
「そゆ事」
うーむ。
考え出す皆。
………………二十分経過。
「思いつかんっ!なんっにもっ!!」
キッパリ宣言する冥王。
ある意味潔い。
「…諦めるの早すぎですわ…フィブちゃん」
「…だって…考えれば考えるほど頭痛いんだもーん」
「…うーむ…」
まじめに考えつづけている覇王。
「…………」
ぽん。
覇王が手を打つ。
なんとなく、だが限りなく嫌な予感のする一同。
「思いついたっ!」
「…何を?」
「一応…聞こう」
信用無いのね覇王様。
「だが、実行しても上手く行くとは限らぬ」
「上手く行く可能性は?」
「30%弱、と言った所か」
「…低いね…」
「せめて50%くらいは欲しいですよね」
「…何もしないよりはマシですよ…どんな方法ですか、覇王様?」
「………では、試してみよう」
一言宣言し、面差しを空に向け…
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!!るびぃあいさまぁぁぁぁぁぁっっ!!!」
……辺りの空気が凍りついた。
「さみしーよぉぉ、遭いたいよぉぉ!!!!」
「…覇王…お前の犠牲は無駄にはしねぇぜ」
なぜか涙している魔竜王。
「迎えにきてぇぇぇぇぇっ!!さみしいよぉぉ!!」
顔を真っ赤にしつつ叫びつづける覇王。
「…ねぇ…だるふぅ」
「…なんですか、ふぃぶちゃん」
「…なんにも哀しいことなんか無い…無いハズなのに…どうしてこんなに涙がこぼれるんだろうね…」
「…奇遇ですね…私もですわ…」
「これでもし何も起こらなかったら…
覇王様、間違いなく本年度大バカ大賞決定ですねv」
「…ええ…そうね…」
完全他人事口調のゼロスと、自分の父の勇姿を涙しながら見つめるシェーラ。
…世の中、色々な事があるものなのである。多分。

グラウシェラーが叫び始めて三分が経過した。
多分グラウシェラー当人にとっては三時間くらい経っているのであろう。
『髪を真っ白にして』と表現したいところだが、彼はもともと銀髪である。
その時。
「ぐっらうしぇらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
聞きなれた声がどこかから飛んできた。
「!?」
「…まさか…」
「…本当に…来ちゃったみたいだね」
「大バカ大賞はやっぱり…
愛のあまりに父を絞殺しかけた冥王将軍ですかね」
「誰のことよ誰の」
「お前のほかに誰がいる」
声とともに…
いきなり空間から出現した『それ』は、ざざっ、と身を引く覇王に歩み寄り…
力いっぱい抱きしめた。
…世に言う『感動の再会』というものなのかもしれないが…
覇王の身体から時々『みしっ』だの『めきぼきっ』だのいう音が聞こえて来る事にも注目すべきかもしれない。
…ま、頑張れ。覇王。
キミの不運は今に始まった事ではないし、この先もずっと続くのだから。





言い訳あんど言い逃れ。

作:…はぁ。やっとこさ魔王降臨、舞台が完全に物質世界、マテリアル・サイドにうつりましたですな。
冥:うう。今後の展開どーなっちゃうのかねー。
作:…うーん。
  すみません。
  私、この話ハッピーエンドにする自信なくなってきました。
冥:ん。だって、『戦争』の話だもの。
作:…うー…
  とりあえず。自分にできることをやるしか無いんだよねー…私は。
冥:うんうん。
  頑張れv
作:うっ…いつになく優しいお言葉…
冥:病人にそうキツいこと言うワケにも行かないでしょう?
作:…頑張って治せって言いたいんですね?
冥:ぴんぽん♪
  それではみなさまv今回はこの辺でv
作:みな…さま…か。そんなに読者様がいるとも思えないんだよねこの話…
  …はっ!そういえば、この話読んでくれてる私の友人に、『美奈』て名前の子がいたよっ!
  『みなさま』でオッケーだねっ!読者様二、三人しかいなくても!
冥:…どっかで抜けた頭のネジを拾ってこい。今すぐに。


                                                 幕。

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8730これが、お気に入り。ユア・ファンティン 2002/8/2 20:15:24
記事番号8728へのコメント

東琥珀さんは No.8728「第九話:日は無邪気な昼の王。」で書きました。
初めまして、ユアです。
>作:また風邪引きました。
大丈夫ですか。
>冥:…懲りないねェキミも…で?病状は?
>作:…えーと…熱が三十八、四度。立ってるだけで目眩が。
おいおい。
>冥:寝ろっ!今すぐに!おとなしく!(滝汗)
そうです。命あっての者ですよ。
>作:ふっ。この私がこれしきの熱で寝ていられるわけが無かろう。(何様)
>  小学校六年のとき、三十九度の熱でドッジボール大会参加して、しかも優勝した女だぞ。
すげ−。尊敬しそう。
>  帰宅してから一週間、生死の淵を彷徨ったけど。
>冥:自慢にならないから。それ。
>
>
>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>
>「…赤眼の魔王様が弱体化…か…」
>うみゅう、と考え込む覇王。
>「うん。はっきりしないし、確証も無い。
>けど、そうでも無い限り、あの方の掛けた封印が解けかけるなんて事無いと思うな」
>「…さて…それにあたって重要なのは、私達がここからどう動くかということだな」
>「そゆ事」
>うーむ。
>考え出す皆。
>………………二十分経過。
>「思いつかんっ!なんっにもっ!!」
>キッパリ宣言する冥王。
>ある意味潔い。
>「…諦めるの早すぎですわ…フィブちゃん」
>「…だって…考えれば考えるほど頭痛いんだもーん」
>「…うーむ…」
>まじめに考えつづけている覇王。
>「…………」
>ぽん。
>覇王が手を打つ。
>なんとなく、だが限りなく嫌な予感のする一同。
>「思いついたっ!」
>「…何を?」
>「一応…聞こう」
>信用無いのね覇王様。
>「だが、実行しても上手く行くとは限らぬ」
>「上手く行く可能性は?」
>「30%弱、と言った所か」
>「…低いね…」
>「せめて50%くらいは欲しいですよね」
>「…何もしないよりはマシですよ…どんな方法ですか、覇王様?」
>「………では、試してみよう」
真に勇気あるものを勇者と呼ぶなら君が、そうだよ。
覇王くん。
>一言宣言し、面差しを空に向け…
>「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!!るびぃあいさまぁぁぁぁぁぁっっ!!!」
だだっこグラウシェラ―。
>……辺りの空気が凍りついた。
>「さみしーよぉぉ、遭いたいよぉぉ!!!!」
>「…覇王…お前の犠牲は無駄にはしねぇぜ」
>なぜか涙している魔竜王。
>「迎えにきてぇぇぇぇぇっ!!さみしいよぉぉ!!」
>顔を真っ赤にしつつ叫びつづける覇王。
>「…ねぇ…だるふぅ」
>「…なんですか、ふぃぶちゃん」
>「…なんにも哀しいことなんか無い…無いハズなのに…どうしてこんなに涙がこぼれるんだろうね…」
>「…奇遇ですね…私もですわ…」
>「これでもし何も起こらなかったら…
>覇王様、間違いなく本年度大バカ大賞決定ですねv」
>「…ええ…そうね…」
>完全他人事口調のゼロスと、自分の父の勇姿を涙しながら見つめるシェーラ。
>…世の中、色々な事があるものなのである。多分。
シェ―ラちゃん。いつも苦労人。
>グラウシェラーが叫び始めて三分が経過した。
>多分グラウシェラー当人にとっては三時間くらい経っているのであろう。
>『髪を真っ白にして』と表現したいところだが、彼はもともと銀髪である。
>その時。
じゃ、真っ黒かな。
>「ぐっらうしぇらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
>聞きなれた声がどこかから飛んできた。
アアッ。父の愛なのね。
>「!?」
>「…まさか…」
>「…本当に…来ちゃったみたいだね」
>「大バカ大賞はやっぱり…
>愛のあまりに父を絞殺しかけた冥王将軍ですかね」
>「誰のことよ誰の」
>「お前のほかに誰がいる」
>声とともに…
>いきなり空間から出現した『それ』は、ざざっ、と身を引く覇王に歩み寄り…
>力いっぱい抱きしめた。
>…世に言う『感動の再会』というものなのかもしれないが…
>覇王の身体から時々『みしっ』だの『めきぼきっ』だのいう音が聞こえて来る事にも注目すべきかもしれない。
>…ま、頑張れ。覇王。
>キミの不運は今に始まった事ではないし、この先もずっと続くのだから。
う−ん。ご愁傷さま。覇王くん。
>
>
>
>
>言い訳あんど言い逃れ。
>
>作:…はぁ。やっとこさ魔王降臨、舞台が完全に物質世界、マテリアル・サイドにうつりましたですな。
>冥:うう。今後の展開どーなっちゃうのかねー。
>作:…うーん。
>  すみません。
>  私、この話ハッピーエンドにする自信なくなってきました。
>冥:ん。だって、『戦争』の話だもの。
だよねぇ。戦争に、ハッピ−・エンドは、ないだろうし。
>作:…うー…
>  とりあえず。自分にできることをやるしか無いんだよねー…私は。
>冥:うんうん。
>  頑張れv
>作:うっ…いつになく優しいお言葉…
珍しい。
>冥:病人にそうキツいこと言うワケにも行かないでしょう?
>作:…頑張って治せって言いたいんですね?
>冥:ぴんぽん♪
>  それではみなさまv今回はこの辺でv
>作:みな…さま…か。そんなに読者様がいるとも思えないんだよねこの話…
>  …はっ!そういえば、この話読んでくれてる私の友人に、『美奈』て名前の子がいたよっ!
>  『みなさま』でオッケーだねっ!読者様二、三人しかいなくても!
>冥:…どっかで抜けた頭のネジを拾ってこい。今すぐに。
>
>
>                                                 幕。

頑張って、風邪治してくださいね。
それと、小説1に、
冥王様の、詩を入れたので、
よろしければ、見てレスをしてください。

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8735それは、どうも。東琥珀 E-mail 2002/8/5 13:57:33
記事番号8730へのコメント

ユア・ファンティンさんは No.8730「これが、お気に入り。」で書きました。
>
>東琥珀さんは No.8728「第九話:日は無邪気な昼の王。」で書きました。
>初めまして、ユアです。
初めまして。アズマコハクです。
>>作:また風邪引きました。
>大丈夫ですか。
ようやく完治v
>>冥:…懲りないねェキミも…で?病状は?
>>作:…えーと…熱が三十八、四度。立ってるだけで目眩が。
>おいおい。
妙に風邪に対して図太い今日この頃(謎)
>>冥:寝ろっ!今すぐに!おとなしく!(滝汗)
>そうです。命あっての者ですよ。
命は完遂するためにあるのです。
>>作:ふっ。この私がこれしきの熱で寝ていられるわけが無かろう。(何様)
>>  小学校六年のとき、三十九度の熱でドッジボール大会参加して、しかも優勝した女だぞ。
>すげ−。尊敬しそう。
えへん。(無意味に胸を張り)
>>  帰宅してから一週間、生死の淵を彷徨ったけど。
>>冥:自慢にならないから。それ。
>>
>>
>>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>>
>>「…赤眼の魔王様が弱体化…か…」
>>うみゅう、と考え込む覇王。
>>「うん。はっきりしないし、確証も無い。
>>けど、そうでも無い限り、あの方の掛けた封印が解けかけるなんて事無いと思うな」
>>「…さて…それにあたって重要なのは、私達がここからどう動くかということだな」
>>「そゆ事」
>>うーむ。
>>考え出す皆。
>>………………二十分経過。
>>「思いつかんっ!なんっにもっ!!」
>>キッパリ宣言する冥王。
>>ある意味潔い。
>>「…諦めるの早すぎですわ…フィブちゃん」
>>「…だって…考えれば考えるほど頭痛いんだもーん」
>>「…うーむ…」
>>まじめに考えつづけている覇王。
>>「…………」
>>ぽん。
>>覇王が手を打つ。
>>なんとなく、だが限りなく嫌な予感のする一同。
>>「思いついたっ!」
>>「…何を?」
>>「一応…聞こう」
>>信用無いのね覇王様。
>>「だが、実行しても上手く行くとは限らぬ」
>>「上手く行く可能性は?」
>>「30%弱、と言った所か」
>>「…低いね…」
>>「せめて50%くらいは欲しいですよね」
>>「…何もしないよりはマシですよ…どんな方法ですか、覇王様?」
>>「………では、試してみよう」
>真に勇気あるものを勇者と呼ぶなら君が、そうだよ。
>覇王くん。
そうかも、知れませぬな。
>>一言宣言し、面差しを空に向け…
>>「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!!るびぃあいさまぁぁぁぁぁぁっっ!!!」
>だだっこグラウシェラ―。
これで、地面に寝転がって手足ばたばたさせてたら更に。
>>……辺りの空気が凍りついた。
>>「さみしーよぉぉ、遭いたいよぉぉ!!!!」
>>「…覇王…お前の犠牲は無駄にはしねぇぜ」
>>なぜか涙している魔竜王。
>>「迎えにきてぇぇぇぇぇっ!!さみしいよぉぉ!!」
>>顔を真っ赤にしつつ叫びつづける覇王。
>>「…ねぇ…だるふぅ」
>>「…なんですか、ふぃぶちゃん」
>>「…なんにも哀しいことなんか無い…無いハズなのに…どうしてこんなに涙がこぼれるんだろうね…」
>>「…奇遇ですね…私もですわ…」
>>「これでもし何も起こらなかったら…
>>覇王様、間違いなく本年度大バカ大賞決定ですねv」
>>「…ええ…そうね…」
>>完全他人事口調のゼロスと、自分の父の勇姿を涙しながら見つめるシェーラ。
>>…世の中、色々な事があるものなのである。多分。
>シェ―ラちゃん。いつも苦労人。
真面目堅物直線暴走、元気で不幸な覇王将軍。
>>グラウシェラーが叫び始めて三分が経過した。
>>多分グラウシェラー当人にとっては三時間くらい経っているのであろう。
>>『髪を真っ白にして』と表現したいところだが、彼はもともと銀髪である。
>>その時。
>じゃ、真っ黒かな。
お。
似合いそうスね♪
>>「ぐっらうしぇらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
>>聞きなれた声がどこかから飛んできた。
>アアッ。父の愛なのね。
大当たり♪
>>「!?」
>>「…まさか…」
>>「…本当に…来ちゃったみたいだね」
>>「大バカ大賞はやっぱり…
>>愛のあまりに父を絞殺しかけた冥王将軍ですかね」
>>「誰のことよ誰の」
>>「お前のほかに誰がいる」
>>声とともに…
>>いきなり空間から出現した『それ』は、ざざっ、と身を引く覇王に歩み寄り…
>>力いっぱい抱きしめた。
>>…世に言う『感動の再会』というものなのかもしれないが…
>>覇王の身体から時々『みしっ』だの『めきぼきっ』だのいう音が聞こえて来る事にも注目すべきかもしれない。
>>…ま、頑張れ。覇王。
>>キミの不運は今に始まった事ではないし、この先もずっと続くのだから。
>う−ん。ご愁傷さま。覇王くん。
うみゅ。
不幸な魔族は誰だ大会でも開けば上位入賞間違いナシね。
>>
>>
>>
>>
>>言い訳あんど言い逃れ。
>>
>>作:…はぁ。やっとこさ魔王降臨、舞台が完全に物質世界、マテリアル・サイドにうつりましたですな。
>>冥:うう。今後の展開どーなっちゃうのかねー。
>>作:…うーん。
>>  すみません。
>>  私、この話ハッピーエンドにする自信なくなってきました。
>>冥:ん。だって、『戦争』の話だもの。
>だよねぇ。戦争に、ハッピ−・エンドは、ないだろうし。
なんとか、『救い』を見つける事ができたら、いいんですけどねぇ。
>>作:…うー…
>>  とりあえず。自分にできることをやるしか無いんだよねー…私は。
>>冥:うんうん。
>>  頑張れv
>>作:うっ…いつになく優しいお言葉…
>珍しい。
情け心発動。
>>冥:病人にそうキツいこと言うワケにも行かないでしょう?
>>作:…頑張って治せって言いたいんですね?
>>冥:ぴんぽん♪
>>  それではみなさまv今回はこの辺でv
>>作:みな…さま…か。そんなに読者様がいるとも思えないんだよねこの話…
>>  …はっ!そういえば、この話読んでくれてる私の友人に、『美奈』て名前の子がいたよっ!
>>  『みなさま』でオッケーだねっ!読者様二、三人しかいなくても!
>>冥:…どっかで抜けた頭のネジを拾ってこい。今すぐに。
>>
>>
>>                                                 幕。
>
>頑張って、風邪治してくださいね。
>それと、小説1に、
>冥王様の、詩を入れたので、
>よろしければ、見てレスをしてください。
>
はいはい♪
今回はレス有り難うなのです♪
これからよろしくお願いしますのです♪(←何を)
それではっ!

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8729第十話:月は無慈悲な夜の王。東琥珀 2002/8/2 16:17:09
記事番号8641へのコメント

「る…るびぃ…あい…さま…」
必死で身をよじり、抱擁から逃れようとする覇王。
それを許さない赤眼の魔王。
びしっ。めきめきっ。
なんかヤな音がする。
「…このままでは覇王が昇天してしまう気がする…」
「…私もそう思いますわ、ゼラス」
「骨は拾ってやるからな、グラウシェラー」
「運が良ければ冥界で遭えるかもしんないね」
助ける気が無いらしい四人。
と言うか…
助けてやりたいのは山々なのだが、助けた後、隻眼の魔王の標的が自分に移るのが怖いのである。
…ちーん。
無言で手を合わせる四人と十五人。(←神官・将軍陣)
「はくじょおものぉぉぉぉぉ!!!(涙)」
覇王の叫びも赤眼の魔王には届いていないようだ。
「私も会いたかったですよ、グラウシェラぁ〜♪
お父さんが来ましたから、もう大丈夫ですよ、さみしくなんかないですよ〜♪」
さみしいのさみしくないの以前の問題だと思う。
…まぁ、彼が人の言葉に耳を傾けるワケも無いし。
ここは黙って見物モード。(←鬼畜)
その平和な時は、ずっと続くかと思われた。
が。
『逃げんじゃないわヨシャブラニグドぅっっっ!!!!』
るぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉんっ!!!!
ずんっ!!
恐らく…女性の声。
雄叫び。
巨大なものが地面に着地する音。
「……!!」
ようやく赤眼の魔王が覇王を放した。
空間から急に出現した赤い巨竜を睨む。
「無粋だな、スィーフィード…感動の再会のシーンだと言うのに」
『知らないわよそんなもん』
あっさり答える彼女。
つーか作者も同感。
ちなみに、スィーフィードの登場に、赤眼の魔王と酸欠でのびている覇王以外の魔族はすっかりパニクっていたりする。
「な…なんだぁぁぁぁぁ!!!!???」
「神々の王だっ!!赤の竜神スィーフィード!!」
「そんなもん見ればわかるっ!!!!!!」
「聞いたのお前だろうが!!!」
「なんでそんなのがいきなり出てくるんだよぉぉぉぉぉぉっっ!!!!!」
「私に聞かないでヨっ!!!!」
「なんでだぁぁぁぁぁっ!!!!??」
「俺にも聞くなぁぁぁぁっ!!!!」
「聞いてわかるとは思ってねェよぉぉぉっ!!!!!」
「じゃあ聞くなぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
…予想以上に混乱しきっている。
『…本気を出せ、シャブラニグドゥ。
せめて最期は王らしく正々堂々と闘い、そして滅べ!』
結構勝手なことを言う彼女。
まぁ、生き物だから仕方がないと言ってしまえばそれまでだが。
「…正々堂々…か…それもまた一興だが…」
ちらり、と配下の魔族たちを見る赤眼の魔王。
『…その子達、あんたの子供と孫でしょ?』
「…そうだ」
『…魔族は逃すわけには行かないからね…一緒に滅びてもらうことになるけど』
「…それは遠慮願いたい」
言って…
次の瞬間。
赤眼の魔王が。
『巨大化』した。
…つーか、魔族形態に変化したのだ。
「…物質世界で戦うつもりか…魔王様は」
「…ちょっとっ!ガーヴっ!なにしみじみと語ってるのさっ!」
ごげんっ!
冥王の投げた石が魔竜王の頭を直撃する。
「いてェなっ!何すんだよっ!フィブリゾっ!?」
「ばかっ!この状況察してよっ!!」
「…?」
「…こんな至近距離で…神々の王と魔族の王が戦って…
人間の身体に封じ込められてる僕たちが、助かると思うの!?」
『あ。』
「わかったらさっさと逃げるっ!
ウルドスクルドヴェルダンディー、アテネにエイルにガイアっ!
はぐれないようにねっ!人数多すぎだからっ!」
「走っていては間に合いません、我が君」
がしっ、と冥王の手をつかむアテネ。
「空間移動します」
「ほら、ヴェルダンディーもつかまってっ」
「は、はいっ」
そして、空間に消える冥王軍。
慌てて、魔竜王軍、覇王軍、海王軍、獣王軍も後を追う。
獣王軍には空間移動できるヤツがいない(二人とも人間になっちゃってるから)ので、海王軍につかまっての移動。
そして、その場には魔王と竜神だけが残された。
『…行ったか』
ほっとした様子の魔王。
だが。
『…逃がさないわ』
赤の竜神は、にやり、と笑みを浮かべて見せた。




言い訳あんど言い逃れ。


作:さぁ、全軍の運命はっ。
  赤の竜神はいったい何を企んでいるのでしょうかっ。
冥:…うう…とてつもなくヤな予感がする。
作:…ま…頑張ってください。
冥:…そういう無責任なこと言うのやめようよ…
作:だって本当にどうなるかわかんないんだもん。
冥:…あっそ。
作:ま、ひたすら頑張るしかないんだけど…
  それではこの辺で。
冥:しーゆあげいんっv


                                               幕。

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8738第十一話:神族強襲!東琥珀 E-mail 2002/8/7 15:21:27
記事番号8641へのコメント

ざしゅっ!
「おーい、フィブリゾぉっ!片づけちまったぞっ!!」
「こっちもですわっ!次はもっと動きの速いのをっ!」
「了解りょーかーいっ♪」
にっ、と笑って呪文詠唱に入る冥王。
赤眼の魔王と赤の竜神の戦場から、大分離れた大陸。
人間魔族(なんだそりゃ)の皆さんは、自主トレに励んでいた。
…こうなった以上、神族との闘いは避けられない。
一ヶ月間ですっかりなまってしまった、戦闘の勘を取り戻さなくては。
ちなみに攻撃対象はー…


     闇の奥より生まれ出た    昏き存在ども統べる王

     汝の昏き力以て       時空の底に封じられし
     
     全ての哀れな存在は     再びこの世に返り咲かん

     闇の存在よ         哀れなる存在

     汝が王の          祝福を代価に

     我が身と成れ        我が力と成れ

     其の身に与えるは      冥王の祝福 


冥王が、印を結び……………
「『冥王幻朧呪』」
ぼこっ。
『アドリブの効くイキのいいゾンビ』出現。
続けて更に呪文詠唱に入る彼。    
………しかし………哀れだな。ゾンビ。(汗)
そして、皆がいい汗(?)をかいていると…………
「………………………………………………………………………………?」
覇王が、何かを感じた。
「どした、グラウシェラー?」
横で同じく訓練していた魔竜王が声を掛ける。
「……………何か、来るぞ」
「……………何かって、なんだよ」
「……………わからんから、『何か』という表現をしている」
「……………なら、素直にそう言えっ」
呆れながら魔竜王が振り下ろした剣は、見事に一体のゾンビを斬り裂いた。
「何かわからんが…それが我らにとって有益な物ではナイ事は確かだろう」
言い、覇王の大剣がゾンビを叩き潰す。
………………………………………………斬れよ。潰すな。
「…我が言っている事がわからぬか?」
「…伝えたい事があるならストレートに言いやがれ」
「…それもそうか」
しゃべくっている間にも、冥王は数体のゾンビを創り出し、覇、竜、海、獣の四魔はそれをそれぞれの方法で撃破している。
人間の身に封じられているとは思えない運動能力である。
「つまり、だな」
「つまり、なんだ?」
「神族が向かってきている」
ぶはっ!
吹き出す魔竜王。
「あのなぁぁぁっっ!!そーゆー事はさっさと言いやがれぇぇっっ!!!」
「さっきから言っている」
「遠回しにばっかり言ってただろうがぁぁっ!!!」
「気付かん貴様も悪い」
ワケのわからん喧嘩を始める二人。
「で?確かなんだろうな?」
「ああ」
こくり、とうなずいてみせる覇王。
「その証拠に」
剣で冥王を指す。
「冥王もさっきから、呪文詠唱しながら辺りの様子に気を配っている」
「……器用なヤツだよな」
と言うか、呪文詠唱やめれ。
「………ガーヴ、ゼラス、ダルフ、グラウシェラー」
冥王が皆に話しかける。
「軍の皆を周りに集めて」
いつもと目つきが変わっている。
「神族の気配がする…しかもかなり高位」
「…かなり高位?はっ。赤の竜神も俺らを高く買ってくれてるじゃねぇか」
「余り離れていると、分散されて個別に叩かれる恐れがあるからね」
冥王の指示に従い、自分の部下を集める皆。
しばらくしてー…
冥王が、ぼそりと呟いた。
「来たよ」
う゛んっ。
妙な音と共に。
皆の上空に、何者かが出現した。
「…皆さんおそろいのようですねー…都合がいいですぅ」
ひらひらの、白い神官服を着た少女。
年の頃なら………………一二、三歳と言った所か。
青い瞳に白い肌、明るい金髪の美しい人間の姿をしている。
…だが、人間の娘は空は飛ばない。
「…てめェ、神族か?」
「はい、そうですぅ」
ぴょこん、とお辞儀をする神官服神族。
「赤の竜神様の御命令でやってきましたのですぅ」
にこにこと楽しそうに笑う彼女。
神族にも色々いるようだ。
すとん、と地面に降り立つ。
「えーと…貴方達には…私と闘うか、神族側に寝返るか選択して頂きたいんですけどぉ」
「フザケた選択肢もあるものだ」
ずいっ、と前に出る獣王。
「我々魔族は、よっぽどの事がナイ限り、創り主に楯突く事は無い」
「見上げた根性ですねぇ」
くくっ、と笑い、ぱちぱちと手を叩く神族。
「では、私と闘って頂く事になりますぅ。よろしいですかぁ?」
「よろしいも何も、俺は最初から闘うつもりだがな」
剣を改めて構えなおす魔竜王。
ひゅう、と神族が口笛を吹く。
「それはそれは気のお早い事でぇっ♪」
「………………………………っ」
茶化されて殺気立つ魔竜王。
じりっ、と少女に歩み寄る。
「…気に入らねェな」
「貴方に気に入られようと思ってここに来たワケじゃありませんですぅ」
「そりゃそうだ」
「るっせェっ!!」
少女の言葉に相づちを打つ冥王。それに言い返す魔竜王。
「余裕ぶった態度が気にいらねェって言ってんだっ!」
「ふふ…」
少女はにっこり優雅に笑ってみせた。
「…ところで…戦闘前のルールを説明します」
「ルール?」
「ゲームでもあるまいし」
「…だって…思いませんか?…赤の竜神様から『五人の腹心は今人間になっている』とお聞きしていますぅ。
つまり、実質的に。この場に『五人の腹心』は存在しませんですぅ」
「…………………………………………」
ぎりっ、と歯がみする五人。
「この場にいるのは…人間が十人、高位魔族…神官、将軍クラスの魔族が十人。
それに対する私は高位の神族です………不公平でしょう?」
にぱっ、と笑う彼女。
つられて笑う者は一人もいない。
「私は…『絶対勝つと解っている勝負』はしない主義なんですぅ」
「…そりゃまた変わったご趣味ですわね」
「なんとでも言って下さい…そのかわり『負けるとわかっている勝負』もしませんが」
「ほほぅ」
「ルールは簡単ですぅ♪
あなた方はただ逃げるだけ」
「………………………………?」
彼女の言っている意味がわからない皆。
「期限は、赤の竜神様と赤眼の魔王の闘いの間。
その間、あなた方は普通に暮らしてください」
「それじゃ闘いにならんだろう」
「まだ話は終わってませんよぅ…短気なひとですぅ、本当に♪」
「あのー…悪いんだけど、そこのバカかまってないで説明してくれるかな」
「はいはい♪さすがは冥王…
私は、あなた方の隙を適当に見繕って攻撃しますぅ。
つまりですねぇ…うーんと…説明難しいですね」
「……僕が説明しようか…大体わかったから」
「あ、そうしてくださるとありがたいですぅっ♪」
「フィブリゾ様、あんな女がお好みだったんですかっ!?」
「違うって。
じゃあ、説明するよー。
早い話が、僕たちと『鬼ごっこしよう』って言ってるんだ、あの子は」
「………鬼ごっこ?」
「そう。
期限内、僕たちは普通に暮らしていればいい。
その間にあの子は適当に攻撃をしかけてくる。
赤眼の魔王様と赤の竜神が決着を着けるまで、ね。
その間に、あの子が僕たちを全滅させればあの子の勝ち。
僕たちが逃げ切るか、あの子を返り討ちにすれば僕らの勝ち」
「…ヤなゲームだな」
「乗って頂けますかぁ?」
「いいよ」
友達と遊ぶ約束をするかのように言う冥王。
そして、その日から。
命を賭けた『鬼ごっこ』が始まった。





言い訳あんど言い逃れ。


作:………ふぅ。出たぜ第十一話。
  『第一の神族』出現ねっ☆
冥:………うーん…強いの?あの子………?
作:それは『闘ってみてからのお楽しみ』v
冥:ついでに言えば…僕たち、一体いつ魔族に戻れるの?
作:それもお楽しみv
冥:…実はなんにも考えてないv…なーんて事ナイよね?
作:ぐはぅっ!
冥:吐血すんなっ!ってことは図星かぁぁっ!!!?
作:そっ、それでは今回はこの辺でぇぇっ!!!
冥:ごまかすなぁぁぁっっ!!答えろぉぉっっ!!!!





                                              幕。

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8739貴方は、誰かのお母様。ユア・ファンティン 2002/8/8 21:45:37
記事番号8738へのコメント

東琥珀さんは No.8738「第十一話:神族強襲!」で書きました。

お久し振りですね。
タイトルの意味は、最後に、わかります。
>ざしゅっ!
>「おーい、フィブリゾぉっ!片づけちまったぞっ!!」
>「こっちもですわっ!次はもっと動きの速いのをっ!」
>「了解りょーかーいっ♪」
>にっ、と笑って呪文詠唱に入る冥王。
>赤眼の魔王と赤の竜神の戦場から、大分離れた大陸。
>人間魔族(なんだそりゃ)の皆さんは、自主トレに励んでいた。
>…こうなった以上、神族との闘いは避けられない。
傷つく事も避けられない
>一ヶ月間ですっかりなまってしまった、戦闘の勘を取り戻さなくては。
>ちなみに攻撃対象はー…
>
>
>     闇の奥より生まれ出た    昏き存在ども統べる王
>
>     汝の昏き力以て       時空の底に封じられし
>     
>     全ての哀れな存在は     再びこの世に返り咲かん
>
>     闇の存在よ         哀れなる存在
>
>     汝が王の          祝福を代価に
>
>     我が身と成れ        我が力と成れ
>
>     其の身に与えるは      冥王の祝福 
>
>
>冥王が、印を結び……………
>「『冥王幻朧呪』」
いい『混沌の言語』ですねぇ。
>ぼこっ。
>『アドリブの効くイキのいいゾンビ』出現。
>続けて更に呪文詠唱に入る彼。    
>………しかし………哀れだな。ゾンビ。(汗)
>そして、皆がいい汗(?)をかいていると…………
>「………………………………………………………………………………?」
勘鋭いですね。
>覇王が、何かを感じた。
>「どした、グラウシェラー?」
>横で同じく訓練していた魔竜王が声を掛ける。
>「……………何か、来るぞ」
>「……………何かって、なんだよ」
>「……………わからんから、『何か』という表現をしている」
>「……………なら、素直にそう言えっ」
>呆れながら魔竜王が振り下ろした剣は、見事に一体のゾンビを斬り裂いた。
>「何かわからんが…それが我らにとって有益な物ではナイ事は確かだろう」
>言い、覇王の大剣がゾンビを叩き潰す。
>………………………………………………斬れよ。潰すな。
でも、大剣って、斬るよりも、
潰し切るのが、目的よ、確か。
>「…我が言っている事がわからぬか?」
>「…伝えたい事があるならストレートに言いやがれ」
>「…それもそうか」
>しゃべくっている間にも、冥王は数体のゾンビを創り出し、覇、竜、海、獣の四魔はそれをそれぞれの方法で撃破している。
>人間の身に封じられているとは思えない運動能力である。
>「つまり、だな」
>「つまり、なんだ?」
>「神族が向かってきている」
>ぶはっ!
>吹き出す魔竜王。
>「あのなぁぁぁっっ!!そーゆー事はさっさと言いやがれぇぇっっ!!!」
>「さっきから言っている」
>「遠回しにばっかり言ってただろうがぁぁっ!!!」
>「気付かん貴様も悪い」
>ワケのわからん喧嘩を始める二人。
>「で?確かなんだろうな?」
>「ああ」
>こくり、とうなずいてみせる覇王。
>「その証拠に」
>剣で冥王を指す。
>「冥王もさっきから、呪文詠唱しながら辺りの様子に気を配っている」
>「……器用なヤツだよな」
>と言うか、呪文詠唱やめれ。
でも、指揮官としては、それで良し。
>「………ガーヴ、ゼラス、ダルフ、グラウシェラー」
>冥王が皆に話しかける。
>「軍の皆を周りに集めて」
>いつもと目つきが変わっている。
>「神族の気配がする…しかもかなり高位」
>「…かなり高位?はっ。赤の竜神も俺らを高く買ってくれてるじゃねぇか」
>「余り離れていると、分散されて個別に叩かれる恐れがあるからね」
>冥王の指示に従い、自分の部下を集める皆。
>しばらくしてー…
>冥王が、ぼそりと呟いた。
>「来たよ」
>う゛んっ。
>妙な音と共に。
>皆の上空に、何者かが出現した。
>「…皆さんおそろいのようですねー…都合がいいですぅ」
でも、気配の隠し方甘いですぅ。
>ひらひらの、白い神官服を着た少女。
>年の頃なら………………一二、三歳と言った所か。
>青い瞳に白い肌、明るい金髪の美しい人間の姿をしている。
ぷりんちゃ-ん
>…だが、人間の娘は空は飛ばない。
>「…てめェ、神族か?」
>「はい、そうですぅ」
>ぴょこん、とお辞儀をする神官服神族。
>「赤の竜神様の御命令でやってきましたのですぅ」
>にこにこと楽しそうに笑う彼女。
>神族にも色々いるようだ。
>すとん、と地面に降り立つ。
>「えーと…貴方達には…私と闘うか、神族側に寝返るか選択して頂きたいんですけどぉ」
うっうっ。シリアスなのに、なんかほのぼの。
>「フザケた選択肢もあるものだ」
>ずいっ、と前に出る獣王。
>「我々魔族は、よっぽどの事がナイ限り、創り主に楯突く事は無い」
これぞ、ブシド-なり。
>「見上げた根性ですねぇ」
>くくっ、と笑い、ぱちぱちと手を叩く神族。
>「では、私と闘って頂く事になりますぅ。よろしいですかぁ?」
>「よろしいも何も、俺は最初から闘うつもりだがな」
>剣を改めて構えなおす魔竜王。
>ひゅう、と神族が口笛を吹く。
>「それはそれは気のお早い事でぇっ♪」
>「………………………………っ」
>茶化されて殺気立つ魔竜王。
>じりっ、と少女に歩み寄る。
>「…気に入らねェな」
>「貴方に気に入られようと思ってここに来たワケじゃありませんですぅ」
>「そりゃそうだ」
>「るっせェっ!!」
>少女の言葉に相づちを打つ冥王。それに言い返す魔竜王。
>「余裕ぶった態度が気にいらねェって言ってんだっ!」
>「ふふ…」
>少女はにっこり優雅に笑ってみせた。
>「…ところで…戦闘前のルールを説明します」
>「ルール?」
>「ゲームでもあるまいし」
>「…だって…思いませんか?…赤の竜神様から『五人の腹心は今人間になっている』とお聞きしていますぅ。
>つまり、実質的に。この場に『五人の腹心』は存在しませんですぅ」
>「…………………………………………」
>ぎりっ、と歯がみする五人。
>「この場にいるのは…人間が十人、高位魔族…神官、将軍クラスの魔族が十人。
>それに対する私は高位の神族です………不公平でしょう?」
>にぱっ、と笑う彼女。
>つられて笑う者は一人もいない。
>「私は…『絶対勝つと解っている勝負』はしない主義なんですぅ」
>「…そりゃまた変わったご趣味ですわね」
>「なんとでも言って下さい…そのかわり『負けるとわかっている勝負』もしませんが」
>「ほほぅ」
>「ルールは簡単ですぅ♪
>あなた方はただ逃げるだけ」
>「………………………………?」
>彼女の言っている意味がわからない皆。
>「期限は、赤の竜神様と赤眼の魔王の闘いの間。
>その間、あなた方は普通に暮らしてください」
>「それじゃ闘いにならんだろう」
>「まだ話は終わってませんよぅ…短気なひとですぅ、本当に♪」
>「あのー…悪いんだけど、そこのバカかまってないで説明してくれるかな」
>「はいはい♪さすがは冥王…
>私は、あなた方の隙を適当に見繕って攻撃しますぅ。
>つまりですねぇ…うーんと…説明難しいですね」
>「……僕が説明しようか…大体わかったから」
>「あ、そうしてくださるとありがたいですぅっ♪」
>「フィブリゾ様、あんな女がお好みだったんですかっ!?」
>「違うって。
>じゃあ、説明するよー。
>早い話が、僕たちと『鬼ごっこしよう』って言ってるんだ、あの子は」
>「………鬼ごっこ?」
>「そう。
>期限内、僕たちは普通に暮らしていればいい。
>その間にあの子は適当に攻撃をしかけてくる。
>赤眼の魔王様と赤の竜神が決着を着けるまで、ね。
>その間に、あの子が僕たちを全滅させればあの子の勝ち。
>僕たちが逃げ切るか、あの子を返り討ちにすれば僕らの勝ち」
>「…ヤなゲームだな」
>「乗って頂けますかぁ?」
いい性格ね、この子。
>「いいよ」
>友達と遊ぶ約束をするかのように言う冥王。
>そして、その日から。
>命を賭けた『鬼ごっこ』が始まった。
>
>
>
>
>
>言い訳あんど言い逃れ。
>
>
>作:………ふぅ。出たぜ第十一話。
>  『第一の神族』出現ねっ☆
>冥:………うーん…強いの?あの子………?
>作:それは『闘ってみてからのお楽しみ』v
>冥:ついでに言えば…僕たち、一体いつ魔族に戻れるの?
戻れるの。
>作:それもお楽しみv
>冥:…実はなんにも考えてないv…なーんて事ナイよね?
>作:ぐはぅっ!
>冥:吐血すんなっ!ってことは図星かぁぁっ!!!?
>作:そっ、それでは今回はこの辺でぇぇっ!!!
>冥:ごまかすなぁぁぁっっ!!答えろぉぉっっ!!!!
>
>
>
>
>
>                                              幕。
ちなみにタイトル理由は、
前に、レスしてくれた処に、ヒントありです。

うふうふふふふふうふふふふふふっ。

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8742毎度すまぬ。(何様)東琥珀 E-mail 2002/8/9 12:33:28
記事番号8739へのコメント

ユア・ファンティンさんは No.8739「貴方は、誰かのお母様。」で書きました。
>
>東琥珀さんは No.8738「第十一話:神族強襲!」で書きました。
>
>お久し振りですね。
>タイトルの意味は、最後に、わかります。
お久しぶりです。
タイトルの意味…
貴方は誰かのお母様………
うみゅ?(考えてる)
>>ざしゅっ!
>>「おーい、フィブリゾぉっ!片づけちまったぞっ!!」
>>「こっちもですわっ!次はもっと動きの速いのをっ!」
>>「了解りょーかーいっ♪」
>>にっ、と笑って呪文詠唱に入る冥王。
>>赤眼の魔王と赤の竜神の戦場から、大分離れた大陸。
>>人間魔族(なんだそりゃ)の皆さんは、自主トレに励んでいた。
>>…こうなった以上、神族との闘いは避けられない。
>傷つく事も避けられない
終わりの刻は近づくばかり。
>>一ヶ月間ですっかりなまってしまった、戦闘の勘を取り戻さなくては。
>>ちなみに攻撃対象はー…
>>
>>
>>     闇の奥より生まれ出た    昏き存在ども統べる王
>>
>>     汝の昏き力以て       時空の底に封じられし
>>     
>>     全ての哀れな存在は     再びこの世に返り咲かん
>>
>>     闇の存在よ         哀れなる存在
>>
>>     汝が王の          祝福を代価に
>>
>>     我が身と成れ        我が力と成れ
>>
>>     其の身に与えるは      冥王の祝福 
>>
>>
>>冥王が、印を結び……………
>>「『冥王幻朧呪』」
>いい『混沌の言語』ですねぇ。
考えるのに苦労しましたが。
>>ぼこっ。
>>『アドリブの効くイキのいいゾンビ』出現。
>>続けて更に呪文詠唱に入る彼。    
>>………しかし………哀れだな。ゾンビ。(汗)
>>そして、皆がいい汗(?)をかいていると…………
>>「………………………………………………………………………………?」
>勘鋭いですね。
覇王様ですから♪(答になってねェ)
>>覇王が、何かを感じた。
>>「どした、グラウシェラー?」
>>横で同じく訓練していた魔竜王が声を掛ける。
>>「……………何か、来るぞ」
>>「……………何かって、なんだよ」
>>「……………わからんから、『何か』という表現をしている」
>>「……………なら、素直にそう言えっ」
>>呆れながら魔竜王が振り下ろした剣は、見事に一体のゾンビを斬り裂いた。
>>「何かわからんが…それが我らにとって有益な物ではナイ事は確かだろう」
>>言い、覇王の大剣がゾンビを叩き潰す。
>>………………………………………………斬れよ。潰すな。
>でも、大剣って、斬るよりも、
>潰し切るのが、目的よ、確か。
ふっ。
自慢じゃないけど刀剣類には詳しくナイぜぃ、俺は。(本気で自慢に成ってナイね)
その代わり鎧とか盾とか何の役に立つんじゃいっつぅ知識ならあるけど。
古美術商を父に持った友人よ、ネタ提供サンクス。(汗)
>>「…我が言っている事がわからぬか?」
>>「…伝えたい事があるならストレートに言いやがれ」
>>「…それもそうか」
>>しゃべくっている間にも、冥王は数体のゾンビを創り出し、覇、竜、海、獣の四魔はそれをそれぞれの方法で撃破している。
>>人間の身に封じられているとは思えない運動能力である。
>>「つまり、だな」
>>「つまり、なんだ?」
>>「神族が向かってきている」
>>ぶはっ!
>>吹き出す魔竜王。
>>「あのなぁぁぁっっ!!そーゆー事はさっさと言いやがれぇぇっっ!!!」
>>「さっきから言っている」
>>「遠回しにばっかり言ってただろうがぁぁっ!!!」
>>「気付かん貴様も悪い」
>>ワケのわからん喧嘩を始める二人。
>>「で?確かなんだろうな?」
>>「ああ」
>>こくり、とうなずいてみせる覇王。
>>「その証拠に」
>>剣で冥王を指す。
>>「冥王もさっきから、呪文詠唱しながら辺りの様子に気を配っている」
>>「……器用なヤツだよな」
>>と言うか、呪文詠唱やめれ。
>でも、指揮官としては、それで良し。
『気付いてない振り』と言う意味もあり。
>>「………ガーヴ、ゼラス、ダルフ、グラウシェラー」
>>冥王が皆に話しかける。
>>「軍の皆を周りに集めて」
>>いつもと目つきが変わっている。
>>「神族の気配がする…しかもかなり高位」
>>「…かなり高位?はっ。赤の竜神も俺らを高く買ってくれてるじゃねぇか」
>>「余り離れていると、分散されて個別に叩かれる恐れがあるからね」
>>冥王の指示に従い、自分の部下を集める皆。
>>しばらくしてー…
>>冥王が、ぼそりと呟いた。
>>「来たよ」
>>う゛んっ。
>>妙な音と共に。
>>皆の上空に、何者かが出現した。
>>「…皆さんおそろいのようですねー…都合がいいですぅ」
>でも、気配の隠し方甘いですぅ。
皆さんにはもうバレちゃってますぅ。
>>ひらひらの、白い神官服を着た少女。
>>年の頃なら………………一二、三歳と言った所か。
>>青い瞳に白い肌、明るい金髪の美しい人間の姿をしている。
>ぷりんちゃ-ん
ついでに言えば手足もすらっと…(何の話だ)
>>…だが、人間の娘は空は飛ばない。
>>「…てめェ、神族か?」
>>「はい、そうですぅ」
>>ぴょこん、とお辞儀をする神官服神族。
>>「赤の竜神様の御命令でやってきましたのですぅ」
>>にこにこと楽しそうに笑う彼女。
>>神族にも色々いるようだ。
>>すとん、と地面に降り立つ。
>>「えーと…貴方達には…私と闘うか、神族側に寝返るか選択して頂きたいんですけどぉ」
>うっうっ。シリアスなのに、なんかほのぼの。
こういうキャラにしてしまった私のミスね♪(汗)
>>「フザケた選択肢もあるものだ」
>>ずいっ、と前に出る獣王。
>>「我々魔族は、よっぽどの事がナイ限り、創り主に楯突く事は無い」
>これぞ、ブシド-なり。
当たらずとも遠からず。
>>「見上げた根性ですねぇ」
>>くくっ、と笑い、ぱちぱちと手を叩く神族。
>>「では、私と闘って頂く事になりますぅ。よろしいですかぁ?」
>>「よろしいも何も、俺は最初から闘うつもりだがな」
>>剣を改めて構えなおす魔竜王。
>>ひゅう、と神族が口笛を吹く。
>>「それはそれは気のお早い事でぇっ♪」
>>「………………………………っ」
>>茶化されて殺気立つ魔竜王。
>>じりっ、と少女に歩み寄る。
>>「…気に入らねェな」
>>「貴方に気に入られようと思ってここに来たワケじゃありませんですぅ」
>>「そりゃそうだ」
>>「るっせェっ!!」
>>少女の言葉に相づちを打つ冥王。それに言い返す魔竜王。
>>「余裕ぶった態度が気にいらねェって言ってんだっ!」
>>「ふふ…」
>>少女はにっこり優雅に笑ってみせた。
>>「…ところで…戦闘前のルールを説明します」
>>「ルール?」
>>「ゲームでもあるまいし」
>>「…だって…思いませんか?…赤の竜神様から『五人の腹心は今人間になっている』とお聞きしていますぅ。
>>つまり、実質的に。この場に『五人の腹心』は存在しませんですぅ」
>>「…………………………………………」
>>ぎりっ、と歯がみする五人。
>>「この場にいるのは…人間が十人、高位魔族…神官、将軍クラスの魔族が十人。
>>それに対する私は高位の神族です………不公平でしょう?」
>>にぱっ、と笑う彼女。
>>つられて笑う者は一人もいない。
>>「私は…『絶対勝つと解っている勝負』はしない主義なんですぅ」
>>「…そりゃまた変わったご趣味ですわね」
>>「なんとでも言って下さい…そのかわり『負けるとわかっている勝負』もしませんが」
>>「ほほぅ」
>>「ルールは簡単ですぅ♪
>>あなた方はただ逃げるだけ」
>>「………………………………?」
>>彼女の言っている意味がわからない皆。
>>「期限は、赤の竜神様と赤眼の魔王の闘いの間。
>>その間、あなた方は普通に暮らしてください」
>>「それじゃ闘いにならんだろう」
>>「まだ話は終わってませんよぅ…短気なひとですぅ、本当に♪」
>>「あのー…悪いんだけど、そこのバカかまってないで説明してくれるかな」
>>「はいはい♪さすがは冥王…
>>私は、あなた方の隙を適当に見繕って攻撃しますぅ。
>>つまりですねぇ…うーんと…説明難しいですね」
>>「……僕が説明しようか…大体わかったから」
>>「あ、そうしてくださるとありがたいですぅっ♪」
>>「フィブリゾ様、あんな女がお好みだったんですかっ!?」
>>「違うって。
>>じゃあ、説明するよー。
>>早い話が、僕たちと『鬼ごっこしよう』って言ってるんだ、あの子は」
>>「………鬼ごっこ?」
>>「そう。
>>期限内、僕たちは普通に暮らしていればいい。
>>その間にあの子は適当に攻撃をしかけてくる。
>>赤眼の魔王様と赤の竜神が決着を着けるまで、ね。
>>その間に、あの子が僕たちを全滅させればあの子の勝ち。
>>僕たちが逃げ切るか、あの子を返り討ちにすれば僕らの勝ち」
>>「…ヤなゲームだな」
>>「乗って頂けますかぁ?」
>いい性格ね、この子。
元気印の裏に毒気あり。
>>「いいよ」
>>友達と遊ぶ約束をするかのように言う冥王。
>>そして、その日から。
>>命を賭けた『鬼ごっこ』が始まった。
>>
>>
>>
>>
>>
>>言い訳あんど言い逃れ。
>>
>>
>>作:………ふぅ。出たぜ第十一話。
>>  『第一の神族』出現ねっ☆
>>冥:………うーん…強いの?あの子………?
>>作:それは『闘ってみてからのお楽しみ』v
>>冥:ついでに言えば…僕たち、一体いつ魔族に戻れるの?
>戻れるの。
いつかきっとv(こら)
>>作:それもお楽しみv
>>冥:…実はなんにも考えてないv…なーんて事ナイよね?
>>作:ぐはぅっ!
>>冥:吐血すんなっ!ってことは図星かぁぁっ!!!?
>>作:そっ、それでは今回はこの辺でぇぇっ!!!
>>冥:ごまかすなぁぁぁっっ!!答えろぉぉっっ!!!!
>>
>>
>>
>>
>>
>>                                              幕。
>ちなみにタイトル理由は、
>前に、レスしてくれた処に、ヒントありです。
>
>うふうふふふふふうふふふふふふっ。
>
おお!うふふ笑い!
なんか怪しいぞ!?(失礼)
んーどれどれ。
…をう。
なんとなく理由はわかりましたが……
自信がナイですな(汗)

それではユアさん(『ファンティンさん』の方が良ければ申告ぷりーず)、
毎度ありがとうなのです。
これからも頑張りますのです!
それではまたっ!!

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8747第十二話:死神東琥珀 E-mail 2002/8/10 14:05:39
記事番号8641へのコメント

「待ってくださぁぁいvvうふふふふーぅ♪」
どがばくぐしゃべごしっっ。
「うあああああああああああああああああん!!」
「お母さんんんんんん!!!!!」
「痛いよぉぉぉぉぉぉっっっ!!!!!!」
明るい少女の声と共にとても笑えねェ声が聞こえる。
その笑えない声から必死で逃れようとする魔族二十人。
「おいおいおいっ!アイツマジで洒落になんねーよっ!」
「知らないですよそんなコトっ!!」
「お待ちになってーぇ♪」
「誰が待つか…っ」
待ったらそれが最期の瞬間。
「…ふ…僕とした事が…見た目に騙されちゃったよ…」
いつも騙してる側の冥王が言う。
因みにアテネにおんぶしてもらっていたりするがそこは無視して差し上げよう。
「…神族にも…色々…いるんだよな…」
「うん…創造神から…守護神から……………死神まで…」
そう。
あの金髪の神族少女は。
死神だったのだ。
神だって色々いるのである。
…普通、『白い服で金髪で青い瞳で』なんてヤツを死神だなんて思ったりしないだろう。
…………………………………………………………………………………………
甘い。
死神の仕事は魂を狩るコト。
黒い服で大鎌持って『捕まったらヒドい目に遭うよ〜』と全身全霊で叫んでいるかの様な姿をするのと。
綺麗な服着た美少女の姿をするのと。
どちらが魂を集めやすいか。
答は簡単である。
そして…二十人を追いかけ回す死神。
必死で走る二十人。
「…この勝負、逃げ回るだけじゃ先は見えてますよ!」
「…わかっておるわそんな事!」
「覇王様、御指示を!」
覇王軍が、王をせっついている。
「どーしろってんだこの状況ぉぉぉぉ!!?」
知らん。
つかず離れずぴったり後ろを付いていく死神。
彼女の周りには常に死の気配が付きまとう。
彼女の周りを、目に見えない無数の刃が舞っている。
二十人は、それをはっきり感じ取っていた。
………………………………………………現に。
彼女は町中を飛びながら追いかけて来ているのだが………彼女が人々の傍を飛んだ時。
傍にいた人々が、躰から血を流して倒れるのである。
『見えない刃』に斬り裂かれているのだ。
…『死神』は普通の人間には視る事ができない。
風が吹き抜けていったと思うと、いきなり皮膚が斬り裂かれている。
この現象を人は『鎌鼬』と呼ぶ。
…なんて呑気に解説している場合では無い。
「…くそっ…なんとかならねェのか…っ!?」
「…なんとも…ならないね…相手が『命あるもの』とかならまだ打つ手あるんだけど…死神じゃあね…
あの子は、どっちかってーと神より魔族に近い」
「精神世界に逃げ込んでもムダ……って事か………打つ手無し、か!」
「潔く死を受け入れた方がいいかもね」
「…冗談じゃねェっ!!」
相手が『神』『命あるもの』ならば、精神世界に入ってしまえばいい。
この二者が精神世界に入るのは少々面倒な『手続き』が要る。
その間に逃げてしまえばいい。
しかし相手が『神』よりも『魔族』に近いなら話は別。
精神世界は、あっさり彼女を受け入れる。
闘いの場が物質世界から精神世界へと移るだけである。
…そうなれば。
十人の『お荷物』を抱えた魔族側と。
単体で身動きも取りやすい死神と。
どちらが有利か言うまでもない。
この勝負、圧倒的に魔族側の不利だった。
…………………………………………どうしよう。
全員がそう考えているに違いない。
このまま殺されるのは絶対にイヤだ。
だけどこのまま逃げ回っていれば、待っているのは確実な『死』。
全力疾走しながら考える皆。(勿論考えていないヤツもいるが)
…体力消費物凄そうなんですが。
「フィブリゾぉぉぉっっ!!!なんとかしろぉぉぉっっ!!!!」
「なにゆえ僕に言うぅぅぅぅっっっ!!!!??」
「てめェ一応最強なんだろぉぉぉっっ!!!!?
こんな時くらい役に立てぇぇぇぇぇぇっっっっ!!!!!!」
「ぃやかましぃぃぃぃぃぃぃっっっっ!ちょっとは黙ってろぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!!!」
「冥王様魔竜王様こんな時に痴話喧嘩しないでくださいぃぃぃっっ!!!」
『誰がいつ痴話喧嘩なんぞしたぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!!???』
人間(?)関係こじらせつつ走る。
走る走る。走るったら走る。
「待ってくださいよぉ、もぉ」
だから誰も待たないってば。
その時。
う゛んっ。
また耳障りな音がする。
そして。
二十人の目の前に。
もう一つの影が出現した。






言い訳あんど言い逃れ。


作:…いきなりピンチですねぇ。魔族側。
冥:ちょっとこれ大丈夫なの…?
作:知らぬ存ぜぬ。
冥:ぅヲイ。
作:未来はわからないから面白い。
冥:…ま…まぁ…なんでも…いいけど…
  最終的に『話が全然つながってませーん』って事になんないように。
作:努力はする。
冥:…努力はする…ってアンタ……
作:ふ。
  便利な言葉だなぁ。『努力』。
冥:…………………………………………………
作:それでは今回はこの辺で。
冥:し…しーゆあげいん。



                                               幕。

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8749ナンバ-13、メイザ―ズユア・ファンティン 2002/8/10 19:59:45
記事番号8747へのコメント

東琥珀さんは No.8747「第十二話:死神」で書きました。
>
ユアで、いいですよ。
打つの大変でしょうし。
>「待ってくださぁぁいvvうふふふふーぅ♪」
>どがばくぐしゃべごしっっ。
>「うあああああああああああああああああん!!」
>「お母さんんんんんん!!!!!」
>「痛いよぉぉぉぉぉぉっっっ!!!!!!」
>明るい少女の声と共にとても笑えねェ声が聞こえる。
楽しそうなのに、
>その笑えない声から必死で逃れようとする魔族二十人。
>「おいおいおいっ!アイツマジで洒落になんねーよっ!」
>「知らないですよそんなコトっ!!」
>「お待ちになってーぇ♪」
ラブコメのお嬢様かっ。
>「誰が待つか…っ」
>待ったらそれが最期の瞬間。
>「…ふ…僕とした事が…見た目に騙されちゃったよ…」
>いつも騙してる側の冥王が言う。
貴方も、騙しますよね。
>因みにアテネにおんぶしてもらっていたりするがそこは無視して差し上げよう。
姉ちゃんと、弟だよね。
>「…神族にも…色々…いるんだよな…」
>「うん…創造神から…守護神から……………死神まで…」
すべてね、『神』とつく以上は。
>そう。
>あの金髪の神族少女は。
>死神だったのだ。
>神だって色々いるのである。
>…普通、『白い服で金髪で青い瞳で』なんてヤツを死神だなんて思ったりしないだろう。
でも、題名のわたしに、『とりあえず』従う
タロット・ナンバ―13・メイザ―ズは、
「白いマントで、金髪・青目」の男だよ。
>…………………………………………………………………………………………
>甘い。
>死神の仕事は魂を狩るコト。
>黒い服で大鎌持って『捕まったらヒドい目に遭うよ〜』と全身全霊で叫んでいるかの様な姿をするのと。
>綺麗な服着た美少女の姿をするのと。
>どちらが魂を集めやすいか。
>答は簡単である。
>そして…二十人を追いかけ回す死神。
>必死で走る二十人。
>「…この勝負、逃げ回るだけじゃ先は見えてますよ!」
>「…わかっておるわそんな事!」
>「覇王様、御指示を!」
>覇王軍が、王をせっついている。
>「どーしろってんだこの状況ぉぉぉぉ!!?」
>知らん。
>つかず離れずぴったり後ろを付いていく死神。
>彼女の周りには常に死の気配が付きまとう。
>彼女の周りを、目に見えない無数の刃が舞っている。
怖いね。(心底楽しそうに)
>二十人は、それをはっきり感じ取っていた。
>………………………………………………現に。
>彼女は町中を飛びながら追いかけて来ているのだが………彼女が人々の傍を飛んだ時。
>傍にいた人々が、躰から血を流して倒れるのである。
>『見えない刃』に斬り裂かれているのだ。
>…『死神』は普通の人間には視る事ができない。
>風が吹き抜けていったと思うと、いきなり皮膚が斬り裂かれている。
血ねぇ。あれは、やだわ。
>この現象を人は『鎌鼬』と呼ぶ。
>…なんて呑気に解説している場合では無い。
>「…くそっ…なんとかならねェのか…っ!?」
>「…なんとも…ならないね…相手が『命あるもの』とかならまだ打つ手あるんだけど…死神じゃあね…
>あの子は、どっちかってーと神より魔族に近い」
>「精神世界に逃げ込んでもムダ……って事か………打つ手無し、か!」
>「潔く死を受け入れた方がいいかもね」
>「…冗談じゃねェっ!!」
>相手が『神』『命あるもの』ならば、精神世界に入ってしまえばいい。
>この二者が精神世界に入るのは少々面倒な『手続き』が要る。
>その間に逃げてしまえばいい。
>しかし相手が『神』よりも『魔族』に近いなら話は別。
>精神世界は、あっさり彼女を受け入れる。
>闘いの場が物質世界から精神世界へと移るだけである。
>…そうなれば。
>十人の『お荷物』を抱えた魔族側と。
>単体で身動きも取りやすい死神と。
>どちらが有利か言うまでもない。
>この勝負、圧倒的に魔族側の不利だった。
>…………………………………………どうしよう。
>全員がそう考えているに違いない。
>このまま殺されるのは絶対にイヤだ。
>だけどこのまま逃げ回っていれば、待っているのは確実な『死』。
>全力疾走しながら考える皆。(勿論考えていないヤツもいるが)
>…体力消費物凄そうなんですが。
>「フィブリゾぉぉぉっっ!!!なんとかしろぉぉぉっっ!!!!」
>「なにゆえ僕に言うぅぅぅぅっっっ!!!!??」
>「てめェ一応最強なんだろぉぉぉっっ!!!!?
>こんな時くらい役に立てぇぇぇぇぇぇっっっっ!!!!!!」
>「ぃやかましぃぃぃぃぃぃぃっっっっ!ちょっとは黙ってろぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!!!」
仲のいい兄弟だね。
>「冥王様魔竜王様こんな時に痴話喧嘩しないでくださいぃぃぃっっ!!!」
>『誰がいつ痴話喧嘩なんぞしたぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!!???』
>人間(?)関係こじらせつつ走る。
>走る走る。走るったら走る。
>「待ってくださいよぉ、もぉ」
>だから誰も待たないってば。
>その時。
>う゛んっ。
>また耳障りな音がする。
>そして。
>二十人の目の前に。
>もう一つの影が出現した。
敵か、味方か。
>
>
>
>
>
>言い訳あんど言い逃れ。
>
>
>作:…いきなりピンチですねぇ。魔族側。
>冥:ちょっとこれ大丈夫なの…?
>作:知らぬ存ぜぬ。
>冥:ぅヲイ。
>作:未来はわからないから面白い。
>冥:…ま…まぁ…なんでも…いいけど…
>  最終的に『話が全然つながってませーん』って事になんないように。
>作:努力はする。
>冥:…努力はする…ってアンタ……
>作:ふ。
>  便利な言葉だなぁ。『努力』。
>冥:…………………………………………………
>作:それでは今回はこの辺で。
>冥:し…しーゆあげいん。
>
>
>
>                                               幕。
楽しかったですねぇ。
次も、楽しみにしています。

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8756そっか。成程。(納得)東琥珀 E-mail 2002/8/12 13:35:06
記事番号8749へのコメント

ユア・ファンティンさんは No.8749「ナンバ-13、メイザ―ズ」で書きました。
>
>東琥珀さんは No.8747「第十二話:死神」で書きました。
>>
>ユアで、いいですよ。
>打つの大変でしょうし。
よっしゃ。
それでは『ユアさん』と呼ばせて頂きませう。
>>「待ってくださぁぁいvvうふふふふーぅ♪」
>>どがばくぐしゃべごしっっ。
>>「うあああああああああああああああああん!!」
>>「お母さんんんんんん!!!!!」
>>「痛いよぉぉぉぉぉぉっっっ!!!!!!」
>>明るい少女の声と共にとても笑えねェ声が聞こえる。
>楽しそうなのに、
怖いんですよね。やってる事は。(遠い目)
>>その笑えない声から必死で逃れようとする魔族二十人。
>>「おいおいおいっ!アイツマジで洒落になんねーよっ!」
>>「知らないですよそんなコトっ!!」
>>「お待ちになってーぇ♪」
>ラブコメのお嬢様かっ。
ノリ的には近いかもっ。
>>「誰が待つか…っ」
>>待ったらそれが最期の瞬間。
>>「…ふ…僕とした事が…見た目に騙されちゃったよ…」
>>いつも騙してる側の冥王が言う。
>貴方も、騙しますよね。
騙された人は数知れず。
>>因みにアテネにおんぶしてもらっていたりするがそこは無視して差し上げよう。
>姉ちゃんと、弟だよね。
見た目はですね。
>>「…神族にも…色々…いるんだよな…」
>>「うん…創造神から…守護神から……………死神まで…」
>すべてね、『神』とつく以上は。
『【神】だから優しい』とは言えないんですよね。
>>そう。
>>あの金髪の神族少女は。
>>死神だったのだ。
>>神だって色々いるのである。
>>…普通、『白い服で金髪で青い瞳で』なんてヤツを死神だなんて思ったりしないだろう。
>でも、題名のわたしに、『とりあえず』従う
>タロット・ナンバ―13・メイザ―ズは、
>「白いマントで、金髪・青目」の男だよ。
うみゅ。
タロットって…
一応持ってるけど、詳しくは無いんですよ(意味ねェ…全然意味ねェ)
>>…………………………………………………………………………………………
>>甘い。
>>死神の仕事は魂を狩るコト。
>>黒い服で大鎌持って『捕まったらヒドい目に遭うよ〜』と全身全霊で叫んでいるかの様な姿をするのと。
>>綺麗な服着た美少女の姿をするのと。
>>どちらが魂を集めやすいか。
>>答は簡単である。
>>そして…二十人を追いかけ回す死神。
>>必死で走る二十人。
>>「…この勝負、逃げ回るだけじゃ先は見えてますよ!」
>>「…わかっておるわそんな事!」
>>「覇王様、御指示を!」
>>覇王軍が、王をせっついている。
>>「どーしろってんだこの状況ぉぉぉぉ!!?」
>>知らん。
>>つかず離れずぴったり後ろを付いていく死神。
>>彼女の周りには常に死の気配が付きまとう。
>>彼女の周りを、目に見えない無数の刃が舞っている。
>怖いね。(心底楽しそうに)
近づいただけで死んじゃうのだものね。
>>二十人は、それをはっきり感じ取っていた。
>>………………………………………………現に。
>>彼女は町中を飛びながら追いかけて来ているのだが………彼女が人々の傍を飛んだ時。
>>傍にいた人々が、躰から血を流して倒れるのである。
>>『見えない刃』に斬り裂かれているのだ。
>>…『死神』は普通の人間には視る事ができない。
>>風が吹き抜けていったと思うと、いきなり皮膚が斬り裂かれている。
>血ねぇ。あれは、やだわ。
時々、人の躰から血が流れ出るサマを『美しい』と思う事がある悪趣味な私。
>>この現象を人は『鎌鼬』と呼ぶ。
>>…なんて呑気に解説している場合では無い。
>>「…くそっ…なんとかならねェのか…っ!?」
>>「…なんとも…ならないね…相手が『命あるもの』とかならまだ打つ手あるんだけど…死神じゃあね…
>>あの子は、どっちかってーと神より魔族に近い」
>>「精神世界に逃げ込んでもムダ……って事か………打つ手無し、か!」
>>「潔く死を受け入れた方がいいかもね」
>>「…冗談じゃねェっ!!」
>>相手が『神』『命あるもの』ならば、精神世界に入ってしまえばいい。
>>この二者が精神世界に入るのは少々面倒な『手続き』が要る。
>>その間に逃げてしまえばいい。
>>しかし相手が『神』よりも『魔族』に近いなら話は別。
>>精神世界は、あっさり彼女を受け入れる。
>>闘いの場が物質世界から精神世界へと移るだけである。
>>…そうなれば。
>>十人の『お荷物』を抱えた魔族側と。
>>単体で身動きも取りやすい死神と。
>>どちらが有利か言うまでもない。
>>この勝負、圧倒的に魔族側の不利だった。
>>…………………………………………どうしよう。
>>全員がそう考えているに違いない。
>>このまま殺されるのは絶対にイヤだ。
>>だけどこのまま逃げ回っていれば、待っているのは確実な『死』。
>>全力疾走しながら考える皆。(勿論考えていないヤツもいるが)
>>…体力消費物凄そうなんですが。
>>「フィブリゾぉぉぉっっ!!!なんとかしろぉぉぉっっ!!!!」
>>「なにゆえ僕に言うぅぅぅぅっっっ!!!!??」
>>「てめェ一応最強なんだろぉぉぉっっ!!!!?
>>こんな時くらい役に立てぇぇぇぇぇぇっっっっ!!!!!!」
>>「ぃやかましぃぃぃぃぃぃぃっっっっ!ちょっとは黙ってろぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!!!」
>仲のいい兄弟だね。
なんだかんだ言ってね。
>>「冥王様魔竜王様こんな時に痴話喧嘩しないでくださいぃぃぃっっ!!!」
>>『誰がいつ痴話喧嘩なんぞしたぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!!???』
>>人間(?)関係こじらせつつ走る。
>>走る走る。走るったら走る。
>>「待ってくださいよぉ、もぉ」
>>だから誰も待たないってば。
>>その時。
>>う゛んっ。
>>また耳障りな音がする。
>>そして。
>>二十人の目の前に。
>>もう一つの影が出現した。
>敵か、味方か。
わくわく。(ヲイ)
>>
>>
>>
>>
>>
>>言い訳あんど言い逃れ。
>>
>>
>>作:…いきなりピンチですねぇ。魔族側。
>>冥:ちょっとこれ大丈夫なの…?
>>作:知らぬ存ぜぬ。
>>冥:ぅヲイ。
>>作:未来はわからないから面白い。
>>冥:…ま…まぁ…なんでも…いいけど…
>>  最終的に『話が全然つながってませーん』って事になんないように。
>>作:努力はする。
>>冥:…努力はする…ってアンタ……
>>作:ふ。
>>  便利な言葉だなぁ。『努力』。
>>冥:…………………………………………………
>>作:それでは今回はこの辺で。
>>冥:し…しーゆあげいん。
>>
>>
>>
>>                                               幕。
>楽しかったですねぇ。
>次も、楽しみにしています。
>
うう。いつもいつもありがとです。感謝してます。
あ、そう言えば投稿小説1に投稿しておられましたね。
レスしに行きまする。
(東琥珀は冥王ネタを出すと寄っていく』はもはや通説)
それでは、この辺で。

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8759Re:うぉい。(ツッコミ)ユア・ファンティン 2002/8/12 21:20:05
記事番号8756へのコメント

勘違いしないで下さいね。
『持ってる』タッロット×
『従われている』〈憑かれている〉タロット○
で、8/17の百物語用の話だから、
詳しく話せないけど、
私のタロットに憑いているのが、
・・・・・5人の1人が、メイザ−ズ。

他が、

NO.1・パメラ(魔術師)
NO.15・エレナ(悪魔)
NO.14・アレイス(太陽)
NO.18・エリファンス(月)


この世には、
科学では、証明できない事もあるのだ・・・・・・。




「ダイアリィ−」の1と2入れときます。

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8757第十三話:勝利条件。東琥珀 E-mail 2002/8/12 14:27:13
記事番号8641へのコメント

紅く輝くガーネットの色をした長髪。
深い翡翠の色をした瞳。
桜色の唇。
透ける様な白い肌。
そして、白い衣。
『地上に舞い降りた天使』とも言うべき美しい女性。
金髪死神よりもやや大人びている。
しかし、魔族たちは本能的に悟っていた。
この、紅い髪の神族も、また同じ。
高位の死神である、と言う事を。
「…………」
動きを止める金髪。
まるで魔族など眼前に無いかの様に。
蒼穹の瞳は、赤毛を見詰めていた。
「…あっちゃああ………」
頭を抱える金髪。
「…出てきちゃいましたかぁ…」
「…何を考えているのだ、ライアナ」
金髪に呼びかける。
ライアナと言うらしい。
死神にも名前があるのか。
当然の事ながらなんか驚き。
「…何をって…赤の竜神様の命令に従っているだけ、ですよぉ」
にっこりと悪意の無さそうな笑みを浮かべるライアナ。
「…私が聞いているのはそういう事では無い」
戒めるように言う赤毛。
「何故『遊んで』いるのだと聞いている」
二人がよくわからん話し合いをしている内に、こそこそっと路地裏に隠れる魔族陣。
…余りの人数の為、路地裏に『隠れる』と言うよりは『詰まる』という感じ。
「赤の竜神様の命令を聞いていなかったのか、お前は」
「…聞いていましたよぅ。…実行はしませんけど」
意味無いってば。それじゃ。
…赤の竜神も苦労しているのかもしれなひ。
「『味方に引き込めるヤツは引き込め。引き込め無いヤツは殺せ』」
「だからぁ…引き込めなかったから殺そうとしてるんですよぉ」
「ならばさっさと殺すがよかろうに…それしきの事、貴様には簡単な筈」
「…だって…それじゃ…面白く無いじゃ無い」
「…………………………………………………とにかく…ちょっと来いっ!」
魔族たちの視線に気付いたか、はたまた別の理由があったか。
ライアナの袖をつかんで空間移動する赤毛。
「…あーあ…
楽しかったですねぇ、また遊びましょうねーvv」
フザケた言葉を残して消えるライアナ。
………………………………もう来なくてよしっ!!
心の中で力いっぱい叫ぶ魔族陣。
「…なんだったの…?あれ…?」
「……さぁ」
呆けたように呟く皆であった。





「ちょっとぉっ!イタいですよぉ、お姉様ぁ!」
「やかましい」
ライアナ…妹の死神を引っ張る、赤毛死神。
…この二人、実は姉妹だったりするのである。
「別に命令違反した訳じゃ無いのにぃ…泣いちゃいますっ!うるうるっ!」
「勝手に泣け」
「…んもうっ!赤の竜神様ならノッてくれますのにぃ」
「あの方と私を一緒にするな」
ジト目で言う赤毛。
「それより…今日の醜態の言い訳をしてもらおうか」
「………………醜態とまで………………」
「さっさと話す」
「……………………………………………」
ぶりっ子で言い逃れるのを諦めるライアナ。
「…だってだってだって!神族って娯楽少ないんですものぉっ!
ならたまに魔族からかうくらい娯楽として認めてくださいよぉぉ…」
「そぉいう場合か」
ジロッとにらまれ、思わず後ずさるライアナ。
死神だろうがなんだろうが、やはり姉は怖い。
「いいか?次はしっかり殺る事だ…そうすれば赤の竜神様に言いつけずにおいてやる」
「…………………………………」
何やら考える。
「………どうした?」
「………ちょっと………難しいかもしれません」
「………は………?」
自信家の妹が、少し自信無さそうに言うのを見て、思わず聞き返す。
「………もしかしたら………私との闘いの中で、封印が解けちゃうかもしれないんですぅ………」
「………何も考えずに遊んできただけでは無い様だな」
「………封印は、弱まっていますぅ…………
…………こう言っては何ですが………もし………五人の腹心と、その部下十五人。
この二十人とまともに闘って勝つ自信、いくら私でもありませんですぅ」
「………そりゃそうか」
納得する赤毛。
「…しかし、だからと言って闘わない訳にはいかないだろうに」
「…どうしましょう、お姉様ぁ」
「私が知るか」
正直でよろしい。
「そんなぁぁ!妹が生きるか死ぬかの瀬戸際に立ってるって言うのにぃぃ!」
「……………………」
少し考える(フリをする)赤毛。
「そうだな…ならば、ヒントをやろう」
「ヒント?」
「なんとかして勝てる状況、と言うのを考えてみればいい。
お前がヤツらに出した、お前の勝利条件はなんだ?」
「…『二十人を皆殺しにする事』」
「…別に『二十人一気に相手にする』必要は無いだろうが」
「……………そか」
何か思い付いたらしい。
ライアナは、しばらくぶつぶつ呟いて…………
もう一度、立ち上がった。






言い訳あんど言い逃れ。



作:ライアナー。
  どっかで聞いた事のある名前っスね。
冥:…僕としては…
  おしまいまで名前の出てこなかった赤毛サンの方が気の毒………
作:ん?
  一応ありますよ。名前。
  思いっきり頑張って考えたんですから。
冥:………ふぅぅぅん?
作:…しかし、このお姉ちゃんも怖いヒト(人間じゃ無いけど)ですね。
  ウチの姉と張り合ってひけとらんです。
冥:………どんな姉だ。キミの姉は。
作:………聞かないでください。
冥:………聞かない事にする。
作:そうですね…敢えて言えば。
  『転生話番外2』でレノアが作ったミソ汁。
  あれ、ウチの姉ちゃんが、病気で寝込んだ妹に『心を込めて』作った『病人食』です。
冥:……………………………………………………………………………
  モデルがあったのね………あの料理に…………
作:……………そういう事です。
  そ………それでは今回はこの辺で♪
  さようならー♪



                                            幕。

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8758第十四話:水の将軍東琥珀 E-mail 2002/8/12 16:52:19
記事番号8641へのコメント

「…ったく…何故海王将軍ともあろう者が、こうして買い出しなど………」
ぶつくさ言いながら道を辿る海王将軍…オルエン。
「ん〜と…なになに?獣王軍は…生肉と…歯磨き粉?覇王軍が…」
何を買ってくるのか、ぶつぶつ口の中で呟き、忘れぬ様に努める。
その姿はまるで立派な村娘。
誰も魔族だなどとは思うまい。
そして………………………………………………
「っ!?」
ふと感じた覚えのある感覚。
一瞬にして考えをまとめると、次の瞬間にはオルエンはもう駆けだしていた。
思いこんだら即実行のひとなのである。

…………間違いない…………この気配は…………神族!
確信を深めながら走る。
…………しかも低級だ…………これなら今の私でも相手に出来る…………
手柄を立て、海王を喜ばせたい一心で走る。
…………この道を…………まっすぐ…………次の角で…………曲がる!
どんどん濃くなっていく神族特有の気配。
躰に染みついた神界の匂いが気に障る。
…………右…………左…………左…………右…………
直感で路地裏を駆け抜けていくオルエン。
…………ここだっ!
最後の角を曲がり………………………
…………いたッ!!
瞳が、低級神族の姿を捉える。
どぐしゅっ!
聞いていて決して良い気持ちでは無い音と共に。
オルエンの手にした槍が、神族を貫いていた。
…ぎ…ぎ…ぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ…………………………
空気が震えるような音。
ざしゅっ!
細かい塵になって風に解け消える。
「…………ふぅ」
久しぶりの神族退治。
「…………大分躰がなまっているな」
こきこき、と肩を鳴らし、槍を担ぎ、
「そうそう、買い物に行かねば」
財布を確認し、路地裏から大通りに向かって歩き出す。
……………………………………………………………………………………………
…………………………………………三十分後。
「……おかしい。」
オルエンは、未だ路地裏にいた。
「……道は間違えていない筈なのに………」
一旦立ち止まり、辺りをきょときょと見渡す。
代わり映えのしないレンガの壁があるばかり。
「…………………………………………」
再び歩き出す彼女。
……………………………………………………………………………………………
しかし。
行っても行っても路地裏。
「………どーなってんだぁぁ!?この路地裏ぁぁ!!!?」
あ。
キレた。
「……ったく……この私がこのような所で迷う訳が無いのだ………この私が………誇り高き海王将軍が………」
プライドエベレスト海王将軍オルエン。
「………よっぽどの事が無い限り…………
…………よっぽどの………………事が……………」
嫌な予感が脳裏をかすめる。
「…………………………………………」
そうで無い事を祈りつつ。
すぐそこのレンガ壁に手を触れる。
ばぢゅっ!
「っ!」
何かに、弾かれた。
それは、オルエンが『結界』の中に………
自分と相反する性質の存在によって創られた結界の中にいる証。
「…………最悪…………っ」
思わず呟く彼女。
気付いたのだ。
最初の低級神族は、単なる囮にしか過ぎなかった事を。
神族と見れば……敵と見れば迷わずに走っていく彼女を誘い込む罠。
恐らく仕掛け主は……………………………
「ようこそ」
う゛んっ。
頭上に出現する、金色の死神。
「…えーと…お名前は…なんでしたっけぇ?」
「…オルエン、と言う」
「オルエンさん…ああ!海王将軍さんですね?
海王は、確か人間界には貴女を連れて行かれたんでしたねぇ」
「……………………………」
「オルゴールは、今でも大事に持っていますかぁ?」
「……………………………」
海王と二人で人間界を歩き回っていた頃。
海王が自分の為に買い与えてくれた宝物。
かなり高価なマジックアイテムで、録音機能までついている。
そして、今は、海王の歌声が封じ込められている。
…………そんな、戦闘にはどうでもいいような事まで知っている。
…………神族は、予想以上に魔族の情報を多く集めているようだ。
「大事にしないといけませんねぇ…結構高価なものなんでしょぉ?」
「………貴様には関係あるまい」
「まぁっ☆つれないわダーリンっ!よよよ…」
オルエンは、自分の脳味噌が溶けていくのを感じた気がした。
「………あれっ?どうしたんですかぁ?いきなりへたりこんじゃってぇ」
「………脱力しとるんだ………」
よろよろと立ち上がるオルエン。
「………えーっ、えーっ、どぉしてですかぁ、私とのお話つまんないですかぁ」
「…我々が今までこんな奴等相手に闘っていたと考えると情けなくもなる」
そりゃそうだ。
「…だってぇ、私コレが地ですしぃ」
「知らぬわそんな事」
ジト目で言うオルエン。
どうでも良いが、オルエンよ。
アンタきっちりライアナのペースに取り込まれてるぞ。
「………そうですかぁ…所詮神族と魔族は相容れぬ存在なのですねぇ」
微妙にズレた台詞を吐く。
「………一緒の世界では…生きられぬ運命………」
「『運命』?」
吐き捨てるオルエン。
「私の嫌いな言葉でな、それは」
「……………………」
「………運命?今まで我々の身に降りかかった事が、全て運命によるもの?」
「そうですよ」
「この身果てるまで逃れられないもの?」
「その通りですぅ」
「………私が海王将軍になったのも、運命か?
………私が魔族になったのも、運命か?
………いつかは必ず滅びを受け入れ無ければならないのも、運命か?」
オルエンは、魔族の変わり種だった。
魔族の望みが『滅ぶ事』なのに疑問を抱いていた。
  

     私は此処に存在する。

     その事実は変える事はできない。

     私は此処に存在している。

     存在しているのに。

     いつかは混沌へと還らねばならない。

     滅ぶための生。

     霞のごとき生。

     苦しみと迷いの付きまとう生。

     この様な生になんの意味がある。



常々こう思っていた。
それでも彼女は辛くは無かった。
………………………海王がいたから。
愛すべき母がいたから。
海王を少しでも喜ばせたかったから。
だから、彼女は魔族としての自分を受け入れた。
もし、海王の存在が無かったなら。
あるいは、今と少しでも違う人格の持ち主なら。
オルエンは早々に神族に寝返っていたかもしれない。
それほどまでに。
オルエンにとっては、海王が大事だった。
海王が、オルエンの全てだった。



「………そうです。運命ですよぉ。
全部全部、運命です」
「……………………………………………………………」
ぱたぱたと手を振りつつ。
お気楽極楽に言うライアナ。
「私たちの辿る道は、もう既にできているんですからぁ。
いくら抵抗したって無駄なことですよぉ」
「……………………………………………………………」
「………貴女なら………わかっているのでしょう?」
すいっ、と。
ライアナが、目を細めた。
「………貴女なら………」
「…………………………………」
「自分たちの存在が、意味の無い事だと気付いているのでは無いですか?」
………………………………………………………………………………
「…………………………………い」
「え?」
「私は…まだ…逝けない」
「………………………………………………………………」
「海王様がいる…あの方の為にも…私は…まだ」
くくっ、と笑う死神。
「全ては母のため………ですかぁ。
………イイですよ。そういう考え方、結構好きですぅ」
「………………………………………………」
「………でも………見逃すと、しかられちゃいますし………
やっぱり、私たちには、貴女達の存在には意味が無いように思えますのでv」
無言のままで………………
槍を構える彼女。
金色の死神に向かって。
気丈にも、震えたりしなかった。
それが無謀な事だとわかっていても。
彼女は、抵抗せずにはいられなかった。
全ては愛する海王のため。




























「全く……………オルエンったら、一体何をしているのかしら」
路地裏に、ひょっこりと顔を出す海王。
余りにも遅い部下の帰りを心配し、残留魔力を辿って捜しに来たのだ。
「…えーと…こっちかしら」
角を曲がり………………………
海王が見たのは。
冷たくなったオルエンだった。
全身に刻まれた切り傷から、血を流している。
「オルエンっ!?」
オルエンを抱き上げる海王。
……………カタン。
オルエンの躰から。
オルゴールが滑り落ちた。
軽い衝撃でフタが開き、オルゴールが美しい旋律を奏でる。
「ちょっと…ちょっと!しっかりしなさい!
目を開けなさいっ!命令よ!」
強気に言いながらも。
海王の目から涙がこぼれる。
海王の肩が細かく震える。
「…………………………………………………っ」
いくら泣いても。
呼んでも。
揺すっても…………
オルエンの瞳が、もう一度開く事は無かった。
「………いやああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」
路地裏に、オルゴールの音色だけが響いていた。
まるで、オルエンに対する鎮魂曲の様に。











言い訳あんど言い逃れ。



作:………はて………何を語ればいいものか。
冥:…………………………………………………
  死んじゃったね……………オル…………………
作:………ん。
  お気に入りの一人だっただけに、ちょっとイタいです。
  …………………オルエンの死滅は、最初から予定していた事なんだけど。
  でもちょっと助かった。
冥:何故っ!?
作:………やっと………転生話の………
  フィリーの妹を登場させられるんだな、と思って。
冥:……………………………え?
作:今明かされる真実。
  フィリーの妹はオルエン。
  …だって。転生話でそれバラしちゃったら
  『ああ五大魔族でオルエン死ぬのね』ってバレちゃうし。
  隠し続けるのに苦労したさ。とてもとても。
冥:ほほぅ……………
  さてどうなる海王軍。
作:んー…
  海王のダメージはデカい………
冥:………うー…本気で暗いね。
作:作者にも見通し付きません。もう。
冥:…………………………………………………………………
作:………それでは、今回はこの辺で……………




                                                  



                              オルエンに黙祷。

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8760おるえん…っ…璃緒 E-mail 2002/8/12 21:34:17
記事番号8758へのコメント

璃緒:どうも璃緒です。コメント投稿は初です。
L様:そうよね〜♪あんたっていつも読み逃げしてるものね〜♪
璃緒:うっっっ…ま、まあこうしてここにいるわけだし。
L様:それで許されると?
璃緒:と…とりあえず私の感想を…お暇でしたら…聞いてください。

>「…ったく…何故海王将軍ともあろう者が、こうして買い出しなど………」
>ぶつくさ言いながら道を辿る海王将軍…オルエン。
>「ん〜と…なになに?獣王軍は…生肉と…歯磨き粉?覇王軍が…」
生肉!?
やっぱりメタルくんの…?
>何を買ってくるのか、ぶつぶつ口の中で呟き、忘れぬ様に努める。
>その姿はまるで立派な村娘。
>誰も魔族だなどとは思うまい。
>そして………………………………………………
>「っ!?」
>ふと感じた覚えのある感覚。
>一瞬にして考えをまとめると、次の瞬間にはオルエンはもう駆けだしていた。
>思いこんだら即実行のひとなのである。
どこかのだれかさんみたい♪
>
>…………間違いない…………この気配は…………神族!
>確信を深めながら走る。
>…………しかも低級だ…………これなら今の私でも相手に出来る…………
>手柄を立て、海王を喜ばせたい一心で走る。
L様:くくうっ!!泣かせるわねえっ!!
璃緒:それにしても低級の神族って、どんな姿なのでしょう…?
   まさか…低級魔族みたいなのじゃあ…?
>…………この道を…………まっすぐ…………次の角で…………曲がる!
>どんどん濃くなっていく神族特有の気配。
>躰に染みついた神界の匂いが気に障る。
>…………右…………左…………左…………右…………
>直感で路地裏を駆け抜けていくオルエン。
>…………ここだっ!
>最後の角を曲がり………………………
>…………いたッ!!
>瞳が、低級神族の姿を捉える。
>どぐしゅっ!
>聞いていて決して良い気持ちでは無い音と共に。
>オルエンの手にした槍が、神族を貫いていた。
>…ぎ…ぎ…ぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ…………………………
>空気が震えるような音。
>ざしゅっ!
>細かい塵になって風に解け消える。
>「…………ふぅ」
>久しぶりの神族退治。
>「…………大分躰がなまっているな」
>こきこき、と肩を鳴らし、槍を担ぎ、
>「そうそう、買い物に行かねば」
>財布を確認し、路地裏から大通りに向かって歩き出す。
>……………………………………………………………………………………………
>…………………………………………三十分後。
>「……おかしい。」
>オルエンは、未だ路地裏にいた。
>「……道は間違えていない筈なのに………」
>一旦立ち止まり、辺りをきょときょと見渡す。
>代わり映えのしないレンガの壁があるばかり。
>「…………………………………………」
>再び歩き出す彼女。
>……………………………………………………………………………………………
>しかし。
>行っても行っても路地裏。
>「………どーなってんだぁぁ!?この路地裏ぁぁ!!!?」
>あ。
>キレた。
>「……ったく……この私がこのような所で迷う訳が無いのだ………この私が………誇り高き海王将軍が………」
>プライドエベレスト海王将軍オルエン。
>「………よっぽどの事が無い限り…………
>…………よっぽどの………………事が……………」
>嫌な予感が脳裏をかすめる。
>「…………………………………………」
>そうで無い事を祈りつつ。
>すぐそこのレンガ壁に手を触れる。
>ばぢゅっ!
>「っ!」
>何かに、弾かれた。
>それは、オルエンが『結界』の中に………
>自分と相反する性質の存在によって創られた結界の中にいる証。
>「…………最悪…………っ」
>思わず呟く彼女。
>気付いたのだ。
>最初の低級神族は、単なる囮にしか過ぎなかった事を。
>神族と見れば……敵と見れば迷わずに走っていく彼女を誘い込む罠。
>恐らく仕掛け主は……………………………
>「ようこそ」
>う゛んっ。
>頭上に出現する、金色の死神。
>「…えーと…お名前は…なんでしたっけぇ?」
>「…オルエン、と言う」
>「オルエンさん…ああ!海王将軍さんですね?
>海王は、確か人間界には貴女を連れて行かれたんでしたねぇ」
>「……………………………」
>「オルゴールは、今でも大事に持っていますかぁ?」
>「……………………………」
>海王と二人で人間界を歩き回っていた頃。
>海王が自分の為に買い与えてくれた宝物。
>かなり高価なマジックアイテムで、録音機能までついている。
>そして、今は、海王の歌声が封じ込められている。
>…………そんな、戦闘にはどうでもいいような事まで知っている。
>…………神族は、予想以上に魔族の情報を多く集めているようだ。
>「大事にしないといけませんねぇ…結構高価なものなんでしょぉ?」
>「………貴様には関係あるまい」
>「まぁっ☆つれないわダーリンっ!よよよ…」
>オルエンは、自分の脳味噌が溶けていくのを感じた気がした。
>「………あれっ?どうしたんですかぁ?いきなりへたりこんじゃってぇ」
>「………脱力しとるんだ………」
>よろよろと立ち上がるオルエン。
>「………えーっ、えーっ、どぉしてですかぁ、私とのお話つまんないですかぁ」
>「…我々が今までこんな奴等相手に闘っていたと考えると情けなくもなる」
>そりゃそうだ。
>「…だってぇ、私コレが地ですしぃ」
>「知らぬわそんな事」
>ジト目で言うオルエン。
>どうでも良いが、オルエンよ。
>アンタきっちりライアナのペースに取り込まれてるぞ。
>「………そうですかぁ…所詮神族と魔族は相容れぬ存在なのですねぇ」
>微妙にズレた台詞を吐く。
>「………一緒の世界では…生きられぬ運命………」
そんなことないですっ!!
きっとそう思い込んでるだけで…。
>「『運命』?」
>吐き捨てるオルエン。
>「私の嫌いな言葉でな、それは」
私も運命なんて言葉嫌いです。
>「……………………」
>「………運命?今まで我々の身に降りかかった事が、全て運命によるもの?」
>「そうですよ」
>「この身果てるまで逃れられないもの?」
>「その通りですぅ」
>「………私が海王将軍になったのも、運命か?
>………私が魔族になったのも、運命か?
>………いつかは必ず滅びを受け入れ無ければならないのも、運命か?」
>オルエンは、魔族の変わり種だった。
>魔族の望みが『滅ぶ事』なのに疑問を抱いていた。
>  
>
>     私は此処に存在する。
>
>     その事実は変える事はできない。
>
>     私は此処に存在している。
>
>     存在しているのに。
>
>     いつかは混沌へと還らねばならない。
>
>     滅ぶための生。
>
>     霞のごとき生。
>
>     苦しみと迷いの付きまとう生。
>
>     この様な生になんの意味がある。
>
>
>
>常々こう思っていた。
>それでも彼女は辛くは無かった。
>………………………海王がいたから。
>愛すべき母がいたから。
>海王を少しでも喜ばせたかったから。
>だから、彼女は魔族としての自分を受け入れた。
>もし、海王の存在が無かったなら。
>あるいは、今と少しでも違う人格の持ち主なら。
>オルエンは早々に神族に寝返っていたかもしれない。
>それほどまでに。
>オルエンにとっては、海王が大事だった。
>海王が、オルエンの全てだった。
>
>
>
>「………そうです。運命ですよぉ。
>全部全部、運命です」
>「……………………………………………………………」
>ぱたぱたと手を振りつつ。
>お気楽極楽に言うライアナ。
>「私たちの辿る道は、もう既にできているんですからぁ。
>いくら抵抗したって無駄なことですよぉ」
あの魔導師なら運命なんて跳ね飛ばすでしょうね、きっと。
>「……………………………………………………………」
>「………貴女なら………わかっているのでしょう?」
>すいっ、と。
>ライアナが、目を細めた。
>「………貴女なら………」
>「…………………………………」
>「自分たちの存在が、意味の無い事だと気付いているのでは無いですか?」
>………………………………………………………………………………
>「…………………………………い」
>「え?」
>「私は…まだ…逝けない」
>「………………………………………………………………」
>「海王様がいる…あの方の為にも…私は…まだ」
>くくっ、と笑う死神。
>「全ては母のため………ですかぁ。
>………イイですよ。そういう考え方、結構好きですぅ」
>「………………………………………………」
>「………でも………見逃すと、しかられちゃいますし………
>やっぱり、私たちには、貴女達の存在には意味が無いように思えますのでv」
>無言のままで………………
>槍を構える彼女。
>金色の死神に向かって。
>気丈にも、震えたりしなかった。
>それが無謀な事だとわかっていても。
>彼女は、抵抗せずにはいられなかった。
>全ては愛する海王のため。
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>「全く……………オルエンったら、一体何をしているのかしら」
>路地裏に、ひょっこりと顔を出す海王。
>余りにも遅い部下の帰りを心配し、残留魔力を辿って捜しに来たのだ。
>「…えーと…こっちかしら」
>角を曲がり………………………
>海王が見たのは。
>冷たくなったオルエンだった。
Σ(゜つ゜)
>全身に刻まれた切り傷から、血を流している。
>「オルエンっ!?」
>オルエンを抱き上げる海王。
>……………カタン。
>オルエンの躰から。
>オルゴールが滑り落ちた。
>軽い衝撃でフタが開き、オルゴールが美しい旋律を奏でる。
>「ちょっと…ちょっと!しっかりしなさい!
>目を開けなさいっ!命令よ!」
>強気に言いながらも。
>海王の目から涙がこぼれる。
>海王の肩が細かく震える。
>「…………………………………………………っ」
>いくら泣いても。
>呼んでも。
>揺すっても…………
>オルエンの瞳が、もう一度開く事は無かった。
>「………いやああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」
か…海王さまあああああああっ!おるえんんんんんんんんんんんっ!!(号泣)
>路地裏に、オルゴールの音色だけが響いていた。
>まるで、オルエンに対する鎮魂曲の様に。
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>言い訳あんど言い逃れ。
>
>
>
>作:………はて………何を語ればいいものか。
>冥:…………………………………………………
>  死んじゃったね……………オル…………………
>作:………ん。
>  お気に入りの一人だっただけに、ちょっとイタいです。
>  …………………オルエンの死滅は、最初から予定していた事なんだけど。
>  でもちょっと助かった。
>冥:何故っ!?
>作:………やっと………転生話の………
>  フィリーの妹を登場させられるんだな、と思って。
>冥:……………………………え?
璃緒:……へ?
>作:今明かされる真実。
>  フィリーの妹はオルエン。
>  …だって。転生話でそれバラしちゃったら
>  『ああ五大魔族でオルエン死ぬのね』ってバレちゃうし。
>  隠し続けるのに苦労したさ。とてもとても。
>冥:ほほぅ……………
>  さてどうなる海王軍。
>作:んー…
>  海王のダメージはデカい………
>冥:………うー…本気で暗いね。
>作:作者にも見通し付きません。もう。
>冥:…………………………………………………………………
>作:………それでは、今回はこの辺で……………
>
>
>
>
>                                                  
>
>
>
>                              オルエンに黙祷。

璃緒:…………………………………。
L様:……ちょ…ちょっと、マジ泣きしないでよッ!!
璃緒:…………そおゆうL様こそ……目、赤いですよ?
L様:うっ…。
璃緒:琥珀様、海王様が叫ばれた所で不覚にも…泣きました。
L様:…オルエン…ね…。
璃緒:…?L様?…なにを企んで…?
L様:ひ・み・つ。
璃緒:……オルエン殿に黙祷を捧げます……。
   


全ての母の御許にて、安らかに眠らんことを…
 金色の光りの慈悲あらんことを…

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8763しくしく。東琥珀 E-mail 2002/8/13 10:05:26
記事番号8760へのコメント

璃緒さんは No.8760「おるえん…っ…」で書きました。
>
>璃緒:どうも璃緒です。コメント投稿は初です。
>L様:そうよね〜♪あんたっていつも読み逃げしてるものね〜♪
>璃緒:うっっっ…ま、まあこうしてここにいるわけだし。
>L様:それで許されると?
>璃緒:と…とりあえず私の感想を…お暇でしたら…聞いてください。
どうも琥珀です。
この度はレス、どうもありがとうなのです。
冥:…ふ。
  なに改まってんだか。
琥:うあびっくりしたっ!
  急に出てこないでくださいよっ!!
  それでは…レス返し行きますっ!
  ふ。至福の時。(話は暗いけど)
>
>>「…ったく…何故海王将軍ともあろう者が、こうして買い出しなど………」
>>ぶつくさ言いながら道を辿る海王将軍…オルエン。
>>「ん〜と…なになに?獣王軍は…生肉と…歯磨き粉?覇王軍が…」
>生肉!?
>やっぱりメタルくんの…?
多分………
エサ代かかるだろぅな。ロック鳥って。
冥:…何下世話な事言ってんの………
>>何を買ってくるのか、ぶつぶつ口の中で呟き、忘れぬ様に努める。
>>その姿はまるで立派な村娘。
>>誰も魔族だなどとは思うまい。
>>そして………………………………………………
>>「っ!?」
>>ふと感じた覚えのある感覚。
>>一瞬にして考えをまとめると、次の瞬間にはオルエンはもう駆けだしていた。
>>思いこんだら即実行のひとなのである。
>どこかのだれかさんみたい♪
そこが長所でもあり短所でもあり。
>>
>>…………間違いない…………この気配は…………神族!
>>確信を深めながら走る。
>>…………しかも低級だ…………これなら今の私でも相手に出来る…………
>>手柄を立て、海王を喜ばせたい一心で走る。
>L様:くくうっ!!泣かせるわねえっ!!
>璃緒:それにしても低級の神族って、どんな姿なのでしょう…?
>   まさか…低級魔族みたいなのじゃあ…?
そうですね。
イメェジ的には………
銀色の…狼みたいな感じでした。
>>…………この道を…………まっすぐ…………次の角で…………曲がる!
>>どんどん濃くなっていく神族特有の気配。
>>躰に染みついた神界の匂いが気に障る。
>>…………右…………左…………左…………右…………
>>直感で路地裏を駆け抜けていくオルエン。
>>…………ここだっ!
>>最後の角を曲がり………………………
>>…………いたッ!!
>>瞳が、低級神族の姿を捉える。
>>どぐしゅっ!
>>聞いていて決して良い気持ちでは無い音と共に。
>>オルエンの手にした槍が、神族を貫いていた。
>>…ぎ…ぎ…ぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ…………………………
>>空気が震えるような音。
>>ざしゅっ!
>>細かい塵になって風に解け消える。
>>「…………ふぅ」
>>久しぶりの神族退治。
>>「…………大分躰がなまっているな」
>>こきこき、と肩を鳴らし、槍を担ぎ、
>>「そうそう、買い物に行かねば」
>>財布を確認し、路地裏から大通りに向かって歩き出す。
>>……………………………………………………………………………………………
>>…………………………………………三十分後。
>>「……おかしい。」
>>オルエンは、未だ路地裏にいた。
>>「……道は間違えていない筈なのに………」
>>一旦立ち止まり、辺りをきょときょと見渡す。
>>代わり映えのしないレンガの壁があるばかり。
>>「…………………………………………」
>>再び歩き出す彼女。
>>……………………………………………………………………………………………
>>しかし。
>>行っても行っても路地裏。
>>「………どーなってんだぁぁ!?この路地裏ぁぁ!!!?」
>>あ。
>>キレた。
>>「……ったく……この私がこのような所で迷う訳が無いのだ………この私が………誇り高き海王将軍が………」
>>プライドエベレスト海王将軍オルエン。
>>「………よっぽどの事が無い限り…………
>>…………よっぽどの………………事が……………」
>>嫌な予感が脳裏をかすめる。
>>「…………………………………………」
>>そうで無い事を祈りつつ。
>>すぐそこのレンガ壁に手を触れる。
>>ばぢゅっ!
>>「っ!」
>>何かに、弾かれた。
>>それは、オルエンが『結界』の中に………
>>自分と相反する性質の存在によって創られた結界の中にいる証。
>>「…………最悪…………っ」
>>思わず呟く彼女。
>>気付いたのだ。
>>最初の低級神族は、単なる囮にしか過ぎなかった事を。
>>神族と見れば……敵と見れば迷わずに走っていく彼女を誘い込む罠。
>>恐らく仕掛け主は……………………………
>>「ようこそ」
>>う゛んっ。
>>頭上に出現する、金色の死神。
>>「…えーと…お名前は…なんでしたっけぇ?」
>>「…オルエン、と言う」
>>「オルエンさん…ああ!海王将軍さんですね?
>>海王は、確か人間界には貴女を連れて行かれたんでしたねぇ」
>>「……………………………」
>>「オルゴールは、今でも大事に持っていますかぁ?」
>>「……………………………」
>>海王と二人で人間界を歩き回っていた頃。
>>海王が自分の為に買い与えてくれた宝物。
>>かなり高価なマジックアイテムで、録音機能までついている。
>>そして、今は、海王の歌声が封じ込められている。
>>…………そんな、戦闘にはどうでもいいような事まで知っている。
>>…………神族は、予想以上に魔族の情報を多く集めているようだ。
>>「大事にしないといけませんねぇ…結構高価なものなんでしょぉ?」
>>「………貴様には関係あるまい」
>>「まぁっ☆つれないわダーリンっ!よよよ…」
>>オルエンは、自分の脳味噌が溶けていくのを感じた気がした。
>>「………あれっ?どうしたんですかぁ?いきなりへたりこんじゃってぇ」
>>「………脱力しとるんだ………」
>>よろよろと立ち上がるオルエン。
>>「………えーっ、えーっ、どぉしてですかぁ、私とのお話つまんないですかぁ」
>>「…我々が今までこんな奴等相手に闘っていたと考えると情けなくもなる」
>>そりゃそうだ。
>>「…だってぇ、私コレが地ですしぃ」
>>「知らぬわそんな事」
>>ジト目で言うオルエン。
>>どうでも良いが、オルエンよ。
>>アンタきっちりライアナのペースに取り込まれてるぞ。
>>「………そうですかぁ…所詮神族と魔族は相容れぬ存在なのですねぇ」
>>微妙にズレた台詞を吐く。
>>「………一緒の世界では…生きられぬ運命………」
>そんなことないですっ!!
>きっとそう思い込んでるだけで…。
神族ってば頭堅い………
冥:…仕方ない事なのかも知れないけどね………
  ずっとずっと敵対してきたんだし。
  『一緒に暮らす』なんて、考えもつかないんだよ。
>>「『運命』?」
>>吐き捨てるオルエン。
>>「私の嫌いな言葉でな、それは」
>私も運命なんて言葉嫌いです。
『便利な言葉』です。
自分の今の状況の責任を全て他人に押しつける事ができるんだから。
実際押しつけてしまっているひとも少なくはありません。
それが、『自分のやってきた事を自分で否定している』ことだと気付かずに。
>>「……………………」
>>「………運命?今まで我々の身に降りかかった事が、全て運命によるもの?」
>>「そうですよ」
>>「この身果てるまで逃れられないもの?」
>>「その通りですぅ」
>>「………私が海王将軍になったのも、運命か?
>>………私が魔族になったのも、運命か?
>>………いつかは必ず滅びを受け入れ無ければならないのも、運命か?」
>>オルエンは、魔族の変わり種だった。
>>魔族の望みが『滅ぶ事』なのに疑問を抱いていた。
>>  
>>
>>     私は此処に存在する。
>>
>>     その事実は変える事はできない。
>>
>>     私は此処に存在している。
>>
>>     存在しているのに。
>>
>>     いつかは混沌へと還らねばならない。
>>
>>     滅ぶための生。
>>
>>     霞のごとき生。
>>
>>     苦しみと迷いの付きまとう生。
>>
>>     この様な生になんの意味がある。
>>
>>
>>
>>常々こう思っていた。
>>それでも彼女は辛くは無かった。
>>………………………海王がいたから。
>>愛すべき母がいたから。
>>海王を少しでも喜ばせたかったから。
>>だから、彼女は魔族としての自分を受け入れた。
>>もし、海王の存在が無かったなら。
>>あるいは、今と少しでも違う人格の持ち主なら。
>>オルエンは早々に神族に寝返っていたかもしれない。
>>それほどまでに。
>>オルエンにとっては、海王が大事だった。
>>海王が、オルエンの全てだった。
>>
>>
>>
>>「………そうです。運命ですよぉ。
>>全部全部、運命です」
>>「……………………………………………………………」
>>ぱたぱたと手を振りつつ。
>>お気楽極楽に言うライアナ。
>>「私たちの辿る道は、もう既にできているんですからぁ。
>>いくら抵抗したって無駄なことですよぉ」
>あの魔導師なら運命なんて跳ね飛ばすでしょうね、きっと。
ですね。
『運命なんてすぺぺのぺいっ!』ってカンジで。
>>「……………………………………………………………」
>>「………貴女なら………わかっているのでしょう?」
>>すいっ、と。
>>ライアナが、目を細めた。
>>「………貴女なら………」
>>「…………………………………」
>>「自分たちの存在が、意味の無い事だと気付いているのでは無いですか?」
>>………………………………………………………………………………
>>「…………………………………い」
>>「え?」
>>「私は…まだ…逝けない」
>>「………………………………………………………………」
>>「海王様がいる…あの方の為にも…私は…まだ」
>>くくっ、と笑う死神。
>>「全ては母のため………ですかぁ。
>>………イイですよ。そういう考え方、結構好きですぅ」
>>「………………………………………………」
>>「………でも………見逃すと、しかられちゃいますし………
>>やっぱり、私たちには、貴女達の存在には意味が無いように思えますのでv」
>>無言のままで………………
>>槍を構える彼女。
>>金色の死神に向かって。
>>気丈にも、震えたりしなかった。
>>それが無謀な事だとわかっていても。
>>彼女は、抵抗せずにはいられなかった。
>>全ては愛する海王のため。
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>「全く……………オルエンったら、一体何をしているのかしら」
>>路地裏に、ひょっこりと顔を出す海王。
>>余りにも遅い部下の帰りを心配し、残留魔力を辿って捜しに来たのだ。
>>「…えーと…こっちかしら」
>>角を曲がり………………………
>>海王が見たのは。
>>冷たくなったオルエンだった。
>Σ(゜つ゜)
…………死んじゃいました。
>>全身に刻まれた切り傷から、血を流している。
>>「オルエンっ!?」
>>オルエンを抱き上げる海王。
>>……………カタン。
>>オルエンの躰から。
>>オルゴールが滑り落ちた。
>>軽い衝撃でフタが開き、オルゴールが美しい旋律を奏でる。
>>「ちょっと…ちょっと!しっかりしなさい!
>>目を開けなさいっ!命令よ!」
>>強気に言いながらも。
>>海王の目から涙がこぼれる。
>>海王の肩が細かく震える。
>>「…………………………………………………っ」
>>いくら泣いても。
>>呼んでも。
>>揺すっても…………
>>オルエンの瞳が、もう一度開く事は無かった。
>>「………いやああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」
>か…海王さまあああああああっ!おるえんんんんんんんんんんんっ!!(号泣)
ここたへん書いてて哀しかったです。とても。
>>路地裏に、オルゴールの音色だけが響いていた。
>>まるで、オルエンに対する鎮魂曲の様に。
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>
>>言い訳あんど言い逃れ。
>>
>>
>>
>>作:………はて………何を語ればいいものか。
>>冥:…………………………………………………
>>  死んじゃったね……………オル…………………
>>作:………ん。
>>  お気に入りの一人だっただけに、ちょっとイタいです。
>>  …………………オルエンの死滅は、最初から予定していた事なんだけど。
>>  でもちょっと助かった。
>>冥:何故っ!?
>>作:………やっと………転生話の………
>>  フィリーの妹を登場させられるんだな、と思って。
>>冥:……………………………え?
>璃緒:……へ?
生まれ変わって…………
幸せになって欲しいです。オルエンには。
>>作:今明かされる真実。
>>  フィリーの妹はオルエン。
>>  …だって。転生話でそれバラしちゃったら
>>  『ああ五大魔族でオルエン死ぬのね』ってバレちゃうし。
>>  隠し続けるのに苦労したさ。とてもとても。
>>冥:ほほぅ……………
>>  さてどうなる海王軍。
>>作:んー…
>>  海王のダメージはデカい………
>>冥:………うー…本気で暗いね。
>>作:作者にも見通し付きません。もう。
>>冥:…………………………………………………………………
>>作:………それでは、今回はこの辺で……………
>>
>>
>>
>>
>>                                                  
>>
>>
>>
>>                              オルエンに黙祷。
>
>璃緒:…………………………………。
>L様:……ちょ…ちょっと、マジ泣きしないでよッ!!
>璃緒:…………そおゆうL様こそ……目、赤いですよ?
>L様:うっ…。
>璃緒:琥珀様、海王様が叫ばれた所で不覚にも…泣きました。
>L様:…オルエン…ね…。
>璃緒:…?L様?…なにを企んで…?
>L様:ひ・み・つ。
>璃緒:……オルエン殿に黙祷を捧げます……。
>   
>
>
>全ての母の御許にて、安らかに眠らんことを…
> 金色の光りの慈悲あらんことを…
>
ああっ!(汗)
お母様を泣かせてしもうたっ!!(滝汗)
…ぬー。
『オルエンの生涯が不幸だったか幸福だったか』については、
友人知人の間でまっぷたつに意見が分かれましたです。
作者にも、それはどちらか解りません。
………ま………私に言える事は………
きっと、オルエンは、生まれ変わっても、海王の事を忘れないでしょう。
海王の想い出を胸に抱きながら、幸せになってくれる事でしょう。
少なくとも、私はそう信じたいです。
冥:…なぁぁにを偉そうに。
琥:うあっ!
  雰囲気ぶち壊しッ!!
  そ…それでは璃緒しゃん。
  レスありがとうございました。
冥:これからもよろしくねっ☆
琥:それではまた。

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8762はじめまして、そして水の将軍さんの冥福をお祈りいたします。猫楽者 E-mail 2002/8/13 00:03:57
記事番号8758へのコメント

東琥珀さんは No.8758「第十四話:水の将軍」で書きました。
>
はじめまして、猫楽者と申します。
よろしくお願い致します。
『五大魔族と五人の部下達』のシリーズを、楽しく読ませて頂いていましたのに。
今までレスをしておりませんでした。
ごめんなさい。

今回は大変な事になっているようでしたので、慌ててレスさせていただきました。

>
>「…ったく…何故海王将軍ともあろう者が、こうして買い出しなど………」
>ぶつくさ言いながら道を辿る海王将軍…オルエン。
>「ん〜と…なになに?獣王軍は…生肉と…歯磨き粉?覇王軍が…」
>
獣王様。生肉は良いとして、歯磨き粉・・・・・・・・・・・・・とは。
まさか、メタルくんの歯を磨のに使うとか。
歯を磨くのって・・・・・もしかして、ゼロスさんの役目ですか?

>何を買ってくるのか、ぶつぶつ口の中で呟き、忘れぬ様に努める。
>
あの、メモの方が確実では無いでしょうか。
万が一、買い忘れたり、間違った物を買ったりしたら大変な事になるのでは(汗)

>
>…………間違いない…………この気配は…………神族!
>確信を深めながら走る。
>…………しかも低級だ…………これなら今の私でも相手に出来る…………
>手柄を立て、海王を喜ばせたい一心で走る。
>
海王様。良い部下に恵まれましたね。
覇王様の所とは、大違いですね。

>
>直感で路地裏を駆け抜けていくオルエン。
>…………ここだっ!
>最後の角を曲がり………………………
>…………いたッ!!
>瞳が、低級神族の姿を捉える。
>
低級神族。
どんな姿なのでしょうか。とても気になります。
天使みたいな姿でしょうか。
それとも聖獣みたいな姿なのでしょうか。

>
>どぐしゅっ!
>聞いていて決して良い気持ちでは無い音と共に。
>オルエンの手にした槍が、神族を貫いていた。
>…ぎ…ぎ…ぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ…………………………
>空気が震えるような音。
>ざしゅっ!
>細かい塵になって風に解け消える。
>「…………ふぅ」
>
力を抑えられているのに一撃で倒すとは、流石は『海王将軍オルエン』さん。

>
>久しぶりの神族退治。
>「…………大分躰がなまっているな」
>こきこき、と肩を鳴らし、槍を担ぎ、
>「そうそう、買い物に行かねば」
>財布を確認し、路地裏から大通りに向かって歩き出す。
>
もし『財布落としちゃって、買い物出来ませんでした』
なんて事になっていたら(汗)
買い物を頼んだ人達に、どんなお仕置きをされるのでしょうか。

>「………よっぽどの事が無い限り…………
>…………よっぽどの………………事が……………」
>嫌な予感が脳裏をかすめる。
>「…………………………………………」
>そうで無い事を祈りつつ。
>すぐそこのレンガ壁に手を触れる。
>ばぢゅっ!
>「っ!」
>何かに、弾かれた。
>それは、オルエンが『結界』の中に………
>自分と相反する性質の存在によって創られた結界の中にいる証。
>「…………最悪…………っ」
>思わず呟く彼女。
>気付いたのだ。
>最初の低級神族は、単なる囮にしか過ぎなかった事を。
>神族と見れば……敵と見れば迷わずに走っていく彼女を誘い込む罠。
>
神族。汚い手を使いますね。
低級とはいえ仲間を見殺しにするような事を、するとは。

>
>「オルゴールは、今でも大事に持っていますかぁ?」
>「……………………………」
>海王と二人で人間界を歩き回っていた頃。
>海王が自分の為に買い与えてくれた宝物。
>かなり高価なマジックアイテムで、録音機能までついている。
>そして、今は、海王の歌声が封じ込められている。
>
『五大魔族と五人の部下達人間界漫遊記・海王編』で、いただいたオルゴールですね。
あのお話し大好きです。

>
>…………そんな、戦闘にはどうでもいいような事まで知っている。
>…………神族は、予想以上に魔族の情報を多く集めているようだ。
>「大事にしないといけませんねぇ…結構高価なものなんでしょぉ?」
>「………貴様には関係あるまい」
>「まぁっ☆つれないわダーリンっ!よよよ…」
>
ダ・・・ダーリンって、死神さん。
赤の竜神・・・・配下の者の性格作成・・・・失敗してませんか。

>
>オルエンは、自分の脳味噌が溶けていくのを感じた気がした。
>「………あれっ?どうしたんですかぁ?いきなりへたりこんじゃってぇ」
>「………脱力しとるんだ………」
>よろよろと立ち上がるオルエン。
>「………えーっ、えーっ、どぉしてですかぁ、私とのお話つまんないですかぁ」
>「…我々が今までこんな奴等相手に闘っていたと考えると情けなくもなる」
>そりゃそうだ。
>
そのとおりです(断言)。
神さんを崇め奉ってる人達が、この性格の事を知ったら、どうなるんでしょうか。

>
>「…だってぇ、私コレが地ですしぃ」
>「知らぬわそんな事」
>ジト目で言うオルエン。
>どうでも良いが、オルエンよ。
>アンタきっちりライアナのペースに取り込まれてるぞ。
>「………そうですかぁ…所詮神族と魔族は相容れぬ存在なのですねぇ」
>微妙にズレた台詞を吐く。
>「………一緒の世界では…生きられぬ運命………」
>「『運命』?」
>吐き捨てるオルエン。
>「私の嫌いな言葉でな、それは」
>
猫楽者も『運命』とか『さだめ』とか『宿命』と言う言葉は、あまり好きではありません。
とても便利な言葉ではありますが、努力しても精一杯生きるても
全ては既に決められている。というのでは、なんだか悲しいじゃないですか。

>
>「……………………」
>「………運命?今まで我々の身に降りかかった事が、全て運命によるもの?」
>「そうですよ」
>「この身果てるまで逃れられないもの?」
>「その通りですぅ」
>「………私が海王将軍になったのも、運命か?
>………私が魔族になったのも、運命か?
>………いつかは必ず滅びを受け入れ無ければならないのも、運命か?」
>
読んでいて切なくなりました。
オルエンさん。ものすごく深い思いを込めての言葉のように感じました。

>
>オルエンは、魔族の変わり種だった。
>魔族の望みが『滅ぶ事』なのに疑問を抱いていた。
>  
>
>     私は此処に存在する。
>
>     その事実は変える事はできない。
>
>     私は此処に存在している。
>
>     存在しているのに。
>
>     いつかは混沌へと還らねばならない。
>
>     滅ぶための生。
>
>     霞のごとき生。
>
>     苦しみと迷いの付きまとう生。
>
>     この様な生になんの意味がある。
>
>
>
>常々こう思っていた。
>
魔族といえども、確かに今此処に存在しているのですね。
滅びを望まないというのは、魔族社会(?)で生活するのは大変でしょうね。

>
>それでも彼女は辛くは無かった。
>………………………海王がいたから。
>愛すべき母がいたから。
>海王を少しでも喜ばせたかったから。
>だから、彼女は魔族としての自分を受け入れた。
>もし、海王の存在が無かったなら。
>あるいは、今と少しでも違う人格の持ち主なら。
>オルエンは早々に神族に寝返っていたかもしれない。
>それほどまでに。
>オルエンにとっては、海王が大事だった。
>海王が、オルエンの全てだった。
>
海王様。貴方は幸せですよ。
こんなにも思ってくれる方がいるんですから。

>
>「………貴女なら………わかっているのでしょう?」
>すいっ、と。
>ライアナが、目を細めた。
>「………貴女なら………」
>「…………………………………」
>「自分たちの存在が、意味の無い事だと気付いているのでは無いですか?」
>
ライアナ。では神族の存在に意味は有るのですか。
なんだか、神族の方が魔族よりも、よほど怖いように感じるのは、気のせいでしょうか。

>
>………………………………………………………………………………
>「…………………………………い」
>「え?」
>「私は…まだ…逝けない」
>「………………………………………………………………」
>「海王様がいる…あの方の為にも…私は…まだ」
>くくっ、と笑う死神。
>「全ては母のため………ですかぁ。
>………イイですよ。そういう考え方、結構好きですぅ」
>「………………………………………………」
>「………でも………見逃すと、しかられちゃいますし………
>やっぱり、私たちには、貴女達の存在には意味が無いように思えますのでv」
>
神族ならオルエンさんの力が戻ってから、正々堂々と戦ってください。
赤の竜神。この人の性格。ど〜にかしてください。

>
>無言のままで………………
>槍を構える彼女。
>金色の死神に向かって。
>気丈にも、震えたりしなかった。
>それが無謀な事だとわかっていても。
>彼女は、抵抗せずにはいられなかった。
>全ては愛する海王のため。
>
魔王様。
部下の力を封じるのなら、せめて護衛の魔族とか付けてください。

>
>「全く……………オルエンったら、一体何をしているのかしら」
>路地裏に、ひょっこりと顔を出す海王。
>余りにも遅い部下の帰りを心配し、残留魔力を辿って捜しに来たのだ。
>「…えーと…こっちかしら」
>角を曲がり………………………
>海王が見たのは。
>冷たくなったオルエンだった。
>全身に刻まれた切り傷から、血を流している。
>
魔王様。いくらこんな事になるとは予測できなかったと言っても
貴方にも責任がありますよ。
『力』が完全に使えたのなら、こんな結果には、ならなかったかもしれないのですから。

>
>「オルエンっ!?」
>オルエンを抱き上げる海王。
>……………カタン。
>オルエンの躰から。
>オルゴールが滑り落ちた。
>軽い衝撃でフタが開き、オルゴールが美しい旋律を奏でる。
>「ちょっと…ちょっと!しっかりしなさい!
>目を開けなさいっ!命令よ!」
>強気に言いながらも。
>海王の目から涙がこぼれる。
>海王の肩が細かく震える。
>「…………………………………………………っ」
>いくら泣いても。
>呼んでも。
>揺すっても…………
>オルエンの瞳が、もう一度開く事は無かった。
>「………いやああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」
>路地裏に、オルゴールの音色だけが響いていた。
>まるで、オルエンに対する鎮魂曲の様に。
>
オ・・・オルエンさん。
すいません。いい年した男が泣きそうになりました。
お話しを読ませていただいて、泣きそうになったのは、随分久し振りの事です。

>
>言い訳あんど言い逃れ。
>
>
>
>作:………はて………何を語ればいいものか。
>冥:…………………………………………………
>  死んじゃったね……………オル…………………
>作:………ん。
>  お気に入りの一人だっただけに、ちょっとイタいです。
>  …………………オルエンの死滅は、最初から予定していた事なんだけど。
>
驚きました。ショックでした。

>  でもちょっと助かった。
>冥:何故っ!?
>作:………やっと………転生話の………
>  フィリーの妹を登場させられるんだな、と思って。
>冥:……………………………え?
>作:今明かされる真実。
>  フィリーの妹はオルエン。
>  …だって。転生話でそれバラしちゃったら
>  『ああ五大魔族でオルエン死ぬのね』ってバレちゃうし。
>  隠し続けるのに苦労したさ。とてもとても。
>冥:ほほぅ……………
>  さてどうなる海王軍。
>
魔王様の封印が解けたら、海王様は神族を狩りまくるのでは。

>
>作:んー…
>  海王のダメージはデカい………
>冥:………うー…本気で暗いね。
>作:作者にも見通し付きません。もう。
>冥:…………………………………………………………………
>作:………それでは、今回はこの辺で……………
>

続きを楽しみにしています。

なんか変な内容のレスになってしまったような気がします。
ごめんなさい。

では、また。お元気で。

>                                  
>                              オルエンに黙祷。
>
オルエンさん。どうか安らかにお眠りください。

>

猫楽者。