◆−烏は夕暮れの山に帰る−鹿野利一真 (2002/8/24 01:50:16) No.8858
 ┣切なすぎっ!(涙)フィブリゾ様っ!!(感涙)−東琥珀 (2002/8/25 23:07:17) No.8880
 ┃┗Re:切なすぎっ!(涙)フィブリゾ様っ!!(感涙)−鹿野利一真 (2002/8/29 23:41:12) No.8923
 ┣フィブリン可愛すぎ!!!−まい (2002/8/26 14:18:08) No.8883
 ┃┗Re:フィブリン可愛すぎ!!!−鹿野利一真 (2002/8/29 23:44:29) No.8924
 ┗どうもはじめまして!−藤原清貫 (2002/8/26 19:12:58) No.8884
  ┗Re:どうもはじめまして!−鹿野利一真 (2002/8/29 23:54:41) No.8925


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8858烏は夕暮れの山に帰る鹿野利一真 2002/8/24 01:50:16


初めまして。初投稿っす。
なんかハンパ者ですが、どうぞ宜しくお願いします。

で、初投稿なのに、暗い話になってしまいました。
読んで下さった方、良かったら感想いただけると、今後の参考にもなるんで嬉しいです。
では・・・





ねえ、どうして?
君が忘れられない。でも、君を思い出せない。
泣いている顔しか・・・・・・


   烏は夕暮れの山に帰る



僕らは幸せだった。
僕はあの人に会えたことを感謝したし、あの人は僕をとても愛してくれた。
僕の正体を知っていても、愛してくれたんだ。
「フィブ!」
「ディアナ、少し遅れてごめんね」
盲目の彼女の手を取って、僕の頬へ持ってくる。
ゆっくり、ゆっくり僕の顔をなぞって存在を確かめていくんだ。それだけがディアナの確認手段だから。
「今日はね、少し変わった花を持ってきたんだ。この辺じゃ咲かない種なんだけど・・・・・・」
そう言って小さな花束に手をもっていってやる。
恐る恐る、確かめるように触って。
「いい匂いがするのはこれから?」
「そう。ラベンダーって言うんだよ」
「へぇ。とても落ち着く香りね」
ディアナは花束を僕の手から持ち去ると、顔に近づけて香りを胸いっぱい吸い込んだ。
満足そうな表情。
うん。僕も持ってきたかいがあるよ。
ディアナの目は、もう一生光を映さない。
僕の力があれば、その目に光を戻すことはできるだろうけど。一応僕だって魔族だしね。
あまり人間に手を貸してはいけないんだ。
こんなときに、最近噂になってる“赤法師レゾ”とか来てくれりゃあいいのに。
ちょちょいのちょいとディアナの目を治してくれれば、僕の立場も安泰、彼女も安心、一石二鳥なのになぁ。



がしゃんっっ
持ってた花瓶を思わず落とした。そんなことにも気付かず、僕は。
目の前の光景に目を見開いた。
美味しそうな感情が漂う部屋。
―――美味しそう?
ああそうか。だって僕、魔族だから。不の感情は果てしなく美味いと感じるさだめ。
それが、例えディアナの感情だとしても。
部屋中に血が飛び散っていた。
転々と、でも激しく。美しい絵画のように。
その中心に横たわるディアナ。
抱き上げた体は、わずかなぬくもりを残して冷たくなりかけていた。
心臓の音が聞こえない。脳が活動していない。
残っているのは散々抵抗して、恐怖におののいて、泣き崩れた顔だけ。
ここから、魂の叫びが聞こえる。
タスケテ。コワイ。タスケテ。イタイ。タスケテ。フィブ。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」



わずか、水を汲みに行って油断していた時間に起きた出来事。
数分にも満たない惨殺。荒らされていた部屋は明らかに金目当ての犯行で。
なんて人間は醜いんだ・・・・・・
脆くて
醜いんだ



だから殺してやるよ。
滅ぼしてやるよ。
全てを無に還して、母上の下に帰って、一緒にいようディアナ。
もう、一人にはさせないから。
君を魔族にはしたくない。
そのたくましく生に向かって生きる姿が好きだったから。滅びを望んで欲しくなかったから。
せめて僕の傍にいて。
せめて僕の中にいて。
こうすれば、滅びるときも一緒だろ?



これは君のせい?
だってほら。あのリナ=インバースの体を借りた母上が僕を滅ぼそうとしてる。
それを、嫌がるなんて。
もっと生きていたい。生きていたい。生きて。生きてちょうだい、フィブ。
彼女の声が聞こえる。
ごめん、無理。
だってほらもう、抵抗し尽くしちゃった。
母上怒らせちゃいけないのに。いけないことをしたから。
僕は滅ぼされちゃうんだ。
君と一緒に、無へと。
“滅びなさい”
母上の声。ほら、やっぱり。
“そして再生しなさい。滅ぶのは、冥王だけだから”
それってどういう・・・・・・彼女を、再び生への道に歩ませてくれるって事なのか?
そして、僕は滅ぶ、と?
まあ、無理も無いな。
“何やってんのよあんたは。さっさと行きなさいよこのウスラトンカチ”
――――――――――――――――――は?
“わざわざ冥王って肩書きはずしてやったんでしょ馬鹿が。あんたも面倒臭いからとっととあのこと一緒に再生しちゃいなさいよ”
あ、れ?
なんだ・・・・・・母上は僕の気持ちなんて知ってたって事?
知ってて、わざと僕の挑発に乗ってくれたって事か?
は、はは。ははは。
なんだ。結局僕は何をやって・・・・・・
何を。



ねえ、どうして?
あなたが忘れられない。でも、あなたを思い出せない。
泣いている顔しか・・・・・・
だってそれは。
これからその笑顔を見るから。
これからが本当の勝負だから。
ちゃんとずっと一緒にいよう?
「みつけた!!」
夕暮れ時の土手で、夕陽を背に麦藁帽子をかぶった彼女がいた。
「帰ろう。もう夕飯の時間だよ」
「ああ、今日は僕が作る約束だっけ」
「そ。手料理期待してるぞ〜」
「ううっ。あんま期待しない方が身のためかと思うけど」
ちゃんと光を映した瞳と共に。
そして、笑顔と共に。
僕らの家へ。帰ろう。

烏、何故鳴くの。烏は山に、可愛い――――――



終わり。


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8880切なすぎっ!(涙)フィブリゾ様っ!!(感涙)東琥珀 E-mail 2002/8/25 23:07:17
記事番号8858へのコメント

初めましてデスアズマコハクと申します以後お見知り置きをですッ!!
……ちくしょぉぉぉぉぉぉッッ!!!
フィブリゾ様ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
……うう…私のようなフィブリゾフェチにはたまらなかったのです。この話。
鹿野利さん、これから応援しますので頑張ってください!
短くてすみませんが、これにてッ!
あーちくしょぉ涙とまらんしッッ!!感涙か!?(暴走)

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8923Re:切なすぎっ!(涙)フィブリゾ様っ!!(感涙)鹿野利一真 2002/8/29 23:41:12
記事番号8880へのコメント

東琥珀さんは No.8880「切なすぎっ!(涙)フィブリゾ様っ!!(感涙)」で書きました。

こんにちは。はじめまして。

>初めましてデスアズマコハクと申します以後お見知り置きをですッ!!
こちらこそ。カノリカズマです。

>……ちくしょぉぉぉぉぉぉッッ!!!
叫ばれた。
>フィブリゾ様ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
フィブです。
>……うう…私のようなフィブリゾフェチにはたまらなかったのです。この話。
フェチなんだ。(笑)たまらないぐらいうけてくれてよかったです。
出したかいがありました。
>鹿野利さん、これから応援しますので頑張ってください!
有難うございます。あんまり小説書くの得意じゃないけど。(読むのも苦手だけど)
>短くてすみませんが、これにてッ!
>あーちくしょぉ涙とまらんしッッ!!感涙か!?(暴走)
涙を拭いて。
レス有難うございました。嬉しいです!
どうぞこれからもよろしくお願いします。



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8883フィブリン可愛すぎ!!!まい E-mail URL2002/8/26 14:18:08
記事番号8858へのコメント



 こんにちは&はじめまして。投稿一の方でちまちま頑張っていますまいと申します。
 この度、彼方の作品を読ませてもらったんですが・・・・
 フィブリン〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!(泣)
 切な過ぎ〜〜〜〜〜〜!!!!!
 ダイアナちゃんも可愛すぎ!!!
 可愛いフィブリンが大好きな私としては見逃せない一品となりましたので早速レスをさせてもらいました。
 こんなのいらねぇよ!!といってももらってやってください。
 それでは!!

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8924Re:フィブリン可愛すぎ!!!鹿野利一真 2002/8/29 23:44:29
記事番号8883へのコメント

まいさんは No.8883「フィブリン可愛すぎ!!!」で書きました。

こんにちは。まいさん。
> こんにちは&はじめまして。投稿一の方でちまちま頑張っていますまいと申します。
はじめまして。投稿1ですか。わざわざこちらまでレス、ご苦労様です。
> この度、彼方の作品を読ませてもらったんですが・・・・
有難うございます。
> フィブリン〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!(泣)
> 切な過ぎ〜〜〜〜〜〜!!!!!
> ダイアナちゃんも可愛すぎ!!!
> 可愛いフィブリンが大好きな私としては見逃せない一品となりましたので早速レスをさせてもらいました。
本当に有難うございます。
叫ばれるとちょっとこっちが恥ずかしくなるんですけど。
でも、叫んでくれるぐらいうけてもらえてよかったです。
> こんなのいらねぇよ!!といってももらってやってください。
もちろんです。ありがたくいただきます!
> それでは!!
まいさん、これからもどうぞよろしくお願いします。

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8884どうもはじめまして!藤原清貫 2002/8/26 19:12:58
記事番号8858へのコメント

鹿野利一真さんは No.8858「烏は夕暮れの山に帰る」で書きました。
>
>初めまして。初投稿っす。
>なんかハンパ者ですが、どうぞ宜しくお願いします。

 どうもこんにちは!この前はチャットでお世話になりました。藤原です。
 こちらでははじめましてですね。
 一真さんの作品、どんなのかとても楽しみなのです!

>で、初投稿なのに、暗い話になってしまいました。
>読んで下さった方、良かったら感想いただけると、今後の参考にもなるんで嬉しいです。
>では・・・

 ふつつか者ですが、愚見を述べさせていただきます。

>ねえ、どうして?
>君が忘れられない。でも、君を思い出せない。
>泣いている顔しか・・・・・・
>
>
>   烏は夕暮れの山に帰る
>
>
>
>僕らは幸せだった。
>僕はあの人に会えたことを感謝したし、あの人は僕をとても愛してくれた。
>僕の正体を知っていても、愛してくれたんだ。
>「フィブ!」
>「ディアナ、少し遅れてごめんね」
>盲目の彼女の手を取って、僕の頬へ持ってくる。
>ゆっくり、ゆっくり僕の顔をなぞって存在を確かめていくんだ。それだけがディアナの確認手段だから。
>「今日はね、少し変わった花を持ってきたんだ。この辺じゃ咲かない種なんだけど・・・・・・」
>そう言って小さな花束に手をもっていってやる。
>恐る恐る、確かめるように触って。
>「いい匂いがするのはこれから?」
>「そう。ラベンダーって言うんだよ」
>「へぇ。とても落ち着く香りね」
>ディアナは花束を僕の手から持ち去ると、顔に近づけて香りを胸いっぱい吸い込んだ。
>満足そうな表情。
>うん。僕も持ってきたかいがあるよ。
>ディアナの目は、もう一生光を映さない。
>僕の力があれば、その目に光を戻すことはできるだろうけど。一応僕だって魔族だしね。
>あまり人間に手を貸してはいけないんだ。
>こんなときに、最近噂になってる“赤法師レゾ”とか来てくれりゃあいいのに。
>ちょちょいのちょいとディアナの目を治してくれれば、僕の立場も安泰、彼女も安心、一石二鳥なのになぁ。

 ディアナさん、フィブリゾの正体に気づいていたのに、なおかつ彼を受け入れたのですか・・・。
 なんていうか、すごく度量の広い人だったんですね。そして、彼女に愛されるフィブ様にもそれなりの魅力があったのでしょう。
 自分を信じてくれる人がいると、やっぱり人は変わるんですね。・・・あ、フィブ様は魔族だけど(汗)。

>がしゃんっっ
>持ってた花瓶を思わず落とした。そんなことにも気付かず、僕は。
>目の前の光景に目を見開いた。
>美味しそうな感情が漂う部屋。
>―――美味しそう?
>ああそうか。だって僕、魔族だから。不の感情は果てしなく美味いと感じるさだめ。
>それが、例えディアナの感情だとしても。
>部屋中に血が飛び散っていた。
>転々と、でも激しく。美しい絵画のように。
>その中心に横たわるディアナ。
>抱き上げた体は、わずかなぬくもりを残して冷たくなりかけていた。
>心臓の音が聞こえない。脳が活動していない。
>残っているのは散々抵抗して、恐怖におののいて、泣き崩れた顔だけ。
>ここから、魂の叫びが聞こえる。
>タスケテ。コワイ。タスケテ。イタイ。タスケテ。フィブ。
>「ああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」

 突然訪れた悲劇。
 幸せな日常が、ガラスの容器に映りこんだ景色のように、粉々に砕け散って消えてゆく。
 嘘のように、跡形もなく消えてしまう。
 痛々しい破片だけが、黒々とした残滓となって心に溜まる。
 フィブ様は、きっとこの時ほど魔族である自分の体を呪ったことはなかったでしょうね・・・。

>わずか、水を汲みに行って油断していた時間に起きた出来事。
>数分にも満たない惨殺。荒らされていた部屋は明らかに金目当ての犯行で。
>なんて人間は醜いんだ・・・・・・
>脆くて
>醜いんだ

 憎んだ。ひたすら人間を憎んだ。
 その愚かさ、身勝手さを憎んだ。
 醜い生き物だと思い込もうとした。救う価値などないのだと――。
「あの美しい、彼女もまた人間だったのだ」
 ということさえ忘れて――いや、忘れようとして。

>だから殺してやるよ。
>滅ぼしてやるよ。
>全てを無に還して、母上の下に帰って、一緒にいようディアナ。
>もう、一人にはさせないから。
>君を魔族にはしたくない。
>そのたくましく生に向かって生きる姿が好きだったから。滅びを望んで欲しくなかったから。
>せめて僕の傍にいて。
>せめて僕の中にいて。
>こうすれば、滅びるときも一緒だろ?

 フィブ様が滅びの計画にあんなに熱心だったのには、そんな理由があったんですね・・・。
 
>これは君のせい?
>だってほら。あのリナ=インバースの体を借りた母上が僕を滅ぼそうとしてる。
>それを、嫌がるなんて。
>もっと生きていたい。生きていたい。生きて。生きてちょうだい、フィブ。
>彼女の声が聞こえる。
>ごめん、無理。
>だってほらもう、抵抗し尽くしちゃった。
>母上怒らせちゃいけないのに。いけないことをしたから。
>僕は滅ぼされちゃうんだ。
>君と一緒に、無へと。
>“滅びなさい”
>母上の声。ほら、やっぱり。
>“そして再生しなさい。滅ぶのは、冥王だけだから”
>それってどういう・・・・・・彼女を、再び生への道に歩ませてくれるって事なのか?
>そして、僕は滅ぶ、と?
>まあ、無理も無いな。
>“何やってんのよあんたは。さっさと行きなさいよこのウスラトンカチ”
>――――――――――――――――――は?
>“わざわざ冥王って肩書きはずしてやったんでしょ馬鹿が。あんたも面倒臭いからとっととあのこと一緒に再生しちゃいなさいよ”
>あ、れ?
>なんだ・・・・・・母上は僕の気持ちなんて知ってたって事?
>知ってて、わざと僕の挑発に乗ってくれたって事か?
>は、はは。ははは。
>なんだ。結局僕は何をやって・・・・・・
>何を。

 「冥王フィブリゾ」は死んだ。その忌わしい魔族の体とともに。
 フィブリゾも魔族としての納得のいかなかった生き方ではなく、今度こそは精一杯自分の人生を謳歌していくことでしょうね。
 魔族とは違って、弱い人間には悲しいことや苦しいことがある。けれど、彼女と一緒に生きていければ、どんな困難も乗り越えられることでしょう。
 輝くような笑顔を持つ、彼女となら――。

>ねえ、どうして?
>あなたが忘れられない。でも、あなたを思い出せない。
>泣いている顔しか・・・・・・
>だってそれは。
>これからその笑顔を見るから。
>これからが本当の勝負だから。
>ちゃんとずっと一緒にいよう?
>「みつけた!!」
>夕暮れ時の土手で、夕陽を背に麦藁帽子をかぶった彼女がいた。
>「帰ろう。もう夕飯の時間だよ」
>「ああ、今日は僕が作る約束だっけ」
>「そ。手料理期待してるぞ〜」
>「ううっ。あんま期待しない方が身のためかと思うけど」
>ちゃんと光を映した瞳と共に。
>そして、笑顔と共に。
>僕らの家へ。帰ろう。
>
>烏、何故鳴くの。烏は山に、可愛い――――――

 これからはきっと、彼女と一緒に、つつましくも幸せな一生を送っていくんでしょうね・・・。

>終わり。
>
 うぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!感動しましたっ!滂沱の涙流しまくりですっ!(爆)
 とても面白かったのです。ストーリーの運びとキャラクターの心理描写が見事にマッチしててとても素敵です。とても初投稿とは思えない完成度の高い作品だと思います。
 短く簡潔で、なおかつわかりやすい表現が多く使われているのも見事だと思いました。
 これらの点からも、一真さんの文章力の高さをうかがわせます。本当にすごいのです!
 ではでは、次回作を楽しみにしております。またです〜。

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8925Re:どうもはじめまして!鹿野利一真 2002/8/29 23:54:41
記事番号8884へのコメント

藤原清貫さんは No.8884「どうもはじめまして!」で書きました。
>
>鹿野利一真さんは No.8858「烏は夕暮れの山に帰る」で書きました。
>>
>>初めまして。初投稿っす。
>>なんかハンパ者ですが、どうぞ宜しくお願いします。
>
> どうもこんにちは!この前はチャットでお世話になりました。藤原です。
> こちらでははじめましてですね。
> 一真さんの作品、どんなのかとても楽しみなのです!
あ、このあいだはどうも。
えっと、名前変えていましたよね。ちょっとびっくりしました。あれ。
>
>>で、初投稿なのに、暗い話になってしまいました。
>>読んで下さった方、良かったら感想いただけると、今後の参考にもなるんで嬉しいです。
>>では・・・
>
> ふつつか者ですが、愚見を述べさせていただきます。
おねがいします。
>
>>ねえ、どうして?
>>君が忘れられない。でも、君を思い出せない。
>>泣いている顔しか・・・・・・
>>
>>
>>   烏は夕暮れの山に帰る
>>
>>
>>
>>僕らは幸せだった。
>>僕はあの人に会えたことを感謝したし、あの人は僕をとても愛してくれた。
>>僕の正体を知っていても、愛してくれたんだ。
>>「フィブ!」
>>「ディアナ、少し遅れてごめんね」
>>盲目の彼女の手を取って、僕の頬へ持ってくる。
>>ゆっくり、ゆっくり僕の顔をなぞって存在を確かめていくんだ。それだけがディアナの確認手段だから。
>>「今日はね、少し変わった花を持ってきたんだ。この辺じゃ咲かない種なんだけど・・・・・・」
>>そう言って小さな花束に手をもっていってやる。
>>恐る恐る、確かめるように触って。
>>「いい匂いがするのはこれから?」
>>「そう。ラベンダーって言うんだよ」
>>「へぇ。とても落ち着く香りね」
>>ディアナは花束を僕の手から持ち去ると、顔に近づけて香りを胸いっぱい吸い込んだ。
>>満足そうな表情。
>>うん。僕も持ってきたかいがあるよ。
>>ディアナの目は、もう一生光を映さない。
>>僕の力があれば、その目に光を戻すことはできるだろうけど。一応僕だって魔族だしね。
>>あまり人間に手を貸してはいけないんだ。
>>こんなときに、最近噂になってる“赤法師レゾ”とか来てくれりゃあいいのに。
>>ちょちょいのちょいとディアナの目を治してくれれば、僕の立場も安泰、彼女も安心、一石二鳥なのになぁ。
>
> ディアナさん、フィブリゾの正体に気づいていたのに、なおかつ彼を受け入れたのですか・・・。
はい。そういうことになりますね。
> なんていうか、すごく度量の広い人だったんですね。そして、彼女に愛されるフィブ様にもそれなりの魅力があったのでしょう。
たぶん。(多分ってなんだ)
> 自分を信じてくれる人がいると、やっぱり人は変わるんですね。・・・あ、フィブ様は魔族だけど(汗)。
信じてくれると、それって強さになりますからね。
>
>>がしゃんっっ
>>持ってた花瓶を思わず落とした。そんなことにも気付かず、僕は。
>>目の前の光景に目を見開いた。
>>美味しそうな感情が漂う部屋。
>>―――美味しそう?
>>ああそうか。だって僕、魔族だから。不の感情は果てしなく美味いと感じるさだめ。
>>それが、例えディアナの感情だとしても。
>>部屋中に血が飛び散っていた。
>>転々と、でも激しく。美しい絵画のように。
>>その中心に横たわるディアナ。
>>抱き上げた体は、わずかなぬくもりを残して冷たくなりかけていた。
>>心臓の音が聞こえない。脳が活動していない。
>>残っているのは散々抵抗して、恐怖におののいて、泣き崩れた顔だけ。
>>ここから、魂の叫びが聞こえる。
>>タスケテ。コワイ。タスケテ。イタイ。タスケテ。フィブ。
>>「ああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
>
> 突然訪れた悲劇。
> 幸せな日常が、ガラスの容器に映りこんだ景色のように、粉々に砕け散って消えてゆく。
> 嘘のように、跡形もなく消えてしまう。
> 痛々しい破片だけが、黒々とした残滓となって心に溜まる。
> フィブ様は、きっとこの時ほど魔族である自分の体を呪ったことはなかったでしょうね・・・。
でしょうね。なんていうか、憎くなって暴れたくなったんじゃないでしょうか。
自分が悔しいとそういうふうになることあるじゃないですか。
>
>>わずか、水を汲みに行って油断していた時間に起きた出来事。
>>数分にも満たない惨殺。荒らされていた部屋は明らかに金目当ての犯行で。
>>なんて人間は醜いんだ・・・・・・
>>脆くて
>>醜いんだ
>
> 憎んだ。ひたすら人間を憎んだ。
> その愚かさ、身勝手さを憎んだ。
> 醜い生き物だと思い込もうとした。救う価値などないのだと――。
>「あの美しい、彼女もまた人間だったのだ」
> ということさえ忘れて――いや、忘れようとして。
うわ。かっこいい!
すごいです藤原さん。
>
>>だから殺してやるよ。
>>滅ぼしてやるよ。
>>全てを無に還して、母上の下に帰って、一緒にいようディアナ。
>>もう、一人にはさせないから。
>>君を魔族にはしたくない。
>>そのたくましく生に向かって生きる姿が好きだったから。滅びを望んで欲しくなかったから。
>>せめて僕の傍にいて。
>>せめて僕の中にいて。
>>こうすれば、滅びるときも一緒だろ?
>
> フィブ様が滅びの計画にあんなに熱心だったのには、そんな理由があったんですね・・・。
かなり自分設定ですけどね。(笑)
いや、実はこのネタ姉貴のなんですけど。
> 
>>これは君のせい?
>>だってほら。あのリナ=インバースの体を借りた母上が僕を滅ぼそうとしてる。
>>それを、嫌がるなんて。
>>もっと生きていたい。生きていたい。生きて。生きてちょうだい、フィブ。
>>彼女の声が聞こえる。
>>ごめん、無理。
>>だってほらもう、抵抗し尽くしちゃった。
>>母上怒らせちゃいけないのに。いけないことをしたから。
>>僕は滅ぼされちゃうんだ。
>>君と一緒に、無へと。
>>“滅びなさい”
>>母上の声。ほら、やっぱり。
>>“そして再生しなさい。滅ぶのは、冥王だけだから”
>>それってどういう・・・・・・彼女を、再び生への道に歩ませてくれるって事なのか?
>>そして、僕は滅ぶ、と?
>>まあ、無理も無いな。
>>“何やってんのよあんたは。さっさと行きなさいよこのウスラトンカチ”
>>――――――――――――――――――は?
>>“わざわざ冥王って肩書きはずしてやったんでしょ馬鹿が。あんたも面倒臭いからとっととあのこと一緒に再生しちゃいなさいよ”
>>あ、れ?
>>なんだ・・・・・・母上は僕の気持ちなんて知ってたって事?
>>知ってて、わざと僕の挑発に乗ってくれたって事か?
>>は、はは。ははは。
>>なんだ。結局僕は何をやって・・・・・・
>>何を。
>
> 「冥王フィブリゾ」は死んだ。その忌わしい魔族の体とともに。
> フィブリゾも魔族としての納得のいかなかった生き方ではなく、今度こそは精一杯自分の人生を謳歌していくことでしょうね。
そうあってほしいですね。
今度こそは、幸せに。
> 魔族とは違って、弱い人間には悲しいことや苦しいことがある。けれど、彼女と一緒に生きていければ、どんな困難も乗り越えられることでしょう。
> 輝くような笑顔を持つ、彼女となら――。
やっぱ、文章かっこいいですよ。
尊敬です。
>
>>ねえ、どうして?
>>あなたが忘れられない。でも、あなたを思い出せない。
>>泣いている顔しか・・・・・・
>>だってそれは。
>>これからその笑顔を見るから。
>>これからが本当の勝負だから。
>>ちゃんとずっと一緒にいよう?
>>「みつけた!!」
>>夕暮れ時の土手で、夕陽を背に麦藁帽子をかぶった彼女がいた。
>>「帰ろう。もう夕飯の時間だよ」
>>「ああ、今日は僕が作る約束だっけ」
>>「そ。手料理期待してるぞ〜」
>>「ううっ。あんま期待しない方が身のためかと思うけど」
>>ちゃんと光を映した瞳と共に。
>>そして、笑顔と共に。
>>僕らの家へ。帰ろう。
>>
>>烏、何故鳴くの。烏は山に、可愛い――――――
>
> これからはきっと、彼女と一緒に、つつましくも幸せな一生を送っていくんでしょうね・・・。
後から思ったんですけど、人間が憎いのに何で人間に生まれ変わって満足してるんだろうって・・・
自分で突っ込んでたらお終いか?
>
>>終わり。
>>
> うぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!感動しましたっ!滂沱の涙流しまくりですっ!(爆)
うわ。また叫ばれたし。(笑)
他の人にも叫ばれました。
> とても面白かったのです。ストーリーの運びとキャラクターの心理描写が見事にマッチしててとても素敵です。とても初投稿とは思えない完成度の高い作品だと思います。
有難うございます。
ぶっちゃけ、本当に俺一人の力で書いたんじゃないんで微妙なんですけど。
> 短く簡潔で、なおかつわかりやすい表現が多く使われているのも見事だと思いました。
> これらの点からも、一真さんの文章力の高さをうかがわせます。本当にすごいのです!
> ではでは、次回作を楽しみにしております。またです〜。
有難うございます。
こんなに誉められるのなら姉貴に感謝、かな?
これからもどうぞよろしくお願いします。