◆−ツリーが落ちてしまったので、鎖夢さんへ−amy (2002/8/25 13:43:54) No.8870 ┗あなたの望みは何ですか? 第四十ニ話−amy (2002/9/1 18:54:22) No.8955 ┣Re:あなたの望みは何ですか? 第四十ニ話−雷甲子 (2002/9/2 16:44:54) No.8963 ┃┗投稿させていただきました♪−amy (2002/9/4 21:00:54) No.9008 ┗あなたの望みは何ですか? 第四十三話−amy (2002/9/4 22:02:17) No.9010 ┗あなたの望みは何ですか? 第四十四話−amy (2002/9/8 01:46:36) NEW No.9044 ┗Re:あなたの望みは何ですか? 第四十四話−空無 (2002/9/8 11:33:46) NEW No.9047
8870 | ツリーが落ちてしまったので、鎖夢さんへ | amy E-mail | 2002/8/25 13:43:54 |
鎖夢さんへ >先日は同盟参加ありがとうございましたm(__)m >が、PCクラッシュしちゃって、またまたゼロゼル部屋遅れそうです。 >今は親のPCからアクセスしてます(T_T) いえいえ、こちらこそ加入させて頂き、ありがとうございました! パソ、クラッシュしちゃったんですじゃ、、、(うわっ) 知り合いにパソのデータ跳んだ人、物凄く多いです。 いやはや、どうしたものか、、、、、、(ーー;) >> 、、、、、、、、、正直に言おう、大切だった。 >> とてもとても、大事だった。 >> しかし。 >> 目を開く。 >> 自嘲の笑みはひどく酷薄に口元を歪ませた。 >> 大切であればあるほど、それはこの手をすり抜けて遠く儚く消えてしまう。 >> 自分が関わらなければいいのではないかと、心の片隅で誰かが囁いた。 >> 結局は、それも無意味だったけれども。 >ここの一連の文、ゼルが切ないです(>_<) >なんとなく聞いてたCDの効果も手伝って、ちょっと泣きそうになりました(をい) >気分的には、ある種ゼルっぽいなぁ〜って曲なんです。 > 幸せなんて儚くて 色あせて消えてく 原色のReason 過ごす4-Season > モノクロに変わっていく Brand-new color Brand-new color Brand-new colorations world 一握りのスマイル 零れ落ちる >って歌詞のとこだったんですけど、LaputaってバンドのBrand-new colorって曲です。 >バラードなんで、余計になんとなく泣きそうになっちゃいました(ぐすぐす) ありがとうございます! 私もそこは気に入ってるんです〜! 『自嘲の笑みはひどく酷薄に口元を歪ませた。』ってあたり!! 、、、、、そのバラードのCD、、、素敵ですね、、、、(うっとり) Laputaというバンドは知りませんが、今度探してみようかと思いました! >> 俺には目もくれず、ゼロスを警戒しながらも、その目はひどく楽し気だ。 >>「、、、、僕はどうも、、、同僚に嫌われるタチのようでして>ね、、、、」 >> ゼロスがポツリと俺につぶやいた。 >> 今にも「やれやれ」と言いながら両肩をすくめそうなのんきな声だ。 >>「見れば分かる、、、、、」 >> 俺も小さくつぶやき返した。 >なんとなく、ここの会話が嬉しかったです。 >この二人っぽい会話ですよねvvこうゆうの大好きです。 >あぁぁぁ、でもめちゃくちゃピンチなんですよねっ!? >一難去ってまた一難って、まさしくこれじゃないですかぁっ!? 二人らしさを追求中、今だ上手くいかないのですが、、、、 鎖夢さんに誉められて狂喜乱舞中です(単純) 一難去ってまた一難。 どうやら私は二人をピンチにさせたがるようです(おい) >> 慌てたように体を捻り、口を開く。 >> そのままゼルガディス達を攻撃しようとしている男に向かってレーザー・ >>ブレスを吐いた。 >頑張れドラゴン嬢っ!(爆) >何故か彼女がお気に入りになってしまいました。 >なんか彼女、面倒見よさそうですよね(笑) >何だか無駄に長くなってしまいましたが、やっぱamyさんのゼロゼル最高です! >では、今日はこの辺で〜。続き頑張ってくださいねvv 女性ドラゴンを気に入って下さるとは思いませんでした(笑) 実はまだ名前もなかったり、、、、(汗) 彼女はまさに世話焼きです(笑) 最高だなんて、ありがとうございますううう!!!(感涙) 物凄く嬉しいです!これからも頑張ります!!! 本当にありがとうございました!!! 短いですが、これにて amyより |
8955 | あなたの望みは何ですか? 第四十ニ話 | amy E-mail | 2002/9/1 18:54:22 |
記事番号8870へのコメント またしても随分と間が空いてしまいました。 続きを待っていて下さっていた方々、誠に申し訳ありません(ーー;) ちゃんと、ちゃんと完結させますからねええ、、、、、(泣) そしてこれの後は赤法師さんのリクエスト、レゾゼル書きます! ああもう、この台詞去年の暮れから言ってますよう(大泣) もうそろそろ終わりますので、どうか最期まで優しい目で見守って やって下さいませ、、、、、、m(__)m 〜注意〜 これはシリアスゼロゼルです。 そういったものが苦手な方はご遠慮下さい。 気分を害されても私は一切責任を持ちません。 また、非難・中傷のメール等を送るのはおやめ下さい。 それではどうぞ! ================================== 突如現れたドラゴンのレーザー・ブレスは、魔族と俺達の間を直線的に薙 いだ。 ひどい土煙が立ち篭め、俺は思わずゴホゴホと噎せる。 ゼロスが驚いたように上空のドラゴンを凝視していた。 つられて上を見上げようとした時、ドラゴンがいきなり物凄いスピードで 低空飛行する。 思わず驚いて首をすくめた瞬間、今度は空から少女が振ってきた。 「はあ!?」 思わず我が目を疑い、太陽を背にして逆光になりよく顔の見えない少女を 凝視する。 そのまま少女は重力の通りにこちらへ落っこちて来た。 どさあっ! 「ぐえっ!」 腹の真上にヒットした少女の体重に、思わず俺は潰されたカエルのような 悲鳴を上げた。 苦しみつつも顔を見ようと、堅く閉じていた瞼をこじ開ける。 そこには何故だかアリシアがいた。 痛そうに顔を歪めて、俺の腹に激突した自分の腹を押さえている。 (まあ、俺の体は岩だし、クッションにはならんわな) 冷静にそんなことをふと考え、、、、、 「、、、、あ?」 「?」 思わず声を漏らした俺を、アリシアが眉を寄せつつ不思議そうにこちらを 見た。 「、、、、あ、アリシアああああああああっっっ!?」 つい絶叫した俺に、アリシアは急いで両耳を手で塞いだ。 「な、なん、何でここにっ、、、、、うぐ、、、、」 勢いで立ち上がろうとし、結局は体力と魔力の不足で失敗する。 ひどい目眩で一瞬世界が回った。 少し吐き気もする、気持ちが悪い。 「ぜ、ゼルガディスさん、大丈夫ですか!?」 そんな俺を見て、アリシアが慌てたように声をかけてきた。 わたわたと無意味に両手を振り、おろおろしながら首を右左に巡らせる。 「私のせいですか?そうですよね、私こう見えても重くて、、、、」 涙目になりながらアリシアは俺に手を翳し、急いでリカバリィを唱え始め る。 そこで気付いたのか、アリシアがふと変な顔をした。 「、、、、、、、ゼルガディスさん、魔力、、、、、、、」 つぶやいてからハッとした表情をし、彼女はリカバリィを中断してリザレ クションを唱え直した。 じわりと体の中へ暖かいものが注ぎ込まれて行く感覚と共に、ゆっくりと 体力と魔力が戻ってくるのが分かった。 ホッと一息つくと、アリシアもホッとしたのが分かる。 遠くの方での戦闘音は意に介していないようだった。 その時、少し後ろの方でばさりっと大きな羽音が聞こえた。 首だけで振り向くと、どうやら先程のドラゴンらしき生物が丁度地面に降 り立つところだった。 それはまさにあっという間に人間の女性の姿をとり、地面に足をつけると すぐにこちらへ走り出してきた。 口の中で呪文と唱えている。 その視線は真直ぐにゼロスへ向いていた。 ゼロスもそれに気付いたのか、慌てて体を起こそうと踏ん張っている。 マズイ、ゼロスは今滅びかけていると言っても過言ではない状況だ。 無傷の、しかも一瞬で人間に変身できるドラゴンに勝てるわけがない。 俺は慌てて立ち上がった。 アリシアのリザレクションのおかげで立ち上がるのに苦はなかった。 アリシアが後ろで慌てたように声をかけてきたが、今は無視をする。 何をしているんだ、と誰かが耳元で囁いたように思う。 自分でもよく分からない、と頭の隅で俺らしき誰かが答えた。 「よせ!今ゼロスは敵じゃない!!」 俺の叫びに驚いたように動きを止めたのは、ドラゴンの女性だけではなか った。 アリシアとゼロスまでもが驚愕に瞳を見開いている。 俺が言葉を続けようとしたその時だった。 きゅひゅんっ、、、、 形容し難い音と共に、ビチャッと水が跳ねるような音がした。 その音は、確かに俺の背後から聞こえたものだ。 ゼロスと女性のドラゴンが先程以上に目を見開いて俺の後ろを凝視してい る。 一瞬の予感が全身を震わせたが、それを言葉に変換して認識する暇もない まま、俺はゆっくりと肩越しに背後を振り向いた。 どさあっ、、、、、 振り向いたと同時に何かが倒れる音がする。 視線を下へ下ろすと、そこには背中を血まみれにして、血の池の中へうつ 伏せにダイブしているアリシアの姿があった。 まだ続くんです(T_T) |
8963 | Re:あなたの望みは何ですか? 第四十ニ話 | 雷甲子 | 2002/9/2 16:44:54 |
記事番号8955へのコメント 投稿小説1のほうでゼル詩ツリー計画なるものやってますvvぜひ来て見て下さいvv(宣伝すんな) 感想をーーーーーー!!!!!! > 形容し難い音と共に、ビチャッと水が跳ねるような音がした。 > その音は、確かに俺の背後から聞こえたものだ。 > ゼロスと女性のドラゴンが先程以上に目を見開いて俺の後ろを凝視してい >る。 > 一瞬の予感が全身を震わせたが、それを言葉に変換して認識する暇もない >まま、俺はゆっくりと肩越しに背後を振り向いた。 > どさあっ、、、、、 > 振り向いたと同時に何かが倒れる音がする。 > 視線を下へ下ろすと、そこには背中を血まみれにして、血の池の中へうつ >伏せにダイブしているアリシアの姿があった。 ア・・アリシアがああああああああああ!!!!!! うわ!!うわあ!!!ど・・どうなるんでしょう?!!! ゼルさりげなくゼロス庇ってるし・・・・。 がんばれゼロス。報われる日は近いかもvv イツモ楽しみにしていますvvvありがとうですーーーーvvvv |
9008 | 投稿させていただきました♪ | amy E-mail | 2002/9/4 21:00:54 |
記事番号8963へのコメント 雷甲子さんへ >投稿小説1のほうでゼル詩ツリー計画なるものやってますvvぜひ来て見て下さいvv(宣伝すんな) はい、早速投稿させていただきました。 イメージとしてはレゾゼルの『つもり』です(遠い目) >ア・・アリシアがああああああああああ!!!!!! >うわ!!うわあ!!!ど・・どうなるんでしょう?!!! >ゼルさりげなくゼロス庇ってるし・・・・。 >がんばれゼロス。報われる日は近いかもvv >イツモ楽しみにしていますvvvありがとうですーーーーvvvv いつもいつも感想、本当にありがとうございます♪ やっとこさ最終回に近付いてまいりました。 ハッピー・エンドか否か、、、それは各自の判断にお任せします(おい) さりげなくゼロスを庇うゼル。 自分で書いててニヤケました(笑) やっぱりゼロゼルは良いなーっと思うamyです(笑) 短くて大変申し訳ありませんが、これにて ではでは amyより |
9010 | あなたの望みは何ですか? 第四十三話 | amy E-mail | 2002/9/4 22:02:17 |
記事番号8955へのコメント 「、、、、、アリシア、、、、、、?」 我ながら間が抜けていると思った。 アリシアの体から流れ出す血の勢いはどんどん強くなっていく。 血の池の面積は、急速なスピードで広がっていた。 それが何を表しているのか、脳が考えることを拒否する。 「、、、、、アリシ、、、、、」 もう一度名前を呼ぼうとしたその時、ゼロスに後ろから無理矢理引き倒さ れた。 きゅひゅん、、、、 またあの奇妙な音と共に、先程まで自分の上半身が存在していた場所に空 気の歪みが一瞬だけ通過した。 透明なそれはよくよく目を凝らさなければ、何かが存在していること自体 気付かない。 アリシアは、、、、、これにやられたのだ。 ひゅっ、と呼吸が鋭くなる。 急に咽がカラカラになった。 俺を助けてくれたであろうゼロスに何一つ反応を返さないまま、俺はアリ シアの体に触れた。 まだ暖かい。 脈を確かめる時間すらもどかしく、俺は彼女の体を抱きかかえるかのよう にして引き寄せ、仰向けにする。 途端に腹から出血した大量の血液が俺の服を真っ赤に染め上げた。 アリシアの両の瞳は閉じられており、口の端から血の筋がニ本、流れてい る。 その血の筋を指の腹で拭ってやると、アリシアがうっすらと目を開けた。 「、、、、、、、、、間に合った、、、、、、、」 絞り出すような声の後、アリシアの口は最期の音をだした唇の形のままで 動きを止めた。 ほんの少し開いたままの口元はぴくりともしない。 そっと口元に手をやってみると、アリシアは呼吸をしていなかった。 「アリシアあああっ!」 怒鳴るように彼女の名前を呼ぶ。 反応はない。 リザレクションは使えない。 例え賢者の石をもってしても、魔力の有無関係なく白魔法のほとんどを使 えない俺にはどうしようもなかった。 そう、この呪文が使えないことで、何度後悔したことか。 いっそのこと駄目で元々、リカバリィを唱えようと傷口に手の平を翳し、 呪文を唱えようと口を開く。 そんな俺の肩を、後ろから走ってきた女ドラゴンに引っ張られた。 きゅひゅん、、、、、 またあの音と共に空気の歪みが前に体があった位置を通過する。 「立ちなさい!」 一喝されて、俺はアリシアを横抱きにしながら急いで立ち上がった。 女ドラゴンがそんな俺の腕を強く引いてアリシアの容態を素早く見る。 彼女は小さく息を吐き、、、、、首を横に振った。 「待ってくれ、ドラゴンの回復呪文は、、、、、、」 「もう死んでいるわ」 絶句する。 人間とは、そんな簡単に死んでしまうものだったか? 何度も死人を見て来たのにも関わらず、俺はそんな疑問を脳に浮かべた。 ゆっくりと腕の力が抜けていき、必然的にアリシアの体がずるりと地面へ 落ちて行く。 仰向けに地面に転がり、うっすらと開いた瞳と唇に目を見張る。 それが小さく微笑んでいるように見えたのは俺の錯覚だろうか? 「っ!またよ!」 短く叫んで、ドラゴンがまた俺の腕を強く引いた。 きゅひゅん、、、、、 あの気味の悪い音がまた鼓膜に響き、歪んだ空気の線が瞬時に流れる。 俺はその線に沿って発信源に素早く目をやった。 姿は見えない。 焦りながら辺りを見回して、妙なことに気付いた。 少し遠くで他の魔族と戦闘を繰り広げていたミルガズィアの姿がない。 その相手たる魔族もいない。 いや、、、、、、 「、、、、、、結界、、、、ですね、、、、、」 地に伏したままのゼロスが苦々し気につぶやいた。 そう、結界だ。 回りには俺達以外誰もいなかった。 さっきまで随分と遠くの方にちらほら見えていた人陰(?)らしきものす ら今はない。 遠く小さく響いていたエルフ達の大移動する地鳴りも聞こえなかった。 「、、、、、、どこにいる?」 「、、、、、、アストラル・サイド内です」 俺の質問に、ゼロスは苦し気に呻きつつ答えた。 ドラゴンは極力ゼロスの方を見ないようにしているらしく、そちらへ顔を 向けない。 俺はその場から大きく距離をとった。 アリシアの死に顔がちらりと視界の端を掠めて、一瞬だけ呼吸が止まる。 すぐに目を背けて何でもない風を装った。 「、、、、、、結界を破る」 言って賢者の石を握りしめ、呪文を唱え始める。 きゅひゅん、、、、、、、 また聞こえたあの音と空気の歪みを感知して、俺は呪文を唱えたまま身を 翻した。 避けたそれは地面に当たると、何の効果ももたらさずに霧散する。 俺はそれを見届けてから一気に走った。 驚くドラゴンと起きあがれないゼロスの反対側へ一足飛びに走り抜ける。 両手を上段に振り上げた。 「ラグナ・ブレード!!」 『力ある言葉』を叫んで、俺は手中に出現した虚無の刃を大きく振り下ろ す。 ぎゅじゅばっっ!! 一瞬空間と刃の間に火花が散り、ほぼ同時にその空間が裂けて裂け目の向 こう側から別の空間が見えた。 そのまま思いきり虚無の刃を引く。 硝子が割れ落ちるかのように結界が割れて崩れた。 瞬時に手の中の虚無は消え去り、俺はその場にがくりと膝をついた。 顔を上げようとしたその瞬間。 きゅひゅん、、、、、 自分とは離れた場所にその音が響く。 驚いて振り向いた先には、肩を押さえて横に吹っ飛ぶドラゴンの女。 どざああっ!! 土煙が起こる程勢い良く地面に転がり、左肩を押さえたままその勢いを利 用そて、女ドラゴンは立ち上がった。 押さえる手の隙間から流れる鮮血が迸る。 あまりの出欠の多さに驚いた俺は、思わず彼女に駆け寄ってリカバリィを 唱えようと手を翳した。 立ち上がった後にまた膝をついて蹲る彼女が歯を噛み締めながらこちらを 仰ぎ見る。 呪文の冒頭を口にしようと唇を動かした時、彼女の瞳が俺の目の前で真ん 丸に見開かれ、、、、、、 きゅひゅん、、、、、、 音がしたと同時に、彼女は俺を思いきり右へ突き飛ばした。 ビシュウウウッ! 急いで起き上がった俺の目の前で、勢いの強い、赤色の噴水が上がる。 空間の歪みが、女ドラゴンの首を貫いていた。 その細い首に肉はほとんどなく、かろうじて胴体とくっついているだけで ある。 ぐらりと倒れ込んだ体に、微かな空気抵抗を受けながら首も大地に落ち た。 こちらを向いて見開かれた彼女の眼球がびくびくと痙攣し、目玉の毛細血 管でも切れたのか、瞳の白い部分があっという間に赤く染まって行く。 アリシアの時以上に早いスピードで血の池が出来上がり、俺は吐き気を堪 えながら体を「く」の字に曲げた。 がくりと沈んだ視界に、倒れたゼロスの指先が映る。 そのまま視線だけを持ち上げてゼロスの顔を見据えた。 ゼロスは大きく瞳を見開き、片腕だけでこちらへ体を這わせてやってく る。 俺もゼロスの元へと小走りに走りよる。 意識的に女ドラゴンの死体から目を逸らした。 「次が来るぞ!」 ゼロスの残った腕を乱暴に掴み、半ば引きずるようにして二人分の体を無 理矢理大きく移動させた。 きゅひゅん、、、、、 またあの音だ。 いい加減芸がない。 俺はちっと舌打ちをし、その芸のない技に2人がやられたのだと歯を軋ま せた。 ゼロスを引きずって身を躱す、ギリギリの所で空気の歪みが通り過ぎて 行く。 きゅひゅひゅん、、、、、、 無理に避けたせいでぐらつく体に、左右両方向からまた歪んだ空気の線が 襲い掛かってきた。 「、、、、、、っっ!」 避けられない。 悟ると背中に汗が流れた。 何故だかまた続く、、、、、(泣) |
9044 | あなたの望みは何ですか? 第四十四話 | amy E-mail | 2002/9/8 01:46:36 |
記事番号9010へのコメント 思わず両の瞳を堅く閉じ、来るべき衝撃を予想して歯を食いしばる。 だが、静止していたはずの自分の体が急にぐるりと回転した。 同時に、自分の頭の上をすれすれで何か熱いものが掠めて行くのを確かに 感じた。 「!?」 俺は驚愕のあまり大きく目を見開く。 俺を引っ張り倒したのはゼロスだった。 「ゼロ、、、、」 ス、と最期の音を発しようとして、俺は結果的にそれに失敗した。 少し向こうの方から硝子にナイフを当てて一気に引いたかのような、耳障 りでしかない悲鳴が聞こえる。 思わずびくりとしてそちらを見遣ると、空間から突如上半身だけを出した 先程の魔族が空中でのたうちまわっていた。 その上半身には、、、、3本の黒い円錐。 その3本か深々と魔族の体に突き刺さり、あまつさえ貫通してしまってい る。 俺はその黒い円錐状の物体に、見覚えがあった。 驚いてゼロスの顔を見る。 俺のズボンを掴んで思いきり引き倒した張本人たるそいつは、こちらの視 線に気付いて苦笑いをした。 そこへ相手をしていた魔族を始末したらしいミルガズィアが、空中に浮か んでいるそれにレーザー・ブレスを吐いた。 一瞬だけ魔族の悲鳴がひどくなり、ついにはそこから消えてしまう。 消えたのは滅んだからなのか、はたまたアストラル・サイドへと逃げたか らなのか、俺にはイマイチ判然としなかった。 俺はすぐに上体を持ち上げ、今だにい俺のズボンを掴んでいるゼロスに手 を伸ばす。 この、俺を助けるために魔族を2度も裏切っている馬鹿へと。 だがゼロスの腕を掴んだはずの俺の手は、虚しく空を掴んだ。 ぎょっとした。 ゼロスは腕を含め、もう足から腰あたりまで砂のように崩れ落ちてなくな ってしまっていた。 ざああああああ、、、、、 潮騒のような音と共に、ゼロスの体はどんどん崩れて風に流され消えて行 く。 俺は何故だか青ざめた。 「なっ?!ゼロス!!」 言葉を紡げない俺に、ゼロスはにっこり微笑んだ。 ゆっくりとウィンクをする。 ゼロスの言いたいであろう言葉に気付いて、俺は叫んだ。 「ふざけるな!滅ぶな、滅ぶんじゃない!」 自分でもどうしてそんなことを言っているのか理解できないが、俺は今、 ただただ感情の渦に巻き込まれていた。 嗚呼、感情なんて人間らしい代物、随分と懐かしいじゃないか? 皮肉の篭った台詞を心中で吐く。 それでも彼の体が崩れて行くスピードは変わらない。 「ゼロス!貴様は上級魔族だろう?滅びるな!それくらい可能だろうが!」 随分と無茶を言っているな、と自分でもそう思った。 同じことを考えたらしく、ゼロスは小さく苦笑する。 ミルガズィアがこちらへ小走りに走ってやってきた。 俺の後ろに立って、驚いたようにゼロスを凝視している。 「何なんだ!皆して次々と俺の目の前で死にやがって!こんなに早く!」 文法が滅茶苦茶になっていることに気付くが、直そうとする余裕はない。 そうこうしている内にもゼロスの体はどんどん崩れて行く。 「、、、、ゼルガディスさん、、、、、」 ゼロスはまた笑った。 何を笑っているのだろう、こいつは。 何故お前がそんなに平静で、俺がこんなにも取り乱さなければならない? 「、、、、人になることも諦め、魔族にもなりませんでしたね、、、、」 ゼロスの胸までもが砂となって崩れ落ち、俺の腕の中で一瞬バランスを失 いかけて顔がぐらついた。 「、、、、、貴方の望みは、、、、、何だったんです?」 「滅ぶな!」 叱責するように言い放った俺の言葉に、ゼロスは眉を寄せて小さく笑っ た。 もう首が崩れ落ちてしまっている。 それは顎にまで及んだ。 「、、、、、、貴方が好きです、、、、、」 前に何度も聞いた台詞を吐いたのを最期に、ゼロスの口元から鼻の上にか けて一気に崩れ去り、ゼロスはゆっくりと目を閉じた。 「おい!!」 もう俺の声に反応を返そうとしない。 耳も消え、いざ目も消えそうだという時、俺は叩き付けるかのごとく絶叫 した。 「俺は嫌いだ!!お前なんか大嫌いだ!滅ぶな!ちくしょうっ!!」 目が滲んで前がよく見えなかった。 矛盾した自分の言葉に気付いているが止まらない。 やがてゼロスは髪の一筋すら残さず砂塵と化した。 その残った砂すら空気に解けて消えて行く。 まだ少量残っている砂を握りしめた。 手の平の中でそれが消えて行く感触がする。 俺は空を仰いで絶叫した。 「馬鹿野郎!!!!」 結局、俺の後ろに佇んでいたミルガズィアは一言も声を発しなかった。 手に握り込んだ砂さえなくなっていくその感触に体を震わせながら、涙で 滲んだ目を強く閉ざす。 意地でも涙を零したりはしなかった。 もうちょっとだけ続く(ーー;) |
9047 | Re:あなたの望みは何ですか? 第四十四話 | 空無 | 2002/9/8 11:33:46 |
記事番号9044へのコメント こんにちは。 すごく楽しみにしています。 >「、、、、、貴方の望みは、、、、、何だったんです?」 >「滅ぶな!」 > 叱責するように言い放った俺の言葉に、ゼロスは眉を寄せて小さく笑っ >た。 ほえええ!!悲しすぎるう・・・ >「、、、、、、貴方が好きです、、、、、」 > 前に何度も聞いた台詞を吐いたのを最期に、ゼロスの口元から鼻の上にか >けて一気に崩れ去り、ゼロスはゆっくりと目を閉じた。 >「おい!!」 > もう俺の声に反応を返そうとしない。 > 耳も消え、いざ目も消えそうだという時、俺は叩き付けるかのごとく絶叫 >した。 >「俺は嫌いだ!!お前なんか大嫌いだ!滅ぶな!ちくしょうっ!!」 > 目が滲んで前がよく見えなかった。 泣いてはいけないよ〜ゼルううう!うぁ〜ん!!!しくしく・・・ > 意地でも涙を零したりはしなかった。 やっぱ泣きましょう。ゼル君<え!?> この後も楽しみにしていますvv |