◆−目覚めてからの悪夢−紫闇影人 (2002/9/24 15:10:51) No.9667 ┗Re:目覚めてからの悪夢−ドラマ・スライム (2002/9/24 15:43:21) No.9673 ┗細かいことは…………(苦笑)−紫闇影人 (2002/9/24 16:43:50) No.9683
9667 | 目覚めてからの悪夢 | 紫闇影人 | 2002/9/24 15:10:51 |
目覚めてからの悪夢 「……こんな話を、知っていますか? 中国のある思想家が、花畑に舞う蝶の夢を見て、さて蝶が今考えている自分を夢に見ているのか、自分が蝶になる夢を見たのかと悩んだという―― そんな、たわいもないお話を。 ……考えたことはありませんか? もし、自分が――」 「……なんか最近、同じ夢ばっかり見るのよねー」 授業合間の休み時間。 あたしは、仲のいい友達とたわいもない話をしていた。 あたしは、莉菜(りな)。ごく普通の高校一年生。 自慢はこの長い栗色の髪。ウイークポイントは小さい胸(くっ)。 「同じ夢って、どんな夢ですか?」 夢判断の本を片手に、アメリアが興味津々聞いてくる。 「なんか、夢の中であたしが、ファンタジーとかでよくある魔術師になってて。 で、なんだか見覚えのある仲間達と、魔物を倒したりとかの冒険をする……って言う……」 「…………そんなの、載ってません……」 がっくりと肩を落として言うアメリア。 「なんだ?その、「見覚えのある仲間達」って」 きょとん、とした顔で聞くのはガウリイ=ガブリエフ――純粋アメリカ人のくせに、英語より日本語の方がうまい。剣道有段者だし。 あたしは、1人1人指さしながら言ってやる。 「例えば、金髪美形、だけど頭の中身はくらげ並みの凄腕剣士とか」 「お、おれのことか?」 なんだかあわてるガウリイ。 「クールなつもりで、実はお茶目な魔法剣士とか」 「……待て!それは俺か!?俺のどこがお茶目だと言うんだっ!?」 立ち上がってまで抗議するゼル。 そんなこと言ったって、夢のことなんだから。 「高いところには登りたがる熱血正義娘とか」 「……私のことですか?」 アメリアが言う。自覚、無かったのね……。 「ん・で!ことあるごとに「それは秘密です」とか言って、あたし達が困るの を楽しんでる、にこにこ笑顔の食えないやつ、とかね」 「はっはっは。莉菜さんの夢に出演させていただけるとは、光栄ですねぇ」 最後の1人――ゼロスは、そう言ってやっぱりにこにこと笑っているのだった。 ……くそう、これくらいの皮肉じゃ通用しないか。 「うーん、友達がでてくる夢友達がでてくる夢…………別に「友達を殺す夢」ってわけじゃないんですよね?」 再び夢判断の本を繰りながら、物騒……でもないか?なことを聞いてくるアメリア。 「別に……。夢の中のゼロスが死にかけたことはあるけど、あたしがやったんじゃないし」 「さわやかに嫌なこと言わないでください莉菜さん」 さすがに嫌そうな顔をするゼロス。 「何でよ。どうせただの夢、しかも他人のでしょうが」 「そう言う問題でもないだろ」 なぜだかゼルが言ってくる。 「夢というものは、深層心理の願望やらなんやらが現れているって言われるだろう。とすると……」 「莉菜さんは、僕に死にかけて欲しいって思ってたわけですかぁ?ひどいですねえ」 「そうとも限んないでしょうがっ!」 勝手なこと言うふたりに言い返すあたし。 全く、失礼なんだから。 「そうそう、夢と言えば。 皆さん、こんな話、知ってます?」 その言葉を機に、ゼロスの表情が微妙に変化した。 ……どこかで、見たことがある。 「中国のどこかに、とある思想家の方がいらっしゃったそうなんです。」 「しそうかって、なんだ?」 ぼけたことを聞くガウリイ……日本語うまいくせに、なんでこういうことは知らないかな。 「まあ、今で言う哲学者みたいな方でしょうか。 その、とある思想家の方が、ある日、蝶々になって花畑をひらひらと舞う夢を見たんだそうです。 起きてから、彼は悩んだそうです。 自分が、蝶の見た夢なのか。それとも、蝶が、自分の見た夢なのか、と……」 言い終えて、にっこりと笑う。 その笑みも、どこかいつもとは違って…… そしてどこかで、見たことがある…… 「怖くありません?この話」 「どこが怖いのよ?」 問い返すあたし。 「だって、こう考えちゃったら怖いじゃないですか。 自分が、誰かの見た夢に過ぎない存在なんじゃないか、って」 ……その言葉が、妙に強く心にのしかかった。 「そ……そんなわけないじゃない。ほら、どっかの誰かが「我思う、故に我有り」とか言ったでしょ?あたしは考えてる。だから、あたしは本物。それで証明終わり、よ」 「そう言ってる割に、なんかあわててません?リナさん」 からかうようなゼロス。 ……そのとき、あたしは気づいた。 いつの間にか、他に誰もいなくなっている。 アメリアも。ゼルも。そして、ガウリイさえも…… 「自分は本当に存在するって、言い切れるんですかね?「莉菜さん」?」 ゼロスの姿が、ぐにゃり、とゆがんだ。 そして、現れたのは―― 「もう、朝になるんですよ、リナさん。 そろそろ起きないと、ガウリイさんに朝ご飯取られちゃうんじゃないですか?」 見覚えのある神官服が、ふわふわと宙に浮いていた。 くすくすと笑う声が少し上から響いていて。 ようやくあたしは思いだした。 さっきからのゼロスの顔。 それは、夢の――現実の中の「獣神官ゼロス」の顔だったのだ………… 「……あー、すっきりしない……」 あたしは、果実ドレッシングのサラダをつつきながらつぶやいた。 「どうしたんですか、リナさん?どこか体の調子でも悪いんですか?」 アメリアが、あたしの顔をのぞき込むようにして聞いてくる。 「ほっとけ。どうせ、盗賊イジメでもして寝不足なんだろ」 そう言ってきたのは、ゼルガディス。 「昨日は、別に盗賊いぢめには行ってないわよっ! そうじゃなくて……ちょっと、夢見が悪くて。それだけ」 「ほんとうにそれだけか? 熱とか、あったりしないか?」 ガウリイが、そう言ってあたしの額に手を当てる。 「気をつけてくださいよ、夢見が悪いのは風邪を引く前兆、とか言いますし」 おばあちゃんの知恵袋的なことを言うのはゼロス。 ……いつもと、変わりない仲間達。 何となく、あたしは安心した。 ……でも、次の言葉を聞いて、あたしは…… 「そうそう、夢と言えば。 皆さん、こんな話、知ってます?」 目覚めてからが、本当の悪夢。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがきもどきもどきのようなものを模したもの ツリーが落ちる早さにつけ自分の執筆速度の遅さを実感する今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか? こんにちは、紫闇影人と申します。 思うように進まない連載に、思わず書いてしまう突発もの第3弾ぐらいです。 でも突発もの書いてる暇あったら連載に時間かけた方がいいのはわかってるんですが。ジレンマだなぁ。 それはさておき(さておくな)、今回特にわけ分かんないですね。冒頭でネタばればれだし。 ホラーを目指してみたんですが、どんなもんでしょう? 一応、設定としては、「リナの夢に魔術でちょっかいかけるゼロス」と言うことにしてます。本文からわかりっこないですが。 だから、実はまだ本文終了時点では目覚めてないんです(笑)ゼロスが飽きたら起こしてもらえるでしょう、きっと。がんばれリナ。 最後になりましたが、こんな駄文を読んでくださってありがとうございました。 紫闇影人でした。 |
9673 | Re:目覚めてからの悪夢 | ドラマ・スライム | 2002/9/24 15:43:21 |
記事番号9667へのコメント 紫闇影人さんは No.9667「目覚めてからの悪夢」で書きました。 > > >目覚めてからの悪夢 > > >「……こんな話を、知っていますか? >中国のある思想家が、花畑に舞う蝶の夢を見て、さて蝶が今考えている自分を夢に見ているのか、自分が蝶になる夢を見たのかと悩んだという―― 胡蝶の夢・・・でしたっけ >そんな、たわいもないお話を。 >……考えたことはありませんか? >もし、自分が――」 > > >「……なんか最近、同じ夢ばっかり見るのよねー」 >授業合間の休み時間。 >あたしは、仲のいい友達とたわいもない話をしていた。 >あたしは、莉菜(りな)。ごく普通の高校一年生。 >自慢はこの長い栗色の髪。ウイークポイントは小さい胸(くっ)。 >「同じ夢って、どんな夢ですか?」 >夢判断の本を片手に、アメリアが興味津々聞いてくる。 外国人? >「なんか、夢の中であたしが、ファンタジーとかでよくある魔術師になってて。 >で、なんだか見覚えのある仲間達と、魔物を倒したりとかの冒険をする……って言う……」 よくあるとは思えない話だと思うのですが・・・ >「…………そんなの、載ってません……」 >がっくりと肩を落として言うアメリア。 >「なんだ?その、「見覚えのある仲間達」って」 >きょとん、とした顔で聞くのはガウリイ=ガブリエフ――純粋アメリカ人のくせに、英語より日本語の方がうまい。剣道有段者だし。 >あたしは、1人1人指さしながら言ってやる。 >「例えば、金髪美形、だけど頭の中身はくらげ並みの凄腕剣士とか」 >「お、おれのことか?」 >なんだかあわてるガウリイ。 >「クールなつもりで、実はお茶目な魔法剣士とか」 >「……待て!それは俺か!?俺のどこがお茶目だと言うんだっ!?」 >立ち上がってまで抗議するゼル。 また外国人 >そんなこと言ったって、夢のことなんだから。 >「高いところには登りたがる熱血正義娘とか」 >「……私のことですか?」 >アメリアが言う。自覚、無かったのね……。 >「ん・で!ことあるごとに「それは秘密です」とか言って、あたし達が困るの >を楽しんでる、にこにこ笑顔の食えないやつ、とかね」 >「はっはっは。莉菜さんの夢に出演させていただけるとは、光栄ですねぇ」 >最後の1人――ゼロスは、そう言ってやっぱりにこにこと笑っているのだった。 >……くそう、これくらいの皮肉じゃ通用しないか。 外国人と仲がいいのですね >「うーん、友達がでてくる夢友達がでてくる夢…………別に「友達を殺す夢」ってわけじゃないんですよね?」 >再び夢判断の本を繰りながら、物騒……でもないか?なことを聞いてくるアメリア。 >「別に……。夢の中のゼロスが死にかけたことはあるけど、あたしがやったんじゃないし」 >「さわやかに嫌なこと言わないでください莉菜さん」 >さすがに嫌そうな顔をするゼロス。 >「何でよ。どうせただの夢、しかも他人のでしょうが」 >「そう言う問題でもないだろ」 >なぜだかゼルが言ってくる。 >「夢というものは、深層心理の願望やらなんやらが現れているって言われるだろう。とすると……」 >「莉菜さんは、僕に死にかけて欲しいって思ってたわけですかぁ?ひどいですねえ」 >「そうとも限んないでしょうがっ!」 >勝手なこと言うふたりに言い返すあたし。 >全く、失礼なんだから。 >「そうそう、夢と言えば。 >皆さん、こんな話、知ってます?」 >その言葉を機に、ゼロスの表情が微妙に変化した。 >……どこかで、見たことがある。 >「中国のどこかに、とある思想家の方がいらっしゃったそうなんです。」 >「しそうかって、なんだ?」 >ぼけたことを聞くガウリイ……日本語うまいくせに、なんでこういうことは知らないかな。 >「まあ、今で言う哲学者みたいな方でしょうか。 >その、とある思想家の方が、ある日、蝶々になって花畑をひらひらと舞う夢を見たんだそうです。 >起きてから、彼は悩んだそうです。 >自分が、蝶の見た夢なのか。それとも、蝶が、自分の見た夢なのか、と……」 >言い終えて、にっこりと笑う。 >その笑みも、どこかいつもとは違って…… >そしてどこかで、見たことがある…… >「怖くありません?この話」 >「どこが怖いのよ?」 >問い返すあたし。 >「だって、こう考えちゃったら怖いじゃないですか。 >自分が、誰かの見た夢に過ぎない存在なんじゃないか、って」 >……その言葉が、妙に強く心にのしかかった。 >「そ……そんなわけないじゃない。ほら、どっかの誰かが「我思う、故に我有り」とか言ったでしょ?あたしは考えてる。だから、あたしは本物。それで証明終わり、よ」 >「そう言ってる割に、なんかあわててません?リナさん」 >からかうようなゼロス。 >……そのとき、あたしは気づいた。 >いつの間にか、他に誰もいなくなっている。 >アメリアも。ゼルも。そして、ガウリイさえも…… >「自分は本当に存在するって、言い切れるんですかね?「莉菜さん」?」 >ゼロスの姿が、ぐにゃり、とゆがんだ。 >そして、現れたのは―― >「もう、朝になるんですよ、リナさん。 >そろそろ起きないと、ガウリイさんに朝ご飯取られちゃうんじゃないですか?」 >見覚えのある神官服が、ふわふわと宙に浮いていた。 >くすくすと笑う声が少し上から響いていて。 >ようやくあたしは思いだした。 >さっきからのゼロスの顔。 >それは、夢の――現実の中の「獣神官ゼロス」の顔だったのだ………… > > >「……あー、すっきりしない……」 >あたしは、果実ドレッシングのサラダをつつきながらつぶやいた。 >「どうしたんですか、リナさん?どこか体の調子でも悪いんですか?」 >アメリアが、あたしの顔をのぞき込むようにして聞いてくる。 >「ほっとけ。どうせ、盗賊イジメでもして寝不足なんだろ」 >そう言ってきたのは、ゼルガディス。 >「昨日は、別に盗賊いぢめには行ってないわよっ! >そうじゃなくて……ちょっと、夢見が悪くて。それだけ」 >「ほんとうにそれだけか? >熱とか、あったりしないか?」 >ガウリイが、そう言ってあたしの額に手を当てる。 >「気をつけてくださいよ、夢見が悪いのは風邪を引く前兆、とか言いますし」 >おばあちゃんの知恵袋的なことを言うのはゼロス。 >……いつもと、変わりない仲間達。 >何となく、あたしは安心した。 >……でも、次の言葉を聞いて、あたしは…… >「そうそう、夢と言えば。 >皆さん、こんな話、知ってます?」 > > >目覚めてからが、本当の悪夢。 > > >――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― >あとがきもどきもどきのようなものを模したもの >ツリーが落ちる早さにつけ自分の執筆速度の遅さを実感する今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか? >こんにちは、紫闇影人と申します。 はじめましてドラマ・スライムと申します。 >思うように進まない連載に、思わず書いてしまう突発もの第3弾ぐらいです。 >でも突発もの書いてる暇あったら連載に時間かけた方がいいのはわかってるんですが。ジレンマだなぁ。 >それはさておき(さておくな)、今回特にわけ分かんないですね。冒頭でネタばればれだし。 いえ大変わかりやすくて面白いです。 >ホラーを目指してみたんですが、どんなもんでしょう? >一応、設定としては、「リナの夢に魔術でちょっかいかけるゼロス」と言うことにしてます。本文からわかりっこないですが。 >だから、実はまだ本文終了時点では目覚めてないんです(笑)ゼロスが飽きたら起こしてもらえるでしょう、きっと。がんばれリナ。 >最後になりましたが、こんな駄文を読んでくださってありがとうございました。 いえいえ素晴らしい文ですよ。 > >紫闇影人でした。 それでは〜 気が向いたら僕の作品でも読んでみてください。 > |
9683 | 細かいことは…………(苦笑) | 紫闇影人 | 2002/9/24 16:43:50 |
記事番号9673へのコメント どうも、はじめまして。紫闇影人です。 れす&お読み下さり、どうもありがとうございます! >>目覚めてからの悪夢 >> >> >>「……こんな話を、知っていますか? >>中国のある思想家が、花畑に舞う蝶の夢を見て、さて蝶が今考えている自分を夢に見ているのか、自分が蝶になる夢を見たのかと悩んだという―― >胡蝶の夢・・・でしたっけ あはは、私大まかなことしか覚えてませんでした。 >>そんな、たわいもないお話を。 >>……考えたことはありませんか? >>もし、自分が――」 >> >> >>「……なんか最近、同じ夢ばっかり見るのよねー」 >>授業合間の休み時間。 >>あたしは、仲のいい友達とたわいもない話をしていた。 >>あたしは、莉菜(りな)。ごく普通の高校一年生。 >>自慢はこの長い栗色の髪。ウイークポイントは小さい胸(くっ)。 >>「同じ夢って、どんな夢ですか?」 >>夢判断の本を片手に、アメリアが興味津々聞いてくる。 >外国人? スレ世界のリナの夢なので(ゼロスのちょっかい付ですが)、日本語の人名が思い浮かばない……と言うことにしてください(汗) リナ自身の名前だけ「莉菜」なのは、ゼロスのちょっかいのおかげ、てことで。 >>「なんか、夢の中であたしが、ファンタジーとかでよくある魔術師になってて。 >>で、なんだか見覚えのある仲間達と、魔物を倒したりとかの冒険をする……って言う……」 >よくあるとは思えない話だと思うのですが…… スレ世界のリナの夢なので、と言うことで納得お願いしますっ!(汗) >>「…………そんなの、載ってません……」 >>がっくりと肩を落として言うアメリア。 >>「なんだ?その、「見覚えのある仲間達」って」 >>きょとん、とした顔で聞くのはガウリイ=ガブリエフ――純粋アメリカ人のくせに、英語より日本語の方がうまい。剣道有段者だし。 >>あたしは、1人1人指さしながら言ってやる。 >>「例えば、金髪美形、だけど頭の中身はくらげ並みの凄腕剣士とか」 >>「お、おれのことか?」 >>なんだかあわてるガウリイ。 >>「クールなつもりで、実はお茶目な魔法剣士とか」 >>「……待て!それは俺か!?俺のどこがお茶目だと言うんだっ!?」 >>立ち上がってまで抗議するゼル。 >また外国人 >>そんなこと言ったって、夢のことなんだから。 >>「高いところには登りたがる熱血正義娘とか」 >>「……私のことですか?」 >>アメリアが言う。自覚、無かったのね……。 >>「ん・で!ことあるごとに「それは秘密です」とか言って、あたし達が困るの >>を楽しんでる、にこにこ笑顔の食えないやつ、とかね」 >>「はっはっは。莉菜さんの夢に出演させていただけるとは、光栄ですねぇ」 >>最後の1人――ゼロスは、そう言ってやっぱりにこにこと笑っているのだった。 >>……くそう、これくらいの皮肉じゃ通用しないか。 >外国人と仲がいいのですね >>「うーん、友達がでてくる夢友達がでてくる夢…………別に「友達を殺す夢」ってわけじゃないんですよね?」 >>再び夢判断の本を繰りながら、物騒……でもないか?なことを聞いてくるアメリア。 >>「別に……。夢の中のゼロスが死にかけたことはあるけど、あたしがやったんじゃないし」 >>「さわやかに嫌なこと言わないでください莉菜さん」 >>さすがに嫌そうな顔をするゼロス。 >>「何でよ。どうせただの夢、しかも他人のでしょうが」 >>「そう言う問題でもないだろ」 >>なぜだかゼルが言ってくる。 >>「夢というものは、深層心理の願望やらなんやらが現れているって言われるだろう。とすると……」 >>「莉菜さんは、僕に死にかけて欲しいって思ってたわけですかぁ?ひどいですねえ」 >>「そうとも限んないでしょうがっ!」 >>勝手なこと言うふたりに言い返すあたし。 >>全く、失礼なんだから。 >>「そうそう、夢と言えば。 >>皆さん、こんな話、知ってます?」 >>その言葉を機に、ゼロスの表情が微妙に変化した。 >>……どこかで、見たことがある。 >>「中国のどこかに、とある思想家の方がいらっしゃったそうなんです。」 >>「しそうかって、なんだ?」 >>ぼけたことを聞くガウリイ……日本語うまいくせに、なんでこういうことは知らないかな。 >>「まあ、今で言う哲学者みたいな方でしょうか。 >>その、とある思想家の方が、ある日、蝶々になって花畑をひらひらと舞う夢を見たんだそうです。 >>起きてから、彼は悩んだそうです。 >>自分が、蝶の見た夢なのか。それとも、蝶が、自分の見た夢なのか、と……」 >>言い終えて、にっこりと笑う。 >>その笑みも、どこかいつもとは違って…… >>そしてどこかで、見たことがある…… >>「怖くありません?この話」 >>「どこが怖いのよ?」 >>問い返すあたし。 >>「だって、こう考えちゃったら怖いじゃないですか。 >>自分が、誰かの見た夢に過ぎない存在なんじゃないか、って」 >>……その言葉が、妙に強く心にのしかかった。 >>「そ……そんなわけないじゃない。ほら、どっかの誰かが「我思う、故に我有り」とか言ったでしょ?あたしは考えてる。だから、あたしは本物。それで証明終わり、よ」 >>「そう言ってる割に、なんかあわててません?リナさん」 >>からかうようなゼロス。 >>……そのとき、あたしは気づいた。 >>いつの間にか、他に誰もいなくなっている。 >>アメリアも。ゼルも。そして、ガウリイさえも…… >>「自分は本当に存在するって、言い切れるんですかね?「莉菜さん」?」 >>ゼロスの姿が、ぐにゃり、とゆがんだ。 >>そして、現れたのは―― >>「もう、朝になるんですよ、リナさん。 >>そろそろ起きないと、ガウリイさんに朝ご飯取られちゃうんじゃないですか?」 >>見覚えのある神官服が、ふわふわと宙に浮いていた。 >>くすくすと笑う声が少し上から響いていて。 >>ようやくあたしは思いだした。 >>さっきからのゼロスの顔。 >>それは、夢の――現実の中の「獣神官ゼロス」の顔だったのだ………… >> >> >>「……あー、すっきりしない……」 >>あたしは、果実ドレッシングのサラダをつつきながらつぶやいた。 >>「どうしたんですか、リナさん?どこか体の調子でも悪いんですか?」 >>アメリアが、あたしの顔をのぞき込むようにして聞いてくる。 >>「ほっとけ。どうせ、盗賊イジメでもして寝不足なんだろ」 >>そう言ってきたのは、ゼルガディス。 >>「昨日は、別に盗賊いぢめには行ってないわよっ! >>そうじゃなくて……ちょっと、夢見が悪くて。それだけ」 >>「ほんとうにそれだけか? >>熱とか、あったりしないか?」 >>ガウリイが、そう言ってあたしの額に手を当てる。 >>「気をつけてくださいよ、夢見が悪いのは風邪を引く前兆、とか言いますし」 >>おばあちゃんの知恵袋的なことを言うのはゼロス。 >>……いつもと、変わりない仲間達。 >>何となく、あたしは安心した。 >>……でも、次の言葉を聞いて、あたしは…… >>「そうそう、夢と言えば。 >>皆さん、こんな話、知ってます?」 >> >> >>目覚めてからが、本当の悪夢。 >> >> >>――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― >>あとがきもどきもどきのようなものを模したもの >>ツリーが落ちる早さにつけ自分の執筆速度の遅さを実感する今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか? >>こんにちは、紫闇影人と申します。 >はじめましてドラマ・スライムと申します。 >>思うように進まない連載に、思わず書いてしまう突発もの第3弾ぐらいです。 >>でも突発もの書いてる暇あったら連載に時間かけた方がいいのはわかってるんですが。ジレンマだなぁ。 >>それはさておき(さておくな)、今回特にわけ分かんないですね。冒頭でネタばればれだし。 >いえ大変わかりやすくて面白いです。 お褒めいただきどうもありがとうです〜。 >>ホラーを目指してみたんですが、どんなもんでしょう? >>一応、設定としては、「リナの夢に魔術でちょっかいかけるゼロス」と言うことにしてます。本文からわかりっこないですが。 >>だから、実はまだ本文終了時点では目覚めてないんです(笑)ゼロスが飽きたら起こしてもらえるでしょう、きっと。がんばれリナ。 >>最後になりましたが、こんな駄文を読んでくださってありがとうございました。 >いえいえ素晴らしい文ですよ。 いえ、私のなんて駄文のきわみですって(汗) ドラマ・スライムさんのお書きになる小説のほうがずっと素晴らしいのですっ! >> >>紫闇影人でした。 >それでは〜 >気が向いたら僕の作品でも読んでみてください。 もちろんよんでますって。 ただレスする勇気がないだけで(超小心者) それでは。紫闇影人でした。 |