タイトル : 裏で手を引く者は何を企む その十七(ゼロスが現れた編)
投稿者 : コウ
投稿時間 : 2009年8月18日12時19分28秒
「いやぁ〜。魔を滅ぼす者………デモン・スレイヤーと呼ばれているリナさんにそう言われると照れますねえ」
と、声が聞こえたのはその時だった。
のほほんとした声をまわりを見ると部屋の隅の方に前から居たかのように当然の顔でその青年が居た。
漆黒の神官服に黒いおかっぱ頭の笑顔の青年だが作り物めいた仮面のような笑顔に鬼太郎には見えた。
「ぜっ、………ゼロス!?」
リナの言葉に全員がおどろく
「どっからわいて来たのよ。このゴキブリ魔族」
「ゴキブリ扱いはやめてくださいよ。」
「じゃ、パシリ魔族」
「それもやめてください!!………て、いうかリナさんからかって楽しんでいませんか?」
「やかましぃ。っと、いうか何を企んでいるのよ。エルって何者よ。
言わないとアメリアの正義の歌を聴かせるわよ。さらに、ミルカディアさんが言っていた魔王も認めた寒いギャグを言うわよ。」
「……どこの魔王が認めたんですか?」
鬼太郎がおもわず質問してしまう。
「エル?って誰ですか。僕としては気がついたらこの世界にいてどうやらこの世界では魔族は長く存在できないみたいでしてね。
存在するための力の固まりを持っている方の言うことを聞かないといけないんですよ。いやぁ〜と、言うわけで倒す手伝いをしろと言われた相手………ゲゲゲの鬼太郎さんを見に来たんですよ。
そしたら、リナさん達が居るんですからおどろきましたね。」
「……僕を倒すといった相手はだれですか?」
鬼太郎の言葉にゼロスはにっこりと笑って
「それは、……秘密です。」
と、言うと姿がかき消えた。
「ゼロスの方は、あんまりやる気はなさそうだったわね。」
「なさそうだったの?」
リナの言葉に猫娘が聞き返す。
「みりゃわかるでしょ。なにしろ手伝いよ。手伝い。
ゼロスにしてみれば自分の力を甘く見られてようなもの………言うこと聞かなきゃいけないと言うことでも十分いらついているんじゃないの?
あいつが無条件で言うこと聞くとしたら………自分を作り出したゼラスかその上の魔王か………もしくは『あれ』だけね」
と、リナはつぶやいた。
丁度その頃その光景を見ているエルは
「あははは。まぁ、ドラゴンのギャグのセンスはどこを作り間違えたのか知らないけれどあれは失敗よね。ん〜〜長生きしすぎるとセンスがずれるのかしら?
魔族は、根本的に感性が違うのよね」
と、エルはパイナップルを食べながら言う。
「まぁ、妖怪もピンからキリまであるけれどあの妖怪はそれほど強力と言えば強力だけど、……ゼロスを従えるほど強い訳じゃ無いしね。」
と、言うとトロピカル・パイナップルジュースを飲むエルだった。
「と、まぁ確かに変わった方々は居ましたね。
でも強力な妖怪では無いですよ」
と、ゼロスは自分を命令している妖怪という存在の悪魔に報告した。
悪魔と言っても、かなり力の弱い存在なのだが一緒についてきた金色の石の力で強力になっている。とはいえ、増幅した力でゼロスを甘く見ているのだが………。
そして、ゼロス……魔族は嘘は言わない。実際リナ達は変わった方々と言うのは本当である。そして強力な妖怪では無いというのも事実だったりする。彼らは人間だから妖怪では無い。ゼロスの得意な嘘ではないが本当でもない、誤解するような言い回しだった。
「けっけっけっけ。本当か。それは安心した。
ゲゲゲの鬼太郎のもつ地獄の鍵も手に入れてこの石も使えばバックベアードにだって勝てるようになる」
と、その悪魔は言った。
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