タイトル : いきなり小説初投稿(ゼルアメで!)宜しくお願いします。
投稿者 : 希 悠
投稿時間 : 2010年10月1日22時34分42秒
はじめまして。こんにちわ。
希 悠と申します。
最近になってふらふらとスレイヤーズ二次創作サイト様を放浪し、皆さんのすばらしすぎる小説とイラストに感化されて、うっかり自分でも書きたくなってしまった未熟者です。
「読みまくれ1」の方でようやく感想を書き込むようになったら、辛抱たまらなくなってついに書いちゃいました。
折角書いたからにはこちらに投稿させていただこうと(無謀にも!!)初小説投稿となりました。
が、何せ初小説、初投稿なのであちこちお見苦しい点があるかと思います。
なにとぞご了承ください。
ちなみに、私はゼルアメ、ガウリナ派です。
メインはゼルアメで、ゼルアメ成立の影にはガウリナは欠かせないよねって感じで考えています。
最近になって急に雨が続き、雨でゼルアメ・・・と妄想していたら思いついてしまったネタで、
ベタなんですがタイトルは「雨降って 地固まる」。
終わってみて全然固まって無いじゃん!と自分でも思いましたが、ゼルアメの第一歩ということで見逃してください。
まずは、軽く状況説明から(笑)
原作風味ゼルアメ(あくまで風味)
どこら辺が原作風味かと言うと、対冥王の後しばらくして偶然再会したというシチュエーションと、「それまではあんましお互いを意識してないよ」という設定らへんです。
ゼルとアメの性格とかも原作に近づけようと頑張って玉砕しました(泣)。
原作15巻終了後くらい、アメリアはデーモン討伐の事後処理もひと段落してそろそろ旅にでも出たいな〜とか考えて城を飛び出しました。
しばらく一人で正義を広める旅をしていると、偶然ゼルガディスと再会。
「ゼルガディスさんについていくと悪に出会う確率が高そうだから」とか適当な理由で一緒に旅をすることに。
小説本編はその後2ヶ月ぐらいしてからの道中が舞台と言うことで。
お互い意識しているけどはっきりと認識はしていない、お互いの気持ちも知らないという状況です。
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「雨降って 地固まる」
その朝、宿のベッドで目覚めたアメリアが最初に思ったことは“体がだるい”と言うことだった。
『風邪・・・ひいちゃったかな?』
思い出すのは前日の自分の行為。
まだ日中は暖かいとはいえ、朝夕は肌寒さの残る季節に自らの不注意で雨に濡れてしまった。
ゼルガディスと共に旅を始めて早二ヶ月。共に旅をしているといっても、人間に戻る方法を探すゼルガディスにアメリアが勝手についてきている状況だ。
それでも二人は同じ宿に泊まるし、ゼルガディスもアメリアに黙って次の目的地に出立してしまう事は無い。もっとも、初めの頃に黙って出立しようとした所を見つかって長々と説教を聞かされたのが堪えたのかも知れないが。
ともかくも二人でこの街に到着して宿を決めると、いつものようにゼルガディスは情報収集に、アメリアは街に蔓延る悪を退治に出かけようとしていた。
雨の続く季節でもあり、空はどんよりと沈んでいた。
「雨具は持っていけよ。今降ってなくとも、すぐに振り出すぞ。」
荷物を部屋に置いて、身一つで宿を出ようとしていたアメリアにゼルガディスはそう言った。
「大丈夫ですよ。すぐ戻ってくるつもりですし、ちょっと位降られてもその辺で雨宿りさせてもらいます。」
アメリアはそう答えて、そのまま宿を飛び出した。
『結局ちょっとどころじゃなくいきなり土砂降りになっちゃって、濡れた状態で雨宿りも無いからって雨の中走って宿まで戻ってきちゃった。』
すぐに体を拭いて着替えたのだが、宿に戻るまでの間に体が冷えてしまったようだ。
アメリアは「はぁ、」とため息をつきながらベッドを降りいつもの旅装束に着替える。朝食を食べたら今日は一日体を休めようと思いながら、宿の食堂へと向かった。
食堂では既にゼルガディスが隅の机で朝食を取っていた。宿の主人にオーダーを言ってアメリアもその机に向かう。
「おはようございます!ゼルガディスさん。」
精一杯元気に聞こえるように挨拶すると、ゼルガディスは目線だけを上げて
「あぁ・・・。」
とだけ言った。
そんなそっけない態度にもめげずにアメリアは向かいの席に座る。すぐに料理が運ばれ、温かいスープを一口啜った。
アメリアの食事が終わり、食後の香茶に手を伸ばすとゼルガディスが唐突に切り出した。
「アメリア。今日の予定は何か決まっていたりするか?」
『今日は風邪気味だから一日寝ている予定』と決めていたが、それを言ったら『だから言わんこっちゃない。自業自得だ。』とでも言われそうだったので特に決まっていないといったら、
「突然で悪いんだが、オレは今日中にこの街を出ようと思う。」
「えぇ?!」
「実は昨日、そこそこ有力な情報を得たんだ。できるだけ早く次の目的地に向かいたい。」
ゼルガディスの目は既に窓の外、遠く目的地を見ているようだ。
一刻も早く出立したいに違いない。きっと出立の準備も万端整っているだろう。
「分かりました。私もすぐ準備します。」
香茶をクイッと飲み干すと、アメリアは急いで部屋に向かい荷物をまとめる。
早くしないとゼルガディスに置いていかれそうな気がした。
時々、いや、しばしばそんな気持ちになることがある。
ゼルガディスはいつだってアメリアを置いて出立することができるのだ。
彼の優しさや律儀な性分で、声をかけてくれるだけ。もしアメリアが行かないと言えば、あるいは足手まといになる状況になったなら、彼はあっさり彼女を置いて行ってしまうだろう。
だから、アメリアはいつだって置いて行かれないように一生懸命ゼルガディスに付いて行くのだ。
いつからだろう。こんなにゼルガディスに置いて行かれることに恐怖を感じるようになったのは。
体は依然としてだるさを主張しており、頭痛もするが無視する。
荷物をまとめて宿の玄関に向かうと、案の定、ゼルガディスは準備を整えて扉の前にいた。
「お待たせしました!さあ、行きましょう。」
外は昨日からの雨が降り続いていた。
さすがに今日はアメリアもいつものマントの上にレインコートをかぶり、フードを目深におろした。
前を行くゼルガディスはいつも通りの白装束。
後ろを行くアメリアを振り返りもせずに歩いていく。けれど、決してアメリアとの距離が開くことはなく、一応は彼女を気遣っていることが伺える。
普段のアメリアなら問題なかった。
今日のアメリアは風邪気味だった。
加えての雨で足元は濡れ、レインコートを被っていても冷えが染み込んで来る。
アメリアは具合が悪化していくのを感じていた。
ゼルガディスも、いつもは小走りになっても横を歩こうとするアメリアが黙々と後ろを歩いていることに違和感を感じ始めていた。
しとしとと雨が降り続く中、やがてゼルガディスの後ろで大きな水音がした。
振り返るとアメリアが道の真ん中に座り込んでいる。顔はうつむき、うかがい知ることができない。
あわてて走りより、顔を覗き込むとアメリアの顔は真っ赤に染まり、目は虚ろにゼルガディスを見返した。
額に手をやると、明らかに熱が高いのが分かる。
「チッ!」と小さいが鋭い舌打ちがゼルガディスの口から聞こえた。そして有無を言わさずにその背中に乗せられたのがアメリアの意識を失う前に認識した最後の感覚だった。
ゼルガディスはできるだけアメリアに振動を与えないように、なおかつできるだけ早く歩き一番近くの村に急いだ。
いきなり怪しい白尽くめ(しかも人を背負っている)に鬼気迫る様子で宿屋の場所を聞かれた村人にかなり不審がられながらも何とか宿の場所を聞き出し、部屋を取った。
(やっぱりかなり怪しがる)宿の人間に頼みこみ、アメリアを着替えさせる女性と医者を手配してもらい何とか一息つくことができた。
ずっと一緒に行動してきたのに倒れるまでアメリアの具合の悪いのに気づけなかったことがゼルガディスは悔しかった。あの舌打ちはその悔しさの表れだった。
『クソッ・・・。何もあんなになるまで黙っていなくてもいいものを。何で出立する前に言わなかったんだ?いや、それでも違和感があったときにすぐに気づいていれば・・・』
心中で悶々と悪態と自責を繰り返しながら、アメリアを着替えさせるという女将に部屋を追い出され、ため息をつきながら隣に取った自分の部屋に移った。
自分もびしょ濡れの装束の着替え、到着した医者と共にアメリアの部屋へ向かった。
ベッドに横たわるアメリアは、息遣いも荒く、ますます症状は悪化しているようだった。
医者が診察中の間ゼルガディスはそのままベッドには近づかず、入り口のドア近くの壁にもたれて苦々しくその様子を見ていた。
医者は何事か小声でアメリアに話しかけながら脈を取ったり、額に濡れタオルを載せたりしている。
なにやら額にひんやりとした冷たさを感じ、アメリアはうっすらと意識を取り戻した。
覚えているのは自業自得で風邪を引き倒れたことと、ゼルガディスの舌打ちの音。
ぼんやりした意識の中で急速に不安感が押し寄せてくる。
『ヤダ・・・・・・ヤダ・・・オイテイカナイデ・・・ワタシヲオイテイカナイデ』
はっきりとしない視界の中に、ゼルガディスの影は見られない。
アメリアはその不安感のままに力の入らない腕を伸ばし、視線をめぐらせてゼルガディスを探す。
誰かに腕を押さえつけられたが、求める腕とは違うことが分かったのでさらに腕を彷徨わせる。
その指先に求めていた冷たく硬い岩肌が触れ、逃すまいとしっかりと握る。アメリアが握るとその岩肌も握り返してきた。
「・・・・・・アメリア・・・・・・」
よく馴染んだ低い、素っ気無いが温かな優しさを含んだ声がその名を呼ぶと、ようやくアメリアは安心することができた。
医者越しにアメリアの様子を伺っていると、なにやら動きがあった。
アメリアが気づいたようだ。表には出さずに“ほっ”と一息つくと驚かせないようにゆっくりと近づいていった。
「あぁ、まだ起きてはいけませんよ、お嬢さん。ゆっくりと休ん
で・・・・・・」
初老の医者が起き上がろうとするアメリアの腕を毛布の中に戻そうとするが、彼女はそれを避けて腕を彷徨わせていた。
今にも泣きそうなアメリアの顔に一瞬躊躇しながらもゼルガディスはその手に自らの手を伸ばす。互いの指先が軽く触れると、アメリアはしっかりと握ってきた。ゼルガディスは思わず握り返し、その熱さに胸の奥が締め付けられる。
「・・・・・・アメリア・・・・・・」
意識しないところで声が出た。すると泣きそうだったアメリアがふっと表情を和らげ、再び眠りに着く。ゼルガディスは握った腕を毛布の中にしまってやった。
医者は彼に数種類の薬とその使い方を教えると、また明日来るといって部屋を去って行った。
二人きりになった部屋の中、苦しそうな息のアメリアの横で彼は頭を抱えて座り込んだ。
「なぁ先生よ。あのお嬢ちゃんの具合はどうだ?」
医者がフロントに出ると宿の主人が心配そうに話しかけてきた。
「なあに、ただの風邪だよ。しばらく休めばすぐ良くなるさぁ。」
医者は人のよさそうな笑みを浮かべて宿の主人に答える。
「なぁ、ありゃ人攫いじゃねぇか?見るからに怪しい男とかわいらしいお嬢さんだぜ。」
「ないない。お嬢ちゃんはちゃんと自分の意志であの男についてきてるよ。」
人のいい医者の脳裏には先ほどの光景がよみがえっていた。気がついて真っ先に連れの男を捜していた少女と心底心配そうな男。無理やりつれられている様子ではない。
「・・・・・・まぁ、駆け落ち者かもしれないがなぁ・・・・・・」
こっそり呟いた言葉は誰にも聞かれず、雨音に消えて行った。
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続きます。
ダラダラと書いていたら長くなってしまった・・・(汗)。
すみません。
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